この特集
この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
この特集は携帯サイトでもご覧いただけます。
モバイル版 Sports@nifty
プロフィール
青嶋ひろの【ライター】
能登直【カメラマン】
お問い合わせや取材依頼は、[お問い合わせ窓口]より受け付けています。
カテゴリー
関連リンク
特集関連書籍
ココログ

ココログ: blogサービス
「フィギュアスケート特集」は @niftyのウェブログ(blog)サービス 「ココログ」で運営しています。あなたもココログ始めてみませんか?ココログ(フリー)は、だれでも無料でご利用いただけます。
ココログって何?
ココログ使い方ガイド

フィギュアスケート特集

2009NHK杯オリジナルダンス キャシー・リード&クリス・リード組 「日本代表」への道のり

Mma_5406s2

 NHK杯に登場したアイスダンスの日本代表、キャシー・リード&クリス・リード組のオリジナルダンスは、日本舞踊の動きを取り入れたユニークなものであった。
 衣装に関しても和服「風」のものではなく、丈が短いことを除けば「和服そのもの」といってよいものである。和服といっても浴衣ではあるのだが。
 手にした舞扇の扱いなど、所作全般を日本舞踊の師匠のもとで訓練したということだから、アイスダンス史上もっとも本格的に日本舞踊を取り入れたプログラムだったといってよいのではないだろうか。
 和服の袖というのは非常に扱いづらいものだが、激しく動きながらもまったく邪魔そうに見えないのは、所作をきちんと身に着けた結果であろう。

 プログラム前半の「さくら」のパートは、花の精を演じているふたりといったところだろうか。
 花びらや蝶がそこにありありと現前するような名人の所作には遠いが、開かれた扇の回転運動に不自然さはない。
 後半、鼓童の演奏による和太鼓の、躍動感あふれる曲調に変化してからは、扇を太刀に見立て、二人が斬り合う振付などが登場する。
 ここでの動作は歌舞伎、日本舞踊の立ち回りと言うよりは、時代劇の殺陣に近いものである。
 ただし、殺気を放って切り結ぶというわけではなく、あくまでスマートに、ダンスのムーブメントとして処理しているのだと感じた。

 こうした演出を見ていると、キャシーとクリスの衣装の色合いが、同系統(濃紺)を基調としたものであるということも納得できる。
 おおまかにいってアイスダンスの衣装は、男女で異なる系統の色であれば、恋愛など男女間の関係をベースにした物語を想像させるし、おそろいであれば、二人でひとつの特殊な世界観を表現するのだとわかる。
 今回のオリジナルダンスの衣装は、後者にあてはまるということだ。

 しかし、衣装の色に関してアイスダンスの文法にしたがった結果、色彩のコントラストを捨てざるを得なくなり、男女それぞれの和服の美を際立たせることができないのは残念である。端的に言って地味すぎる。
また「さくら」の曲を使いつつ、キャシーの着物は菊花模様というのはミスマッチであろう。

 アイスダンスの文法と日本舞踊の様式というものは、やはり容易には融合できない。前者のベースに後者のエッセンスを加えるということなら前例もあるだろうが、今回のように本格的に後者をとり入れようとすればするほど、その難しさはさらに浮き彫りとなる。

 国際大会のジャッジや観客に、エキゾチックなアピールをするという意図のみを重視するなら、問題はもっと簡単だっただろう。しかし、リード姉弟のこのプログラムには、日本のファンに真の日本代表として認められたいという意図がこめられているに違いない。だからこそ困難を承知で、できる限り本格的に日本舞踊に取り組んだのだろう。
 その努力は並ではないが、衣装をはじめ今後磨かれる余地を大いに残したプログラムであるとも感じた。

text/Naoki Tanaka


| 固定リンク | トラックバック (36)

真夏の氷上祭典 ザ・アイス2009レポート ベンジャミン・アゴスト ――輝かせる力

Maimma_7780s  今年で3年目となるザ・アイスでは、浅田真央・安藤美姫をはじめとした日本人選手もさることながら、ゲストの外国人選手の輝きも目立っていた。

 浅田舞の成長を感じさせる大人な雰囲気での演技終了後、ベンジャミン・アゴストが出てきてふたりでの演技をしばし披露したのは、観客にとってちょっとしたサプライズだっただろう。
黒の衣装で登場したベンは、浅田の手を引き、妖艶な世界を見せる。浅田の作り出した空気を基本的には変えない上で、出しゃばらないまでも少しだけ、さっきまでとは違った雰囲気を足す。観客の視線を浅田に集中させたまま、先ほどまでの彼女とは違った印象を与える。
 浅田の美しいスタイルもあいまって、ふたりはまるで本物のアイスダンスカップルのようだった。恐らく練習の回数もそこまで多くないなか、こうしたサポートをさりげなく、かつなめらかに行うアゴストの姿は、とにかく『うまい』の一言につきる。

 もちろん、こうした彼の動きはベルビンとの演技でも健在だ。昨シーズンから披露しているレオナ・ルイスの「ブリーディング・ラブ」に、今回は手紙の小道具も交えながらの熱のこもった演技。全体から切なさを感じさせる演技のなかで、ふたりの魅せ方は物語性のあるナンバーで非常に大きなインパクトを観客に与えていた。

「自分を最も美しいと感じるのは、氷上でベンが私を引き立ててくれている時です」
 パートナーのベルビンもインタビューでこう答えている。彼の高いスケーティングスキルはもちろん、その場その場に応じて女性を引き立てたうえで自身もかすませない技術が、世界トップクラスカップルの揺るぎない強さであることに改めて気づかされた。
 バンクーバー五輪では確実に金メダル候補となるふたり。良い意味で無色透明なベルビンをさらに輝かせ、カップルとしての存在感を上げるアゴスト。彼の醸し出す「味」に、今後も目が離せない。

text/Y. Tachibana


| 固定リンク | トラックバック (11)

フォトジェニック・ダンサーズ(4)[アイスダンス特集vol.10]

_12e3652_2
タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト(アメリカ)

 日本でもおなじみのベテランカップル。今年は練習環境を変え、怪我に苦しみながらも最後には世界選手権表彰台に返り咲きました。現在、国別対抗戦出場のため来日中です。
_12e1641

 上はオリジナルダンスの「Stepping Out」、下はフリーダンスの「トスカ」。


 特に今年のオリジナルダンスは、古きよきアメリカのショータイムを華やかに夢のように再現してくれました。

 「もう文句なしのベストカップルです。そして、ベルビンの笑顔は反則です。(笑)」(能登)

photo/Sunao Noto


| 固定リンク | トラックバック (1)

フォトジェニック・ダンサーズ(3)[アイスダンス特集vol.9]

_12e0506_5
 国別対抗がはじまってしまいますが、2009世界選手権特集のしめくくりとして、フォトジェニック・ダンサーズを二本おとどけします。

ヴァネッサ・クローン&ポール・ポワリエ(カナダ)

 上はフリーダンスのジャコー・ド・バンドリン「Doce de Coco」、下はオリジナルダンスのスコット・ジョプリン「Solace」「The Entertainer」。

 今年シニアデビューのカナダ期待の新鋭。ジュニア時代は世界ジュニアで二位となりました。_12e3217_5

 今シーズンいきなりスケートカナダで二位に入るなど、バーチュ&モア組を思わせる快進撃を見せたカップルです。

 「若さ溢れて、はつらつとした感じが好印象です。」(能登)

photo/Sunao Noto


| 固定リンク | トラックバック (4)

フォトジェニック・ダンサーズ(2)[アイスダンス特集vol.8]

Nfe3262 ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ(フランス)
 世界選手権出場は6度目。今年は先輩であるデロベル&シェーンフェルダー不在のなか、フランス一番手の重責を担いました。
 上はオリジナルダンスの「It Don't Mean a Thing」、下はフリーダンスの「La Notte di Favola」。
 さすがフランスカップル、と膝を打ちたくなるほど、衣装も動きのしなやかさもお洒落。こんな雰囲気は無理やり身につけたものではなく、生まれた時からすでにお洒落なふたりなのでは?
 衣装のデザイン性も細部まで高く、こうしたカップルの存在が、アイスダンスという種目を粋なものにしていくんだなあ、と思いました。
Nf2e1325 「ナタリーの笑顔にやられました。ほんとにいいカップルで、撮影しながらふたりの世界に引き込まれそうです」(能登)
 ちなみにコーチのオレグ・ボルコフ氏のスキンヘッドも素敵です。

photo/Sunao Noto


| 固定リンク | トラックバック (13)

フォトジェニック・ダンサーズ(1)[アイスダンス特集vol.7]

Fme4048  ぜんぜん更新できないアイスダンス特集。ダンスファンの皆さんに申し訳ないので、フィギュアスケート特集カメラマンが選んだ、フォトジェニックな世界選手権のダンサーたちを紹介します。
「撮影するのは実はダンスが一番楽しいです」とのこと。あまり掲載する機会のないダンサーたちの写真、いろいろお届けいたします。

フェデリカ・フェイエラ&マッシモ・スカリ(イタリア)
「どことなく悲哀が感じられて、ほかのカップルとは違う世界観があり、魅力的な組です」(能登)
 右がオリジナルダンスの「Follow the Fleet」、下はフリーダンス「月光ソナタ」。
 日本でもおなじみ、パスカーレ・カメレンゴ氏の指導でめきめき力をつけてきたふたり。既にオリンピックを二度経験しているベテランですが、今シーズンは初めてヨーロッパ選手権のメダリスト(2位)として登場。
 オリジナルダンスでは大きな転倒があったけれど、フリーは月の光に戯れるふたりのピエロ、そんな世界を美しく作り上げました。

photo/Sunao Noto

Fm1173


| 固定リンク | トラックバック (13)

アイスダンスコンパルソリー終了、リード&リード組18位

 今年の世界選手権、コンパルソリーの課題はパソ・ドブレ。音楽も派手で衣装も華やかなこの課題、いつもは地味めなコンパルソリーの試合の雰囲気が、ちょっと違ったような気がした。
 存在感のあるカップルは、より艶やかに。しかし実力の上でまだまだのカップルは、スパニッシュの勇壮な雰囲気にのみ込まれそうにもなってしまう。
 その中に登場した長身の姉弟カップル、リード&リード組は、鮮やかな赤と黒の衣装もよく似合う。髪型もメイクも思い切り挑発的に。でもスパニッシュな雰囲気はうわべだけにとどまらず、少し慎重な動きながらも切れのいいパソ・ドブレを見せてくれた。
「今日はちょっと動きがスロー。でも、大丈夫です、良かったと思う」(キャシー)
 濃いメイク、似合いますね。
「はい、赤と黒、たくさんたくさん使って。髪型はいつも通りお母さんが(笑)」
 クリスの膝の調子はどうですか?
「膝はダイジョーブです。明日も大丈夫です」(クリス)
「明日はないよ!(オリジナルダンスは明後日)」(キャシー)
 全日本の時は85%といっていた膝の調子、今は何%くらいですか。
「今は99%!」(クリス)
「リアリー? ほんとう?」(キャシー)
「ほんとに!」(クリス)
 この調子を維持して、フリーまで頑張ってください。
「はい、フリーは新しいドレス。四大陸のプラクティスで着ただけだから、まだみんな見てない!」(キャシー)
「衣装、すごいですよ!」(クリス)
 ジョークを交えつつ、インタビューのほとんどは日本語で! 2度目の世界選手権、アイスダンサーとして、また日本チームの一員として、どんどん経験値を積んでいるふたりだ。

text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (0)

キャシー・リード&クリス・リード組棄権を発表

Alljjapan08_2  アイスダンスの日本代表・リード姉弟組が、現地時間4日朝の公式練習終了後、今大会の棄権を発表した。理由はクリス・リードの右膝痛の悪化。一昨日(2日)夕方、バンクーバーでの初めての公式練習時、クリスがイーグルポジションで腰をかがめ、キャシーを抱えあげるフリープログラムのリフトを練習中に転倒。その際、これまで3回手術をした右膝を打ってしまったという。
「痛みがあって転倒したのか、転倒したことで痛みが出たのか、どちらが先かはわかりません。翌日は午前と午後、2度の公式練習に参加しましたが、痛みは引かなかったようです」(日本スケート連盟フィギュア強化部長 吉岡伸彦氏)
 滑れない状態ではないが、何度も手術をした膝ということで、今回は無理をせず、世界選手権に備えるために棄権を決めたという。ふたりはすでにバンクーバーを出発している。
 四大陸選手権は07年、リード組が初めて日本代表として出場した国際大会。初めてジャパンジャージ姿を見せてくれたのも、やはり2年前の四大陸選手権だ。これまで2年連続で7位に入っており、今年はひとつでも上の順位を狙い、オリンピック枠獲得に向けての自信をつけたかっただけに残念だ。
 しかし、全日本選手権後、がんばったご褒美に何か欲しいものはあるか、と聞かれて、「新しい膝が欲しい」と答えたクリス。これから、もし上手くいけば10年以上アイスダンサーが続けられる若いふたりのこと。新しい膝は無理でも、少しでも良い膝を取り戻し、世界選手権、そしてオリンピックで元気な姿を見せてほしい。

photo/Sunao Noto(08年全日本選手権にて撮影) text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (3)

エフゲニー・プラトフインタビュー(2)[アイスダンス特集vol.7]

Kkf8d2f_2  ――プラトフさんのスケートに影響を及ぼしたコーチ業についてもお聞きします。チャイト&サフノフスキー組、日本の荒川静香さんなど、ここ数年はキス&クライでプラトフさんの姿を見る機会も多く、うれしい限り。最近では何といってもシニード・カー&ジョンー・カー組ですね。
プラトフ 彼ら、いいでしょう? 今シーズン(07-08シーズン)のプログラムの振り付けは、僕がしたというより、ジョンとシニード、僕の3人で一緒に作ったんだ。コーチの仕事は好きだけれど……ほんっとうに難しい! スケートを滑るだけの仕事より、よっぽど大変なんだ。コーチになってからの方が考えなければならないことは多いんだよ。正直始める前は……コーチなんて、もうちょっと楽な仕事だと思ってた(笑)。現役のスケーターはみんな、こんなにコーチが大変な仕事だとは思ってないんじゃないかなあ。でもシニードたちとの仕事は楽しい。ほんとうに。

――私が難しいんじゃないかな、と思うのは、あなたがロシア人、彼らがイギリス人。それぞれアイスダンスの伝統を持つ国のダンサーだということです。お互いに違うスタイルの元で育ってきましたよね。
プラトフ 確かに。ロシアとイギリスでは、大きく違うからね。でも彼らは、イギリス人じゃなくてスコットランド人だから! スコットランド人って……ほんとに強いんだよ。「僕ら、スコットランド人!」っていう意識がものすごく強い。その点で実は、僕らと通じるものがあるんだ。ほら、ロシア人も強いでしょう。「俺たち、ロシア人!」っていう意識。強い者同士で、まあ、うまくやってる(笑)。これからジョンたちとは、もっともっと楽しいプログラムを作っていきたいんだ。アイスダンスの新しい採点システムの中でプログラムを作ることは、難しいんだけれど……。でも、様々な制約や難しさにひるまず、どんどんチャレンジをしていきたいと思う。そして、ずっと後の時代になってもみんなが覚えている、みんなの心に残るようなプログラムを作っていけたらいいな。もちろんショースケーターとして、オクサナと滑ることも続けるよ! 日本にもまた、二人で来る機会があればいいと思うし。

――ダンスのオリンピックチャンピオンであり、コーチでもあるプラトフさんに聞きたいのですが、現在のアイスダンス界で、注目している選手はいますか。
プラトフ まずアイスダンスではフランスのカップル(デロベル&ショーンフェルダー)が、今は好きかな。あとは若いカナダのチーム(ヴァーチュー&モア)もいいね。シングルやペアの選手の名前は、あげちゃだめなの?

――ぜひ聞きたいですね!
プラトフ シングルではダイスケ・タカハシが好きだよ。彼ともいっしょに練習していたことがあるしね。そう、04-05年のシーズン、タチアナ・タラソワのところで、僕も一緒に教えていたんだ。ダイスケは才能のあるスケーターだし、彼にはすごい将来が待っていると思うよ。あの当時、教えていた生徒の中では、彼が一番優秀だったんだ。僕が言ったことは何でもトライしようとしたし、何かをお手本として滑って見せると、何でも真似してみてくれた。ふつうのスケーターは、いろいろな動きや技を提案しても、「僕にはちょっとそれは無理です」ってトライさえしないことが多いんだけれどね。ダイスケはその点、教えていても素晴らしかった。

――あなたにそう評価されると、日本の大輔ファンも喜びますよ。ペアは? 
プラトフ ドイツのふたり(サフチェンコ&ショルコビー)が好きだね。彼らはすごくいいペアだ。また彼らのコーチ、インゴ・シュトイヤー(ボーツェル&シュトイヤーで長野五輪ペア銅メダリスト)とは、世界ジュニア以来ずっと同じ時期に選手で、同じ試合に出続けてきた仲間なんだ。世界ジュニア、83年に札幌であったんだけれど(プラトフ、シュトイヤーともに、長野五輪時とは別のパートナーと出場し、金メダル)、もう25年も前になっちゃった! そのころから友人のふたりが、今はふたりともコーチをしてるなんて、いいと思わない? ちょっとふたりとも……太ったけどね(笑)。でもふたりともハンサムだし、いいよね?

――もちろんです(笑)。日本のお客さんたちも、キス&クライのプラトフさんもいいけれど、氷の上のプラトフさんを、もっともっと見たいと。
プラトフ 日本のスケートファンみなさん、最近は少し変わったよね。だいぶ大きな声を出して応援してくれるようになったみたい。でもアイスショーでも試合でも、もっともっとはしゃいで叫んで、いろいろ大きな音を出してもいいと思うよ。僕らも滑り終わった瞬間、わああ! って大きな歓声を聞いたり、大きな拍手をに包まれたりすると、ほんとうに心地いいんだ。日本の皆さんには、シャイにならないで、って言っておいて。ホテルで僕たちを追いかけるときは、もうちょっとシャイにしてもらっていいんだけれど(笑)、そのぶんリンクで、もっと大きな声を出してねって。アメリカやロシアでは、スケートリンクではそれはそれはすごい歓声が起こるんだ。でも、みんながシャイすぎること以外は、日本はすごくいい国。大好きだよ。シャイだけれど、そのぶん皆さん礼儀正しいし、すごくいい人も多い。どこに行っても綺麗で清潔だし。世界で一番好きな国の一つだよ!

「ウィアー・ロシアン!」と言う時、両手を握りこぶしにして愛嬌たっぷりに語ってくれたプラトフさん。短時間のインタビューだったため、カー姉弟のことなどもあまり聞けませんでしたが、シーズン中のどこかで、もう一度つかまえられたらと思います。
 ペアの井上&ボルドウィン組の振り付けでも活躍している、オクサナ・グリシュクさんインタビューも、近日中にお届け予定です。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
(写真は08年スケートアメリカ・オリジナルダンスでのカー&カー。エキシビションではシニードがジョンを持ち上げる逆リフトで大歓声。明るいふたりはアメリカでも人気者で、全員の名前がコールされたエキシビションフィナーレ、最も大きな喝さいを受けたのはこのふたりでした)


| 固定リンク | トラックバック (18)

スケートアメリカ シニード・カー&ジョン・カー組3位! エフゲニー・プラトフコーチインタビュー(1)[アイスダンス特集vol.6]

Gpinterview_2  グランプリシリーズ第一戦スケートアメリカ。
 アイスダンスではイギリス代表のシニード・カー&ジョン・カーが、グランプリシリーズ初の表彰台となる銅メダルを獲得! しかもオリジナルダンスでは五輪メダリストのベルビン&アゴストを抑えて2位につけました。アイスダンス特集では、ファイナル初出場に一歩近づいた彼らをサポートする、エフゲニー・プラトフコーチのインタビューをお届けします。
 19日にちょこっと予告したプラトフインタビュー。待望の声のあまりの大きさに驚いていますが、今年3月、長野メモリアルオンアイス来日時のインタビューということで、少し古い取材でごめんなさい。

――今回はほんっとうに久しぶりにダンサー、プラトフさんの滑りを見られるということで、日本のファンのみなさん、大喜びです。しかもオリンピック金メダルの思い出の地、長野で!
プラトフ うん、長野はすごくいい思い出がある場所です。僕にとってとても大切な、最後のオリンピックのあった場所……。考えるだけですごく感傷的になってしまうくらい、印象的な思い出ですね。でもあの時、フィギュアスケート会場は、今回のショーの場所(ビッグハット)ではなく、ホワイトリング(現在は体育館)だったんだよね。もしホワイトリングだったら、滑りながら震えちゃっていたかもしれないなあ。オリンピックの時、僕は本当に緊張していたからね(笑)。今となっては、本当にいい思い出です。

――何といってもうれしいのは、あなたとパーシャがそろって来日してくれたことです。グリシュク&プラトフのダンスが、もう一度日本で見られるなんて!
プラトフ そう、8年半、彼女とは滑っていなかったんだ。それが去年は(再結成は06年)、スターズオンアイスで一緒に滑って、ロシアでのショーも滑って……。でも今回、長野に来ることはふたりにとって大きな決断でした。僕も彼女も今はコーチをやっているので、ほんとうに時間がなくて、忙しいスケジュールを縫って来なければならないからね。あ、そうそう、彼女は今はもう、パーシャじゃないんだ。名前を「オクサナ」に戻したんだよ。ノー・モア・パーシャ(笑)。彼女と一緒に滑るのは本当に楽しいな! 他のパートナーと滑るのとは、またちょっと違った感じです。僕たちは……歴史を作ったから。僕たちがアイスダンスの新しい時代を作ったし、だからこそ……それだけのことをしたからこそ、あの後、僕たちは違う道へと進んでいった。で、最近また元に戻った(笑)。いろいろなことを経てまた一緒にふたりで滑れること、本当にうれしく思っています。

――オクサナとふたり、長野のころと今で、ふたりのダンスは変わりましたか。
プラトフ もちろん! いろいろなことが変わったよ。今はふたりともコーチだから、そのことで気持ちの上での影響は大きいね。最近よく思うのは、自分たちが競技スケーターとして滑っていたあの頃、コーチはどんなことを考えていたのかなあ、ということ。コーチが自分たちのことをどれだけ思っていてくれたかを、よく考えるようになったんだ。そんな気持ちが、今、自分がスケートを滑る上でのパッションにつながっている。色々な人が僕らのスケートを支えてくれた、作ってくれた。そしてまた僕たちは今、滑っているんだ……ってね。

――コーチとしての経験を経て生まれた、新たなパッション……。
プラトフ そう。それから、年月。長野オリンピックからもう10年もたったんだ。長いよね(笑)。10年も経って年もとったけれど、その分、スケートに対する理解も深まったと思う。スケートだけでなく、人生ってものを、僕も少しは理解できたと思うし……。人生に対する知識も、少しは深まったと思う。スケートを楽しむという気持ちは10年前と同じだけれど、でもあのころとは少し違う、色々なことを知った上で、それでもスケートを楽しもうという気持ちが生まれている。時間を経て生まれた、スケートへの新しいパッションというものもあるんだ。そしてそのパッションは、とても大きいんだ。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima (写真は08年3月長野メモリアルオンアイスにて)


| 固定リンク | トラックバック (17)

アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(3)[アイスダンス特集vol.5]

B6afoi18 ――長い時間をともにしてきたふたりが、今年はどんなスケートを見せてくれるのか……。シーズンの始まりは、グランプリシリーズからですね。
タニス 毎年グランプリシリーズの頃は、プログラムもまだ滑り込んでいないし、発展途上なのよね……。

ベン 僕らにとってグランプリシリーズは、試合を楽しむにはまだシーズンの初めすぎるね。まだきっと、新しいプログラムをこなすことに精一杯なんだ。滑るごとにプログラムの完成度を高めたり、自信をつけていったり……そんな試合。ジャッジから評価をもらうことで、何をもっと練習しなきゃいけないのか分かるし、世界選手権に向けてのとても重要なステップにもなる。そういえば僕らは、NHK杯に来たことはないな。すごく出たいんだけれど……。

タニス 確か来シーズン、オリンピックイヤーはグランプリシリーズの日程が変わるんじゃないかしら。そしたらNHK杯に来られるかも(09年グランプリシリーズは、フランス→ロシア→中国→日本→アメリカ→カナダの順に開催となる)。いつもはファイナル直前にあるから、なかなか出られなかったの。スケートアメリカの直後にあるカナダも、スケジュールの都合で出にくいし……。来年はぜひ、日本に来たいわね!

――今年は第1戦のスケートアメリカの他に、3戦目の中国杯にエントリー。中国杯は4回目の出場ですね。
ベン 何度も行ったけれど、中国杯はいい大会だよ! 中国からもいいスケーターが出場するし、スケート人気も高まってきてる。特に今年は北京オリンピックの後だから、スポーツに対しての人々の興味も高いと思うんだ。逆にみんながスポーツに飽き飽きしてないといいけれど(笑)。僕たちはすごく楽しみにしているよ。

タニス 中国杯のように同じ大会に何度も出ていると、私たちのファンも増えて、出場を待っていてくれるのがうれしいわ。日本でのNHK杯には出たことがないから、日本の人たちは私たちのことをあまり知らないかもしれない……。でも中国は毎年のように出ているから、たくさんのファンがいて、去年の写真を持って会いにきてくれたり、サインを待っていたりするの。日本でもそうなればいいなあ。

――では来シーズンはぜひ、NHK杯へ。しかし来年といえばもうオリンピックシーズン、そして開催地はカナダですね。
タニス すごく楽しみ。私の家族も観にこられるし! バンクーバーは私たちが組んで初めての世界選手権(01年、17位)があった場所だし、きっとこれが現役最後の場所にもなるわ。私たちのスケート人生にとって、とても大事な場所。

ベン ぐるっと円を描いたようだよね。キャリアの初めと終わりがバンクーバーだなんて!

タニス ほんとうに。それにね、カナダ人はウィンタースポーツ、特にスケートが大好きなの。だからすばらしいお客さんたちと過ごすオリンピックになると思うわ。

――現役最後の場所に、やっぱりなってしまいそうですか?
タニス きっとバンクーバーオリンピックが最後ね。もしその後続けるとしても……ロシア(ソチオリンピック)まで行かないってことは確か(笑)。

――タニスにとっては母国でのオリンピック、ということになりますね。
タニス そうね。私たちも、アメリカ人とカナダ人のカップルというより、「北米カップル」だと思っているから、バンクーバーは地元。きっとすばらしい大会になると思うわ。私はまだ、カナダの市民権ももっているし……。理解できない人もいるかもしれないけど、私はアメリカ代表のフィギュアスケーターとなったけれど、カナダ人なのよ。いつだってカナダは私の故郷。アメリカのスケーターになれて嬉しいけれど、カナダ人でもあるの。カナダ人であり、アメリカ人。

――地元五輪のバンクーバーで最後、は残念ですが、その後はショースケーターとして、また日本に来てくれますか?
タニス そうね、引退後すぐは、数年ショーをするつもり。でもその後はふたりともスケートをやめて、違う仕事を探すの。コーチもしないわ。チャンスをいかして、スケートとは全く関係のない世界に行かないと! スケートを続けることは、簡単なのよ。だって私たち、今までずっとスケート、スケート、スケート……だったでしょう。もう、滑ることしか知らないの(笑)。だから辞めることはとても勇気がいること。でも二人とも、新しいチャレンジをしてみたいの。長くても2年たったらショーも辞めるつもり。

――新しい世界、それはたとえば、芸能界だったりメディアの仕事であったりもしますか?
タニス そうね、キャスターにも興味はあるわ。でもスケートの、ではなく、一般のニュースやエンターテイメントなどのね。どうなるか分からないけれど、いろいろなことにトライしてみるつもり。オリンピックに出れば、メディアの注目も高まっていろいろな仕事が来るかもしれないし……。もしそうならなければ、私は学校に行くわ。大学で勉強したいこともたくさんあるから!

ベン 世の中にはスケート以外にもたくさん生きていく世界があるからね。僕たちはこれまでスケート人生だけを送ってきたから……もっと他の世界も見なければいけないと思うんだ。

 ユーモアを交えながらも、様々なことについて冷静な言葉で語る二人が印象的だった。「自分たちには新鮮味がない」という、とても冷徹で客観的な視線。アメリカのスケートブーム衰退に関する鋭い分析。「スケートとは全く違う世界に行きたい」という、潔いほどの未練のなさ。
 こんなふたりが、氷の上ではあれほど明るくはじけた姿を見せてくれるのだから、アイスダンスは奥が深い。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami
*写真は(1)(3)ともフレンズ・オン・アイス2008での演技

*アイスダンス特集、次回は日本のジュニアダンサーインタビューを予定しています 


| 固定リンク | トラックバック (5)

アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.4]

Tb0051 ――二人の今年の挑戦が楽しみ。アメリカではダンスだけでなく、男女のシングルでもペアでも、優秀な選手がたくさんいます。皆さんの活躍で、またフィギュアスケート人気が盛り上がるといいですね。
タニス そうね、でもどんなエンターテイメントにも、浮き沈みはあるわ。フィギュアスケートは長い間人気があったから……。ジャッジシステムも変わってしまって、誰もルールを理解できないようになってしまった。アメリカ人にとって、劇的に変化、崩壊といってもいいほど変化してしまったスケートを、真のスポーツとして見ることが難しくなったのよ。みんなが新しいジャッジシステムや新しいスケーターを理解していくのに、もう少し時間が必要なんだと思うわ。メディアにしても、新しいスケーターたちのキャラクターを捉えるのが難しいのだと思う。スケーターは他のスポーツの選手に比べて礼儀正しいし、あまり場違いな発言もしない。だからメディアも、センセーショナルに取り上げにくいのよ(笑)。でもオリンピックイヤーになれば、もっとスケーターのキャラクターも見えてくるだろうし、人気も上がっていくと思う。アメリカのスケート界も、新しい道を進んでいるしね。とにかく今は、時間が必要なの……。

ベン 人気スポーツになるための大事な要素として、「ファンが一人の選手を追っていく楽しみ」ってこともあげられると思うんだ。昔はひとりのスケーターが何年にも渡ってチャンピオンの座にいたから、選手のキャリアを追っていく楽しみがあったでしょう? 「お! ミッシェル・クワン!!」って感じにね。でも今は競技の内容がどんどん難しくなってきて、選手がケガをすることも多いし、どんどん新しいスケーターに入れ替わっていく……。もし同じ選手が長くトップにい続けることができれば、また人気は上がると思うよ。

タニス そうそう。例えば女子シングルの選手は、たいていオリンピックチャンピオンになると選手をやめちゃうでしょう? そうなると、メディアの興味もすぐに薄れてしまう。だから今後は私たちが、長年にわたって活躍できるような選手になれたらいいなあ。そしたら十年後くらいに、「あら、この子たち知ってるわ!」ってことになるでしょ。がんばるわ!

――なるほど。またこうした流れの中、シングルが人気のアメリカで、アイスダンスという種目に大きな注目を集めさせたのはおふたりだと思うのですが……。改めてペアやシングルではなく、ダンスを選んだ経緯を聞いてもいいですか? 日本でアイスダンスを始めようと考えている選手たちに向けても。
ベン そうだね、僕も小さい頃はシングルスケーターだったんだ。でもそのころ、けっこう太ってて(笑)、ジャンプも得意じゃなかった。でもある日、パートナーといっしょに滑ったときに、とても違う感じがしたんだ。ひとりじゃないことは新鮮だったし、ふたりの方がもっと創造性に富む演技ができると思ったし……。それにふたりだと、試合でもそんなに緊張しなくてすむでしょう? パートナーが僕の分まで緊張してくれるから!

タニス 私はシングルもやったし、ペアもやったの。で、最後に落ち着いたのがアイスダンス。全部トライしたから、アイスダンスが一番好きだって堂々といえるのがいいわよね(笑)。ベンと組んだのは、ソロのダンサーとしてイゴール(前コーチ、イゴール・シュピルバンド)に習うために、デトロイトに行ったのがきっかけ。そこでイゴールが以前ベンを教えた経験があって、私のために連れてきてくれたの。ほんとにイゴールにはいいパートナーを紹介してもらえたな、って思うわ。

ベン 僕はそのころシカゴに住んでいたんだ。で、イゴールが僕の当時のコーチに、「ある女の子と試しに滑らせてみないか」って。それがタニスだったんだ。テストで滑ってみた一週間後には、ふたりそろってデトロイトに引越したよ。

タニス アイスダンスを選んだ私たちは、アスリートというよりパフォーマーなんだと思う。もちろんフィギュアスケートはスポーツだから、両方の素質が同じくらいあるべきだけれど、ダンスはシングルやペアよりも演劇的。だからふたりの性格にはもってこいなの。ストーリ性のあるプログラムもできるし、衣装や演じるキャラクターでも遊べる。それがとっても楽しいわ。

――ふたりはきょうだいでもなければ、恋人同士でもありませんよね。アイスダンスではそういったカップルも多いようですが。
タニス 私たちの場合、かえってそれが上手くいってるんだと思うの。結婚してたり、恋人同士だったりするカップルは、問題があることも多いから。だっていつも一緒にいなければならないし、愛する人と一緒に「仕事」をするのは難しいこと……。私たちにはそろぞれ支えてくれる家族がいて、そしてフレンドシップもある。だからいろいろな障害を、ともに乗り越えていけるの。

text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami


| 固定リンク | トラックバック (6)

アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(1)[アイスダンス特集vol.3]

Bafoi0121_noto02  グランプリシリーズ第1戦、スケートアメリカ開幕直前! 
 アイスダンスでこの大会5度目の優勝を狙うベルビン&アゴスト組が7月に来日。「フレンズ・オン・アイス2008」に出演し、全米チャンピオンらしい貫禄と、ショーマンとしての華やかさを見せてくれた。しかし今シーズンは彼らにとって、大きな転機となるシーズン。長年師事してきたコーチと袂をわかち、新コーチ、リニチュク&カルポノソフの元でトレーニングを始めたのだ。
 この決断は、オリンピック銀メダリストの滑りに、どんな影響を与えるだろうか?

――日本のアイスショーでふたりを見られる機会はめったにありません。来日してくれて、日本のファンも喜んでいますよ。
ベン ほんとに、僕らが日本で滑る機会はあまりないんだよね。こうして来られて、僕らもうれしいよ。日本のお客さんはほんとにスケートが好きだし、ショーでの反応もいいし、スケートの知識も豊富!

タニス 残念なことにアメリカでは、スケート人気はちょっと低迷しているの。でも日本は全く逆ね。だから今、この国でで滑ることはエクサイティングだし、たくさんの拍手に迎えられると、スケーターである自分に大きな誇りをもてるわ。お客さんたちもスケートをすごく大事に思ってくれている。これはすばらしいことだわ。

――そんな日本のファンもちょっと心配しているのが、今シーズンコーチを変えられたことです。まだ一緒に練習を始めて日は浅いと思いますが、現在の感触はどうですか?
ベン ナタリアとゲンナジー(ナタリア・リニチュク&ゲンナジー・カルポノソフコーチ。レイクプラシット五輪金メダリスト。コーチとしてはグリシュク&プラトフ組、渡辺心&木戸章之組などを育成)はすばらしいコーチだよ。彼らに教わることができてとてもハッピーだ。長年にわたって世界チャンピオンやオリンピックチャンピオンを育ててきたから経験豊富だし、僕らに何が必要でどの方向に進んでいけばいいかを、きちんと示してくれる。

タニス 昨シーズンの私達は……今後のキャリアについて、どうしていいのか分からない状態だったの。だからキャリア形成を助けてくれるコーチが絶対に必要だった。チャンピオンになるための方向性を示してくれるコーチ、がね。デトロイトでついていたコーチは、私達がどこへ向かっているのか分からなかったかもしれない。でも今のコーチは、チャンピオンになるためにはどんな曲で、どんなプログラムを滑るべきなのか、はっきりと示してくれた。だから今年は、自信も戻ったわ。

――トレーニング地も、慣れ親しんだデトロイトからフィラデルフィアへと移りましたね。
ベン そう、フィラデルフィアはアメリカ発祥の地ともいえる歴史的な土地だし、とてもスペシャルな街だと思うよ。活気があって文化的だし、すごく住みやすい。また、僕らが今トレーニングをしている「アイスワークス」という新しいリンクもとてもすばらしい施設で、4つものリンクがあるんだ。スケーターはみんな練習時間がたっぷりとれるし、まわりにはすばらしい人たちもたくさんいるんだよ。

タニス 私は大都市に近いのも嬉しいわ。デトロイトではアートや文化的なものにふれる機会があまりなかったの。ダンスや芸術に触れたくてもなかなかできなくて……。でもフィラデルフィアは美しい街だし、ニューヨークやボストンにも近いし、ダンサーもいい振付師もたくさんいる。私達にはもってこいの場所ね。

――今シーズンはリニチュク&カルポノソフコーチの元に、もう一組アイスダンスのトップカップルが移ってきましたね。ロシアのオクサナ・ドムニナ&マキシム・シャバリン組。世界のトップを競うダンサーと、奇しくも一緒に練習することになりましたが。
タニス そうね……でも私たちはこれまでも、他のトップスケーターと一緒にトレーニングしたことがあるし。ライバルと一緒に練習することは、問題ないわ。オクサナたちとは親しいし、小さいころから知ってるし、同じリンクで一緒にスケートすることがどんな感じかもだいたい分かってる。もちろん難しい部分もあるけれど、トップレベルの選手が同じリンクにいれば、自分達がトップになるにはあとどれだけのことをするべきか、教えてくれるわ。長く続く練習はバイクレースみたいなもので、目の前に誰もいなかったら、がんばって進んで行こうって気にならない。だからオクサナたちががいることは、ポジティブに受けとめているの。それよりも忘れちゃいけないのは、彼ら以外にもライバルはたくさんいるってこと。オクサナたちだけを意識していると、彼らには勝てるかもしれないけど、他のカップルには負けちゃうかも、でしょ!

――リンクメイトのドムニナ&シャバリン組、コーチのカルポノソフ夫妻、また以前のコーチのズウェア&シュピルバンド……。ふたりのまわりには実にたくさんのロシア人がいますね
ベン ロシアはアイスダンスの原点だからね。ロシアのスタイルこそアイスダンスのスタンダードだと思う。僕たちはそのロシアンスタイルをよく知っていて、経験豊かなコーチが僕たちの目標に向かって指導してくれるなんて、ほんとにラッキーだよ。コーチのすばらしい知識を僕たちのスタイルと融合していくことで、より強い選手になれると思う。

タニス ロシアのフィギュアスケートは、歴史的に見てもすごく強いし、他の国とは違う、特別な存在感があるわよね。ロシア政府はスケート選手にしっかりとした資金援助をしているし……。偉大で、尊敬されるスポーツとして扱われている。スケーターやスケートコーチも、誇れる職業として捉えられているし。またロシアでは、コーチになるために大学で勉強をするし、スケートをしていることも大学で学んでいることと同じように認めてくれる。アメリカでは、そうはいかないわ……。同じ年代のコーチをアメリカとロシアで比較したら、ロシアのコーチの方がより深いスケートのバックグラウンドと知識を持っているの。でも近いうちに、アメリカのコーチも追いつくと思う! 私たちには経験が必要なだけ。ロシアのコーチもアメリカのコーチも、今はいい関係でお互い学びあっているしね。

――そんなコーチとともに、今シーズンはどんな目標を立て、どんなスケートを私たちに見せてくれますか?
ベン 僕たちの今シーズンの目標は、とにかく練習をして今できることはすべてやる、ということ。そしてシーズンに入ったら、自分たちの「新しいスタイル」を見せるってことかな。とにかく、変わりたいんだよ! ファンだって僕たちの新しい姿を待っているはずだからね。今年はまったく新しいスケート、まったく新しいスタイル、そして大きな自信を見せたい。そのために、やることがほんとうに山積みだけれど……でも僕たちも楽しみだし、やれる自信はあるんだ。

タニス これはプラスにもマイナスにもなる要素だけれど……私たち、もう10年も一緒に滑っているの。シニアに上がってからはもう、7年かな。だからたくさんの経験をしているし、ダンサーとして成熟もしているけれど、新鮮味がないの。新しく出てきた若いカップルたちには、それがあるでしょう? だから私たちも、今まで誰も見たことのない新鮮なカップルになる、そのための方法を見つけなきゃ、と思った。そのためにコーチを移ったし、そのための準備を今、しているところ。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami


| 固定リンク | トラックバック (4)

アイスダンス・イギリス代表 シニード・カー&ジョン・カー組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.2]

Kerenhk ――今年はどんなふたりの「絆」が見られるか、とても楽しみ。シーズンの始まり、ファンが注目するのはグランプリシリーズですね。
シニード 今シーズンのグランプリシリーズはスケートアメリカとフランスね。もしファイナルにいけたら、夢のようだわ。コーチからはどちらの試合もトップ3に入ることを目標に、って言われてるんだけれど。

――スケートアメリカは3回目のチャレンジ、フランスには初めての出場ですね。どちらが楽しみ?
ジョン そうだな、どちらかといえば……日本がいいな(笑)!
シニード そうよね、NHK杯だったら最高だったのに。日本の運営組織はしっかりしてるし、人々は素晴らしいし。来年は来られたらいいな。でもまあ、パリも悪くないわね。スコットランドからも近いから、家族が見に来てくれたらうれしい。
ジョン NHK杯に出られないのは残念だけれど、スケートアメリカもフランスも、人気がある試合。ここでメダルをとってファイナルに進めたら僕達にとってすばらしい前進だよね。この目標を達成できたらいいな、と願ってるよ。

――ファイナルは韓国。日本のファンもたくさん見に行くと思います。ところでジョンは今回、ちょっと変わった相手とのダンスを見せてくれましたね。日本の小塚崇彦選手!
ジョン そう! 彼とのダンスは楽しかったよ。でもこのあともう少し、ふたりで練習するんだ。残りのショーはもっといいものにするからね(取材は初日第一公演終了後)。もちろん男の子とカップルを組むのは初めてだよ(笑)。振付師さんに“俺達フィギュアスケーター”から得たアイデアで滑るって聞いたとき、これは楽しくなるなあ、とまず思った。でもスロージャンプは、僕が投げられる役じゃなくてよかったな。僕だったら投げられても、どうしていいかわからないもん(笑)。

――見ごたえたっぷりの「俺達フィギュアスケーター」でした。練習時間も短いなか、リフトまであって大変だったのでは?
ジョン 全然平気だよ! 僕達のパフォーマンスでお客さんが喜んでくれたみたいだし、僕達もうれしい。それですべてOK! タカヒコはそんなに背が高くないから、一緒に滑るのにちょうどいいし、滑りやすかった。試合では男同士で滑ることはできないけれど、こうしてたまに、ショーで滑るのはいいね。でもふたりがあまり真剣になって、熱くなりすぎたら困るけどね!
シニード ずいぶん楽しそうね。どうやら私はパートナーをとられちゃったみたい(笑)。

 彼らのダンスそのままに、底抜けに明るいキャラクターのシニード&ジョン。ペアやアイスダンスの選手へのインタビューの場合、男女のどちらかが率先して応え、片方は促されてやっと話をしてくれる、というふたりが多い。しかし彼らふたりは、一つの質問に二人で競うように答えてくれたのが面白かった。きょうだいということで体型も似ているが、性格もまた、よく似ているようだ。
 今シーズンはすでにシーズン序盤のフィンランディアトロフィーで優勝! 初のファイナルを狙うグランプリシリーズに向けても、準備万端というところだろうか。
 アイスダンス特集では、彼らのコーチ、エフゲニー・プラトフのインタビューもお届け予定。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年NHK杯でのフリーダンス


| 固定リンク | トラックバック (1)

アイスダンス・イギリス代表 シニード・カー&ジョン・カー組インタビュー(1)[アイスダンス特集vol.1]

Kerrtheice_009  アイスダンス特集、まずはグランプリシリーズアメリカ大会に出場する2組のダンサーのインタビューをお届けしたい。
 取材は08年7月、愛知県で行われたアイスショー、ザ・アイス来日時。急遽出演が決まった彼らのナンバーは、昨シーズン話題をさらったオリジナルダンス「スコティッシュダンス」だった。NHK杯で披露して大人気となり、世界選手権でもスタンディングオベーションを受けた傑作。シーズンオフにもう一度見られるとは思わなかった! と喜んだファンも多いだろう。

――これは日本のフィギュアスケートファンによる人気プログラムの投票結果(2008プログラム・オブ・ザ・イヤー)なのですが。おふたりの「スコティッシュダンス」は、アイスダンスのプログラムでは2番人気。オリジナルダンスとしては1番の投票を集めたんですよ
シニード ええ!? 去年のベストオリジナルダンス! すごい! 日本も、日本のファンも大好きです! 日本のみなさんってすばらしいわ。今回もここで滑れてとても光栄です。
ジョン ほんとに、日本のファンはすばらしい。僕も日本のショーでで滑れて嬉しいよ。
シニード NHK杯でも滑った「スコティッシュダンス」をまたショーでできるとは思わなかったわ。仙台でも日本のファンは喜んでくれたし。
ジョン 僕らもこのナンバーは大好きだしね。またこうして、ベストオリジナルダンスに選んでくれた日本で再演できてうれしいよ。

――「スコティッシュダンス」、コーチのエフゲニー・プラトフさんの振付けですね。彼が日本に来たときにも、おふたりのことを色々聞いたんですよ。
シニード ほんと? 彼は最高のコーチなのよ。人間としてもとってもすばらしいの! スケーターとしても伝説的な人物(94年リレハンメル五輪、98年長野五輪チャンピオン)だけど、人としても……彼は悪口の言いようがないわね。
ジョン 彼も大の日本好きなんだよ! 僕は彼ほど日本が好きな人に会ったことがないくらい(笑)。彼が日本の長野でオリンピックの金メダルを取ったことももちろん知ってる。すばらしいコーチだし、いまだに、技はなんでも自分で滑って見せてくれるんだ。彼との練習、最高に楽しんでるよ。
シニード そうなの、彼も超日本が好きで、日本での試合やショーが決まるとすごく喜ぶのよ。でも残念ながら、今回来られたのは、私たちだけ。だからお土産に、日本でガムを買ってきてーって頼まれてるの。「ガムは日本が一番だ」って(笑)。

――来シーズンも振付けはプラトフコーチですね。どんなプログラムを見せてくれるでしょうか?
シニード オリジナルダンスは1940年代の曲。スウィングね。私達の得意分野。で、フリーではミューズというバンドの「Ruled by Secrecy」という曲で滑る予定。
ジョン フリーダンスの曲は今まで滑ってきたものとまったく雰囲気が違うから、きっと新しいスタイルを見せられると思う。みんなに気に入ってもらえるといいんだけど。

――ふたりは姉弟スケーターですね。きょうだいでアイスダンスを滑る難しさなどはありますか? 日本にも姉と弟のダンスカップルがいるのですが。
ジョン クリス&キャシーだね! そうそう、彼らが今回このショーを欠場したから、僕達に出演依頼が来たんだ。だからふたりにはお礼の電話をしなきゃ(笑)。でもクリスがまた膝の手術をしたって聞いたよ……。早く良くなってほしいと思う。彼らは才能のあるカップルだから、日本のためにきっといい成績を残すと思うよ。
シニード 彼らもそうだと思うけれど、きょうだいでスケートをする難しさっていうのは、あるのよ。一番困るのは、うーん……氷を降りても、いつも一緒にいなきゃいけないことかな(笑)。でも他のカップルにはない、生まれながらの強い血のつながりは、私たちにとって特別なものだと思う。
ジョン 他のダンスカップルは氷の上でロマンスを作り上げていくこともあるけれど、きょうだいカップルにはそれとは全く違うスタイルを作り上げられると思うんだ。普通のカップルとは違う、そう、たとえば「一生の絆」みたいな。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 

*写真は08年7月、モリコロパークで開催の「ザ・アイス」


| 固定リンク | トラックバック (12)

Sports@nifty アイスダンス特集、はじめます

Dwmorita02 ほんとうは「アイスダンスメモリアルブック」を作ってみたいのですがなかなかそうもいかないので、Sports@niftyフィギュアスケート特集内でささやかなアイスダンス特集をはじめます。

グランプリシリーズの開幕も間近。注目の現役ダンサーから、日本のジュニアダンサー、そしてオクサナ・グリシュク、エフゲニー・プラトフ、マウリッツィオ・マルガリオ、木戸章之さんなど、豪華ゲストへのインタビューを中心に、これから半年、忘れたころにアップされる不定期連載です。

アイスダンスファンの皆さんからのご意見、ご希望も募集中。ご期待ください。

photo/Masami Morita

*写真は06年NHK杯でのメリル・デイビス&チャーリー・ホワイト組。今シーズン、グランプリシリーズはスケートカナダとロシアカップに出場予定。初のグランプリファイナル進出が期待されます


| 固定リンク | トラックバック (12)

四大陸選手権こぼれ話(6) オフリンクの選手たち

Daijefp1000479_3
 記者会見会場での、素敵なツーショット2枚。
 まずはショートプログラム記者会見後の、高橋大輔&ジェフリー・バトル選手。
 今大会、お客さんの黄色い声を二分したふたり。
 がんばって英語で記者たちの質問に答えようとする高橋選手を、「がんばれ! 大丈夫だよ!」と励ましていたバトル選手の姿が印象的だった。高橋選手の方も、「僕の英語、合ってる? おかしくない?」と彼に確認を求めるように話す。
 この後の日本の記者たちとの対話では、「今回はジェフ君のような強い選手もいて緊張して……あ、違った、バトル選手だ!」と言いなおす高橋選手も、またキュート。

Marinap1000495_2
 こちらはアイスダンスフリー終了後、準優勝のチャーリー・ホワイト選手とズウェアコーチ。チームマリーナ全員での写真をお願いしたのだが、「あら、私、チャーリーとふたりで撮りたいわ!」と、乙女のようにわがままを言うマリーナコーチ。ご要望に応えての、笑顔のツーショットです。

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (15)

四大陸選手権こぼれ話(5) オフリンクの選手たち

P1000476_3 世界選手権に向け、来シーズンに向け、決意を新たにした日本選手たちの表情をご紹介。
小塚崇彦選手&佐藤信夫コーチ。試合の後にはきっちり反省会をする佐藤コーチチーム。その反省会直後のワンショット。初めての世界選手権に向け、気持にゆるみはない。

 P1000475_2
 ショートプログラム終了後の中庭健介選手。自分の演技を終えた後には、高橋大輔選手の「白鳥の湖」を観戦。ステップ中、二人は何度も目が合ってしまったとか。

P1000485_4

 キャシー・リード&クリス・リード組。アイスダンスの試合は3日間とも日中に行われた。大きな窓の下のミックスゾーンは彼らが出てくるときはいつも日差しが強く、「マブシイ!」と笑いながら記者たちの質問に答えてくれた。「ケガの再発には気をつけています。アイシングを続けて、ストレッチも入念に!」(クリス)「このあとはアメリカに帰って、もっとパワフルに滑れるように練習します。3月の最初にはヨーロッパ入りの予定です」(キャシー)

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (8)

四大陸選手権こぼれ話(4) アイスダンスも大人気!

Marinap1000496  アイスダンスフリー終了後のメダリスト記者会見は、予定よりも20分遅れて開始。
 実はリンクから記者会見場への移動の際、たくさんの韓国ファンがダンスのメダリストたちを待ち構え、追いかけ、大きな祝福の波が起こり、ちょっと騒然とした雰囲気だったのだ。
 特に人気があるのは優勝したバーチュー&モア組(カナダ)と、準優勝のデイビス&ホワイト組(アメリカ)。地元ファンからは凝ったイラスト付きのバナーも贈られ、最終滑走のバーチュー&モアが素晴らしい演技を終えた後には、スタンディングオベーションも!
「韓国は、何度も行った日本によく似た雰囲気で、リラックスできる国ですね。でもお客さんの反応には僕もエキサイトしたな! こんなに関心を持ってくれて、すごくうれしいです」(スコット・モア)
 ヨナ・キム選手の活躍もあって、韓国ではフィギュアスケートに興味を持つ人々が増えた、と聞いてはいた。でもそれは、女子シングルに限ったことではなかったのだ。熱心なファンたちは、ペアやアイスダンスのことも大好きだし、良く知っている。そしてシングルのスターたちと同じくらいの数のファンが、彼らを取り囲み、惜しみない祝福の言葉を送る。
「それも、ここ2年ほどのことですよ。ユナ・キムが登場してから大きく変わったんです。ユナ・キムを見てスケートを好きになった人たちが、みんなで技のこと、採点のこと、他の種目のことも、一生懸命勉強しています」(韓国のテレビ関係者)
 なるほど、今大会のパンフレットにも、かなり詳しいプロトコルの見方講座が掲載されていた。好奇心旺盛な韓国の人たちは、女子シングルのトップだけに注目していたのではもったいないことを、良く知っている。

 ヨナ・キム選手をはじめ、女子SPで6位につけたナヨン・キム選手など、少しずつ実力をつけてきた韓国勢は、日本選手にとって手ごわいライバルになっている。
 韓国のスケートファンもまた、私たちのいいライバルになりそうだ。

text/Hirono Aoshima

*写真はバーチュー&モア組と、デイビス&ホワイト組。そして彼らのコーチ、マリーナ・ズウェア氏


| 固定リンク | トラックバック (2)

アイスダンスフリー終了 リード&リード組7位  ひとつの到達点

Id7e0443  日本代表として出場する国際試合も、これで5戦目。
 ノービスやジュニアのころを見ていないふたりが、いきなり日本代表として私たちの前に現れた時は驚いたけれど、もうそろそろクリスのすらりとした長身も、お団子がちょこんと乗ったキャシーの小さな頭も、見慣れてきたな、と思った。
 また、昨年から滑っているフリー「プレイヤー・イン・ザ・ナイト」で見せる、大きな腕の動きも、若い力を振り絞って氷に情熱をたたきつけるような演技も、すっかりおなじみだ。

 しかし、07年四大陸選手権以来のパーソナルベスト更新となった今日の演技。
 そこにあるシルエットこそ、いつもの彼らのものだけれど、演技は今まで見たなかで一番のびやかで、一番パッショネイト。そして一番彼ららしさが出たフリーダンスだった。
 冒頭から入り込んでいた二人の表情は、若くて健康的な憂いに満ちている。大きな身体も、いつも以上にがんばる気持ちを強く発している。観客は、彼らのステップの美しさに酔ったり、表現の豊かさに衝撃を受けたりはまだしないけれど、「日本のアイスダンスのために!」と、いつも一生懸命な彼らを心の底から応援したい気持ちになってしまう、そんな演技だった。

「パーソナルベストの出た理由? 今シーズンはとても調子が良くて……」(キャシー)
「僕の脚の痛みも、もうなくて!」(クリス)
「試合ごとにどんどんパフォーマンスも良くなってきた、その成果だと思います。一生懸命練習してきたことがどの試合でも出せたし、それが今日は特にしっかり出せたから。だから私たち、ベリーベリーハッピー。トテモタノシイ!」(キャシー)

 演技を終えた瞬間には、お互いに体をしっかり組み合わせたポーズのまま、キャシーが感極まって何度も何度もこぶしを振り上げた。リンクサイドでは、コーチもトレーナーもチームリーダーも、みんなで大喜び!
 確かに今日の演技で、「プレイヤー・イン・ザ・ナイト」はひとつの完成を得たかもしれない。キャシー・リード&クリス・リードはこんなアイスダンサーです、と、彼らのカラーをここで確立して見せただろう。この後、シーズン最後の試合、そして彼らにとっては初出場となる世界選手権で、もう一度リード&リードの今の姿を世界にアピールしたら――。
 もう次からは、新しい彼らのカラーを探していく時期なのかもしれない。
 今シーズン最初、自分たちのアピールポイントを聞かれたキャシーは、体の大きさ、ラインの美しさを挙げてくれた。若さ、真摯さ、そして、持って生まれた姿かたちの美しさ。そんな現在の大きな武器に加え、ダンサーとしての個性、彼らにしか表現できないものを、来シーズンからは見せなければならない。

 音楽を変えても、衣装を替えても、いつも同じ印象しか与えてくれないダンサーはいる。
 リード姉弟は、どうだろうか?
 タンゴ、ジャズ、コンテンポラリーと、様々なダンスを踊る彼らを想像すると、もう世界選手権よりも次のシーズンのふたりのことが楽しみだ。
 秋、キャシーとクリスを見るときに、何か新しいものをその体からを発してくれることを。リード姉弟、こんなこともできるのか! と驚かせてくれることを、楽しみにしたい。

photo/Takayuki Honma   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (5)

アイスダンスコンパルソリー終了 ヤンキーポルカの醍醐味

Img_1280a  四大陸選手権2008、コンパルソリーの課題は、ヤンキーポルカ。
 曲調はとことん明るく、踊る人々は楽しげで、でも独特の足さばきはかなりハイレベル。
 ワルツなどならうまく合わせられるのに、激しいリズムにふたりの呼吸がばらばらになってしまうカップルもいる。また、そつなくステップは踏んでいるけれど、ポルカ独特の雰囲気はなかなか出せないカップルもいる。
 そんな課題を制したのは、ソウルのファンからも大きな声援が飛んだバーチュー&モア組(カナダ)だ。18歳と20歳で、もうカナダチャンピオン、そしてグランプリファイナリストという実績が示すように、少しも乱れのないステップは見事のひとこと。でも拍手と歓声は、技術的な巧さ以上に、ふたりの作りだしたポルカの突き抜けるような明るさに送られたようだ。
 白を基調にしたかわいらしい衣装で登場すると、もうリンクは彼らだけの世界。清楚なワルツから都会的なナンバーまでこなすふたりだが、くるくると幸せそうに揺れるテッサ・バーチューのスカートを見ていると、ポルカこそ彼らに合うナンバーだ、と思わせてしまう。そこにスピード感たっぷりの正確なステップがたたみかけるように踏まれ、大会初日の最初の種目から駆けつけた熱心なお客さんたちは大喜び! コンパルソリーでこんなにお客さんを楽しませてしまうとは、末恐ろしい若手だ。

Img_1447a そのバーチュー&モアと同じくらい場内を沸かせたのが、ウズベキスタンのシュン・ヘイ・ユウ&ラミル・サクロー組だ。四大陸選手権は3年ぶりというふたり、今回のコンパルソリーも10位と、評価決しては高くない。しかし、これでもかと緻密なステップを見せた上位の組よりも、彼らの方がずっとポルカらしいポルカを見せてくれたのだ。

 とにかく女性のユウの笑顔が底抜けにかわいらしく、滑ること、踊ることを楽しみきっている様子。横にふたつに結んだヘアスタイルも、鮮やかな黄色の衣装も絵本から飛び出てきた踊り子のようで、彼らがリズムに乗って軽やかに舞うと、お客さんはごくごく自然に手拍子をしてしまう。そうか、楽しくてこそ、ポルカなんだ……。
テクニック面はまだまだかもしれないが、ダンスを見る喜びの根本を思い出させてくれる華のある演技だった。まだ国際的な知名度はないカップルだが、これから伸びてくるといいな、と思う。いつか「あの年のコンパルソリーのポルカが良かったね」
と、言えるように。

 コンパルソリーは、アイスダンスの技術的な面をきっちり採点されるものだと、私たちは思いがちだ。しかし、基本のステップのバリエーションだけでなく、様々なダンスの持つ雰囲気を踊り分けること。どんな音楽でもお客さんを楽しませること。これもアイスダンサーには大切な資質だ。技巧だけでなく、ダンサーとしての華、醸し出す空気、そんなものを短い時間で比べられるのもコンパルソリーダンスなのかもしれない。

photo/Dave Carmichael   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (3)

NHK杯初日 アイスダンスコンパルソリー リード&リード組登場 「ケガはもうダイジョーブ」

Rr_mg_0521
 大型スクリーンにISUの競技紹介ビデオが流れると、あ、国際大会が始まるんだ、という興奮が静かに沸き起こってくる。もうとっくにシーズンインはしているけれど、やはりNHK杯が始まって、目の前を国内外のトップスケーターが氷の飛沫を立てながら横切っていくと、また違った意味でのシーズンの始まりを実感してしまうのだ。
 そんな「始まるんだ!」な雰囲気の会場にまず現れてくれたのが、コンパルソリーダンスの第一滑走者。日本代表のクリス・リード&キャシー・リード組だ。6分練習の前は、ISUビデオに映る選手たちの姿を見ながらはしゃいでしまうほどリラックス(でも一番おおはしゃぎしていたのは、ニコライ・モロゾフコーチ)。競技が始まり、アルゼンチンタンゴの旋律が場内に流れると、黒い衣装のふたりは一歩一歩を確かめるようにしっかりと、ステップを踏み始めた。
「クリスはちょっとナーバスだったわよね」と、姉のキャシー・リード。自分の年齢に合わせ、18歳の若さでシニアの試合に出場する弟を、自身もまだ20歳の姉はいつも気遣っている。クリス・リードが2度も右ひざを手術した今年、さらにその視線や言葉は柔らかい。
「緊張はいつもします。でもそれも音楽が始まるまで。そこから先はダンスに集中、です」。平気だよ、というふうにクリス・リード。正しく、正しくステップを踏んでいこう、そんな意識がまだ強く見えてしまうが、どちらかが相手を引きずりまわすわけでも、相手に頼りすぎるでもない絶妙な信頼関係が、短い時間でも伝わってくるようなコンパルソリーダンスだった。ラストのポーズは弟のしっかりした腕に身を任せ、情熱的にフィニッシュ。
 キス&クライでもクリスがキャシーの肩をぐっと掴んで「やったよな!」という表情。記者たちの待つミックスゾーンでも、ずっとふたりは肩を抱き合ったまま、穏やかな笑みを絶やさなかった。
「コーチはグレートジョブ! って言ってくれました。NHK杯の幕開けに滑ったスケーターとして、いいスタートを切ったんじゃない? って。自分でも、タンゴの登場人物になって、タンゴに身を投じて滑ることができたと思います。今までで一番いいタンゴでした。でもコーチはすぐに、『明日は朝一で練習だぞ!』っていう(笑)。もう喜んでいられません。次に目を向けています」(キャシー)
 質問は、クリスのシーズンオフのケガのことにも及ぶ。「ミギヒザ! ダイジョーブ!」と指差しながら状況を説明する弟を、姉はちょっと心配そうに見つめていた。
「まず最初にケガしたのは、今年の3月です。手術してからは4~5ヶ月氷の上に立てなかった。そして戻ってきてすぐに、また膝を痛めてしまったんです。手術後、オフアイスでのトレーニングが充分でないなままオンアイスの練習を始めてしまったから……。そこでまた、手術。そのときは本当に辛かった。でも、パートナー、コーチ、友人、家族やお医者さん、みんなのサポートがあって、可能な限り一番早いスピードでまた練習に戻ってこれたと思います。スケートアメリカでは痛みがあったけれど、そのあとまたトレーニングを積んだので、今回はまったく痛みを感じないで滑っています。98%回復、というところかな」
 いつもはシャイなクリスだが、ひとりでケガの状況全てを話し、「ダイジョーブ」と、にっこり微笑んだ。
 しかし最近覚えた日本語を聞かれると、「ワタシハ、ツカレタ」とクリス。「ワタシ、ダイジョーブ!」とキャシー。最後はお姉さんがしっかりと強いところを見せ、共同インタビューは終了。
 本格的にグランプリシリーズデビューという大切なシーズン前に、大きなケガという壁にぶつかってしまったふたり。でもこんなふうに、これから先もどちらに何が起こっても、ずっと支えあっていけそうなふたりだ。

Photo/Sunao Noto   Text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (4)

アイスダンスCD キャシー・リード&クリス・リード組7位 ジャパンジャージで初陣!

Rr
 アメリカで育ったスケーターのアメリカでの試合。でも、彼らは日本代表なのだ。
 全米ノービスチャンピオンながら、母親が日本人ということで日本国籍も持つ二人は、今シーズンから日本のスケーターとして競技会に出場することを決めた。
 昨年末、初めて出場した全日本選手権でも2位に入り、メダリストオンアイスにも出演。日本のファンにもすっかりおなじみに。そして今回は日本チームの一員として初めて、大きな国際試合の出場となった。
「もう、すべてがエキサイティングです」(クリス)
「ここにいられることが、とてもうれしい!」(キャシー)
 アメリカで選手登録をしていた頃を含めて、ISUのチャンピオンシップ初出場ということで、ウォーミングアップ中はちょっと緊張したおももち。特に弟・クリスがなかなか笑顔を見せず、見ているこちらまで硬くなってしまいそうだ。でもふたりの名前がコールされると、場内は大きな大きな声援! やはり全米ノービスチャンピオン、地元のファンたちにも良く知られている。他国の代表になってもあたたかく迎えられているようで、客席では日の丸がいくつか揺れているのもうれしい。
「緊張はしていました。でも音楽が始まったら、自然にスケートに入り込めたんです」(キャシー)
 この雰囲気の中、ふたりはしっかりと最初の一歩を踏み出した。いつも大きなキャシーの笑顔はさらに晴れやか。また、167センチと183センチのふたりは、北米のカップルたちと比べてもひときわ大きく、華やかに見える。ひとつひとつのステップも大きければ、腕や上体の動きもワルツの整ったリズムの許すなかで最大限に大きく。クリスの方は終始緊張した表情のままだったが、ひとつずつ確認するようにパキッとポジションを変えていくさまは、目に鮮やかに残った。
 ラストのポーズを終えると、緊張感から解き放たれたように、キャシーよりもクリスの方が大きく大きく挨拶をして見せたのが印象的だった。
 結果はアメリカの3組、カナダの3組に次いで、7位。高い評価を得つつある中国のハン&チェン組の上につけた。ほとんど国際舞台初登場で、この成績はなかなかのもの。
「はい。でも順位より、いいスケートができたことがすごくハッピーです。大きな経験にもなったし。でも、順位も良かった!」氷上と同じ大きなスマイルを見せ、キャシーは満足そう。
 ところで今回、キス&クライでは初めてジャパンジャージ姿を披露。ナショナルチームジャージを着るのは、初めての経験?
「イエース! スゴーイ!」(クリス)
「ついにもらったんですよ。全日本の後に!」(キャシー)
 日本語は苦手なふたりだが、質問する記者が日本人だとわかると、「ハイ!」「ドウモアリガトウ!」と、極力日本語を交えながら答えてくれる。
 スケートにも、たたずまいにも、彼らに日本人らしさはない。でもジャパンジャージを着たふたりのスケートや考え方が、これからの日本チームに新しい風を吹き込んでくれそうだ。日本代表としてのリード姉弟がこれからどんな進化を遂げていくのか、彼らがいることで日本チームがどんな影響を受けていくのか、今後がとても楽しみだ。

文/Hirono Aoshima
*キャシー・リード&クリス・リード選手のインタビューは、5月発売予定の「フィギュアスケートDays vol3」(ダイエックス出版)に掲載予定です


| 固定リンク | トラックバック (13)

2006全日本選手権 アイスダンスOD終了・坂頂みなみ・坂頂達也組 3位 

Id7e0164_1
 彼らにとっても、これが最後の全日本選手権だという。
 日本を引っ張ってきた渡辺・木戸組とはひとまわりも違う、ダンサーとしてはまだまだ若いふたりだが、今年兄・達也は大学院2年生、妹みなみは大学4年生。学生生活の終わりとともに、競技生活にも終止符を打つ。
「今年で引退なので、あとは思いっきり滑るだけです。自分たちのできることを思い切りできれば、それでいい」(坂頂みなみ)
 競う相手のいないジュニアでは、4年間(99~02年)全日本ジュニアの表彰台に、ほとんどふたりだけで立ってきた。そのころから、小さな妹を大きなお兄さんが優しくリードし、豪快なリフトで喝采を浴びてきたふたり。そして、どんな華麗な音楽でステップをふんでも、学生たちがパーティで踊っているようなかわいらしい空気は変わらない。
「きょうだいでダンスをしていることで、他のカップルにはない雰囲気を出していけたらいいと思います」(坂頂みなみ)
「まあそれは、リード姉弟にもあるけどな(笑)」(坂頂達也)
 28日に滑ったタンゴも、彼ららしかった。カジュアルなベストにタイという彼の衣装、鮮やかな緑のパーティードレス風の彼女の衣装。ひとつひとつの動きを確認しながら、ふたりで滑ることの難しさや楽しさを確かめながら滑るダンス。
「先生(佐藤紀子コーチ)からは、楽しんで曲を感じて踊るように、それだけ言われてきました。あとは自分たちが練習してきたものを出せれば」(坂頂みなみ)
 渡辺・木戸組は日本人らしい繊細なエッジワークを武器に世界と戦ってきたけれど、坂頂組は日本人らしいはにかみを残したまま、日本人らしい若々しさをトレードマークに、来年イタリアで開催されるユニバーシアードに挑む。
「ユニバーシアード、トリノなので! これが僕たちにとって最後の試合、そこに向けて、残りの短い練習時間を大切にしていきたいと思います。国内の試合は全日本が最後で、日本の皆さんには最後の演技が見せられないんですけれど……でも、現地の人たちに自分たちをアピールできるように、がんばって来たいです」(坂頂達也)
 でもまだ、今日の全日本選手権フリー。最後にお客さんに向けて滑る機会が残っている。
「フリーは思い切り! ここまで来たら楽しく、がんばりたいと思います」(坂頂みなみ)
「オリジナルダンスは朝の練習で悪かった分、本番でも縮こまってしまった。フリーでは目いっぱい、出来る限りのことをしたいな、と思います。ダンスでは身長差はあまりないほうが良いといわれています。でもフリーでは僕たちの身長差をいかした、特徴的なリフトも取り入れてみました。その良さは十分に発揮するので、お客さんにも注目して見てもらいたいです!」(坂頂達也)

写真/Takayuki Honma  文/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (8)

NHK杯アイスダンス終了 渡辺・木戸組 5位入賞 ほんとうに滑りたかったプログラム(1)

Img_0108s
 数えてみれば9年連続出場。毎年毎年、この場所で、スケートファンに成長過程を披露してきた渡辺心・木戸章之組も、最後のNHK杯を迎えた。
「20年間、スケート一筋で来ました。感慨深いし、さみしいです。このあと全日本、四大陸、世界選手権……。もう、卒業式を間近に控えたような心境ですよ」(木戸)
「私はまだ辞めたくないので(笑)、やっぱりさみしいです」(渡辺)
 ふたりがそれぞれの思いを胸に送るこのシーズン、作り上げたふたつのプログラムに注目してみたい。

 まずオリジナルダンスはタンゴ。「ぼろぼろだったスケートアメリカ以来、ODはつめて練習してきました。だから不安はなかった」と渡辺心が言うだけあって、1日のODはすばらしいパフォーマンスだった。
 いつもの彼らは、渡辺心と木戸章之のまま氷の上に立つことが、ひょっとしたら多かったかもしれない。渡辺心と木戸章之のエッジさばきに唸り、コンビネーションに彼らの積み重ねてきた日々を見る。
 でもこの日、緊張感をみなぎらせて登場したふたりは、いつもふんわりしたのんちゃんと、若い選手にも慕われる陽気な木戸君、ではなかった。情熱的な恋を演じる物語の中のふたりであり、渡辺心と木戸章之ではなく、一組の男と女、そう見えたのだ。
「私たちの力強さはそのままに、もっときれいに、もっと雰囲気を出して滑れたら、と思って……」(渡辺)
 女性の視線は熱く、それに答えるように男性の動きもどんどん滑らかになっていく。深くエッジを倒したダイアゴナルステップも、複雑な形のツイヅルも、練習の成果としてではなく、物語の一シーンを形作るものとして、そこにある。見ている人の胸にこみ上げてくるものは、彼らの努力に対する感嘆ではなく、彼らの演じるドラマに魅了されて、じんわりと熱くなる思いだ。
「試合ですから、勝つことは大事です。でもそれ以上に、ロシアのトップのコーチにスケートを習い、世界の舞台に立ってきた。これはやりたくてもできないものだったんだな、と今は思います。もうきっと、こんなにたくさんのお客さんの前に立つこともない。今シーズンの試合すべて、楽しんで演じたいと思います」(木戸)
 最後のシーズンだからこそ、「楽しみたい」という気持ちがあるからこそ、生まれたのだろうか。
 2分30秒の、情熱に満ちた充実感あふれるオリジナルダンス。演じ終えたあとは、毎年もらってきたあたたかい拍手だけでなく、多くの熱狂の歓声が彼らを包んだ。

写真/M.Morita 文/H.Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (2)

ようこそ、サドルドーム(3)

Img018
 ふだんからアイスホッケーの試合が行われているだけあって、サドルドームは氷のスポーツを楽しむための環境が抜群! 観客席は十分暖かいし、リンクに近い席はプラスチックの椅子の上に薄くクッションが張ってあります。これでお尻が冷える心配は無し。客席の傾斜も、上からリンクを見るのにちょうどいい角度です。
Img066
 そしてドーム内は、いつでもいい匂いが……。ホットドッグ、ハンバーガー、ドーナツ、サンドイッチと、観客席をぐるりと囲むようにたくさんのフードスタンドがあり、全日程通っても毎日違うお店でお昼ご飯が食べられるほどのバラエティ。ポップコーンやアイスクリーム、フラッペなど、おやつの屋台もあちこちに。おなかをすかせたまま寒いリンクで震えながら観戦……などということはまずありません。
Img060
 メインエントランスの近くには、カナダのフィギュアスケートの歴史を紹介するコーナーが(実はカード会社の宣伝ブース)。
Img023 名選手たちの記念品がたくさん展示されており、アイスダンスのビクター・クラーツさんが着ていた懐かしい衣装も。


| 固定リンク | トラックバック (5)

アイスダンス終了 渡辺心・木戸章之組 17位 

IMG_7712s
 今シーズンいちばん、心に響く「マイ・フェア・レディ」だったのではないだろうか。
 とにかく渡辺心がかわいらしい。今大会、リトアニアのポビュラス・バナガス(アイスダンス・ドロビアツコ&バナガス組)とともに全参加選手中最年長選手となった彼女が、こんなにかわいらしいなんて。女の子の方から男の子を誘う無邪気さ。そんな彼女に手を焼きつつ、振り回されつつ、恋に落ちていくふたり。とにかく楽しくて、かわいらしくて、あっけらかんと突き抜けて明るい。ふたりのキャラクターに良くあったプログラムを、高い技術を見せながらものびのびと演じてくれていた。
 何しろ直前の6分練習で起きたホフマン&エレク組(ハンガリー)との軽い衝突事故のことさえ「珍しいことが起こったなあ、なんて人ごとみたいに思ってた」(木戸)というふたりだ。とにかくこのアクシデントが精神的に影響するのではないかと見ている方はハラハラしたが、さすがベテラン、このくらいでは気持ちを失うことなどない。いや、いつも以上にリフトは堂々としていて、高い位置でまっすぐ掲げられた渡辺心の腕の伸びが気持ちがいい。ツイヅルで彼女のスカートがひらひら舞うと、見ているこちらまで遊園地にいるような心踊る気持ちになれた。
 そんなことを告げると、木戸章之はうれしそうにいった。
「ほんとですか? とにかくオリンピックから今日まで、雰囲気を作りこんできましたから。五輪後のエキシビション(シアターオンアイス、長野メモリアルオンアイス)、気を抜く選手もいるけれど、僕らはそう考えなかった。世界選手権の予行演習として、エキシビションも徹底して滑ってきました」
 演技後の共同インタビュー、いつもふたりは技術的な出来の良し悪しを、まず口にしていた。今日はどのくらい細かいミスがあったか、いかにしてステップのレベルを上げていくか。探究心も挑戦心も強いふたりは、とことんまでダンスの技術を追求して、日本人がかつて行けなかった世界のレベルまで上がってきた。たとえアイスダンスをあまり見ない、良く知らない人には分かりにくい技術であっても、コツコツと練習して上手になって、見る目のあるジャッジから高い評価を得るようになってきた。
 しかしアイスダンスの魅力は高度な技術を正確にこなすことだけではない。ダンスを何も知らない人が、見ていた楽しくなる、心が動く、引き込まれる。そういったダンスの力は、もちろん正確な技術が基礎にあって生まれるものだけれど、技術にばかりこだわっていては生まれない何かでもある。
 この世界選手権。コンパルソリーでは「ステップも大切だけど上半身の表現をもっと見せられるように練習してきた」(渡辺)、フリーでは「雰囲気作りに気を配った」(木戸)、そんな言葉を彼らから聞くことができた。
 玄人好みの高い技術をもったふたりから、ダンスを知らない人々も魅了するふたりへ。30代前半というベテランの彼らは、さらに進化していこうとしている。来シーズンは、どうだろうか?
「来シーズンのこと、まだはっきりは決めていないんです」(木戸)
「続けるとか続けないとか、いろいろなところで噂が流れているみたいで」(渡辺)
「もちろん、ダンスを続けたい気持ちはあります」(木戸)
「来年は世界選手権が日本で開催。応援もたくさんしてもらえるし、楽しそう。出たいな、という気持ちはあります」(渡辺)
「これからじっくり考えたいです。やりたいことはまだまだあるし……やっつけるべき相手も、まだぜんぜんやっつけていませんから!」(木戸)
 そう、来シーズンはたくさんのライバルたちだけでなく、私たち観客も、もっともっとたくさんやっつけてほしい。渡辺・木戸組にやられた! そんな思いを彼らのダンスからもっと感じてみたい。(青嶋)

写真/森田正美


| 固定リンク | トラックバック (3)

NHK杯 アイスダンスコンパルソリー、ペアSP フォトレポート

DSC_034200009
トリノ五輪シーズンのNHK杯はアイスダンス、ペアのカップル種目からスタート。
男女シングルに注目が集まりがちだが、よりロマンチックなふたつの種目でも、日本勢が健闘している。
アイスダンスの渡辺心&木戸章之組はコンパルソリー4位と好発進。
まじめにコツコツと練習を続けてきたふたりにとって、基礎力に対する高い評価はうれしい限りだろう。
あとはオリジナルダンス、フリーでどこまでアイスダンスならではの華やかさを出せるかどうか。
ベテランながら素顔もキュートで若々しい、渡辺心の個性に注目したい。

DSC_03260008
一方でコンパルソリー11位の都築奈加子&宮本賢二組。
基礎評価は渡辺組に一歩後れをとるが、ふたりの個性がぶつかって生まれるゴージャスな雰囲気には磨きをかけている今シーズン。
「セクシーな奈加子さんと元気な宮本さんですね」と言われて、「違いますよ! セクシーな宮本くんと元気な奈加子さんですよ」と応えたのは宮本賢二選手。

DSC_040000010
ペアではカナダ代表の若松詩子&ジャン・セバスチャン・フェクトー組が4位に。
昨シーズン終了後、一度はペアを解消したふたりだが、フェクトーが「オリンピックに出られなくてもウタコと滑りたい」と再結成。
「詩子ちゃんにペアをすすめたのは、私」という人が何人もいるほどペアの素質の高い若松詩子。彼女の情感豊かな滑りとアクロバティックな技の数々が今年もNHK杯で見られた。

*渡辺&木戸組に関するこれまでの記事
アイスダンス渡辺・木戸組 3度目の世界選手権
*若松&フェクトー組に関するこれまでの記事
ペアで活躍した日本人選手

Photo by M.Morita


| 固定リンク | トラックバック (1)

第7回プリンスアイスフェスティバルレポート(3)

kozuka093
 新横浜のクラブにはまだまだ注目選手がたくさん。
 全員をご紹介はできませんが、レポートの最後に来シーズン期待される若い3組をクローズアップ!

 昨年の全日本選手権では、本田武史選手を抑えてショートプログラム1位。一躍注目を集めた小塚崇彦選手。お父さんの嗣彦さんはグルノーブル五輪男子シングル代表、おじいさんも日本のフィギュアスケート黎明期に活躍したスケーター、お母さんの幸子さんもコーチというスケート一家育ちで、親子二代でのオリンピック出場を目指します。見どころは何といっても両親、そして佐藤信夫コーチに徹底的に鍛え上げられた美しいスケーティング。この日は狭いリンクながらスピードもたっぷり。オープニングでは綺麗なトリプルルッツも披露しました。
 kozuka338
 ソロナンバーはアップテンポの男性ボーカル曲。小さなころからエキシビションなどに出演しているので、お兄さんお姉さんに混じって滑る小さな男の子、という印象が強かった彼ですが、手も足もすくすく伸びていつのまにか立派な青年に。陽気な音楽に乗ってトリプルアクセルも決めてくれました。最後の最後に転倒してしまったのは残念!

chika648
 世界トップクラスの選手がひしめき、超激戦だった04年全日本選手権女子シングル、みごと9位に入ったのが村主千香選手。ご存知村主章枝選手の妹さんです。雰囲気もどことなくお姉さんに似ていて「丸顔の章枝ちゃん」といった印象。
 この日はタンゴのリズムにのって、大人のムードいっぱいの演技。美しいレイバックスピンやフライングキャメルのフライングにまで「情熱」を感じさせる滑りでした。村主章枝とは違う種類の、体から自然にわきでる情熱。でも、演技の最後の挨拶までしっかり丁寧で、気を抜かないところはお姉さんと一緒。おみごと!
 ちなみに衣装は村主章枝選手がアメリカのアイスショーツアー、チャンピオンズアイスで着用していたものでした(「日本女子フィギュアスケートオフィシャル応援ブック」35ページ参照)。

dance626 最後にご紹介するのはアイスダンス全日本ジュニア優勝の澤山璃奈・水谷太洋組。シングルに比べると日本では競技人口が少なく、なかなか世界のトップレベルには届かないアイスダンスですが、若い芽は着実に育っています。
 この日は「オペラ座の怪人」のナンバーにのって仮面をつけた怪人とクリスティーヌを演じたふたり。リフトが豪快で安定感あり! また美男美女でアイスダンスには欠かせない「いい雰囲気」を持っているので今後が楽しみなカップル。まだまだ日本人らしい奥ゆかしさは残ってしまうけれど、少しずつでも客席に向かって微笑むような余裕が出てくれば、どんどん魅力を放っていきそう。
 来シーズンは世界ジュニア出場が期待されます。

shinf3_435
 そしてこちらは村主章枝らトップ選手を中心に、フィナーレで勢ぞろいした新横浜プリンスクラブのスケーターたち。たくさんの子どもたちの中には楽しく自分のペースでフィギュアを続けている子たちもいれば、先輩たちに続いて世界のトップで戦うことを夢見ている選手たちもいます。すべての子どもたちがフィギュアスケートというスポーツにとって欠かせない存在であり、このリンクはすべての子どもたちにとって必要な場所。
 新横浜に限らず、日本中のアイスリンクに、ずっと子どもたちの笑い声が響き続けてくれることを祈らずにいられません。
 

*日本ではこの数年間、アイススケートリンクの閉鎖が相次いでいます。昨年も高橋大輔選手や織田信成選手らが練習する大阪の「O2スケートリンク」、本田武史選手や荒川静香選手が育った仙台の「コナミアイスアリーナ泉アイスアリーナ」が反対の声もむなしく閉鎖に追い込まれました。

スケートリンク閉鎖、存続運動関連リンク
O2リンク閉鎖撤回を求める掲示板  
宮城スケート競技を考える会 
『 THE END OF 新松戸DOSCアカデミー 』 レポート - 


| 固定リンク | トラックバック (0)

世界選手権最終日 エキシビションのスケーターたち

violon 大会最終日のお楽しみはメダリストたちが勢ぞろいするエキシビション!
 今大会も入場券が一番最初に売り切れる人気ぶりだ。
 日本からの出演選手が村主章枝選手ただひとりというのは残念だたtかれど、選手もお客さんもリラックスしたお祭りムード。でも同時に「楽しかった世界選手権もこれで終わり」という寂しさも感じさせる一日だった。
 今回はたぶんテレビで見ることができない、プログラム前半に登場した選手たちを中心にレポートしたい。

*エドウィン・マルトン
 子どもたちによるオープニングスケーティングのあとに出てきたのがスケーターではないこの人。ロシアの作曲家、エドヴィン・マルトン。ディフェンディングチャンピオン・プルシェンコの使う音楽を編曲したり、ともにエキシビションの舞台に立ったりしている人だ。この日はビジョンに写されるプルシェンコ予選の演技に合わせて演奏。彼が棄権しないでこの場所にいたら、スケートと音楽、どんなコラボレーションを見せてくれたのか。残念。

fumieex*村主章枝
 フリーの「カルメン」と同じ「情熱」をテーマにしたエキシビションナンバー「アルビノーニのアダージョ」。情熱がじんわりとではなく、ずしんとこちらに伝わってくる演技だった。フィニッシュのポーズをなかなか解こうとしなかった章枝ちゃん。メダルを取るよりうれしいといったエキシビション出演、2年ぶりに出られた喜びを全身で表してくれた。

lieex
*チェンジャン・リー
 演技前、カメラに向かってにこやかに手を振る余裕あり! キュートなサスペンダーと銀色の縦縞ズボン。踊ってます! 大きな手拍子をもらったサーキュラーステップなど、試合とは違うチェンジャンを楽しませてくれた。演技後にロシアの子供たちからもらった花束、似合ってたよ!

dsex *イザベル・デロベル&オリビエ・ショーンフェルダー
 NHK杯でも見せた紐を小道具に使ったエキシビションナンバー。今大会、アイスダンス一番の成長株、注目株だけあってお客さんの拍手も大きい。黒髪をおろしたデロベルの背中がとてもきれいで、さわりたいくらい。高度なリフトや紐なしではできないムーブメントに、歓声とため息。

oberex*ジュリア・オベルタス&セルゲイ・スラフノフ
 紫のタキシードとピンクのひらひらドレスで登場した二人。結婚行進曲から始まるかわいいかわいいエキシビション! 幸せな花嫁と花婿……と思った瞬間に衣装チェンジ! コミカルで楽しい演劇的なプログラム。いつもクールな印象のオベルタスが演じると、いっそう楽しさアップ。ロシア3番手という自由な立場を、今は存分に楽しんでいる印象。

Photo by M.Morita Photo by K.Asakura(村主章枝のみ)


| 固定リンク | トラックバック (2)

アイスダンス渡辺・木戸組 3度目の世界選手権

watanabekido日本からただ一組参加のアイスダンスカップル渡辺心・木戸章之組が健闘している。ほぼミスのない滑りでオリジナルダンス15位。
 フリーでは初の滑走順第3グループ(OD11位~15位)入りも決まった。
 渡辺は71年生まれ、木戸は75年生まれというベテランだが、トリノ五輪は出場が決まれば初めての五輪となる。アイスダンスの世界選手権日本人最高位は84年オタワ大会、佐藤紀子・高橋忠之組の13位。日本のアイスダンスの記録を塗り替える可能性も出て来た。
 コンパルソリー、OD終了後の声を聞いてみよう。

●コンパルソリー終了後の共同インタビュー
――世界選手権最初の試合、いかがでしたか?
渡辺 ほぼ満足です。最後ちょっとミスっちゃってフェンスにぶつかりそうになったけど。点数はこの時点ではこんなものかな。失敗しなければもっと出たかも?
木戸 スピード出しすぎちゃったんですね。でも全体の出来は今まででいちばんよかった。

――笑顔も出てましたね。
渡辺 ほっとしました。まだ始まったばっかりなのに(笑)。

――四大陸でいい点数が出ていましたが、その影響もありますか?
木戸 グランプリシリーズに比べれば、四大陸は点数が出やすかったですね。下位の選手が普通の試合よりたくさん出るので、僕たちも上位にいけた。試合によって点数の出方って違います。だからパーソナルベストも出たらうれしいけれど、そんなに気にしてはいません。

――四大陸以降、どのあたりを変えていきましたか?
渡辺 エレメンツをきれいに見せられるような練習が中心です。
木戸 僕は38度の熱を出したりしてたんで、無理のない範囲でエレメンツを細かく練習しました。あんまり病気しないタイプなんで、8度を越すって珍しいんですよ。おまけにふらふらしてたら、脚を捻っちゃって。

――大丈夫だったんですか?
木戸 ごく軽いけがです。全日本の時に比べれば・・・・・・
渡辺 ぜんぜん軽い(笑)。それにふらふらしつつもできる練習はやってくれてましたから。

――今大会の目標は?
渡辺 去年よりひとつでも二つでも順位を上げたいです。ヨーロッパ選手権を見てると、ミドルクラスのダンサーの位置づけがぐしゃぐしゃなんですよ。たくさんいるこのクラスのカップルが、試合ごとにいつも順位が入れ替わってる。そのなかのどこへ入っていけるか。この集団の真中か、上あたりに行けたら。
木戸 0.1とか0.01の差で順位が入れ替わっていくので、このあたりのクラスは順位があってないようなものなんです。

――その激戦区を勝ち抜いていくには?
木戸 エレメンツをしっかりやって、0.01でも点数が欲しいですね。
渡辺 それもそうだけど、目立ちたい! 
木戸 そう。ごそっといるミドルクラスの中でいかにめだつか、ですね。上位の組は、演技全体の質が派手だと思います。少しでもそれに近づけたら。
渡辺 目だって、見てる人に楽しんでもらえるように滑りたいです!

nabekido18
●オリジナルダンス終了後の共同インタビュー
――今日の出来はいかがでしたか?
木戸 よかったです。コンパルソリーで思ったよりいい成績が取れちゃったけど、そのことも気にしないで自分達でできることが全部できました。
渡辺 それなりの点数も出たし!
木戸 今のところコンパルソリー、オリジナルダンスとも試合になると楽に滑れてるんですよ。
渡辺 実は練習のあいだはいまいちなんですけど・・・・・・。これはロシアの空気アレルギーなんじゃないかな(笑)。
木戸 モスクワ、街のあちこちから煙がもくもく出てますからね(笑)。

――今のところ順位もいいポジションにつけてますね。
木戸 もしかしたら第3グループ入れるかな?(この時点では未定。終了後確定!) 
渡辺 フリーでは初めてかも!
木戸 ずっと第3グループで滑れるようにって願かけしてきたので。うちのリンクは曲かけのCDを入れるところが4つあるんです。四大陸の前はいつも4番のところに入れていたら、4番になって表彰台を逃しちゃった。でも今度はずっと3番のところにCD入れてました。他の人のCDが入ってても取り出して3番に入れてたので(笑)・・・・・・第3グループ、大丈夫だと思います!

――成績がともなってきたことは、自分達でも実感していますか?
木戸 以前はオリジナルダンスとフリーダンス、通して滑るのがやっとでした。試合になればコンパルソリーが終ると気が抜けてたし。でも今はコンパルソリー終ると、「さあ、これから」って気もちになってる。自分の中の合格ラインが上がってきましたね。

――明日はいよいよフリーダンスですね。
渡辺 明日も自分達の力を出せれば。
木戸 四大陸ではフリーでミスしちゃったんで、今度はミスしないように。でもミスを気にして小さくはならないように。思いきりやりたいと思います。

――ロシアは楽しんでいますか?
木戸 はい。建物とかすごいですよね、レーニンとかスターリンの時代の建物が、どーんとしてて。あと、ロシア料理も楽しんでます。赤キャベツの酢漬けとか、卵サラダとか、あとボルシチも美味しい。
渡辺 私はロシアはあんまり(笑)。

 オリジナルダンス終了後、客席で熱心に最終グループの演技に見入るふたりの姿があった。フリーはヴィヴァルディ、グリーグ、ベートーヴェンなどのクラシック音楽を現代風にアレンジしたプログラム。どこまで順位を伸ばせるか、またふたりの演技がどこまで私たちを引き込んでくれるか、楽しみに待ちたい。

Photo by K.Asakura


| 固定リンク | トラックバック (1)