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フィギュアスケート特集

チャンピオンズオンアイス2006ジャパンツアー仙台公演レポート(2)世界最高峰の魅力

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 COIの魅力は、なんといっても出演者にある。
 世界中にたくさんいるフィギュアスケーターのなかから、ほんの一握りしかいないチャンピオンたちが勢揃いしているからだ。そんな素晴らしいショーは、他ではそう観られないだろう。特に日本では、外国のトップスケーターが勢揃いしているところを観る機会はあまりない。その滅多に観られないショーがついに日本にもやってきた。

 最初に登場した外国人スケーターはイリーナ・スルツカヤ。
 シーズン中より少しふっくらしたようにも見えたが、チャーミングな笑顔をふりまきながら楽しそうに滑る彼女に会場からの歓声がとぶ。『All that Jazz』と『Promise me』の軽快なナンバーは、試合とは違った彼女の魅力を引き出していた。

 次に登場したのは、男性二人組のアクロバットスケーター、ウラジミール・ベセディン&アレクセイ・ポーリクシュク。高いリフトから落とし、氷上スレスレでキャッチしたり、小柄なアレクセイがウラジミールの頭上で片手倒立したり――。彼らのアクトは、華麗で優雅なフィギュアスケートしか知らない人達に、コミカルでアクロバティックなエンターテイメントを教えてくれた。

 そしてヴィクトール・ペトレンコ。引退してからかなりの年月が経っているにも関わらず、彼のスケートは衰えることを知らない。ジャンプのポジションに入ったかと思った瞬間すでに空中にいるジャンプも、いつ軸足をかえたのか分からないほどなめらかなコンビネーションスピンも、現役の頃そのままだ。そこにプロスケーターとしての円熟味が増し、彼を知らない世代のスケートファンにも感動を与えていた。

 ペアはエレナ・ベレズナヤ&アントン・シハルリドゼ組が来仙。第一部では、デススパイラルからスローダブルトウループというアクロバティックな技など、ペアならではの醍醐味を披露。そして、第二部のナンバー『チャップリン』では、シハルリドゼ扮するチャップリンの動きは絶妙だったし、小柄なベレズナヤ扮する少年はとってもキュート。終わった直後に「もう一度観たい!」と思ってしまう、完成されたプロのショーナンバーだった。

 アイスダンスのマリナ・アニシナ&グウェンダル・ペーゼラ組は「さすが!」としか言いようがない。第一部は『スターウォーズ』。ライトセーバーを持ち勇ましく戦っていたかと思えば、後半はジェダイの騎士と王女の物語にぐいぐい引き込む。第二部では緑色のショールを使い、アイスダンスならではのドラマティックな演技を披露。魅力という魔力でリンクを支配していた。

 そしてようやく男子シングルの現世界選手権チャンピオン、ステファン・ランビエールの登場。彼の名前がコールされると、女性ファンの歓声が大きくなる。怪我から復帰したばかりのはずなのに、その影響を微塵も感じさせない演技力。第二部の途中、エントランスですっぽ抜ける場面もあったが、放っておいたらいつまでも回っているんじゃないかと思ってしまうスピンは他者を寄せ付けない迫力があった。

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 アイスダンスのマルガリータ・ドロビアツコ&ポビラス・バナガス組の『パイレーツ・オブ・カリビアン』は、まるで映画を観ているような錯覚に陥る。ジャック・スパロウとウィル・ターナーの決闘シーンから、ウィルとエリザベスのラブストーリーへと移り変わるナンバーは、彼らの演技力なしでは完成しない。細やかなステップワークも競技とはひと味違った雰囲気で見応え充分。

 第二部でやっと登場したのは、スルヤ・ボナリーとサーシャ・コーエン。ボナリーはペトレンコ同様、現役を引退してから8年も経っているとは思えないほど演技にキレがあり、かつて競技後のエキシビションでファンが楽しみにしていたバックフリップも健在! 現役の頃と何の変わりもないボナリーの姿に、昔からのスケートファンも、最近スケートを見始めたファンも、おおいに盛り上がっていた。

 そしてサーシャ・コーエンのナンバーは、トリノ五輪のショートプログラム『黒い瞳』。目の覚めるような青いコスチュームに身を包み、きびきびとしたシャープなスケートを披露。彼女のトレードマークである美しいスパイラルシークエンスには会場から大きな拍手が沸き、軽く180度を超えるバレエジャンプや、お手本のようなポジションのレイバックスピンにはため息が漏れる。この日はこのプログラムのみだったが、いつか彼女がプロスケーターになった時、どんなショーナンバーを披露してくれるのかが少し楽しみだ。

 9月16日(土)、仙台の利府グランディにて催された一夜のエンターテイメントは、一生忘れることのできないショーとなった。来シーズンもCOIがジャパンツアーを開催するかどうかは分からないが、もし来てくれるならば、静岡と仙台のみならず他の都市でも開催し、この素晴らしいアイスショーをたくさんの人に観てもらいたいと願っている。

文/Niki Yamamoto  写真/Sunao Noto


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