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フィギュアスケート特集

チャンピオンズオンアイス2006ジャパンツアー仙台公演レポート(1)荒川静香、凱旋!

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 チャンピオンズオンアイスは、世界のメダリストだけが集まる世界最高峰のショー。これまでは北米を中心に行われていたこのショーが、 ついに日本に上陸した。
 元メダリストと現役メダリストの競演、アマチュアにはないアクロバットスケーティング、生の演奏や歌、陸上でのフラメンコや幻想的なライティング。ひとつひとつが、五感を揺さぶる宝石のようなエンターテイメント。オープニングでは全てのスケーター達が純白の衣装をまとって登場。これから始まる極上のショーへの期待を高めてくれる。

 きらびやかなオープニングが終わり、トップバッターは本田武史。ファンにはおなじみの『アランフェス』の曲にのって、いきなりトリプルアクセル! 登場した時以上の歓声があがる。現役の頃と変わらない、いや、それ以上かとも思われる素晴らしいトリプルアクセルだった。アランフェスの悲哀に満ちた調べに寄り添う、流れるようなスケーティングは、まさに本田武史ここにありといったナンバー。第二部の『レイエンダ』でも軽快なステップやトリプルアクセル、ポジションの美しいスピンを披露し、地元・仙台を沸かせていた。

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 仙台公演でのゲストスケーター・中野友加里は映画『SAYURI』のサントラ『Memories of a Geisha』の曲にのって、伸び伸びと滑っていた。世界一美しいと言われているドーナツスピンも更に磨きがかかり、しっとりした柔らかな動きから、芯のある凛とした動きまで、様々な表情を見せてくれる。記者会見では「まだ振りを覚えきれてなくて、少し不安です……」と、語っていたオープニングやエンディングの群舞でも、キレの良い表情豊かなダンスを披露。これがCOIデビューとは思えないくらい、堂々とした『中野友加里』を見ることができた。昨シーズン自信と演技力を身につけた彼女は、今シーズンも更に成長していくだろう。

 そして荒川静香。
 登場しただけで観客席の温度が急上昇したかのような歓声があがる。
 第一部の『アヴェマリア』は純白の衣装をまとい、軽やかに、透き通った水が流れるかのような美しい滑りを見せた。会場からは、彼女の一挙手一投足にため息が漏れる。本当に美しいナンバーだった。
 そして第二部は『You raise me up』。トリノのエキシビションナンバーだ。
 このナンバーは何度かテレビで観たことがあったが、生で観たせいなのか、仙台という場所で観たからなのか、なぜか色々なことを思い出した。仙台で滑っていた頃からみんなに「しーちゃん」と呼ばれ、あどけない顔をしていた少女が、すっかり大人の女性となり、更にオリンピック金メダリストとして仙台に帰ってきた。トリノ後、メディアにひっぱりだこになっている荒川静香は、おちびさんだった頃から彼女を知る人間にとっては、まるで別世界の住人になってしまったように思えていたが、目の前で滑っているのはまさしくあの「しーちゃん」だ。そう思ったら少し泣けてきた。が、その時はなんとか涙をこらえることができた。
 しかし、アンコールに応えた彼女が登場し、『トゥーランドット』の曲が流れた瞬間――。
 仕事で観ていることを忘れ、つい涙を流してしまった。今や代名詞となったイナバウアーから、3+2+2のコンビネーション。軽やかなステップ、美しいスピンからフィニッシュというトリノの再現。泣くなという方が無理だ。そっと周りを見回すと、誰もが目を潤ませ、ただリンクの中央に立つ荒川静香を見つめていた。プロとなった彼女は、このCOIのツアーに参加することで、人の心を揺さぶるエモーショナルなスケーターに成長していたのだ。
 荒川静香は、プロスケーターとして更に進化する。誰もがそう予感させられるショーだった。

文/Niki Yamamoto  写真/Sunao Noto


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