この特集
この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
この特集は携帯サイトでもご覧いただけます。
モバイル版 Sports@nifty
プロフィール
青嶋ひろの【ライター】
能登直【カメラマン】
お問い合わせや取材依頼は、[お問い合わせ窓口]より受け付けています。
カテゴリー
関連リンク
特集関連書籍
ココログ

ココログ: blogサービス
「フィギュアスケート特集」は @niftyのウェブログ(blog)サービス 「ココログ」で運営しています。あなたもココログ始めてみませんか?ココログ(フリー)は、だれでも無料でご利用いただけます。
ココログって何?
ココログ使い方ガイド

フィギュアスケート特集

エキシビション終了後、浅田真央選手コメント「部屋の掃除もしなきゃ!」

Mao_f6i4660  ――世界女王となって初の演技、いかがでしたか?
真央 一番になると、すごく最後の方で滑るんですよね。いつも滑る前はエキシビションでも緊張するんですけど、「優勝したし、あんまり恥ずかしい演技はできないな!」って、いつもよりすごく緊張しました。でも今日はお客さんも盛り上がってくれたし、ああ、優勝したんだなーって。気持ちを確認しながら滑りました。

――ジャンプの失敗、ちょっと惜しかったですね。
真央 失敗するかなあ、と思ってたら、ほんとに失敗しちゃいました(笑)。フリーで転んだところは大丈夫です。痛みはもうないし、意外とスムーズに動けました。

――昨日は男子の試合も見に来ていましたね。
真央 男子のフリー、見ました! 女子の方が早く終わる大会は久しぶりだったので、男子の試合をゆっくり見るのも久しぶり。自分が滑るみたいにに緊張して、見ていてすごく力が入っちゃいました。

――これでやっと、世界選手権も終わりました。
真央 はい、エキシビションが終わらないと試合も終わった気がしないんです。だからこれで、すべて終わりきった! って感じ。今思えば、早かったなって思います。日本に帰るのが楽しみです。日本に帰ったら家でエアロとこまちとティアラに会って、あと、部屋の掃除もしなきゃいけない! それからおいしいもの、食べに行きたいです。

――練習はしばらくお休みできますか?
真央 すぐにジャパンオープンが始まるので、あんまり休めないです。でもしばらくはリラックスしながら、ストレスを感じない練習をしたいと思います。

――少し早いですが、来シーズンに向けて、力を入れていきたいところは?
真央 まずジャンプ、特にルッツで加点をもらえるように、質を上げていきたいです。もちろん他のジャンプも。もうひとつ、次のシーズンは表現や表情の面をがんばってみたいです。ローリーにもタチアナにも(振り付け師のローリー・二コルとタチアナ・タラソワ)言われてるんですけど、表情は鏡を見たりして、自分でも研究して。ジャンプの質と表情、そのふたつで上手くなることを目標にしたいです。

――コーチは未定とのことですが、振付師はどうですか?
真央 ローリーとタチアナ、両方にお願いするのはたぶん変わらないと思います。今シーズンは、タチアナの作ってくれたショートの方が難しかったかな。自分のイメージにはない感じ、大人っぽいスローな曲で最初は試合でも苦戦したし。ローリーの作ってくれたフリーはテンポの速い曲で、得意な音楽です。楽にプログラムになじめました。

――これで、オリンピックまであと2年、となりましたが。
真央 2年、まだまだあるので(笑)。オリンピックまでに毎年毎年、上達できるようにがんばって、オリンピックで最高の演技ができるようになれたらいいなーと思います。

――ところで今日のヘアスタイル、素敵ですよ。
真央 あ、これ、この会場でタダでやってもらいました(スカンジナビウム内にあるメイクアップサロンの宣伝ブース。誰でも無料でセットをしてもらえるサービスがあった)。

――彼(某新聞記者)も真央ちゃんと同じところでセットしてもらったんですよ!
真央 え、本当ですか? 記者の人、ふつうはそういうことしないですよね? えー、すごーい(記者の方を興味深げに見て)あっ! もしかして選手だと思われたのかもしれないですよ!

 今シーズンは、世界中どこに行っても浅田真央の人気に驚いた一年だった。
 彼女の愛らしさ、純粋さ、素朴さは、どんな精神文化を持った人にも伝わる魅力なのだと、改めて感じる。共同インタビューでも、質問した記者の方にきちんと顔を向けて話してくれるし、がんばって真央ちゃんの記事書くぞ! という気持ちに、みんなをさせてしまうのだ。
 
photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
*写真はエキシビションオープニング。リボンを持って登場する浅田真央選手


| 固定リンク | トラックバック (111)

女子シングルフリー、安藤美姫途中棄権 「見せられなかったカルメン」

Miki_12e5990  プログラムを大事にするスケーターが好きだ。
 ただ漫然と、与えられた音楽で与えられた振り付けをこなしていくのではなく、コリオグラファーや作曲家が作り上げた世界に真剣に向き合う、そんな姿勢を持つ選手は、必ず「この選手といえば、これ」という名作を残すことになる。
 フィリップ・キャンデロロや村主章枝、アニシナ&ペイゼラなど、人々の記憶に残るプログラムをたくさん持つスケーターは、プログラムに対し常にそんな向き合い方をし、「何を見せるべきか」を真剣に考えて滑り続けたのだろう。

 安藤美姫は、小さなころ門奈コーチが作ってくれた1分のプログラムを、今でも滑ることができるという。シングルジャンプや、易しいスピン、ステップ、かわいらしい振付けをそのまま、今の女性らしい身体で滑って見せて、門奈コーチをずいぶん喜ばせたと聞いている。
 今年、世界選手権直前にショートプログラムを変えたことに対して、「不調の証拠」と捉えた人もいるようだが、それは違う。より、自分の心を入れられるプログラム、より、自分の滑りにフィットするプログラムは何かをしっかり考え、安藤美姫は今季の「サムソンとデリラ」より、先シーズンの「シェラザード」を選んだのだ。
 シニアに上がってからの彼女は、昨年をのぞいてすべてのシーズン、途中でショートまたはフリーのプログラムを変更している。それもほとんどが、シーズン最後の最大の試合の前だ。器用な選手は、もっと早い時期に変更を決断し、余裕を持って世界選手権などに臨もうとするだろう。でも安藤美姫は、なんとかその音楽や世界観に自分をなじませようと最後まで努力し、「やっぱりだめだ……」と思うまで真剣に向き合うのだ。ひたむきな、恋愛に似た付き合い方を、彼女はプログラムとしているように感じる。

 そんな彼女にとって、今季のフリー「カルメン」は、「安藤美姫といえば、カルメン!」と言われる可能性を持ったプログラムだった。「ニコライが、美姫のいいところをほんとうにうまく引き出してくれた」と、門奈コーチもお気に入りの、チャーミングで、強くて、凛々しいカルメン。
 最高の演技を見せた全日本選手権では、そこにいるのは安藤美姫ではなくカルメンで、またビゼーのカルメンそのものではなく、安藤美姫の解釈した彼女なりのカルメンだった。自分の演じたい主人公を、自分で探そうとする彼女が、真剣に丁寧に、彼女らしく作り上げた「カルメン」だ。

 世界選手権フリー、ふくらはぎに負傷を負いながら、演技前の棄権を決断しなかったのは、前世界チャンピオンとして最後まで試合を全うしたい気持ちがあったためだろう。その一方で、大事にしてきたあのプログラムを世界選手権で滑りたい、そんな思いもあったのではないだろうか。
 サルコウの転倒という普段ならありえないミスをして、痛みで演技が続けられなくなたっとき。
 安藤美姫が、大事にしていたカルメンの姿で涙を見せ、カルメンを見せることができずにリンクを去っていったのが悲しい。
 これからオフシーズンに入り、今回の負傷や以前から傷ついていた右肩の手術も控えているため、しばらくは元気な安藤美姫を見られないかもしれない。
 でも、ケガを直して、気持ちも立て直して、また氷の上に立てるようになったとき。もう一度「カルメン」を見せてくれたらうれしい。真剣に向き合った「カルメン」に、いつか安藤美姫自身で、もう一度。命を与えて見せてくれたら、うれしい。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (59)

南里康晴選手、社会人スケーターへ

Yasufukuya_mg_8563  今年で中村学園大学を卒業する南里康晴選手。4月からは辛子明太子の老舗「ふくや」への就職が決まり、社会人選手として競技生活を続けることになっている。試合後のインタビュー取材時には、かわいらしい明太子があしらわれた「ふくやジャージ」も披露。企業所属選手としての意気込みを聞いた(フリー後の共同インタビューより)。

――ふくやさんからオファーがあったのはいつごろですか?
南里 国体が終わった後くらい。2月ですね。

――所属選手に、という話を聞いて、いかがでしたか?
南里 うれしかったですね! 大学の友達みんな、就職活動をしていて、「決まったよ!」なんて電話もよくもらっていたから。僕はそういう活動もせずにスケートの練習を続けていて、4月からは特に何の変化もなく、ただ練習を続けていくのかな、となんとなく思っていました。そこにこうしてサポートしていただけるお話をいただいて、みんなと違う形だけど就職が決まった。友人たちも一緒に喜んでくれました。

――社会人選手として、どのような形で選手生活を送る予定ですか?
南里 まだ詳しいことはわからないですが、オフシーズンは昼ごろまで会社に出て、お手伝いさせてもらって、それから陸上トレーニング→氷上練習、という毎日になると思います。日本に帰って、会社に世界選手権の報告をして、いろいろ話を聞いてくるつもりです。

――もしこの話がなかったら、どんなふうに選手を続けるつもりでしたか?
南里 バイトしながら、スケートを続けるつもりでした。両親には苦労ばかりかけているので、少しでも自分で稼ぎながら続けたい、と。だからこんないい話をいただいて、すぐに首を縦にふったんです(笑)。

 フィギュアスケート選手にスポンサーがついたり、社会人選手として競技が続けられたりすることなど、ほんの数年前には考えられなかったこと。スケートブームでこのスポーツに関する様々なことが、ここ数年で大きく変わったが、こうした朗報は本当にうれしい。
 これまでも荒川静香さんや村主章枝選手、安藤美姫選手らが企業のサポートを受けてきたが、南里選手や昨年から邦和スポーツランド所属の鈴木明子選手らは、新しい形での社会人スケーターの先駆けとなる。
 自らの手でつかみとったサポート環境。年齢的にはベテランの域に達する彼らだが、こうしたシステムを次の世代につなげて行けるかどうか、彼らのがんばりに期待したい。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 

*南里康晴選手へのインタビュー&スペシャル対談は、4月発売予定の別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~に掲載予定です


| 固定リンク | トラックバック (47)

女子フリー終了後 中野友加里選手コメント 「すべてを出し切った達成感でいっぱい」

Yukarifs_12e7231 ――フリーが終了しましたが、演技終了直後の気持ちと、結果が出た今の気持ちはいかがですか?
友加里 終わった瞬間は、すべてを出し切った達成感でいっぱいでした。もちろん、メダルを取れなかったことは残念です。でも、先生も「上出来、上出来」「何も言う事はない」と。やっぱり、先生や家族の喜ぶ顔が見られてうれしいです。

――ご家族にはもう会えたんですか?
友加里 いえ。でも観客席のどこにいるかはわかるので、顔はよく見えて。

――フリーは最終グループ最終滑走という大変な状況で、最高の演技を見せてくれました。
友加里 最終グループの選手への声援、待っている間にも、ものすごく大きく聞こえました。だからできれば、前の方の順番を引きたかったんですけれど……それは言ってもしょうがないですし! 先生も「何も聞こえない、何も聞こえない」と繰り返し言ってくださって。

――滑ってみると、自分への声援はさらに大きかった?
友加里 お客さんの声が後押ししてくれたし、今日は皆さんの声援がほんとうにはっきり聞こえるほど、落ち着いて滑れました。これだけの声援がもらえて、すごくうれしいです。

――今日のこの滑りは、来季につながりますね。
友加里 はい。でも今日はトリプルアクセルをちょっと怖がって緊張したことで、スピードを抑え気味だったかな。まず反省したいところは、出し切れなかったスピードです。それから全日本選手権から3か月空いてしまって、緊張の持って生き方も難しかった。この経験も、今後に生かせたら。他にも、今日は各国の選手たちのスコアを見ていますし、いろいろ勉強になりました。来季に向けて、他選手にあって私にないものを探して、また練習を積まなければ。

――3回転-3回転の練習も続けていますね。
友加里 今日の朝の練習でも跳んだんですが、ダウングレードの可能性があるから跳ばないでおこうと、先生と決めました。来季はぜひ。また、厳しい戦いになると思いますが……。オフシーズンも準備は怠らないようにしたいです。

 達成感と悔しさがないまぜになって、かえって淡々と話してくれた演技直後の共同インタビュー。2日後、髙橋大輔選手との対談では「4位が一番悔しい!」「むしろ5位より悔しいんですよ!」とふたりで口をそろえて熱く語ってくれた。悔しさをバネにさらに美しくなる、来季の中野友加里により一層の注目を!

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (49)

男子フリー終了 小塚崇彦8位、総合8位「初陣の香気」

Taka_f6i2984_2 「絶対3枠を取ってきます!」
 小塚崇彦が四大陸選手権後、力強くそう宣言してくれた時。
 今は、そう言い切ってくれる気持ちさえあれば、それでいいな、と思った。
 自ら口に出してまで宣言してくれたのだから、たとえ3枠を、2番手である小塚崇彦のせいで逃してしまったとしても、彼の健闘をたたえよう、と。
 今シーズンのグランプリシリーズや四大陸選手権での成績を考えて、そんなことを思ってしまっていたことを、今は彼に謝らなければならない。
 小塚崇彦は、宣言通り男子の3枠を掴み取ってきた。そして、彼自身と日本男子の、さらなる可能性を世界に見せつけてくれた。

 小塚崇彦、イエティボリでの4分30秒。まずいつものように、60×30メートルの隅々までが自分の場所だと確かめるように、大きく、素晴らしいスピードでリンクを一周する。
 最初のジャンプは惜しくも3回転-1回転。でも続くトリプルアクセルに、3回転トウをつけて3回転-3回転を挽回!
「3-3のコンビネーションは、できれば最初に決めたかった。それが抜けてしまったので、やむを得ずトリプルアクセルに3をつけました。昨日、3-3が3-2になってしまったことで、今日は絶対3-3! って気持ちがあって。どこで跳ぶか、もう、迷ってる場合じゃなかったです」
 ほとんど練習していなかったというアクセルからの3-3に続き、もう一本のトリプルアクセルも成功! これはすごい! 体も昨日のSPに引き続き、のびのび動いている。
 小塚崇彦は、表情や手の振り付けなどではなく、ブレードに感情をこめて滑るタイプのスケーターだ。まだまだ笑顔は硬いし、氷上で物語を語ったり、風景を描いたりしたりする術も、まだ知らない。でも、今は派手な表現ができなくても、ここまで自在に氷をつかむスケートがあれば――これから自分の表現手法やスタイルを見つけた時、スケートで見せたいものが見つかったとき、どんなにダイナミックな演技ができるかを、ジャッジもよく知っている。期待の表れは、高いスコアにもしっかり表れた。
「でも今日は、コンビネーションをどこで跳ぶかを変えたので、ジャンプの構成を考えなおすことに気持ちが行ってしまった。そのことで、身体の呼吸が少し乱れたかもしれないです。演技への集中が最後の方、少し途切れてしまった……」
 そんな戸惑いなど、見ていて気付かないほどスケートは良く滑っていたはずだが、ジャンプは3-2-2、続いて今シーズンずっと失敗していたトリプルループと決めて、いいぞ、このまま! と思った矢先。トリプルサルコウ転倒。続くトリプルルッツも転倒……。
 あまりにも、初陣ながらSPで好位置につけた選手らしい試合展開、だったかもしれない。
 タカヒコいいぞ、行け、と、昨日彼を覚えたお客さんもみんなが彼の滑りを喜んで、残るジャンプもあと少し、もうちょっとだ! と思った矢先の、ふたつの転倒。
 あまりにも若い、これからの選手らしい失敗だ。
 演技を終えると、小塚崇彦は天を仰いで、キッと唇を噛みしめた。その姿がまた、あまりにも「これからの若者」らしくて、スカンジナビウムの観客たちは微笑みながら、心から暖かな拍手を彼に送った。

「ます、2本転倒したことがすごくくやしいです」
 演技後、ミックスゾーンにやってきた小塚崇彦は、報道陣を前にまず深々と、本当に深く頭を下げて、「ありがとうございました」と静かに言った。そのあとに、苦手でも何でもないジャンプを転倒した悔しさをゆっくりと口にした。
 彼自身が、一番悔しいだろう。でも、彼には悪いが、会場のお客さんも、記者も、彼自身ほどはこの転倒を悔しがってはいないのだ。それはもちろん、年齢的にも資質的にも、明らかに小塚崇彦はこれからさらに伸びるスケーターだし、この悔しさを挽回するチャンスがいくらでもあることを知っているからだ。
「世界選手権、簡単じゃないってこと、すごく実感しました」
 そう、このくらいの苦い思いこそが、きっと次に繋がる力になる。
 それに、ふたつも転倒があったというのに、134.24という得点、8位という順位。
 これは、クリーンに滑ればトップスケーターに仲間入りできる結果だったということ。来年の出場枠3も、彼の活躍のおかげで見事にキープした。
 小塚崇彦、これから行けるじゃないか! たくさんの人が日本男子のこれからに、明るさを感じたはずだ。
 今持てる力は見せられて、ジャッジからの評価も得て。
 でもふたつの転倒で、悔しさと大舞台の怖さも知って。
 小塚崇彦はイエティボリで、得られるはずのもの、すべてを得た。
 19歳。最高の、世界選手権初出場だ。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 

*小塚崇彦選手へのインタビュー&スペシャル対談は、4月発売予定の月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムックに掲載予定です


| 固定リンク | トラックバック (23)

世界選手権2008―戦いすんで

Snfp1000659  エキシビション終了後。
 取材を受けにプレスセンターに来ていた日本の南里康晴選手、小塚崇彦選手が、地元スタッフの皆さんにせがまれて、今大会イメージポスターの前で記念撮影。すべてが終わってホッとしていたのだろう。ポスターにフィーチャーされたクリストファー・ベルットソン選手のポーズを真似して見せて、イエティボリのスタッフたちは大喜び。そこにやってきたのが、当のベルットソン選手! さらに取材を終えた高橋大輔選手、中野友加里選手も加わり、みんなそろってこのポーズ!Ydp1000656

 下はスペシャル対談に応じてくれた髙橋大輔&中野友加里の同い年コンビ。仲の良いふたりのトーク&笑顔のオフショットは4月発売「月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムック」にて! 

text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (44)

最後の宴 エキシビション練習レポート

Exp_12e2564  4つのカテゴリー、すべての勝者が決まり、今日はついに世界選手権最終日。

 5位までに入った選手たちは朝10時から再びメインリンクに集まり、最後の宴、エキシビションの練習に励んでいた。

 やはりお疲れ気味なのは、昨日試合を終えたばかりの男子シングルの選手たち。 初めてのメダルを獲得したジョニー・ウィアー選手などは、お気に入りのロシアチームジャージ姿でご機嫌の様子だったが、残念な結果に終わった高橋大輔選手、ステファン・ランビエール選手らは、少しだけ元気がないように見えた。 しかし個人の練習が一段落し、全員で滑るフィナーレの練習に入ると、どの選手たちも写真のような楽しげな笑顔に。

 フィナーレでは選手たちが揃ってシンクロナイズドスケーティングに挑戦することが多いのだが、スウェーデンはなんといっても、シンクロの本場。世界チャンピオンチーム、チームサプライズの指導者による本格的な指導が始まった。 写真はたくさんの選手が手をつないで数本のラインを作り、風車のようにくるくる回る陣形「ウィール」の練習風景。世界のトップスケーターたちといえど、最初は足並みがそろわず、ラインはうねうねと不格好に動いてしまう。

「あなたたちがやると、まるでスパゲティみたいね!」と、指導者の女性は大笑い。「こんなふうにやるのよ!」チームサプライズの面々がお手本を見せると「おおっ!」とトップスケーターたちもしきりに感心していた。 練習はさらに進み、今大会のシンボルである濃いピンクのリボンを皆が一本ずつ持ち、得意のスパイラルやリフトを見せながら、リンクを横切るパートに。

 開会式でチームサプライズが華麗に操っていたこのリボン、実は扱いがなかなか難しい! 器用そうな選手でも、くるくるとかわいらしく回したり、鮮やかになびかせたりとはいかないようだ。特にリボンの扱いにこだわって練習していたのは、ジョニー・ウィアー選手と、髙橋大輔、浅田真央、中野友加里の3選手。日本勢は3人で輪になって、しきりにリボンの振り方を研究していた。 もしフィナーレで美しいリボンさばきが見られたら、本当に短い時間の特訓の成果だと思ってください。

photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (49)

男子フリー終了 南里康晴17位、総合19位「たどり着いた場所、待っている場所」

Yasu_f6i2515_2  初めての世界選手権、フリーでの演技終了後。 南里康晴はいつになく饒舌だった。

「6分間練習の調子が良かったので、アクセルへの不安はそれほどなくて。でも『昨日みたいなことになったら……』という気持ちはやっぱりありました。そういう状態で2本のアクセルが決まったので、今度は気持ちにゆるみが出てきてしまった。アクセル2本、きれいに入ったのは今シーズン初めてです。それでうれしくなって(笑)、ゆるんで、他のジャンプでステップアウト。また焦って、またその後、立て直して……」

 ひとつひとつのジャンプ、その時のひとつひとつの気持ちを、口に出して確認せずにはいられなかったのだろう。そこにいるのは、昨日までの落ち着いた南里康晴ではない。今日は、大きな試合を精一杯やり遂げた高揚感でいっぱいだ。

 しっかり氷をつかんで跳ぶ二本のトリプルアクセルも、たくさんのターンと大きな体の動きでホセの雄々しさを表現するステップも、呼吸を制御しながら複雑なポジションで回るスピンも。すべてを彼は、この場所に立つために、必死になって身につけてきた。全日本選手権で3位までに入って、世界選手権代表権を獲得するため。そのためだけに一年間、すべての気力を氷にぶつけてきたのだ。

 世界選手権に出るために得たたくさんのものを、こうして世界選手権で見せられる喜び。彼は全身で感じながら「カルメン」を滑りきった。ミスは少なくなかったが、今期のベストスコアも更新できた。

「会場の雰囲気も良くて、変なプレッシャーを感じず、伸び伸び楽しめました。全日本は楽しむよりも『やらなきゃ!』の気持ちが大きくて辛かったけれど、世界選手権は違う。楽しめる場所でした」

 しかし来シーズン、彼がもう一度ここに立つためには、またさらに多くのものを得なければならない。今回出場のならなかった織田信成は、海外でいい練習を積み、着実に進化しているという。今シーズン、最後まで南里康晴と競ったベテラン、中庭健介だって黙ってはいない。後輩の柴田嶺や無良崇人も、さらに伸びる可能性を持っている。彼が楽しんだこの場所に、「次は俺だ!」と、たくさんの優秀な選手たちが次に立つことを狙っているのだ。

「そうですね。来シーズンも、自分にとって試練の一年になると思います。今年のように自分のやるべきことを全部やっても、相手の方が上だったら……負けてもしょうがないという気持ちになるかもしれない。でも、黙って追い越されるわけないは行かないです。逆に自分が上を追い越せるように、努力するしかない。大きな試練だけれど、それを乗り越えたら、この舞台が待っていてくれるって、わかりましたから。頑張りがいが、あります!」

 南里康晴の「カルメン」は、最後の瞬間、ホセが自らの命を絶つイメージだと聞いたことがある。でも今日、氷上のホセは最後のポーズで差し伸べた手を、荒い呼吸に苦しみながら、長い時間、宙に保った。伸ばされた手は、しっかりと守る人々の目に焼き付いた。

 あの手は、誰に差し伸べようとしていたのだろうか? 何を得ようとしていたのだろうか? 恋に破れたホセではなく、世界選手権で何かを得た南里康晴が、さらに先にいる誰かの後姿をつかもうと、さらに欲しい何かを得ようとしている姿に見えた。

photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima 

*南里康晴選手へのインタビューは、4月発売予定の月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムックに掲載予定です


| 固定リンク | トラックバック (10)

男子フリー終了 髙橋大輔6位、総合4位 「諸刃の剣」

Dai_f6i3505_2  なぜ、こんなに強くなったの? 
 なぜ、今回負けてしまったの? 
 まったく異なるふたつの問いかけに、今、髙橋大輔が答えるとしたら、その答えはまったく同じになるだろう。
「勝ちたかったから」

「勝ちたい!」
 そう思う気持ちが、彼を強くした。
 トリノ五輪の前後、国際試合の表彰台に手が届き始めたころから、彼は「すべての試合で優勝する」ことを常に目標にしてきたという。「たとえプルシェンコがいたとしても」そう付け加えた時もあった。もう、誰にも負けたくないから、練習にも集中したし、4回転ジャンプも跳べるようになった。強さの源は、試合の結果やライバルを強く意識する、熱い闘争心だったのだ。
 しかし今回は、勝ちたい気持ちが彼の足元をすくった。「絶対優勝したかった。その思いが大きすぎて……気持ちばかりが前へ、前へと先走ってしまった」。彼は泣いたあとの顔をゆがめて、歯噛みした。

 試合前のインタビューでも前面に出された、積極的にライバルの存在を口にし、自らを高めようとする髙橋大輔の闘争心が私は好きだ。「自分の演技をしたい」ではなく、「戦って、勝つ!」という気持ちを堂々と口に出す彼は、アスリートらしいし、男らしい。
 しかし今回は、他者を気にしすぎて、必要以上に緊張して、本来の力が発揮できなくなってしまった。「勝ちたい気持ち」は、諸刃の剣なのだ。
 こんなことになってしまうのなら……多くの選手が言うように、人を気にせず、結果を気にせず、「自分の納得する演技」を目指した方がいいのだろうか? たとえばランビエールの言うように「勝つためではなく、自分の芸術を見せること」を一番に考えたり。日本の女子選手たちが言うように、「人に勝つのではなく自分に勝つ」ことを考えたり。髙橋大輔にも、意識改革が必要なのだろうか?

 今回の彼のコメントで一番印象的だったのは、ずっと調子の悪かった4回転ジャンプをなぜ一本にしなかったのか、という質問への答えだ。今大会、上位陣で4回転ジャンプをクリーンに決めたのは髙橋とジュベールだけ。2本以上決めた者は、誰もいなかった。ジュベールでさえ安全策を取り、トライしたクワドは一本。ジャンプ以外にも高い加点が得られる髙橋ならば、4回転もトリプルアクセルも一本に抑え、クリーンにプログラムをまとめたら、確実にメダルには手が届いていただろう。モロゾフコーチも、4回転は一本にすることをすすめたという。
 しかしシーズン最初に、「勝つために」設定した目標通り、2本のクワドを跳ぶことを、彼は選択した。その理由は「逃げたくなかったから」。
 ここまでの「負けたくない!」気持ち、むき出しの闘争心。本当に素晴らしいと思う。
 もう、こうなったら、彼はこのままで、いいのではないか。ライバルを認め、ライバルを強く意識する。勝つためならば何でもする。やはりそれが、髙橋大輔の強さだ。この強さをとことんまで磨き抜けば、いつかきっと、彼の諸刃の剣をも使いこなせるようにしてくれる。

 フィギュアスケートは、やはりスポーツだ。髙橋大輔自身も、「今、男子シングルはものすごく面白いですよ。トップクラスに個性の強い選手がたくさんいて、それぞれの力が、近い」。それぞれの違った魅力を楽しんでほしい、そして、誰が勝つかわからない試合の行方を楽しんでほしい、と、彼は大会前のインタビューで語った。
 彼の言うとおりだ。フィギュアスケートは、勝負がつくからこそ面白い。強く美しい選手たちが、「勝ちたい!」思いでぶつける、技と美を楽しみたい。自分の芸術を見せるためでなく、勝つために本気になる男たちを見たい。
 バトル、ジュベール、ウィアー、髙橋大輔、ランビエール、ヴェルネル、ライサチェク。そしてこれから伸びてくる、たくさんの選手たち。男子シングルがたまらなく面白かった時代の選手たちとして、確実に後の時代に語り継がれる男たちだ。彼らの意地と誇りをかけた戦いは、バンクーバーまで、まだまだ続いていく。
 髙橋大輔には、技も、美も、強い心も、すべてで先頭を切って。この時代を駆け抜けていってほしい。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 

*髙橋大輔選手へのインタビューは、発売中の週刊ザテレビジョンに掲載されています。4月発売予定の月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムックにも掲載予定です


| 固定リンク | トラックバック (30)

男子シングルSP終了、髙橋大輔3位 「白鳥の湖」、終演

Daimma_5154s  間違いなく今シーズンのフィギュアスケートシーンを代表するプログラム、ヒップホップ「白鳥の湖」。
 その、試合では最後となる滑りを生で見ることができる幸せを、髙橋大輔をよく知る日本のファンは、噛み締めていた。でもそれは私たちだけではなく、スカンジナビウムに集ったたくさんのお客さんも、同じだった。

 北米や日本で開かれる世界選手権とヨーロッパ開催の世界選手権の大きな違いは、客席でありとあらゆる国の国旗がたくさん揺れていることだ。アジアやアメリカではどうしても、やって来られる国の人々は限られている。でもスウェーデンなら、フランスからも、イタリアからも、ドイツからも、もっと小さな国々からも、たくさんの人々が集う事が出来る。そして集まったスケートファンは、各国の旗を盛んに振り、自国選手や近しい国の選手に大きな大きな声援を送る。もちろん、とびきりお客さんが力を入れて応援するのは、ヨーロッパ各国の選手たちだ。
 これは、髙橋大輔にとっては予想以上に厳しい、アウェイの戦いになりそうだ――ペアや女子の試合を見て、そう感じた人は多い。これは、一つのミスでも足元をすくわれる、完璧にやり遂げなければ、並みいるヨーロッパのライバルたちに勝てないだろう、と。

 しかし髙橋大輔に限っては、そんな心配は杞憂だったのかもしれない。
 ヒップホップ「白鳥の湖」――ちょっと気合を入れてフィギュアスケートに注目している人ならば、誰もが知っている名作になってしまったこの作品が、今日スカンジナビウムで「上演」されることを、多くの人が知っていた。彼の演技が始まろうというとき、明らかに「あれが来るぞ!」という期待に満ちた雰囲気が、すでにできあがっていた。
 そして、トリプルアクセルのハンドダウンという失敗がありながらも、リミッターが解除されたように激しい後半のステップシークエンスや、氷の上にいることを忘れさせる自由自在な彼のダンスに、スタンドを埋め尽くしたすべての人が大喜び! 
 拍手や歓声の大きさだけでなく、ミスがありながらも3位という得点の高さに、ジャッジもまた彼の「白鳥の湖」を楽しんでくれたことがわかった。ここは、髙橋大輔にとってアウェイなどではなかったのだ。会場もジャッジも、高橋大輔の味方で、彼のファン。そして試合が始まる前からこの場所を彼の舞台にしていたのは、他の誰でもなく髙橋大輔と、彼の「白鳥の湖」。他の何でもなく、今年、この素晴らしいプログラムをひとつひとつの試合で滑り続け、スケートファンを楽しませ続けてきたことだ。

 昨年あたりから、髙橋大輔は世界のトップスケーターとして、誰もが認める存在になっていた。
 しかし彼の存在を世界のスケートファンにはっきりと印象付けたのは、今年のショートプログラム「白鳥の湖」だろう。
 素晴らしいのは、このプログラムを生み出したニコライ・モロゾフのアイディアと想像力。そして「最初は乗り気じゃなかった」のに、完璧にひとつの作品に作り上げた髙橋大輔の技術と心と努力だ。
 07-08シーズン、世界中、どのアイスリンクでも、どんな観客にかこまれても、「白鳥の湖」は必ず人々を熱狂の渦に巻き込んだ。今シーズンの国際試合、国内試合、合わせて6試合、すべてでそれをやり遂げたことに、最大の賛辞を髙橋大輔に贈りたい。
 そしてもう二度と、試合の場で「白鳥の湖」を見ることが、私たちにはできないことが、たまらなくさびしい。
 こんなプログラムが、かつて氷上に存在しただろうか?
 
photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (29)

男子シングルSP終了、南里康晴20位 22歳の初陣

Yasumma_3849s  公式練習でも、滑走順の抽選でも、オフアイスでも。
 イエティボリで会う南里康晴は、いつも穏やかな表情で、落ち着いて見えた。
「世界選手権、スゥエーデン……絶対に行きますよ」
 夏の日本代表合宿のころから、ひたすら目標にしていた場所に来て、もっと高揚していても、もっとそわそわしていてもいいはずなのに。いたって普通に、普段どおりに、飄々とした雰囲気で北欧の街にいる彼を見るのは、なんだか不思議だ。まるで世界選手権ではなく、福岡の街を歩いているように、興奮するでもなく、不安に陥るでもなく、いつもの南里康晴がそこにいる。

 ショートプログラム後も、「もちろん少しは緊張しましたよ。でも、全日本のフリーの時のようなガチガチではなかったです」と、落ち着いたもの。同じ滑走グループに、ベルットソンとシュルタイス、ふたりのスェーデン人がいて、客席は6分練習から大歓声が場外にも聞こえるほどのお祭り騒ぎだった。そんな雰囲気さえも、「盛り上がりぶりに、最初は『すごいなあ』と驚いたけれど、滑っているうちに『気持ちいいなあ』と思えてきました。滑っている間も、声援に後押ししてもらった気もします」と振り返る。
 初めての世界選手権とはいっても、彼も大学4年生、22歳。ジュニアでもシニアでも、国際試合を何度も経験し、歩みは遅くとも、立ち止まったり後戻りしたりすることなく、ひたむきにフィギュアスケートに打ち込んで、今、ここに立っている男だ。
 唯一、「跳ぶ瞬間、きのうの真央のアクセルが頭をよぎって」、得意のトリプルアクセルがシングルになるミスは痛かった。しかし、「アクセルが抜けた瞬間、リンクサイドの先生の顔をちらって見ました。そうしたら先生も『ああっ』て顔をしてた(笑)。でも、この先はちゃんとやらないと! って気持ちにすっと切り変われたから……最後までスピンもステップも、しっかりできたと思います」
 やはり南里康晴、落ち付いている。この精神状態なら、もしもアクセルのアクシデントがなければ、かなりのいい結果が出たのではないか、と思った。
 そしてフリーも、この調子ならば期待できるのではないか、と思う。
 SP「月光」のサーキュラーステップでは、クラシック曲ながら手拍子が自然に、静かに、客席から湧きあがった。初めての大きな舞台でも自分を見失わず、彼がやるべきことをショートプログラムでやりとげた証しだ。
 明日のフリー、「カルメン」では、さらに落ち着いて、大観衆の熱狂を、さらに心地よく感じて。
 ひとつずつ階段を上ってたどり着いた世界選手権という舞台を、彼ならばきっと楽しんでくれると思う。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (13)

男子シングルSP終了、小塚崇彦8位  滑りの申し子

Kodukamma_5564s  やっと、見たかった小塚崇彦が見られた! 
 そんな満足感でいっぱいにさせてくれたSP、「キャラバン」だった。 
 滑り出しから、誰よりもスムーズで素晴らしい一歩を、彼のスケート靴は、すーっと踏み出す。
 タカヒコ・コヅカ? 知らないなあ、と思っていたお客さんも、きっとこの一歩目で「おっ?」と目を見張らずにはいなかっただろう。それほど、滑りそのものに人の目を奪う力が小塚崇彦にはあるし、今日の彼の滑りはことさらだった。
 ジャンプも、3回転-3回転が3-2になってしまったけれど、トリプルアクセル、トリプルフリップとともにOK。特に3つ目のフリップをタシーンと軽く、力強く決めた後は、右手で小さくこぶしを作り、笑顔の佐藤久美子コーチの前を「やった!」という氷上で駆け抜けていく。
 スピンもさすが、佐藤チームで鍛えられたスピードと安定感。ひょっとしたら、勘のいいお客さんだったら、彼のスケートやスピンを見て、昨日最後に滑った女の子とおなじコーチのもとで育って選手だ、と気づいたのではないだろうか。少し古いファンならば、さらにコリオグラファーの名前にユカ・サトウの名を見て、膝を打ったかもしれない。
 そんなことを思うほど、今日の小塚崇彦の若くてしなやかな身体には、スケートを愛した先人たちの技術の結晶が、しっかり息づいていた。そしてとびきりクオリティ高いスケート技術を携えて、今、氷上を疾走しているのは、彼の若くて無垢な魂だ。磨き抜かれた古き良きものと、まぶしいほどの若いエネルギーが結びついて、初めて生まれるかけがえのないもの。それがこの日、小塚崇彦が氷上で見せてくれたものだ。
 最後は、超高速のアップライトスピンで客席をわかせ、大喝采の中、堂々のフィニッシュ。
 これがあの、「滑走順にびびって」歯をガチガチ言わせていた青年だろうか?

「今日はなんでか知らないけれど、今まで味わったことのないほどの滑りのなめらかさを、6分練習の時に感じていたんです。その滑りの感覚のおかげで、張りつめた気持ちもやわらいでいって……出ていく時には『がんばっていくぞ!』って気持ちになってました」
 滑りの申し子のような小塚崇彦が、「今まで味わったことのないほどの」自分のスケートのなめらかさに驚いている? そんなことは、あの佐藤有香さんでさえ、年に一度か二度、あるかないかのたぐいまれな感覚だ。ひょっとしたら私たちは、とんでもない瞬間に立ち会ってしまったのではないだろうか? それはそのままスケーティングスキル7.04という、高い得点にも現れていた。
「7点台が出てますか? (ポイント表に目を向けながら)あ、ほんとだ、すごい!! でも今日の出来のことは、今夜しっかり寝て、もう忘れて……。明日はもう一度、一からスタートしたいと思います」

 世界選手権に新人賞のようなものはない。でも、その大会を機に一気に躍進していく若い選手が、毎年必ず現れる。98年のプルシェンコだったり、06年の織田信成だったり……。今年はきっと、小塚崇彦!
 世界のスケートファンが、彼との出会いを忘れない大会に――きっと今日のフリー、タカヒコ・コヅカはしてくれる。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (14)

第3回Sports@niftyフィギュアスケートアワードのお知らせ

Awap1000553_2  Sports@niftyフィギュアスケート特集では、昨年、一昨年に続き、フィギュアスケートファンの投票だけで選出されるSports@niftyフィギュアスケートアワードを開催します。

 これまでと同じ、「フィギュアスケーター・オブ・ザ・イヤー」「ジュニアスケーター・オブ・ザ・イヤー」「プログラム・オブ・ザ・イヤー」「コーチ・オブ・ザ・イヤー」「コスチューム・オブ・ザ・イヤー」の5つのアワードに加え、今年は新たな部門も開設。
 フィギュアスケート世界選手権終了後に、投票を開始予定、詳細は追って本特集内でお知らせいたします。

過去2回の各部門受賞者
フィギュアスケーター・オブ・ザ・イヤー 2006荒川静香 2007安藤美姫
ジュニアスケーター・オブ・ザ・イヤー  2006小塚崇彦 2007ミライ・ナガス
プログラム・オブ・ザ・イヤー       2006トゥーランドット(荒川静香) 2007オペラ座の怪人(髙橋大輔)
コーチ・オブ・ザ・イヤー          2006ニコライ・モロゾフ 2007ニコライ・モロゾフ 
コスチューム・オブ・ザ・イヤー      2006荒川静香(トゥーランドット) 2007浅田真央(ノクターン)


| 固定リンク | トラックバック (28)

「きれい系が続いたあとに、僕ですか」 男子SP直前! 髙橋大輔選手コメント

Daisuke_12e3678_2 (日本の記者たちの前に、海外メディアの取材を受けて)

髙橋 もう英語、しゃべりたくないです(笑)。

――では、日本語で(笑)。

髙橋 でも、こうして海外の人にも取材してもらえてありがたいですよね。英語、勉強しなきゃなあ、と思ってます。

――滑走順が決まりましたね。

髙橋 ジョニー、ジェフときれい系が続いて、僕で若干むさくるしくなりますかね。どうしよう(笑)。まあ、あまり気にせず。ジェフの後だと、彼への歓声が多い中で滑らなきゃいけないのは分かってます。彼は世界のどんな場所でも歓声が大きいですし。それは承知の上で、気にせずに! あと後ろがジュベールなので、僕のあと、確実に4回転を入れて来ると思いますし。ジャンプ以外のところで見せていかなきゃ! でもステファンは4回転も、ステップも他の部分でも見せられるので、彼がパーフェクトに決めたら、きわどいかな。ジャンプやスピン以外のところでもアピールしないと。

――リンクの雰囲気はどうでしょう? お客さんが近い方がのれる、と言っていましたが。

髙橋 僕は好きです。ここのリンク! こういう感じが(手で、客席の傾斜の具合を示して)。雰囲気的にいい感じだと思います。氷はまだプラクティスリンクでしか滑っていないので、メインリンクの具合は分からないんですが。  いつものように、ライバル選手の名前を次々に、なんのてらいもなくあげてくれた髙橋選手。「自分の演技」ではなく、相手がいる戦いに挑む気満々だ。SP前日の公式練習で滑った「白鳥の湖」でも、自信に充ちあふれていたいい動きを見せる。 ペアや女子の結果を見ても、明らかに彼にとってはアウェイの戦い。しかしここで勝てたら、彼は本物のチャンピオンだ。

*髙橋大輔選手へのインタビューは、発売中の週刊ザテレビジョンに掲載されています。4月発売予定の月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムックにも掲載予定です

photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (22)

「スウェーデン、物価高すぎです」 男子SP直前! 南里康晴選手コメント

Nanri_12e3609 ――滑走順も決まり、いよいよですね。
南里 はい。自分のやるべきことをしっかりやって、あとの日本選手につなげられたら、と思います。

――後半グループの4番目。この滑走順については?
南里 順番のことは、そこまで考えていません。どの順番で滑りたい、という気持ちもなかったので。

――落ち付いていますね(誰かさんに比べたら)。
南里 まだ試合って感じがしないんですよ。たぶん明日くらいから、気持ちも上がって来ると思います。今日はリラックスしながら練習しようと思ってます。

――今回は振り付け師のパスカーレ・カメレンゴ(アイスダンス・ファイエラ&スカリ組のコーチ)さんも来ていますね。
南里 「よく来たね、ここに!」みたいなことを言われました(笑)。練習見に行くよ! って言うんですが、まだ来てくれていないので、今日あたりは見に来てくれるのかな?

――ショートプログラムは、カメレンゴさんの名作、「月光」ですね。
南里 今シーズン最後のショートなので。今までやってきたことすべてをぶつけて、思いきって滑りたいと思います。

――スウェーデン、イエティボリに来たことは、楽しんでいますか?
南里 昨日の練習をオフにして、街に行きました。買い物をしようと思って行ったんですけど……高すぎて何も買えなかったですよ!

 淡々と、いつもの調子でインタビューに答える南里選手。この、いちばん日本男子らしいシャイな彼が、氷の上でどんな情熱をほとばしらせてくれるのか? 今夜のショートプログラムは、日本男子の後輩たちをも痺れさせたマスターピース「月光」。必見です。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (9)

女子フリー終了 中野友加里4位、総合4位 スカンジナビウムの恋人

Yukarimmb_9881s_2  中野友加里は、イエティボリ世界選手権のメダリストだと私は思う。
 そう言うことが許されないのならば、この日一番観客に愛されたのは中野友加里だ、といい切りたい。

 キム・ヨナ、浅田真央のふたりに続く最終グループ最終滑走。ふたりのスターはともにミスの少ない素晴らしい演技を見せ、スカンジナビウムのお客さんは大喜びだった。
 でも、フィギュアスケートのファンは、貪欲だ。気に入っている選手だけでなく、出場する選手すべてに分け隔てない拍手を送ってくれる観客は多いが、それは同時に、勝ち負けを楽しむ以上にできるだけたくさんのいい演技を見たい、という貪欲さに繋がる。
 この日のお客さんも、最終滑走者の中野友加里に、それを要求していた。いい演技を見たなあ、でも、もうひとりいるぞ。まだすごい演技を見られるかもしれないぞ、と。
 
 その期待に、中野友加里は見事にこたえてくれた。
 彼女は、浅田真央やキム・ヨナほどの高い知名度はない。地元で大きなスポーツの試合をやっているから、ちょっと見に行こうか、というお客さんのなかには、ユカリ・ナカノを知らない人も多かっただろう。
 そんな選手が、浅田真央が見せてくれなかったトリプルアクセルを、まず見せてくれた! すごいじゃないか! 
 この時点で、もっといい演技を見たいと思っていたお客さんも、ひょっとしたら浅田・キムの演技でもう満足していたお客さんも、すべての観客の視線と興味を、中野友加里はその小さな体に集めてしまった。まだすごい選手がいるじゃないか! と。
 そして続くのは、たぶん今大会に参加した女子選手の中で、最も美しく、回転とともに人の心にさざ波を起こさせるようなスピン。3-2-2のコンビネーションもトリプルルッツも、すべてがクリーンだった7つのジャンプ(判定では回転不足がいくつかあったが、ほとんどのお客さんはノーミスの演技として楽しんだ!)。そしてなんといっても、可憐に、また艶やかに、巧みなスパイラルやスケーティングを引き立てる、中野友加里の豊かで愛らしい表情。
 見たかったものすべてを最後の最後にこうして見せられて、たぶんスカンジナビウムにやってきたお客さんのうち少なからぬ人数が、今日、中野友加里に恋をしたと思う。
 特に最後の最後、このプログラムをここで見たことを力強く印象付ける、速い速いドーナツスピンを見せられた瞬間――何かがはじけるように彼女に恋に落ちた人は多いのではないかと思う。
 ユナ・キムの、極められた優美さ。浅田真央の、音との脅威的な一体感。そんな、ちょっと手の届かないところで輝いているスケートにため息をつく感覚とはまた違う、見ていて思わず恋に落ちてしまうような、そういう種類の魅力が、今夜の中野友加里のスケートにはあふれていた。

 もうストレートに言ってしまうが、ほんとうに、ほんとうに心の底から、今日の中野友加里のフリーには感動した。記者席で見ている自分はこの演技にスタンディングオベーションができないことが、これほど悔しいと思ったことは、いまだかつてなかった。
 きっと、中野友加里のスケート人生すべてを振り返っても、間違いなく一番の演技だった思う。6人の最終滑走者の中でも、最も自分の力を発揮し、納得のいく演技をしたスケーターだったと思う。
 だからこそ、絶対に! 彼女が表彰台の上に立っているところを見たかった!
 ジャッジの採点に対して……これほど不服を感じたことはないし、これほど悔しいと思ったこともない。

 結果のことは、これ以上言っても仕方ないだろう。
 今はただ、中野友加里のこれまでのすべての努力が、今日の演技に結実したことを喜びたい。
 会場のたくさんのお客さんが点数と結果にブーイングをしてくれて、いっしょに中野友加里を愛してくれたことを喜びたい。
 そして、次からは間違いなくメダリスト候補として世界の舞台で戦っていくだろう中野友加里が、彼女の地道な努力をさらに続け、その果てに、文句ない栄冠を手にする日が来ることを、心の底から祈りたい。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (27)

「正直びびってます」男子SP直前! 小塚崇彦選手コメント

Koduka_12e3647_2  男子ショートプログラムの滑走順が決まった直後、記者の質問に答えてくれた日本の3選手。
 改めて、取材すべき日本男子が3人もいることがとてもうれしい。どうしても注目は髙橋大輔選手に集中するけれど、3者3様、個性豊かな日本男子のスケートと戦いぶりを、ファンの皆さんにもぜひ楽しんでほしい。まずは3人中、最年少。初出場でSP最終グループ入りと、とんでもないスタートを切ることになった小塚崇彦選手の声をどうぞ!

――滑走順(最終グループ4番。おなじグループで、髙橋、バトル、ジュベールが滑る)が決まって、頭をかいていましたね。
小塚 まさかあそこに入るとは思っていなかったので……。まだ、歯がカタカタ言っています。正直びびってます(笑)。

――でもまだ、すぐには始まりませんよ(抽選はSPの2日前)。
小塚 もう、すぐに始まるんじゃないかって気になっちゃってます……。抽選がすすんでいって、リストに選手の名前が埋まっていって、まわり(高橋、南里選手や日本チームのスタッフ)が「これは絶対、崇彦後ろ(最終グループ)だよ!」って言いだしてから、もう緊張しだして……。ほんとに最終グループって決まってしまって「ああー、あそこに自分が入るのか……」って。でも落ち着いて、気持ちを立て直して試合に向かいたいです。

――このグループで滑ることは、予想していませんでしたか?
小塚 来る前は、もっと前のグループで滑るはずだったんですよ。(小塚選手は、世界ランキング順で並べれば参加選手中13位で、上位12人で滑走順を引く最終2グループには入らない予定だった。それがアメリカのエヴァン・ライサチェク選手の欠場で12位に繰り上がり、急きょ最終12人入り)。でも、こういうグループで滑れることは、とてもうれしいことなので。

――歯がカタカタ言うほどの緊張感、どう対処していきますか?
小塚 とりあえず今日の夜、練習をして、良く寝て、良く食べて、気持ちを落ち着かせて。

――コーチの佐藤先生たちはこの滑走順、どんな感想を持っているでしょう。
小塚 先生はまだ知らないんです。いったいなんて言われるか……。でも伊東さん(伊東秀仁強化部長)いわく「相手にとって不足なし!」だと。
伊東 お前がそう思わないとだめなんだぞ(笑)。
小塚 もう開き直るというか(笑)、時間をかけてこの気持ちを変えていくしかないと思います。当たって砕けろじゃないけど、思いきっていきたいです。このメンバーと公式練習で一緒に練習できることもいい機会だし。

――順位など、目標は何か定めていますか?
小塚 今は順位どころじゃないですよ! 滑走順のことでいっぱいいっぱいです!

 本当に「びびってます」という様子だった小塚選手には悪いけれど、記者も、日本チームスタッフも、コーチたちも、みんなこの滑走順、喜んでいるはずだ。これは日本のホープが成長するための、またとないチャンス! 韓国でもお客さんの大声援に「びびって」しまったという小塚選手。ここで一発、男らしいところを見せてほしい!

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (11)

女子フリー終了 浅田真央選手コメント「食べたいもの、全部食べます」

Mao_12e6798 ――滑り終えた瞬間は、どんなことを考えていましたか?
真央 まずほっとしました。でもアクセルが跳べなかったので……それが悔しかったです。

――ああいったアクセルの転倒の仕方は、よくあるんでしょうか
真央 初めてです、あんなコケ方は。練習でもしたことがないので、すごくびっくりしました。自分でもどうして転んでしまったのかわかりません。一瞬のことなので……。でも、踏切がすっぽ抜けたので、踏切が原因だと思います。

――今朝は公式練習の曲かけでも、トリプルアクセルは失敗していましたね。
真央 曲をかけると音楽を聴いてしまって、ジャンプに向かう気持ちに迷いが出る……そんなことはあるかもしれないです。でも今日のフリーは跳ぶしかない! って思ったから、迷いはなかったのに、こけてしまいました……。

――失敗はありましたが、見事初優勝ですね。
真央 それはすごくうれしいです。すごくいい思い出になると思います!

――どんなふうに今日の優勝をお祝いしますか?
真央 えーっと、いっぱい食べます(笑)。

――どんなものを?
真央 食べたいもの、全部です。
コストナー ティラミスがおいしいよ、食べるといいよ!

――去年は安藤美姫さんが優勝、今年はあなたが優勝。日本からはなぜこんなに強い女子スケーターがたくさん生まれるのでしょうか。何か秘密はあるんですか?
真央 秘密はわからないけれど……。日本には安藤選手、中野選手の他にも、たくさん素晴らしい選手がいます。世界に出る前に、日本のなかでも刺激し合いながら練習できるから、上達していくんだと思います。

――今回はコーチ不在での世界選手権でしたが、今後はどうするか決まっていますか?
真央 コーチのことは世界選手権が終わってから考えようと思っていました。これからいろいろ決めていくことになると思います。

 メダリスト3人がそろった記者会見でも、たくさんの質問が浅田真央に寄せられた。チャンピオンとしてふさわしい力を持ちながら、05年のグランプリファイナル優勝以来、世界ジュニア、ファイナル、世界選手権と、大きな大会の金メダルを取り逃してきた真央選手。やっと誕生した世界女王・浅田真央なのだ。 

photo/Sunao Noto  text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (54)

ウェルカム・イエティボリ!

Wellp1000558  フィギュアスケート世界選手権イエティボリ大会、なんだかいつもの世界選手権とはちょっと違う。
 ひとことでいえば……かなり気合が入っているのだ!

 ピアニスト、ロバート・ウェルズにより大会のテーマソングが作られ、大会イメージフィルムもかなり凝った、楽しいものが用意された。
 開会式はすでにレポートしたとおりだし、各種目の表彰式もまた、ライティング、表彰台のファッショナブルなデザイン、生歌による国歌斉唱など、何から何まで豪華に作られている。
 世界各国からやってきた報道陣への対応も、実にきめ細かい。巨大なメディアセンターの一角の談話スペースにはアロマキャンドルが焚かれ、各国語を話すボランティアも常駐。天気予報やメディアレストランの「今日のメニュー」までがメールで届いてしまうから、驚きだ。
 いったいどうして、こんなに熱心なのだろうか?
「イエティボリの人々、2年前からボランティアを募集したりして、みんなすごくこの大会を楽しみにしてきたんですよ。がんばるぞー! って(笑)。スウェーデンという小さな国ですから、こうした大きな国際大会を誘致するのは、なかなか難しい。それがかなったことで、みんながわくわくしているんです」(現地在住、日本人ボランティアのハルマン宏枝さん)
 なるほど。みなさんかなり、お祭り好きの国民性なのだろうか?
「いいえ、実はスウェーデン人は日本人と同じで、とてもシャイ。人見知りをしがちなんです。でもやはり日本人と同じように、すごく真面目でもあります。だからこんな機会にはしっかり仕事をしよう、という気持ちが強くなって、シャイさもカバーされるみたい。あとは春が近いことも影響してるのかもしれませんよ。この国の人は、夏と冬では性格が変わるんです。気候の影響を受けやすくて、寒くて暗い冬はおとなしいけれど、夏には太陽の明るさとともに人も明るくなります。もうすぐ春だから、みんな元気なのかもしれません。いえ、世界選手権が始まってからは、もう夏が来たみたいに、みんなハイになっているかな」
 スウェーデンは物価も高く、日本からは遠く、取材は決して楽ではない。
 でも、凝りに凝った催しや温かいもてなしをこうして用意してくれると、遠いところまで来て良かったな、と心の底から思うのだ。それは選手にとっても、きっと同じ。
 まだまだ続く試合でいい演技がたくさんみられたとしたら、それはきっと、スウェーデンの大会運営スタッフ、ボランティアのみなさんのおかげでもある。
 
text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (26)

SP終了後、中野友加里選手コメント

Yukarip1000635 「すごく緊張していました。いつもの試合とは違う緊張感で……。全日本のような失敗は二度としないように、それを念頭に置きながら滑りました。先生も『大丈夫! 練習してきたからできる! って言ってくださったし。

 結果、ジャンプはミスがなかったけれど、ちょっとスピードが抑え気味だったかな。明日はもっとスピードを出したいです。

 3位に入れましたが、大事なのは明日の結果です。下の選手とも点数の差はあまりないので、考えすぎずに。今日の評価は明日へのステップとして受け止めて。今の順位、また滑走順を考えると、フリーは緊張感があると思います。上手な選手といっしょに滑ると、いつも気持ちがひいてしまうことがよくあるので……。でもそんな弱さを出さないように。あまりまわりのことは気にせずに。シーズン最後なので、いつも先生が言うように、滑りを終わったら倒れてもいいくらい力を出したいです。ひとうひとつの技を丁寧にできたらと思います」

*写真は世界選手権での初めての記者会見終了後、SP3位のスモールメダルを手ににっこり。

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (18)

SP終了後、浅田真央選手コメント

Maop1000633 「今日はジャンプは良かったと思います。フリップは降りた時に回りすぎそうになって、次のループが危なかったんですけど、うまくいって。終わった瞬間は、ミスなくできて良かったなー、と思いました。

 ショートに対するプレッシャーはなかったです。プレッシャーとかじゃなくて、うーん、自分の中には『去年の失敗を取り戻したい!』って気持ちがありました。だから『行くしかない!』って思って。

 でも、スピンでレベルが取れなかったのが、すごく悔しいです。自分では回転数、数えたつもりだったんですけれど……。ジャンプは良かったのにスピンがダメだったから、採点すると70点か60点……。 コストナーの演技は見ていないけれど、自分がレベルが取れていなかったので、2位になったのはそのせいだと思います。

 シーズンベストスコアも出たけれど、スピンでレベルが取れてたら、もっと高く出たのかなあ。でもシーズンベストが出せたことは、明日につながるんじゃないかな。

 1位とは点数もすごく僅差なので、フリーへの気持ちも去年に比べたら楽だとと思います。明日はもうエレメンツひとつひとつ、取りこぼししないように。スピンのレベルは、大丈夫です。しっかり考えて回れば、それでいいので。

 コーチの先生はいないけれど、連盟の方が先生と同じように見てくださるので、特に問題はないです。試合の2週間前から連盟の方と一緒に練習してきたし、いつもと変わりなくできたと思います」

 SP終了後は、スピンのことをさかんに気にしていた浅田選手。実はスパイラルシークエンスもレベル1だったのだが、「これから映像を見て、明日はレベルを取れるようにがんばりたいです」とのこと。一晩で対策を取るのは大変だが、レベルを気にしすぎないで、のびのびと滑ってくれれば!

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (32)

SP終了後、安藤美姫選手コメント

Miki_12e2179

「今日は緊張しました。オリンピックとおなじくらい緊張したと思います。でも、オリンピックと違ったのは、選手として日本代表なんだという意識を持って出られたこと。そしてあの時のようなミスはなくできたことです。

 それに世界選手権はこれが最後ではないので……。この試合もひとつのステップとして、どれだけ先シーズンより成長できるかを考えて、フリーはただ自分自身の演技をしたいと思います。

 去年より成長は……。していると思います! 試合に対する気持ちも違うし、ステップなども見せられるものになりましたし。

 ショートの結果で、明日は開き直る、という感じではなくて……。ショートよりもうちょっと自分らしく。ジャンプに対する不安はあるけれど、それを断ち切って滑りたいです」

 表情は暗くなかった安藤美姫選手だが、朝の公式練習で軽い肉離れをおこし、早めに氷を上がってしまった。フリーを楽しみにしている現地のファンも多い。美姫らしい「カルメン」を期待したい。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (21)

女子シングルSP終了、浅田真央2位 

Mao_12e2512_2  コンビネーションと単独ジャンプ。前半のふたつのジャンプが無事に決まったとき、「あ、これで浅田真央の優勝は決まったかもしれないな」と思った。
 それほどにイエティボリでの浅田真央は調子が良く、それほどにSPに向かう彼女はナーバスに見えた。
 SPさえ無事終えてくれれば……。そんな思いが、見守る人々、特に今シーズンの彼女をよく知る日本のファンには大きかっただろう。

 演技が始まり、ジャンプを踏み切る刹那にも、彼女の緊張感が矢のように見ている人に突き刺さるほど。こんなにも緊張していたら、普通のスケーターならば跳躍のタイミングをを乱しているだろう、と思うほど、強張った表情でジャンプに向かっていく。
 久しぶりにクリーンにSPを滑った全日本選手権後に、「ショートを克服できました!」と笑っていたけれど、世界選手権、グランプリシリーズ、ファイナルと立て続けに失敗したSPへの苦手意識は、やはり相当のものだったのだ。
 でも浅田真央は今夜、暗く長かったトンネルを、きちんと自分の力で抜けだした!
 ふたつのジャンプをきっちり跳び、特にトリプルフリップ-トリプルループは、ただの3回転-3回転というだけでは足りないほど、高さがあって華やかな、浅田真央本来のジャンプ。
 この、最大の難所を越えたのだから、もう浅田真央は大丈夫だ。
 あとは長い脚を思い切り上げてビールマンスピンを回り、スパイラルもステップも、堂々と思うとおりに見せればいい。
 彼女自身も、心の底からうれしかったのだろう。「あとは今の真央を出すだけでいいんだ!」、そんないきいきした気持ちが、見ている人々みんなに伝わってくる。特に印象的だったのは鳥の羽ばたきをイメージしているというストレートラインステップのモーション。ほんとうに鳥のような自由さで舞う姿を持て、もう、こんなふうに腕を動かせること、こんなふうに体を波立たせられること、これができること自体が、浅田真央の宝物だ、と思った。いや、彼女だけの宝物ではなく、フィギュアスケートを愛する者みんなにとって、浅田真央のスケートは宝物だ。

 間違いなく今季最高の演技だったショートプログラム。
 しかし、スパイラルシークエンスのレベル1、ルッツのエッジエラーなどがあって、わずかな点差で順位はコストナーに次ぐ2位。
 この結果に対しては、海外のメディアも「マオは点数がおかしいとは思わないか?」と彼女に問うたほど、ちょっとした物議をかもしだした。
 演技後には明るかった彼女の表情も、ちょっとだけ「2番なのか……」とがっかりした色を見せてる。
 せっかく鬼門のSPを乗り越え、彼女自身も自信をつけたはずなのに、厳しいレベル判定でちょっと水を差されたような気持ちが、正直に言えば少しした。

 でも、できればレベルを取りこぼししたことよりも、SPが無事終わったことだけを考えて。あとは得意のフリーだということだけ、考えて。
 ただ好きなように、浅田真央自身が滑りたいように、フリーは滑ってほしいと思う。
 待っているのは、様々な思いと経験を経て作り上げた今の浅田真央を、世界中の人に見せる、最後の舞台、とっておきの舞台なのだから。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (37)

女子シングルSP終了 中野友加里3位 フィギュアスケートの真髄へ 

Yukari_12e2008_2   かつて、10代のころの中野友加里は、誰よりもアスリートらしいアスリートだったように思う。
 負けず嫌いで、ひと一倍努力家の女の子は、「もっと難しいジャンプを跳びたい!」「試合で勝ちたい!」その一心で、ひと一番熱心に練習を続けた。
 その努力の結果、トリプルアクセルを跳べるまでに強くなったし、日本を代表するスケーターの一人にもなった。
 でも、どこか彼女の滑りやスタイルには独特の癖があって、一生懸命なアスリートががんばって演技をするとこうなる――そんなスケートをしていた。
 表情だっていつも真剣そのもので、氷の上にたった一人で立っていても、見えない敵に今にもかみつきそうな顔をしてしまう。気負いすぎて緊張だっていっぱいしたし、それで力を出せないこともたくさんあった。
 汗も涙もたくさん流した努力の跡が、その滑りから伝わってくる……そんなスケーターだったのだ。

 それが、今日の中野友加里はどうだろう。
 世界選手権出場は、3度目。日本の、ではなく、世界のトップスケーターのひとりとしてすっかり認められて参加した今大会のSP。
 彼女が見せたのは、本当にオーソドックスな、フィギュアスケートの美しさに満ちた滑りだった。スケーティングもスピンも、ぽろぽろと天上からこぼれおちるようなピアノの音色に呼応するように、自然。3回転‐2回転のジャンプは、女子選手のジャンプにはこうあってほしいと思わせる、しなやかさ、軽やかさ。すうっと差しのべる手の伸ばし具合ひとつとっても、派手さはないがひとつひとつが、見る者の心を鎮めるような美しさだ。
 何かを表現する人々、中でも一流の人々は、その表現の後ろにあるはずの、汗も涙も決して見せはしない。ただ夢のような時間を提供し、自らが作り出す夢の世界に見る人を引きずりこむだけ。そんなパフォーマンスを、今夜の中野友加里はできていたと思う。そして彼女の見せてくれたものは、バレエでもダンスでも演劇でもなく、フィギュアスケートというジャンルだけが見せられる、その心髄の美しさだ。

 たとえば髙橋大輔のヒップホップ風「白鳥の湖」、コストナーがパンツルックで滑ったSP「Riders on the Storm」など、フィギュアスケートらしさを超えようとするプログラムも、素晴らしい。
 でも、中野友加里と佐藤コーチ夫妻が選び、作り出したショートプログラムは、もう一度フィギュアスケートの原点の美しさを、フィギュアスケートらしさを見直したくなるような、オーソドックスな作品だ。
 もう半世紀以上氷の上に立ち通づける佐藤信夫コーチが、時々話してくれる昔語りの中の、ほんとうにシンプルで、だけどただただ美しかったというフィギュアスケートは、こんなだったのかもしれないな。私たちの知らない古き良き時代のスケートを、中野友加里を通してみててくれたのかもしれないな――。そんなことを、彼女の滑りを見つめるコーチの顔を見て思った。

 でも、最後の最後。プログラムがほとんど終わるという時に、3つ目のジャンプ、ダブルアクセルを跳んでしまうところなど、やはりアスリート・友加里だ。誰もが前半に跳び終えてしまいたいジャンプを、最後の最後にアクセサリーのように軽々と跳んでしまうことが、私にはできるのよ、と、誇らしげに言っているかのように。
 しかしその一瞬ののちには、本当に最後のエレメンツ、コンビネーションスピンで世界一美しいドーナツスピンを見せる。少しだけ見せたアスリートの顔を優雅に隠して、やはりフィギュアスケートの美を表現する者として、中野友加里は2分40秒を終えた。

 癖のあるアスリートの滑りから、一番フィギュアスケートらしい滑りへ。
 これだけ大きく彼女のスケートが変わっても、結局は中野友加里の心の芯にあるものは変わらないのではないか、と思う。「ジャンプを跳びたいたい」「勝ちたい」そんな気持ちで練習を続けてきた彼女は、どこかの時点でさらに、「美しく滑りたい」と願う気持ちを加えたのだ。
 でも、なりたい自分が増えただけで、一貫して、「こうありたい!」という自分の姿を追い求める気持ちは、きっと変わらない。
 そして、時間は少しかかったとしても……なりたい自分の姿に、中野友加里は着実に近づいている。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (15)

ペアSP終了 川口&スミルノフ組3位!

Yukommb_2179s  日本語の「がんばれー!」という声援も聞こえた。
 客席では、日本、ロシア両方の国の国旗が大きく揺れた。
 直前に開会式が行われたこともあり、ペアのSPとしては異例の、8000人以上の観客が見守る中――川口&スミルノフ組が素晴らしい演技を見せてくれた。

 2年続けて滑ったことで、すっかり彼らの音楽になった「ロンド・カプリチオーゾ」に乗り、川口悠子の細い腕が、やわらかく動く。
 ソロジャンプをピタリと決めると、ふたりそろって誇らしげに、美しいポーズをつける。
 見せ場のストレートラインステップが始まるより前に、ふたりが音楽に合わせて力強くポーズをとると、もうお客さんは大喝采。絵のようなフィニッシュのポーズを形作るまで、怒涛のように歓声は続いた。
 スレンダーな日本人女性と、がっちりとたくましいロシア男性。出自も、体格も、持てる雰囲気も、スケートのキャリアもまったく違うふたりは、黒と水色というまったくシンクロしない衣装をまとって、でもお互いの強さ、しなやかさ、そしてみずみずしさを分かち合いながら、一つの作品を作り上げてくれた。
 12月、「もっとたくさん練習しなきゃ!」と語っていた彼女に、「すごく練習したんだね!」という言葉を返したい。

「ロシアチャンピオンであることと、ヨーロッパ選手権メダリストであること? 自信にはなっていません。だってヨーロッパでは(ムハルトワ&トランコフ組に)負けてしまったから」
 と、川口悠子は言うが、緊張でガチガチだったファイナルでのショートとは全く違う、数段洗練されたショートプログラム。やはり心のどこかでは、ここ数カ月で得たタイトルへの誇りがあり、それがふたりの滑りを支えているのだろう。
 でなければ、あんなにきりっとした、凛々しい表情はできない。アイラインを濃く入れたメイクだけが、彼女を強くみせているわけではないはずだ。
 
photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 

川口悠子選手に関するその他の記事


| 固定リンク | トラックバック (9)

オープニングセレモニーにチームサプライズが登場!

Ocp1000602  大会初日のコンパルソリーダンス終了後、賑やかに行われた今大会のオープニングセレモニー。
 世界選手権の開会式は、お国柄あふれる催しが氷上で繰り広げられていつも楽しいのだが、イエティボリ大会はとにかく派手で、凝っていて、この国が今大会にかける気合が伝わるセレモニーだった。

 平日だというのに、まだアイスダンスとペアしか始まっていないというのに、大きな会場、スカンジナビウムはお客さんがいっぱい。リンク上だけでなく客席もグリーンにライティングされ、華やかなショーは幕を開けた。
 まず氷上に現れたのは、40人の女性スケーターたち。今大会のシンボルマークをイメージした濃いピンクのリボンを持った、シンクロナイズドスケーティングの世界チャンピオン、チームサプライズだ。
「チームサプライズはスウェーデンでスケートをやっている女の子たちの憧れなんです。シンクロをやるならランドベッテルのチームサプライズに入りたい! って」(現地の日本人スタッフ)
 地元のお客さんたちもチームサプライズのことはよく知っているらしく、登場しただけで大きな歓声が上がる。
 そしてパフォーマンスは、さすが世界一のチーム! 試合では見られない大人数がびっしり氷上を埋めるが、40人ひとりひとり、動きの同調性に全く乱れがない。そして流れるような滑りはただ正確なだけでなく、速い! こんなにたくさんのスケーターが、こんなに一糸乱れず、こんなに速く動くとは! その迫力は、フィギュアスケートとはまた別の、極上の氷上のエンターテイメントだ。
 ショー仕様のナンバーのため、シンクロのスケーターの間を縫うように女性のシングルスケーターも登場し、美しくスパイラルを見せ、3回転ジャンプを決める。なかなか見られない、シングルとシンクロチームのコラボレーションだ。 
 さらにストリートダンスチームのツウィステッド・フィート、ピアニストのロバート・ウェルズ、シンガーのソフィア・シェルグレンらが氷上に設えられたステージに現れ、生演奏でスケーターたちの演技をもりあげる。
「みな、スウェーデンでは有名なアーティうとたちです。特にピアニストのロバート・ウェルズは、アメリカや中国でも人気のある天才音楽家。スウェーデン人の誇りなんですよ」
 音楽も、アップテンポなナンバーからシェルグレンがしっとり歌い上げる「アダージョ」まで様々に変化し、そのたびにチームサプライズのスケートも雰囲気を変える。小道具もリボンからペンライト、大きなショールへと40人全員が持ちかえ、華麗にさばきながら自在に複雑なフォーメーションを作り上げていく。
 これは……有名選手が次々出てくるアイスショーにも劣らない楽しさ! これだけの滑りを見せるために、いったい彼女たちはどれほどの練習を積んだのだろう、と感心してしまった。

 スケーターやミュージシャンたち、そしてこの開会式を用意してくれたスウェーデンの人々から私たちが受け取ったのは、「世界選手権、どうぞ楽しんでね!」という気持ちだ。
 大きなイベントを盛り上げたいという心意気、しっかり受け取った。


| 固定リンク | トラックバック (22)

世界選手権直前! 田村岳斗の男子シングル大予想(2)

Patimg_5564 ――来るとしたら?
田村 ランビエール選手! 彼はほとんどの試合で4回転を2本、跳んできます。コンビネーションで3-3もしくは4-3も跳べる。でも彼は……トリプルアクセルが苦手で、1本だけなんです。この点を考えると、やはり大輔選手有利は変わりませんね。ただランビエール選手は、ジャンプはここまでかもしれないけれど、スピンが抜群にいいので……スピンの加点でジャンプを補って来ることも考えられます。やっぱりジュベール選手も、ランビエール選手も、一度世界タイトルをとってる人たちは、怖い。大輔選手、ランビエール選手、ジュベール選手……表彰台のメンバーは今年も変わらずだと思うんですよ。あとは今シーズン、ジュベール選手の病気(エリック・ボンパール杯、インフルエンザで欠場)などがありましたよね。そういったアクシデントが誰かにあれば、トマーシュ・ヴェルネル選手がメダル争いに絡んでくる可能性は高いと思います。大輔選手は健康でいてくれよ、と(笑)。

――表彰台争いは昨年と同じメンバーと予想。では、その他の選手で田村さんが注目している選手もぜひあげてください。
田村 カナダのパトリック・チャン選手ですね。

――あの若さで今年はファイナルにも進出! 田村さんは昨シーズンからチャン選手を推していましたが……。「ステップなど、難しいことをしすぎているから今はジャンプが入らないけど、プログラムの難易度を下げればジャンプは跳べる。または難しいプログラムでもジャンプが跳べるようになりさえすれば、すぐに勝てる選手」と。
田村 それが今シーズン、言ったとおりになっちゃったんですね! びっくりです。適当に言ったのに(笑)。でも今年も彼には注目でしょう。4回転がまだ試合で成功していないから、今すぐ表彰台、というわけにはいかないけれど……。でもバンクーバー五輪のころにはきっと! 地元開催で開催でしょ。しかも今、まだ16歳? 今年17歳? じゃあ4回転なんか、若さですぐに跳んできますよ。そんなに癖のある跳び方もしていないですし、彼はいっちゃうと思いますね。

――田村さんのお好きなジョニー・ウィアー選手はいかがですか。
田村 ジョニー選手、好きなんですけどね……。彼はここ何年か、あまり良くなかった。日米対抗でもそれほどいいとは思わなかったのに……チャイナカップではランビエール選手に勝っちゃいましたね! 彼も4回転を入れなくてもけっこう点が出る選手だから。でも、いくらすごいといっても、もう4回転がないとこれ以上順位を上げるのは、難しいかな。トップの選手が、ただ4回転を跳ぶだけでなく、2本、3本跳んできてますから。

Yamatosenseip1000223 ――今年の世界選手権も、オリンピックに向けても、やはり鍵は4回転ですね。今跳べていない選手も、これから身につけられるかどうかがポイントになって来る。日本の選手も苦しんでいます。日本屈指の4回転ジャンパーだった岳斗先生が、彼らに教えてあげるわけには……。
田村 みんなそれぞれ素晴らしいコーチについているので、僕が余計なことをしたらおかしくなっちゃいますよ(笑)。小塚崇彦選手はイタリア合宿で跳んでるのを見ましたし、みんな少しずつ挑戦しているところです。あ、世界選手権の注目選手をもう一人、ぜひ!

――あげてください!
田村 フランスのアルヴァン・プレオベール選手! 彼は来るね! 何かしら、してくれると思う。

――そのこころは?
田村 彼のスケートは、面白いから好きなんです。ただそれだけ(笑)。いやいや、僕の予想なんて、単純に好き嫌いだけですよ!

*田村岳斗さんのブログ「田村岳斗―華麗なる舞」
*世界選手権男子シングル、J SPORTSの解説は田村岳斗さんです!
3月22日(土)15:00~17:00 男子シングル ショートプログラム 
3月22日(土)20:40~25:30 男子シングル フリー ★生中継!
「このインタビューでは色々な選手の名前を上げていますが、まずもう、大輔選手で決まりですね! いいなあ、現地にいる皆さんは、優勝の瞬間が見られて。本人にも伝えてありますよ。『解説やるから、変な演技したらぼろくそに言うからね!』って。彼は『ほめてほめて!』と言ってたけれど、負けたら『これは練習が足りないですね』って言っちゃうよ!」(田村さん)

photo(上)/Dave Carmichael   text/Hirono Aoshima 
*写真上は07年グランプリファイナルのパトリック・チャン選手
*写真下は日本代表イタリア合宿時、フランス・イタリア国境をまたぐ田村コーチと重松直樹コーチ(明治神宮外苑クラブ)


| 固定リンク | トラックバック (9)

世界選手権直前! 田村岳斗の男子シングル大予想

Daisukeimg_3080s  男子シングル読本『COLORS』などで、毎年男子の熱い戦いを展望をしてくれている、関西大学アイススケート部の田村岳斗コーチ。
 今年もメダル争いの行方が楽しみな世界選手権を前に、主な選手たちの戦力分析をお願いした。といってもこれはシーズン半ば、全日本選手権前に行われたインタビュー(遅い掲載でごめんなさい)。
 シーズン後半の髙橋大輔選手の活躍ぶりなど、すでに当たっている部分もあり、驚くばかりだ。
 昨年はベルットソン、ヴェルネル、パトリック・チャンらの躍進も予言した田村コーチ。今大会の予想にも大いに期待しながら耳を傾けてみよう。

――オリンピックも2年後にせまった08年の世界選手権ですが、今年、男子シングルで田村さんが注目している選手は?
田村 今年は、まず大輔選手ですね!

――まず大輔選手!
田村 大輔選手で優勝確定!

――確定、いきなりそう来ますか? 他にも強力な選手、多いですよ! ジュベール選手、ランビエール選手、ヴェルネル選手、ウィア選手ー……。
田村 もちろん彼らもいますけれど、やっぱりまずは大輔選手です。彼は今年、4回転2本を入れるそうですが、彼の場合は4回転だけじゃなく、トリプルアクセルも2本、さらに3回転-3回転も入れてくる。その上での4回転2本です! これはすごく意味があるんですよ。たとえばジュベール選手が4回転3本を跳んだ試合(06年ロシア杯 4回転トウ-2トウ、4回転サルコウ、4回転トウ)、あれが彼のフリーではベストの試合だったんですが、あのときでも彼はトリプルアクセルが1本。コンビネーションも3-3が入っていないんです。だから4回転3発とトリプルアクセル1発が大きなジャンプ。そうすると、基本の点数は高く出ますが、4回転のような難しいジャンプほど、リスクも高いんです。

――一方で髙橋選手が狙っているのは……。
田村 4回転が2本と、アクセルが2本。大輔選手のジャンプはきれいだし、流れもあるから、トリプルアクセルなどはプラスがつく。アクセルでも4回転に匹敵する点数がもらえますよね。6種類のジャンプに得意も苦手もない。ジャンプのバランスという点では彼が圧倒的だと思うので、4回転2本という彼の目標さえちゃんと達成できれば、心配ないと僕は思っています。

――髙橋選手はただ大技があるだけでなく、他のジャンプも跳べてバランスがいい。でも4回転2本……そう簡単ではないですよね(インタビューの時点では未だ成功なし)。
田村 簡単ではないです。でも、大輔選手だったらやるんじゃないですか! 去年までの滑りを見ていると、もう4回転以外のジャンプはステップみたいな感覚で跳んでますし。ちょっとプレッシャーを感じているのは、4回転だけでしょう。でも、それ以外は先シーズンまでと同じだと思うんです。4回転2本も、今はまだやったことがないから感覚がわからないだけ。今シーズン、日米対抗でも挑戦していますし、この調子で世界選手権の前までにちょくちょく跳んでおけばいい。そしたらもう、2本跳ぶための感覚なんて、彼だったらすぐ掴めると思います。

――去年の世界チャンピオン、ジュベールの力が去年のままだったら、今年の高橋大輔は勝てる、と。
田村 まあジュベール選手や他の誰かが、4回転を3本入れて、なおかつトリプルアクセルが2本で、コンビネーションも3-3を入れて来るとなったら……話が変わってきますが(笑)。それをやるには、相当なスタミナがないときついと思いますよ。ただ、あともうひとり来るとしたら……。

*髙橋大輔選手へのインタビューは、今週発売の「週刊ザテレビジョン」に掲載されます

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年全日本選手権のSP


| 固定リンク | トラックバック (7)

ペアSP終了 ジョン・ボルドウィン選手からのメッセージ

Renamma_0648s

  スロートリプルアクセルなどの失敗もあり、ショートプログラムは11位発進の井上&ボルドウィン組。四大陸選手権に続き、ペアスピンのレベル1など、エレメンツの取りこぼしが目立ったことにも、ふたりは落胆の表情を見せていた。

 しかしミックスゾーンでのボルドウィン選手は、いつものように井上選手をしっかり気遣う。アメリカ人記者の囲みに続き、日本人記者によるオール日本語の取材中、まったく理解できない言葉が飛び交うなかでも、恋人の傍らによりそい続けていた。

 いつもはニコニコと聞いているだけの日本人記者のインタビューに、この日は彼の方からこんなメッセージも寄せてくれた。
「今シーズン、競技を少し休めたことは良かったと思う。夏には念願の、日本でのショーにも参加できたしね。とにかくお客さんの温かい歓迎がとてもうれしかった。だから四大陸の後にも、日本のショーに呼ばれて行ったんだ。日本のお客さんは本当に素晴らしいよ。ありがとう!」

 初夏のチャンピオンズアイス、真夏のフレンズオンアイス、そして先日の、長野メモリアルオンアイス。「ハードな練習を続けることは本当に大変で、一度ゆっくり休みたかったんです」と、井上選手が考えたおかげで、彼らの心のこもったショーパフォーマンスを堪能する機会を、日本のファンはたくさん得た。

 彼らへのお礼もこめて、フリープログラムは力強く応援したい。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (12)

女子シングル開幕直前 浅田真央はコーチ不在でどう戦うか?

Maocol_mg_4243_4 「スケートのコーチはね、技術を教える指導者であるともに、心理学者でもなければならないんですよ」
 そう語ってくれたのは、日本人初の世界選手権メダリストで、現在はコーチとして多くの選手を育成している佐野稔さんだ。
「技術なんてのは一度教えて選手ができるようになれば、そこまで。大事なのは試合で、緊張してガチガチになっている選手たちに、どう声をかけてあげられるか、なんです」
 佐野稔コーチのリンクサイドでのひとこと。話題になったのは、03年冬季アジア大会で荒川静香選手が優勝した時のことだ。ここで彼女は3回転-3回転-2回転というビッグジャンプを成功させたのだが、直前に佐野コーチかけた言葉はこうだ。
「遊んできなよ!」
 練習では軽々と難しいジャンプを跳んでしまう荒川さんが、本番ではなかなか本来の力を発揮できないでいたころ。「遊んできなよ!」のひとことが、彼女の心を楽にし、フリーでは会心の演技。金メダルをも呼び込んでしまった。
 また、田村岳斗さんにかけたこんな言葉も印象的だ。
「トリプルアクセルは跳ばなくてもいいぞ!」
 選手時代、4回転はひとつのプログラムで2回決められる力をもっていながら、トリプルアクセルはどうしても苦手にしていた田村さん。試合前はいつもアクセルに大きなプレッシャーを感じてきたという。でも佐野コーチのこの言葉で、すっと気持ちが軽くなり、トリプルアクセルの代わりに4回転-3回転-2回転の高難度コンビネーションを着氷! 史上数人しか跳んでいないジャンプの成功は、「トリプルアクセルは跳ばなくてもいいぞ!」、そんな言葉をはずみに生まれたのだ。
 佐野稔コーチは、試合前の選手にかけた言葉を、大切にノートに記録してあるという。メンタルサポートの難しさは、何年やっても変わらないから、と笑って教えてくれた。

 コーチの仕事、特に緊張感いっぱいの、試合に向かう選手の精神的なケアは、どんな優秀なコーチでも完璧にこなせるものではない。選手との相性だってあるだろう。
 ラファエル・アルトゥニアンは素晴らしいコーチだ。アメリカにわたってから、浅田真央のスケーティングは格段に磨かれたし、「ダバーイ!」(行けー!)というアルトゥニアンの熱い言葉は、彼女の背中を強く推してもくれた。
 でもジュニアの注目株から一気に世界のトップスケーターに上りつめ、どんな大会でも極限の緊張感にさらされてきた浅田真央。彼女は、いちばん気持ちが張りつめているとき、また、ありえないようなミスをして落ち込んでいるとき、日本語で何か言ってくれる人が欲しかったのだ。
 その役割を今シーズン担ってきたのは、日本スケート連盟強化部のスタッフたちだ。たとえばトレーナーの加藤修さん。浅田真央はめったに、「誰かがこう言ってくれたから」という類のことは、インタビューでは言わない。そんな彼女が、06年世界ジュニアでキム・ヨナに敗れた時に語ったこんな言葉が、耳に残っている。
「人間は機械じゃないんだから。時にはうまく動かないときだってあるよ、って加藤先生が言ってくれたんです。それでちょっと、元気になったかな」
 07年グランプリファイナルの公式練習の時も、浅田真央のリンクサイドにいつも加藤トレーナーが立っていることについて、彼女に尋ねてみた。
「加藤先生がいてくれると、真央が安心するから。だからいてもらってます」
 四大陸選手権にも、いつものように加藤修トレーナーが来ていることを確認して、私は安心した。彼をはじめ、顔なじみの連盟スタッフたちがかけてくれる言葉があれば、世界選手権の浅田真央も大丈夫だろう。

 チームメイトだって、ともに競いながらもきっと浅田真央の支えになってくれる。
 これも06年世界ジュニアでの出来事だが、男子シングルで優勝した小塚崇彦が、表彰式後に記念のブーケを観客席に投げた。このとき「真央、もらいなよ!」と声をかけたのはチームメイトの澤田亜紀や武田奈也。小塚崇彦もしっかり浅田真央に向けて、勝利の花束をトスしてくれた。銀メダルで落ち込んでいる彼女に、チームメイトみんなで見せた気遣いだ。
「四大陸メンバーも、真央に美姫、崇彦と、いつもいっしょに中京大で練習してる仲間が多かったんですよ。だから普段の練習みたいな雰囲気で、オフの時間からリラックスできたかな」とは、四大陸選手権での中庭健介選手の言葉。
 練習リンクを名古屋に戻したことで、そんな仲間たちとの親しさも、さらに増したことだろう。

 来シーズンの彼女のコーチがどうなるかはわからないが、技術指導のみならず、精神面で彼女を支えられるような人がうまく見つかればいいな、と思う。安藤美姫の場合は、オリンピック後、モロゾフコーチ、門奈コーチと、信頼できる指導者に恵まれ、着実に成果を上げてきた。
 浅田真央にも、そんな人が見つかるのだろうか。
 あるいは、それより先に、彼女が自分の力で強くなってしまうだろうか。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
*写真は全日本選手権記者会見にて


| 固定リンク | トラックバック (33)

女子SP前日、安藤美姫選手コメント

Mikirinkp1000585 ――滑走順が最終前グループの2番目に決まりましたね。
美姫 はい。2番滑走はいい演技ができることが多いので、自信を持って滑りたいです。

――ショートプログラムを昨シーズンの「シェラザード」に戻したのは、いつ頃にですか。
美姫 決断したのはつい最近、四大陸が終わってからです。昨シーズンのプログラムですけど、内容は少し違うんです。ステップも、曲の編集も少しずつ変えているので。

――あまり滑りこむ時間はなかったのでは?
美姫 そうですね。新しいプログラムがきちんとできてからは、まだ一週間たっていません。

――時間がない中でのプログラム変更には、何か理由がありますか?
美姫 今シーズンの「サムソンとデリラ」も気にいっていたけれど、自分が100%音楽の中に入り込むことができなかったんです。プログラムを表現しようと思うと……納得して滑れるのは「シェラザード」の方だな、と。

――安藤さんは東京世界選手権の勝者。この大会はディフェンディングチャンピオンということになりますが、向かう気持ちはいつもの世界選手権とは違いますか?
美姫 自分ではチャンピオンって意識はないので……プレッシャーも何もなく(笑)。今シーズン最後の試合を、自分らしくきちんと滑れるといいな、と思っています。去年はそういう気持ちで臨んで、いい結果が出ました。だから今年もきちんと、できる限り、100%の力が出し切れれば!

*写真は会場のスカンジナビウムメインリンク。約10000人を収容する、北欧で最も大きな室内競技場のひとつ


| 固定リンク | トラックバック (14)

女子SP前日、浅田真央選手コメント

Maocom1p1000582 ――ショートプログラムの滑走順、抽選ではちょっとアクシデントがありましたね。
真央 そうですね。結局45番目ですけど、グループの4番目なので、6分間目一杯練習しても休憩ができる順番。いいんじゃないかなーと思います。でも滑走順のことも含めて、ショートのことは気にしないで、自分の演技をしたいです。っていうか、気にしてないです(笑)。でもすごくショートプログラムは肝心な試合だと思うし、フリーのことよりも今はとりあえずショートのことを。集中して滑りたいと思います。去年の世界選手権では、してはいけない大きなミスをしてしまったので……しっかり考えていきたいです。

――公式練習を見ていても、調子はいいようですね。
真央 すごくいいです。なので、これから本番までの間にジャンプをもう一回確認して、このまま調子を落とさずに行けるようにしたいな。

――衣装はこれまでのもので滑りますか?
真央 ショートは全日本で着たものと同じです。フリーはちょっとだけ変えたんですけど……たぶんどこが変わったかわかんないと思うんです(笑)。見た感じの変化はちょっとだけかから……。デザインは前のと一緒ですけど、部分的に生地が良く伸びるように、体にフィットするようにしてもらいました。でもどこが変わってるか、すごくよく見たらわかるから……見てみてください(笑)。

 ショートプログラムといえば、やはり思い出してしまう昨シーズンのジャンプミス。そしてシーズン前半にも続いた失敗。「気にしていません」という言葉を聞くと、かえって「気にしているのでは?」と心配になってしまう。「気にしていません」も「調子がいいです」も、我々への返答というより、自分自身に言い聞かせている言葉のように聞こえた。


| 固定リンク | トラックバック (21)

女子SP前日、中野友加里選手コメント

Yukarip1000579 ――滑走順も決まりましたね。
友加里 これでもう、ほんとに明日はショートプログラムなんだなって思いました。でもまだ実感はわかないんです。今回は男子より先ということなので、早く終わって試合の後を楽しみたいです(笑)。

――目標の一つでもある3回転-3回転の調子はいかがですか?
友加里 3-3は今シーズン前からずっと練習してきたジャンプ。今まで試合では回避してきたけれど、練習はずっと続けています。全日本選手権が終わった後は、曲かけでもすべて3-3を入れてきました。

――世界選手権では満を持して挑戦の予定?
友加里 それは断言できないですけれど(笑)。挑戦できたらいいと思います。ショートプログラムが終わったあとの順位、その時の気持ち次第ですね。


| 固定リンク | トラックバック (11)

女子SP前日 日本チームの表情は?(2)

Yukaridp1000578 ●ドローでアクシデント発生! 日本選手の滑走順は?

 女子シングルの参加者53人がほぼ顔をそろえた、ショートプログラムの滑走順抽選。袋の中の番号札を世界ランキングが上の選手から順番にひいて行くので、最初に登場したのは、日本の浅田真央選手だ。ひいた番号は27番――あれ、50人以上の選手の中で、世界ランキング一位の選手が、そんなに早く出てくるの? 会場には「なんだか変だぞ……」という空気が。
「27番って聞いたときは、うーんちょっと早いかなって思ったくらい。50人もいるって知らなかったので、特におかしいと思わなかったんです」
 女子シングルは53人の選手が、世界ランキングによりいくつかのグループに分けられてショートプログラムを滑る。実は運営側の手違いで、ランキングが下の選手用の番号札が、間違って後半の選手に用意されてしまったのだ。
 改めて引きなおした滑走順は、浅田真央選手45番、安藤美姫選手43番、そして中野友加里選手が42番。なんと3人の日本選手が全員、一つのグループの近い滑走順でかたまってしまった! 最後に中野選手が42番のくじを引くと、3人はワッと顔を見合せて笑い合う。
「もし友加里ちゃんが44番だったら、美姫、友加里ちゃん、真央ってなってたね!」と、無邪気にはしゃぐのは真央選手。
「ショートプラグラムが始まるって実感、まだあんまりないんです。だから今のところ、リラックスしてるかな」
 と、安藤選手も言うように、まだ3人にぴりぴりした臨戦ムードはないようだ


| 固定リンク | トラックバック (18)

女子SP前日 日本チームの表情は?(1)

Mikidp1000570_3 ●安藤美姫選手に強い味方?

 今大会、男子より先に始まる女子シングルは、早くも明日、ショートプログラムがスタート。18日には滑走順の抽選が、会場内のドロールームにて行われた。
 ここで姿を見せたのは、安藤美姫選手を国内で指導する、名古屋・名東クラブの門奈裕子コーチ。これまではほとんどの国際大会でモロゾフコーチだけが帯同してきたため、世界選手権に安藤選手とともに参戦するのは初めてだ。
「門奈先生は私のジャンプを最初に教えてくれた先生です。
 今、ルッツがふだんより高く跳びすぎちゃう感じになっていて……。だからソロのルッツはまっすぐ跳べるけれど、コンビネーションはセカンドジャンプにうまくつながらないんです。門奈先生がいてくれれば、そんなこともうまく調整できると思います。そういう意味では、いてくださってちょっと安心かな!」と、安藤選手もにっこり。
 しかし名古屋で若い選手をたくさん教えている門奈コーチ、超ハードスケジュールを縫っての参戦だ。
「実は直前まで野辺山で試合があったので、到着したのは17日。このあとはコペンハーゲンの国際試合に納村彩花ちゃんが出場するので、フリーが終わったら翌日にはデンマークに移動です。
 美姫ちゃんには……『がんばれー!』って感じで見守りたいですね(笑)。いつも私は、選手に『がんばれ!』なんて言わないんですけれど。でも、練習通りの演技をしてくれさえすれば」
 昨年は名古屋で結果を待っていた門奈コーチに、テレビを通してお礼を言った安藤選手。幼いころ、ジャンプの楽しさ、スケートの楽しさを教えてくれた恩師の前で、今年はもっと、安藤美姫らしい演技を見せてくれるだろう。

*写真はインタビュー&ドロールームにて。滑走順抽選にやってきた世界各国の女子選手たち


| 固定リンク | トラックバック (18)

世界選手権に向けて――髙橋大輔選手、小塚崇彦選手コメント

Takaimg_8409s  前哨戦となる四大陸選手権終了後、髙橋大輔、小塚崇彦の男子シングル代表に、世界選手権への思いを聞いた。

*小塚崇彦選手
「世界選手権代表に決まったときはうれしくて、がんばろう! ってすごく思ったんですけど……。四大陸までは練習場所の確保とか4回転のこととか、いろいろなことにふりまわされてしまったかもしれません。世界選手権までは、ただ練習のことだけを考えて、思いっきり練習して、練習したな! って思える状態で臨みたい。男子の3枠を何としても確保するよう……がんばります!
 スウェーデンに行くのは初めてです。どんな国なのかな? まだ何にも調べてない!」

 インタビュアーからはなかなか聞きにくい出場枠の話。でもこちらが聞く前に、彼の方からはっきり口に出してくれたのは、うれしかった。戦う気は十分。でも、佐藤有香さんも言うように、まずは結果を気にせず、ぞんぶんに初めての大舞台を楽しんでほしい。

*髙橋大輔選手
「世界選手権は……楽しめなさそう! だって、男子シングルの試合は全日程の最後じゃないですか! それが嫌なんですけど(笑)。それに、世界ジュニアで優勝した時に行ったノルウェイは雪ばかりで、北欧はあんまり明るいイメージがないな。でもノルウェイは魚がおいしかったから、きっとスウェーデンも魚がいけると思う。勝手なイメージですが(笑)。ご飯を楽しみにしたいです.
世界選手権までの時間は、緩めすぎてもダメかと思っています。日本に帰ったらもう一回追いこんで練習して、体力をつけて。あと、スピンの練習をもっとしたいですね。これから少し、スピンに時間を割いてみよう。
 世界選手権で勝つには……最低でも四大陸ぐらいの演技をしなきゃいけないですね。他のみんながどこまで上げてくるか、わからないですから!」

 いつもの世界選手権では、トリをつとめる試合は女子シングル。しかし今年はヨーロッパ勢、男子に有力な選手が多いためか、男子シングルが最後の決戦に選ばれている。
 毎年試合後には女子シングルの応援(05年の記事)をするなど、リラックスしている髙橋選手。でも今年は、最後に控えた最もドラマチックな舞台に立つ。「嫌なんですけど」と笑いながらも、一番目立つ試合、一番注目を集める試合で戦うこと、楽しんでくれそうだ。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年全日本選手権のフリー


| 固定リンク | トラックバック (13)

ペアSP直前 ロシアチャンピオン川口悠子選手、スロー4回転への意気込み

Yukoimg_0142_2  日本代表として、ロシア代表として、合わせて4度目の世界選手権出場となる川口悠子選手(ロシア 川口&スミルノフ組)。
 今年は初のグランプリファイナル進出、ロシア国内選手権優勝、ヨーロッパ選手権3位と、大躍進。日本代表の出場がないペアのカテゴリーで、井上怜奈選手(アメリカ 井上&ボルドウィン組)とともに、ぜひ応援したい選手だ。
 川口&スミルノフ組の強みのひとつは、スロージャンプで他のペアができない4回転サルコウをもっていること。ヨーロッパ選手権ではやや乱れつつも着氷したこの大技。世界選手権で見ることはできるだろうか。大きなチャレンジへの思いを聞いてみよう。
(昨年12月、グランプリファイナル終了後のインタビュー)

――初めてのファイナル、手ごたえはいかがでしたか?
川口 やっぱり緊張しちゃった……。出られるかどうかわからなかった大会にこうして出られて、硬くなって、それでショートはトウループのミス。あんなミスは、初めてなんです。

――続くフリーも公式練習の時のような生き生きとした雰囲気は出し切れなかったようですが、やっぱり気持ちの上で、ショートのミスの影響は大きかった?
川口 大きかったです。あの点数(PBを10点以上下回る51.74 SP順位は6位)も、かなりきつかった。もう、どう頑張っても上には行けないって……ちょっと自分で、気持ちを落としちゃいましたね。ほんとに今回は、真央ちゃんを見習いたいと思いましたよ(浅田真央選手もファイナルではSP最下位、フリーで巻き返して総合2位に)。ショートで失敗しちゃったから、フリーは緊張する必要はないはずだったけれど、今回は4回転を、どうしても決めたかったから。

――公式練習でも4回転、積極的に練習していましたね。
川口 ロシア杯のあとは、普段の練習から4回転を多く跳んできたんです。いつもは試合前、会場に入ってから、数回練習する程度だったけれど、今回は試合に来る前からかなり本数を跳んできたから。けっこう自信があって、今日はいける! と思ったら、余計に自分にプレッシャーをかけちゃったみたい……。

――緊張のせいかな。フリーでの4回転、練習の時よりも助走がかなりゆっくりに見えました。
川口 見ている人にはそうでしたか? 自分ではいつも通りのつもりだったけれど……。いつもは、とりあえず4回転はフロックだから、転んでもいいや、って気持ちで。いちかばちかでチャレンジしてたんです。練習もそれほどはできていなかったから、サルコウは跳べなくてもいい、サルコウの後から、私たちのフリープは始まるんだ、って。

――そんな気持ちで臨んだスケートカナダやロシア杯ではお手つき。それが今回は……。 
川口 初めて転んじゃった(笑)。練習でもかなり確率が上がっていたから、初めて心の準備ができた上での4回転だったんです。今までのどうなってもいいや! ってだけの気持ちに、今回はプレッシャーが加わっちゃって。

――練習で跳べていたからこそ、力が入りすぎてしまった。
川口 そう、決めたい決めたい! って。それは彼(スミルノフ選手)も一緒だと思います。練習してきたから、カナダやロシアで惜しかったから、今度こそは絶対! って。

――難しいですね……。確率が上がったことで、「どうなってもいいや」の楽な気持ちがなくなってしまった。
川口 でも、これもたぶん通過しなくちゃいけないことだと思うんです。失敗してしまうのも、まだ4回転を100%ものにしていないから。今度跳ぶ時ははもっと、今回の自信をさらに超えた自信を持たなきゃいけない。「転ぶかもしれないから、どうなってもいい」から、今回の「ひょっとしたら、きれいに入るかもしれない」へ。次の試合ではさらに進んで、「絶対入れる!」って気持ちがなきゃ! そのためにも、4回転のような大事なエレメンツ、きちんと毎日練習していきたいです。もっとたくさん練習しなきゃ、本番での自信もつかないですから!

 川口悠子選手はアメリカでの選手時代から(川口&パトリック組)4回転へのこだわりを持ち、その成功をペアスケーターとしての人生の大きな目標としてきた。
 スロージャンプといえば井上怜奈&ボルドウィン組のスロートリプルサルコウが思い出させれるが、彼女もボルドウィン選手と組んで5年目、ペアを始めてからは実に14年目の成功だった。
 やはり海を越えて、異国のナショナル代表にまでなった彼女たちのガッツは凄まじい。
 様々な障害と戦いつつ、大舞台でのスロー4回転成功を目指す川口選手に、ぜひ日本からも大きなエールを!

*川口悠子選手に関するその他の記事
グランプリファイナル2007 ペア・ロシア代表川口悠子選手インタビュー

ペアショートプログラム終了 井上怜奈、川口悠子の凱旋(3)

ペアショートプログラム終了 井上怜奈、川口悠子の凱旋(4)

photo/Dave Carmichael   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年グランプリファイナルのフリー


| 固定リンク | トラックバック (10)

ランドヴェッテル国際空港にて

Airportap1000531  イエティボリのランドヴェッテル空港でウェルカム! と迎えてくれるのは、ディフェンディングチャンピオンの安藤美姫選手とブライアン・ジュベール選手。そしてフィンランドのキーラ・コルピ、カナダのヴァーチュー&モア、地元スウェーデンのクリストファー・ベルットソンら、5組の人気選手が大会のポスターにフィーチャーされています。

Airportbp1000538  特に安藤選手は、空港出口の回転ドアで、ビールマンポジションをとったままクルクルと!
 空港から街までの道程にも、シンボルマークの垂れ幕や電光掲示板での世界選手権案内がそこかしこに。


| 固定リンク | トラックバック (28)

世界選手権直前! 佐藤有香さんからのエール(2)

Yasuharuimg_2731s ――今年は中野選手、小塚選手と、佐藤信夫チームから2名の選手がエントリーしています。女子で複数出場したことはありますが、複数のカテゴリーに選手を送るのは久しぶりでは? 信夫先生、久美子先生にとっても大変な大会になりそうですね。
佐藤 でも、女子と男子に選手が分かれていた方が、指導はしやすいかもしれないですよ。二人の選手が同じ公式練習で滑ったりすると、コーチもこっちを見て、あっちを見て、こっちに指導しているときにあっちも何か大事な練習をしてる……となってしまいますから。でも佐藤組、私が言うのもなんですが、いいチームになっていますよね! 先生と生徒の信頼関係というのは、すごく大事なもの。それがしっかり築けたチームは、結果がちゃんと出てきますから。

――選手たちとともに、キス&クライの佐藤夫妻の様子も、ぜひ注目してみたいですね。今年の世界選手権代表ではさらにもうひとり、九州の南里康晴選手も、夏の間の有香さんの指導が大きかったと語っています。パスカール・カメレンゴさんの振付け指導を受ける際、同じリンクの有香さんに通訳をお願いしながら、いろいろなことを学べたとか。
佐藤 南里君はほんとうにまじめで、コツコツ一生懸命の選手なんです。私の言うことも一生懸命聞いてくれるので、何か力になれるなら、できるだけやってあげたいな、と思わせてしまう。それもきっと、彼のいいところでしょうね。もちろんジャンプや身体能力も素晴らしくて、大事な才能なんですが、何かを吸収しようという気持ちがあって、努力ができること、それも才能のひとつです。いくらアスリートとしての才能が高くても、努力ができない人は大成しませんから。だから南里君のそういうところ、いつもすごく感心します。彼がんばっていると、つい面倒を見てあげたくなる……そんな選手なんです。

――彼も22歳ですが念願の世界選手権初出場。真摯な戦いをじっくり見守りたいですね。
佐藤 彼の強みは、ジャンプの軸がすごく細くて、空中で身体をまとめる力があること。だから一度うまく跳びはじめたら、ジャンプに確実性があるんです。期待したいですね! 初めての世界選手権ですが、自分だけの世界に入り込まず、まわりのいろいろな人のスケートをよく見て。彼も存分にいい体験をしてくれたらな、と思います。

*さらなる佐藤有香さんインタビュー、小塚崇彦選手の振付け秘話などは4月発売のフィギュアスケートムックでお届けします

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年全日本選手権のSP


| 固定リンク | トラックバック (10)

世界選手権直前! 佐藤有香さんからのエール(1)

Yukari_mg_3099  アイスショーで活躍しながら、アメリカ・デトロイトのリンクでは振付師、コーチとしても実績を積んでいる佐藤有香さん。日本からも多くの選手が、彼女のもとに振付指導、スケーティング指導を受けにやって来る。今回世界選手権代表として出場する小塚崇彦選手、南里康晴選手、中野友加里選手も、有香さんの影響を大きく受けている選手たち。自身も世界選手権を制したことのある佐藤有香さんから、期待の3選手にエールを送ってもらった。

――小さな子供たちからオリンピックチャンピオンまで、コーチや振付師としてたくさんの選手と接してきた佐藤有香さんに、おなじみの選手についてお話を聞きます。まずは今年で3回目のワールド出場となる中野友加里選手。彼女はデトロイトのマリーナ・ズウェアさんにずっと振付けを依頼していますし、佐藤信夫コーチのもとに移ってからは有香さんとの関わりは深いですね。
佐藤 そうですね、彼女は私の両親(佐藤信夫・久美子コーチ)についていることもあって、いつも家族のように応援しています。がんばってほしいな! ふだんの友加里ちゃんはね……優等生なんですよ(笑)。毎年わりと賢く、きっちり練習してきますよね。でも試合になるとちょっとかたくなって、練習の時よりも演技が小さくなってしまうところがあって……。本番でも練習と同じスケールで滑れるようになるといいな、といつも思っています。

――練習では、もっともっといい演技ができている?
佐藤 はい。でも私自身も経験していることですが、試合のあの場所で体がすくんでしまうのは、当たり前のこと。そんなに簡単に克服できるものではないんです。それが最近の彼女は、緊張感で調子の悪いスタートをしてしまっても、それを演技途中で立て直せるだけの精神力を培っている。それが素晴らしいな、と感心しています。結局は、あの練習量が本番でもものを言うんでしょうね。

――年を追うごとに演技もどんどん深みを増していますしね。
佐藤 そう、友加里ちゃんは……なんとなく不思議な魅力を持った選手なんです。日頃はこれといって派手なところを見せないんですが、試合に出てくると、氷の上に立つだけでスッとした雰囲気を出すし、滑りにもなんだか独特のおもしろさがあるなあ、と。彼女の演技、いつも楽しませてもらっています。

――中野選手と同じく佐藤コーチ夫妻に師事している小塚崇彦選手も、世界選手権初登場です。
佐藤 タカのことは小さい頃から見ていますが、本当に大きくなって(笑)。いま19歳。全日本選手権で代表が決まって、世界選手権までの数か月は、練習すればするほど伸びる、いい時期だったと思います。スターズオンアイスのようなショーにも出ましたし、人前でパフォーマンスをすることもすごく大きなステップになったんじゃないかな。ほんとうに成長期、いい時期ですよね! トレーニングすればするほど、身体も強くなるし、間の取り方など様々な呼吸もつかめてきているはずです。あとはとにかく健康で、風邪などひかず、ケガもせず、世界選手権を迎えてくれれば。

――初めての大舞台、年齢的にもいい時期に迎えられるということですね。
佐藤 世界選手権そのものが、彼にとってすごくいい練習になると思いますよ。今回いい演技ができればそれはそれでうれしいけれど、結果を気にするよりもとにかく、若いので色々な経験をしてほしいです。大ちゃんみたいに一生懸命練習をする先輩も隣にいますし、彼らと一緒に遠征に出ることも、すごくいい勉強になるはず。上の選手に少しでも近づけるようにって、思いますからね。

――今回で大きな結果を出すというよりも、今後のためにいい世界選手権にしてほしい、と。
佐藤 そう、せっかく今年、大きなヤマを一つ越えて、やっとつかんだ世界選手権代表です。思い切りあの場を体験してほしいな。きっと彼は、世界選手権が終わった時にこそ、また一つ大きくなって帰ってくるんじゃないかと思います。将来性も高い選手なので、あの場を経験して、もっともっと器を大きくしてくれるでしょう。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
*写真は08年全日本選手権SP


| 固定リンク | トラックバック (14)

世界選手権2008特集、始まります

World_mg_4126 フィギュアスケートシーズンを締めくくる世界選手権が、いよいよ開幕。今年は北欧の港町、スウェーデン・イエティボリにて18日より開催されます。
sports@niftyフィギュアスケート特集が始まって、4度目の世界選手権。今回も現地から、たくさんの写真とともにレポートをお届け予定です。

史上初の男女ダブル金メダルが期待されるなど、昨年以上の注目を集める大会ですが、一人でも多くの選手がベストの演技を見せてくれるよう祈りつつ、6日間の熱戦を見守りたいと思います。
現地レポートは日本時間18日午前スタート予定。
それまで、関係者の声などをまとめた事前レポートもお届けします。
ぜひご愛読ください。

また大会終了後には3度目となるsports@niftyフィギュアスケートアワードも開催。
世界選手権を観戦しながら、投票したい選手を探してみてください。

photo/Sunao Noto  text/Hirono Aoshima
*写真は昨年12月の全日本選手権。発表されたばかりの世界選手権代表選手が勢ぞろい


| 固定リンク | トラックバック (35)