Go Top
この特集
この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
この特集は携帯サイトでもご覧いただけます。
モバイル版 Sports@nifty
プロフィール
青嶋ひろの【ライター】
能登直【カメラマン】
お問い合わせや取材依頼は、[お問い合わせ窓口]より受け付けています。
カテゴリー
関連リンク
特集関連書籍
ココログ



フィギュアスケート特集

ザ・アイスで真央&ジェフが競演! 音楽を募集中

Mao2e6979  ドリームオンアイスでは赤と黒の衣装をまとい、タンゴで新境地を見せてくれた浅田真央選手。世界チャンピオンとして迎えたアイスショーシーズンも、いつもとかわらない真央スマイルで、ファンを楽しませてくれている。
 来る7月26日から始まる名古屋・モリコロパークでのアイスショー、「ザ・アイス」でも、浅田真央ファンお楽しみの仕掛けが盛りだくさん! まずは姉の舞選手と姉妹競演するナンバー「Dream Girls」が披露される予定だ。こちらの振り付けは宮本賢二さん。「Dream Girls」といえば、昨年のザ・アイスで姉妹そろってフィナーレで踊ったナンバー。お客さんだけでなく、浅田姉妹も楽しくて仕方がなかったというあの雰囲気を、今年、もう一度味わえそうだ。
 そしてすでに話題になっているのが、カナダのジェフリー・バトルとの世界チャンピオン競演! 昨年も安藤美姫&高橋大輔など、めったに見られない組み合わせでファンを驚かせたフィナーレで、今年はふたりの世界チャンピオンがコラボレーション!
ザ・アイスでは現在、真央&ジェフ、夢のペアに滑ってほしい楽曲を募集中。「ジャンルは気にせず、ぜひいろいろな音楽をリクエストしてください」と、振付担当の坂上美紀さん。

 応募は官製はがきに郵便番号・住所・氏名・年齢・「リクエスト曲名・アーティスト」を明記し、
〒460-8612 『中京テレビ ザ・アイス リクエスト係』
 宛てに。締め切りは7月4日なので、お早めに。

 応募の詳細、公演概要、出演選手などの情報は下記のサイトにて。
 真夏の氷上祭典2008 THE ICE公式サイト 

 ふたりの現世界チャンピオンだけでなく、エヴァン・ライサチェク、ブライアン・ジュベール、サーシャ・コーエン、ダン・ツァン&ハオ・ツァン、そして安藤美姫など、世界のメダリストが集結! さらに中野友加里、長洲未来、小塚崇彦と、これからチャンピオンを狙うメンバーたちも元気な姿を見せてくれる。
 まだ2年目のザ・アイスだが、出演メンバーが豪華なだけでなく、インタビューコーナー、華やかなオープニングやフィナーレ、選手たちとお客さんが一緒に踊るダンスなど、氷上と客席が一体となって楽しめるアイスショーだ。「見に行く」というより「参加する」アイスショー。まずは音楽リクエストに応募し、ショーを作り上げる、その感覚を体験してみよう。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (41)

フィギュアスケート映画「COACH」撮影快調!

 Miwa_02s_3                                             

 フィギュアスケートが主役の劇場映画の企画がすすんでいるらしい。しかも、主演はほんもののスケーターらしい……。
 そんなびっくり情報が飛び込んできたのは、昨年暮。オフシーズンの間に撮影は順調に進み、先ごろ、現時点での特報ビデオも公開された。
 映画「COACH」――主演は、プリンスアイスワールドで活躍中の西田美和さん。演じるのは、40歳、独身、プロスケーターにしてフィギュアスケートコーチという、彼女そのままの役柄だが、なんと劇中の「美和」は、謎の少女との出会いをきっかけに、バンクーバー五輪出場を目指して現役復帰! 40歳にして五輪代表選考会に出場してしまう……。スケートファンにはちょっと見逃せないストーリー展開だ。西田さんはじめ主な出演者は氷上でも吹き替え無しだから、大画面で見るスケーティングシーンの迫力も満点。
 さらに脇を固めるコーチやスケーター役として、プリンスアイスワールドから新井亮さん、松永幸恵さん、おなじみの村主千香さん、佐野稔さんも出演。劇中のプログラムを高橋忠之さんや宮本賢二さんが振り付けしているなど、ファン心をそそられる仕掛けもたくさん用意されている。
 メガホンを取るのは、DVD「伊藤みどりのフィギュアスケートライフ」を手がけた監督、室希太郎さん。
「華やかなアイスショー。スケートリンクのなにげない日常。それらの光景は、ぼくたちがふだん見慣れた、『点数』を競うフィギュアスケートとは、まったく異なる世界です。そして、その光景こそが、フィギュアスケートの真の姿ともいえるかもしれません。映画『COACH』は、そんなフィギュアスケートの真の姿を、美和というひとりの女の人生にのせて奏でる、『協奏曲』です」(室監督)
 映画の収益金の一部を優秀なフィギュアスケーターの奨学金に、という企画もあり、スケートファンのための特設サイトも準備中だ。
 劇場公開予定は2009年初頭。
 まずは下記サイトで、できたての特報映像をチェックしてみよう。かなりわくわくします!

映画「COACH」特報 
映画「COACH」公式サイト 


| 固定リンク | トラックバック (143)

振付師、宮本賢二 自作を語る

_mg_0168daisuke_4  明日からドリームオンアイスが開幕! 来月にはフレンズオンアイス、ザアイス、プリンスアイスワールド東京公演と次々開催され、スケートファンにとってはうれしい夏のアイスショー月間が始まる。
 ドリームオンアイスでは、今シーズンの新ショーナンバー披露が楽しみ。今年も、安藤美姫選手や南里康晴選手、中庭健介選手ら、たくさんのスケーターの振付けを担当しているのが、宮本賢二さんだ。
 宮本さんが現役を引退したのは2006年。それからたった2年で、阿部奈々美さん、樋口美穂子さん、佐藤紀子さんらとともに、日本を代表する振付師のひとりに。
 この春発売された『別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート 2007-2008メモリアルブック』でも、世界のトップスケーターたちへの「こんな振付けしたい!」コーナーが話題になった。今年はトップスケーターたちの競技用プログラムも手がけており、振付師としてますます注目を集めている。
 今回は「男子シングルメモリアルブック」に収録できなかった「宮本賢二、自作を語る」の一部をお届け。選手を影で支えるアーティスト、振付師にも注目しつつ、夏のアイスショーシーズンを楽しんでみよう。

●宮本賢二、「バチェラレット」(髙橋大輔)を語る
「髙橋選手が『僕、あれ好きなんですよ!』って、ずっと真似して踊ってたのが、中野友加里選手に振り付けたエキシビションナンバー、『リトルナーレ』。で、『僕もあんなん、やってみたいなあ』って彼が言うので、探した曲が『バチェラレット』です。
 音楽も不思議なのがいい、っていうから、いろいろ聞いたんですよ。トランスとか、ハウスとか、ぐにゃぐにゃしてるよくわかんないやつも(笑)。そのなかで、やっぱり僕も好きなビョーク、あの声だなって思ったんです。この曲には髙橋選手も一発OKでしたね。聞き終わった瞬間に、『これやね!』って。イメージしてたの、まさにこんな感じだ、って言ってくれた。2人で聞いて、もうこれしかないね、って。
 僕も曲を選んだ瞬間から、頭の中でずーっと髙橋選手が踊ってるんです。コスチュームも僕がイメージしたものを着て、踊ってる。で、氷に乗って、その動きをひとつずつ彼に伝えていくわけです。でも氷の上に立てば立ったで、頭で考えていたのとはまた違う動きが出てくることもある。ごめん、やっぱ変えるわ、なんて言って、そんなんしてたら、最初のポーズだけで1、2時間かかったりもして(笑)。時には、これがええわってポーズを絵に描いて彼に見せたこともありましたね。
 色々細かいところは悩んだんですが、大筋のコンセプトは、『拍手が出ないプログラム』。お客さんには、『わあっ!』じゃなくて、『しーん』としててくれていい。で、終わった後、今の、髙橋大輔よねえ? って。全体的に、ちょっと気持ち悪い雰囲気でしょう? 気持ち悪かったけど、でも、今の髙橋大輔だったんだよね、って思われながら、ゆっくり拍手が起こればいいなって思ったんです。
 でも……やっぱり彼が客席に近付いたときには、『キャー!』って声が出ちゃうんですよ。あれは、うーん……。でもまあ、目の前に大ちゃんがいたら『キャー!』言うのもしょうがないか(笑)。でもほんとは、滑り始めから終りまで、拍手なしで見てもらうのが理想なんです。
 何せあれ、イメージが人間でも動物でもないから。なんというか、無機質。肉じゃない感じ! 人形か何か、魂のないものに何かが乗り移った感じ。で、乗り移られた何かが動きまくって、踊りまくって、そんなイメージです。でも、このイメージを髙橋選手に説明する方法が、わからなくてねえ(笑)。最初は妖怪とかなんとか言ったかな? 妖怪なんていうと鬼太郎が出てきちゃいそうで、そういうんでもないんやけどなあって……ちょっと迷いました。
 でね、このプログラムはひとつひとつの動きに意味があるんですよ。最初、乗り移ったかなあ、って感じで動き出して、やがて完璧に入って、動き出す、みたいな。で、木が伸びて枯れて、とか、羽が生えて、どうなって、とか、全ての動きに一応意味があるんです。でもそれを説明しだしたら、あと1時間くらい話さんと(笑)。
 で、そういう動きを、面白いことにふたりでほとんど会話することなく、作り上げていったんです。あんま喋らずに、『こういう感じで』って僕が伝えたら、彼はすぐに、そのまま動いてくれた。だからほとんど会話がなかったんですよ。『じゃあ、もう1回最初から』『賢二先生、鬼ですね……』とか、しゃべったのはそれぐらいです。
 で、出来上がってみたら……かっこいいですよねえ。もう、髙橋大輔、すごいねって感じ! そりゃあ、あんなん滑られたら嬉しいですわ。作らしてもらって、ありがとうって思います。時々こけたりするとね、終わった瞬間にとんできて、『賢二先生、ごめーん!』って言う。でも『いいよいいよ、かっこよかったよ』って(笑)。ねえ、かっこいいですよねえ!」

photo/Sunao Noto  text/Hirono Aoshima

『別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート 2007-2008メモリアルブック』では、宮本賢二さんが語る小塚崇彦、南里康晴、中庭健介各選手のショーナンバー(07-08シーズン)振付け秘話が掲載されています。

*ドリームオンアイス会場にて販売の公式パンフレットには、シニアの日本人シングル選手全員のミニインタビューを掲載。安藤美姫選手や鈴木明子選手、無良崇人選手らが今シーズンの宮本賢二振付け作品について語っています


| 固定リンク | トラックバック (62)

大阪府立臨海スポーツセンター閉鎖問題 「存続の会」に聞く(2)

――リンクを残すために何をどう変えればいいか……そんなアイディアも出ているそうですね。
高林 ただ署名を集めて「お願いします」と言うだけでは、難しいかもしれない、と。父兄からは、例えば現在無料で使えている駐車場を有料化するなどして、経営効率を上げていく案なども出ています。府知事からも「そういう声を待っていたんですよ。存続のために、どんどん議論してもらいたい」という言葉がありました。確かに、100%今のままの状態で残してください、というわけにはいかない。運営システムをこう変えたら、もっと人が集まるかもしれない、府の負担も減るかもしれない――臨海をよく知る私たちの方から、そんなアイディアを出していき、大阪府にぶつけていこう。そんなことも考えています。

――では全国のスケートファンの皆さんからも、署名だけでなく存続のためのアイディアが寄せられたら……。
高林 とてもうれしいことです。どんな小さなアイディアも、積み重ねていけば大きな変化につながるはずです。また同時に、私たちの活動に反対している皆さんにも、理解を求めていかなければと思っています。どうしても数字だけを見て「税金でスケートの練習をしているのでは」と、おっしゃる方もいる。賛否両論出るのは仕方ないのですが、誤解は解いて行くために、私たちの実際の状況をもっとお知らせできたらと思っています。

――存続の会、今後の予定も教えてください。
高林 5月13日のイベントが終わった後、5月14日に存続の会として大阪府に陳情に行く予定です。その後に見直し試案が出るかどうかはわからないのですが、7月の府議会で正式に採決の予定だと聞いております。それまで、ぎりぎりまで、できる行動は何らかの形で続けて行ければと思っています。どうか全国のスケートファンのみなさんからのご支援、よろしくお願いいたします。

 臨海スポーツセンターでスケートを習う子供たちは、様々な経緯でこのリンクに集まっている。2年前同じ大阪の明治O2プラザスケートリンク(高槻市)が閉鎖された後、臨海を拠点にした選手の父兄は、こんなことを語ってくれた。
「02リンクが無くなったとき……臨海の皆さんが助けてくれて、選手たちはスケートを続けられました。大量に選手がやってきたのに、みんな嫌な顔を一つせずに受け入れてくれた。一緒に練習させてくれたんです。臨海が無かったら、02のたくさんの選手たちの今もありませんでした。だから絶対に、臨海は残してもらいたいんです」
 選手ひとりひとり、父兄ひとりひとりが様々な思いを抱えて、「存続の会」の活動を続けている。

*スケートリンク存続支援の署名には、以下のサイトから参加できます。

大阪府立臨海スポーツセンター存続の会
倉敷のスケートリンクの存続を願う会

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (194)

大阪府立臨海スポーツセンター閉鎖問題 「存続の会」に聞く(1)

Rinkai  臨海スポーツセンターを練習拠点としている選手たち、その父兄によって立ち上げられた「存続の会」。
 これまでも多くのスケートリンクが閉鎖の危機にあい、署名運動などで存続を求めてきた。しかし願いはむなしく、無くなってしまったリンクは数多い。大阪では今、どんな動きが起きているのか。「府立臨海スポーツセンター存続の会」の高林永統さんに話を聞いた。

――大阪府から出された突然の廃止案、選手たちも父兄の皆さんも驚かれたと思いますが。
高林 子供たちも「どうなるの? どうなるの?」と、毎日不安がっています。府の財政危機はみんな知っていましたが、青少年の利用する施設まで廃止の対象になることはないだろう……そんな雰囲気は、やはり私たちの間にありました。それが4月11日、いきなり財政再建プログラム第一試案で廃止対象にあがっていて……そこで初めて、あわてた次第です。心の準備も何もなかったので、存続の会の立ち上げも遅れてしまったかもしれませんね。同じく試案に上がっていた「ワッハ上方(府立上方演芸資料館)」の存続署名活動などを見て、私たちも何かしなければ、と動き始めたわけです。

――フィギュアスケーターだけでも、このリンクを拠点としている選手は220名。それだけの子供たちがここでスケートをがんばっていること、より多くの人に知ってもらいたい、と。
高林 はい。フィギュアスケートは毎日継続して練習することが大事なスポーツ。いつでも滑れる場所が、彼らにはどうしても必要です。私の娘にとっても、苦しんだり笑ったり、様々な思い出が詰まった場所。そこが今、急になくなるという。果たして子供たちがこの先スケートを続けられるのか……とても不安に思っています。また臨海には、フィギュアスケートだけでなく、ホッケーもスピードスケートの選手もいる。ショートトラックは何人かオリンピック選手も輩出した名門中の名門のリンクですし、ホッケーも最近目覚ましい活躍を見せるチーム(臨海ジュニアアイスホッケークラブ)があります。今、リンクを無くしてしまうわけにはいかないんです。

――さらに臨海スポーツセンターにはリンクだけでなく、体育館もありますね。
高林 そうなんです。バレーボール、バトミントン、バスケットボール……土日は様々な競技の子供たちの大会が目白押し。駐車場は車であふれかえりますし、駅からは続々と学生たちの列が続きます。彼らもまた臨海が無くなると聞くと、「困るわあ!」「来年からどうしたらいいの?」と驚きの声を上げるんですよ。これだけ多くの学生さんたち、小学生から大学生までが親しんでいる場所だということも、ぜひ知ってもらいたいですね。ほんとうに、多くの若者たちが集い、様々な思いを抱き、目標を持つ場所。ぜひともこの場所は残してあげたい、そのためにできることをしたい、と思っているのですが……。

――存続の会のホームページを見ますと、街頭での署名活動など、精力的に動いていらっしゃいます。地元の高石だけでなく、堺や難波まで出向かれて。この連休中も朝から夕方まで、連日署名呼び掛けを続けられると聞きました。父兄のみなさん、リンクへの選手の送り迎えなどで毎日大変ななか、さらに会の活動も忙しく。
高林 お母さん方が中心になって動いているのですが、やはり大阪のお母さん、パワーがあります! 口だけではなく皆さんが率先して身体を動かして、できることは全部しようと頑張っています。皆さん顔も広くて、色々なルートへの働き掛けも試みているんですよ。

――メインとなる署名活動だけではなく、さらに様々な活動をすすめられているとか。
高林 臨海のリンクを更に広くアピールするため、何かイベントを開けないか、と……。これは決まったばかりなのですが、5月13日19時から、リンクで「臨海スポーツセンター存続のためのイベント」を開催することになりました。リンクで練習している選手たちの他に、髙橋大輔選手、中庭健介選手、武田奈也選手と3選手の特別出演も決まりました。やはり様々な活動を通して、より多くの皆さんにリンクの存在を知っていただきたい。そのために、みんなで動いているところです。

*写真は臨海スポーツセンターで練習する北村明子選手、三木遥選手、淀亜紗子選手、高林史奈選手、田中刑事選手ら

*スケートリンク存続支援の署名には、以下のサイトから参加できます。

大阪府立臨海スポーツセンター存続の会
倉敷のスケートリンクの存続を願う会

photo/府立臨海スポーツセンター存続の会 text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (169)

大阪府立臨海スポーツセンター閉鎖問題 大西勝敬コーチに聞く(2)

Yoshida_mg_3503 ――さらに選手たちだけでなく、臨海を拠点にスケートを教えている皆さんも、インストラクターを続けられるのか……難しい状況になるのでしょうか。
大西 それもとても心配なことです。私のようにもう歳もとって、臨海に骨を埋めるつもりだった者はまだいい。でも小関悦也、杉田由香子、巳波昌代、平池大人、林祐輔……。彼ら若いコーチたちの将来が、とても心配です。私自身が「臨海に来いよ!」と誘って、集まってくれた、いずれも日本のフィギュアスケートの未来を背負って立つ若者たち。彼らに対しても責任も感じていますし、今後のことがとても気になっているんです……。

――現在、父兄の皆さんが中心となって「臨海スポーツセンター存続の会」を発足。署名活動なども熱心にされていますが……。
大西 やはり府民の声、スケートが好きな皆さんの声を集めるのが一番効果的だろうということで、がんばってくれています。府知事は、「大阪を子供たちが笑うところにしたい」とおっしゃっていました。でもこのままリンクを無くしてしまっては、大人たちのこれまでのツケを、夢を持って頑張っている子供たちに回してしまうことになるんです。先日、子供たちが書いた存続要望書を見せてもらいましたが、スケートを楽しんでいる絵を描いたり、幼い字で「滑り続けたい」という願いをつづったり……。それはそのまま、彼らの悲鳴でした。2、3枚読んだらもう、涙で他のものが読めないくらいです。この先、彼らの願いがかなうのかどうか……。結論を下す方々が血の通った人間であることを信じて、淡い希望を持ち続けていくしかないと思っています。

――選手たちは、この状況でリンクの行く末を心配しながらも、毎日の練習はがんばっているそうですね。
大西 はい。実は僕の教えている吉田行宏が、ほんの数日前にトリプルアクセルを初めて降りたんですよ! 彼も神戸から毎日毎日、1時間半かけて臨海まで通っている選手です。いつだったかな……国体の帰りかな、彼がこんなことを言ったんです。「先生、僕ね、小さなときから『才能があるからがんばれ』ってみんなに言われてスケートを続けてきました。でも最近わかりましたよ。僕には才能なんて無いってことが」と。それを聞いて僕は「アホか!」と言いましたよ。「毎日こうやって、神戸から通えることがおまえの才能や」と。「簡単にできることや無い。凡人にはこんな大変なことできへん!」と。そうやってがんばって、辛抱してきて、やっとトリプルアクセルが降りられた。これでやっとライバルたちと並んだな、これで勝負できるわ、と皆で大喜びです。リンクがどうなるかわからない今、彼自身も不安でいっぱいの中、ほんとうによくがんばったと思います。教えている私たちにとっても、今、何物にも代えがたい喜びです。

 昨年の全日本選手権。吉田行宏選手はフリーでほぼノーミスの演技を披露し、みごと新人賞を獲得。リンクサイドで愛弟子の滑りに感極まって号泣していたのが大西コーチだ。「熱血漢で、一から育てた選手も、他のリンクから移ってきた選手も分け隔てなく教えてくれる先生です」と、父兄からの信頼も厚い。
 かつての教え子でオリンピックにも出場した加納誠さんは、現在ジャッジとしてスケート界で活躍中。平池大人さんら、大西コーチの教えを受け継ぎ、指導者となった教え子もいる。
 この日も、日中は子供たちの指導、その後はリンク存続に向けて奔走し、深夜ながら電話インタビューを受けていただいた。

*スケートリンク存続支援の署名には、以下のサイトから参加できます。臨海スポーツセンターの受付は短い期間ですが、ぎりぎりまでひとりでも多くの方の署名をお待ちしています。

大阪府立臨海スポーツセンター存続の会
倉敷のスケートリンクの存続を願う会

*「臨海スポーツセンター存続の会」で活動する父兄の声も、追って掲載予定です

*臨海スポーツセンターで練習する田中刑事選手に関する林祐輔コーチのインタビューが発売中の別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~に掲載されています

*写真は08年全日本選手権での吉田行宏選手

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (130)

大阪府立臨海スポーツセンター閉鎖問題 大西勝敬コーチに聞く(1)

 4月22日の記事でお伝えした西日本のふたつのリンクの閉鎖問題
 スケートファンの皆さんによりくわしい状況を知っていただくべく、大阪・臨海スポーツセンターのスケートヘッドコーチ、大西勝敬さんにお話を聞いた。

――大西先生は01年に難波スケートリンクが閉鎖されて以降、7年間臨海スポーツセンターで選手たちの指導に当たっていらっしゃいますね。
大西 はい。以前教えていた難波リンクが閉鎖されるときも途方にくれていまして、「これは選手たちを連れてあちこちのリンクをまわる生活になるか?」と……。しかしその時、南海電鉄の方が探してくださったのが、当時閉鎖されていた臨海スポーツセンターなんです。施設は古いもので、アスベストの問題などもありましたが、リンクも体育館も、なんとか補修していただいて、再開されたのが7年前です。

――一度近畿ブロック大会の取材でうかがったことがあるのですが、なかなか古めかしいリンクではありますね。
大西 特に選手がいない時間帯に来れば、まるでお化け屋敷ですよ(笑)。府の職員の方が先日視察に来られたのですが、午前10時という一番人が少ない時間帯でした。その状況を見られた直後、今回の廃止案が挙がったわけですが……。できれば午後の、一番子供たちでにぎわっている時間を見ていただきたかった。建物も古いのですが、2年前には大きな欠陥のほとんどの補修が終わっています。古くなった柱なども補強していただき、大きな地震が来ても大丈夫、と南海電鉄さんも保証してくれています。ボロは着れども心は錦、といいますか、古い施設でも皆で誇りを持って大切に育ててきたリンクです。

――府立の施設ですが、地元企業の支援もあって、一度は再開された施設、というわけですね。
大西 そうです。南海の方も、「ぜひこの場所を関西のスケート競技の中心地として育ててくれ」と、言って私たちに託してくださいました。県立、市立など、公立の施設でフィギュアスケートを教えること、実はとても大変なんです。選手たちはアマチュアですので利用してもいい、でも私たちインストラクターはプロですから、公営の施設で商売をしてはいけない……そう言われることもよくあります。民間のリンクの閉鎖が相次いで、公営リンクで練習する選手たちも増えているのですが、コーチの指導は受けられなくなったり……。全国のフィギュアスケーター、インストラクターは四苦八苦しながら生き延びている状況です。しかし臨海は、南海電鉄が仲立ちになってくださって、府立でありながら関西で一番安定してフィギュアスケートの練習ができる場所に。選手たちもたくさん集まってきている、そんなリンクだったのですが……。

――関西大学のリンクができるまでは髙橋大輔選手、織田信成選手もここで練習していましたし、現在もたくさんの選手のホームリンクですね。淀粧也香選手、ジュニアの吉田行宏選手、西上順三選手、ノービスの田中刑事選手……。
大西 京都の北村明子選手も練習に来ていますし、なみはやドームで全日本などが行われる際には、多くのトップ選手が事前練習に利用してくれています。また、神戸や京都、姫路のリンクが次々閉鎖されたことで、遠くからここまで通っている選手たちも。小学4年生のある女の子など、姫路から毎日2時間半かけて臨海まで練習に来ています。こうなるともう、毎日が遠足ですよ。さらには地元のリンクが閉鎖されたことで、臨海のリンクで練習するために高石市に家族そろって引っ越してきた方などもいらっしゃいます。現在、個人レッスンを受けている練習生だけでも、8名のコーチのもとで220名にもなるんです。

――220名! リンクが閉鎖されてしまった場合、その子供たちは……。
大西 多くは、スケートをやめざるを得ないでしょうね。ただでさえリンクの数が減っている今、このスケートブームですから、どこのリンクもかなりの人数の選手を抱えています。その場所へ220人が入っていくのは大変難しい。せっかく楽しんでやってきた子供たちの多くが、スケートを奪われることになると思います。ちょうど7年前、リンク再開と同時に一からスケートを始めた子供たちも、今は全日本ジュニア、全日本ノービスに顔を出すようになりました。リンクの補修も完了し、まさにこれからだぞ、という時だったのですが……。

text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (124)

西日本フィギュアスケートの危機 大阪臨海・岡山倉敷のリンク閉鎖問題

Rinkaiimg_2160_morita_3 「昨日の真央ちゃん、すごかったね!」
「髙橋大輔、かっこよかったね!」
 こんな会話が学校や職場で日常的に交わされるほど、フィギュアスケートは今、人気スポーツになった。数年前には想像もできなかった数のアイスショーが全国各地で開催され、ゴールデンタイムのテレビ観戦も普通のことになった。リンクに行けばスケート教室の定員は数ヶ月先までいっぱいだ。
 それでも経営難や施設の老朽化を理由に、スケートリンクの閉鎖は相次いでいる。荒川静香さんが育ったコナミスポーツクラブ泉・アイスリンク(2004年12月閉鎖)がアイスリンク仙台として2007年3月に復活したのは、非常に稀なケース。ほとんどのリンクは営業再開されることはない。小さな頃によく行っていたスケート場が、いつの間にか無くなっていた……そんな寂しい思いをした人は、とても多いのではないだろうか。ひとつのリンクが閉鎖されれば多くの選手は遠いリンクに通うことになり、それが原因でフィギュアスケートを辞めざるを得ない選手も多い。
 今、西日本の2つのリンクでも、同じことが起きようとしている。ひとつは、3月末に髙橋大輔選手がチャリティーイベントに出演したことでも話題になった、 岡山厚生年金健康福祉センター「ウェルサンピア倉敷」。そしてもうひとつは、大阪府立臨海スポーツセンターだ。

 大阪府では橋下徹知事により改革プロジェクトチームが設置され、財政再建の一案として公共施設の廃止・売却が検討されている。その対象のひとつとして上がっているのが、臨海スポーツセンターだ。関西では貴重な通年営業のリンクであり(多くのリンクは夏季休業)、夏や週末には多くの選手たちが遠方からも通ってくる場所だ。実は髙橋大輔選手も、つい2年前まではこのリンクで練習をしていた。それほどフィギュアスケートにとって大切な場所が閉鎖の危機にさらされていることに、日本スケート連盟のフィギュア委員会も動き出した。
 4月20日に開催されたジャパンオープン記者会見場にて、伊東秀仁フィギュア強化部長から臨海スポーツセンターの存続を要望する方針が発表された。
「臨海スポーツセンターは、大阪のちびっこから強化選手まで、さらには京阪神のほとんどのスケーターたちが練習拠点にしています。ここが無くなってしまうと、関西のスケーターみなが、どこで滑っていいかわからなくなってしまう……。現在、父兄の方々が中心となって『臨海スポーツセンター存続の会』を発足し、フィギュア委員会でも全面バックアップすることとなりました。理事会の承認を得た後は、日本スケート連盟として存続要望の働きかけを行っていきます」
 大阪府は2009年度中に施設の廃止・跡地売却を実施する結論を2ヶ月後には出す予定と発表しており、伊東部長は「時間的にも大変厳しい状況」と何度も訴えた。
 また岡山でも『倉敷のスケートリンクの存続を願う会』が活動を行っている。スケート連盟はこちらについても「(存続バックアップについての議題を)理事会に提出する」ということだ。

 トップ選手を数多く生み出す地域は、大阪から東京、仙台、そして名古屋へと移り変わってきた。これはほとんど、その時代にスケートリンクが多い場所とイコールだ。どれほど才能がある子どもたちでも、年間を通して充分に滑れなければトップ選手にはなれない。浅田真央や安藤美姫、中野友加里、髙橋大輔……多くのスケーターの演技を私たちが楽しめているのは、彼らの育った場所にスケートリンクがあったからに他ならない。
 もちろんスケートリンクは、他のスポーツ施設に比べて維持するのが非常に難しい施設だ。だからこそ、公営のスケートリンクにはこれ以上減らないでほしい。
 まずは署名に参加して、一部ではなく多くの人々がリンク存続を願っていることを伝えていこう。今活躍している選手たち、そしてこれから活躍する選手たちへの感謝と応援の気持ちを込めて。

*スケートリンク存続支援の署名には以下のサイトから参加できます
大阪府立臨海スポーツセンター存続の会
倉敷のスケートリンクの存続を願う会

photo/Masami Morita   text/Miduka Kumakura


| 固定リンク | トラックバック (109)

別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~ 本日発売!

Kadokawa 髙橋大輔、ジェフリー・バトル、ステファン・ランビエールなど世界の男子シングルスケーターを特集したメモリアルブックが、本日発売になりました。

別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~ 
発売日:2008年4月19日
価格(税込):1800円
A4判  オールカラー112ページ
発行:角川ザテレビジョン
発売:角川グループパブリッシング
※ジャパンオープン2008会場、アイススペースブースなどでも数量限定販売
※書店ではスポーツ誌コーナーのほか、テレビ誌のコーナーでも販売

【contents】
巻頭特集30ページ 髙橋大輔

10000字独占インタビュー

トップスケーターへのインタビュー
ジェフリー・バトル、ステファン・ランビエール、ブライアン・ジュール、ジョニー・ウィアー、エヴァン・ライサチェク、小塚崇彦、南里康晴、中庭健介、羽生結弦

スペシャル対談
髙橋大輔VS中野友加里
南里康晴VS小塚崇彦
長光歌子VS河野由美
長久保裕VS田村岳斗

インタビュー 
宮本賢二、佐藤有香、アントニオ・ナハロ、アレクセイ・ミーシン、村主章枝ほか

「バンクーバー五輪、いちばん楽しみなのは男子の戦い」と、ニコライ・モロゾフ氏も語るように、今もっとも目が離せない種目、男子シングル。来シーズンの開幕が今から待てないファンの皆さんにお送りする一冊です!

*スケートまったく関係ありませんが、写真家板東寛司さんとライター青嶋の本、『逢いたくなっちゃだめ』『誰かいませんか』が文庫になりました。ついでにこっそりおすすめです。


| 固定リンク | トラックバック (64)

スターズオンアイス東京公演開催中 佐藤有香さんインタビュー(2)

Yukap1000417 ――さらに有香さんは、ソロナンバーでもダンサブルな「Swing with me」と、スローな「1000 Miles Away」の2曲を披露していますね。
佐藤 今回、色々なことを考えたのは、一曲目の「1000 Miles Away」かな……。これはジュエルっていうアメリカの女性アーティストの曲なんですが、彼女が自分の人生について詩を語るように、エモーショナルに歌っているんです。スローできれいなメロディだけれどパワフルさもある、という曲。今までバラードはたくさん滑ってきたんですが、振付の方に「この曲はどうかな?」って言われた時、実はちょっと自信がなかったんですね。美しいメロディーが流れる中できれいに滑るだけでなく、美しさの内側で燃えるものをどう表現すればいいのか……そう考えた時に、私にはこれはできないんじゃないか、と。

――歌詞に共感できなかったり、曲の表現する世界に入り込めなかったり?
佐藤 いえ、歌自体はとても好きな歌なんです。でもこの世界を、私がスケートで伝えられるほどの演技力があるのかな、ってすごく心配で……。だから一度はこの曲に「ノー」って言ったんですよ。で、その代りのものを探そうって、いろいろな音楽を聞いて、他のきれいな曲もいろいろ滑ってみて……。でも、ここでもうひとつ私のスケートをレベルアップさせるためには、「1000 Miles Away」に踏み出してみてもいいかな、ってだんだん思うようになってきたんです。今の自分の力でこの曲を滑るために、自分なりに、こういう表現の仕方だったら出来るんじゃないかってことも、振付師さんと相談して……じゃあこの曲でやってみます! って。だから「1000 Miles Away」、私にとってはチャレンジなんですよ。ちょっと今までの私とは違うものになっているかな? 私ももうアスリートとしてはおばちゃんになってしまって、悲しいなあ、と思うこともあるんですけれど……でもこの曲に関しては、ちょっと年季が入っていないと出せないものがあるかもしれない。そんなチャレンジでもあります。見た方に、「へえ、おばちゃんもいいな」って思っていただけるような(笑)。そんなナンバーになっていればと思います。

――「1000 Miles Away」、ぜひ楽しみに! それにしてもスターズオンアイス初来日(95年)のころに比べて、日本でのフィギュアスケートの受けとられ方も、大きく変わってきていますね。
佐藤 そうですね。日本のスケート界も、一般の方のスケートへの好奇心も、ものすごく変わってきています。特にみなさんの注目されているのは、試合。オリンピックや世界選手権、グランプリシリーズなどでは、限界までジャンプを跳んで跳んで……素晴らしいスポーツの醍醐味が見られると思います。でもスケートってさらに奥深くて、試合以外でもいろいろな形で何かを表現をすることができる。アイスショーでは、競技会とは違う魅力をぜひ見つけてもらえれば、もっともっと皆さんのスケートへの興味が広がってくるんじゃないかな。特に私たちのショーは、スケーターがただ出てきて自分のプログラムを滑る催し物ではなく、作品として作り上げたショー。こうしたショーをひとりでも多くの方に見ていただいて、気に入ってもらいたいな。日本人ながらアメリカのショーのキャストとして、6シーズン滑ってきましたが、少しでもいいものを日本に持って帰りたいな、そんな思いで、ずっとスターズオンアイスを滑ってきました。

――日本公演では日本の現役トップスケーターたちも、本場のアイスショーの雰囲気の中で滑りますね。
佐藤 真央ちゃん、美姫ちゃん、大ちゃん……。彼らは競技者としても素晴らしいけれど、それ以上にパフォーマーとしても素晴らしい。プロスケーターとしても十分成功できる、アーティストたちですよね。今はオリンピックを目指しているし、さらに次のオリンピックも狙うなら、ぜひがんばってほしいのですが……。彼らには、競技者としてのキャリアを終えたその後も、ぜひ長く長く滑り続けてほしいな、という期待を持っています。競技会のためにここまで努力してきた、その年月で培った彼らのスケートを、長く長くみなさんに見せてあげてほしい……そのためにも、スターズオンアイスで私たちと一緒に滑ることが、彼らにとって何らかの刺激になれば、と思っています。

*スターズオンアイス東京公演は1月19日、20日、代々木第一体育館にて開催。
くわしくはhttp://www.tv-tokyo.co.jp/soi/

text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (9)

スターズオンアイス東京公演開催中! 佐藤有香さんインタビュー(1)

Yukasato_2007foi フィギュアスケートシーンが盛り上がる中、今年も来日した世界屈指のアイスショー、スターズオンアイス。キャストとして6シーズン、このショーに出演してきた佐藤有香さん(94年世界チャンピオン)に、スターズオンアイスへの思い、日本公演の見どころなどを聞きました。

――スターズオンアイス日本公演は、今回で5シーズン目とのことですが、スケートブームでさらにたくさんの方がショーを目にする今年。佐藤有香さんの考える、みどころとは?
佐藤 まず今シーズンのツアータイトルが「Live And In Colour」ということで、ショー全体を通じてカラフルなショーに、そしてお客さんとのコネクションを大事にした、ライブ感いっぱいのショーになっていると思います。特に注目していただきたいのは、会場の四方に設置された大きなスクリーン。アメリカのツアーではここ何シーズンか使っているものを、今年から日本のツアーでも同じ趣向でできるよう、用意してもらったものなんですよ。このスクリーン、最初のころはショーの創始者であるスコット・ハミルトンが挨拶をしたり、私たちキャストがおしゃべりしたり、あらかじめ録画しておいた映像が流れていたんですが、先シーズンからキャストメンバーたちがライブでお客さんに語りかけるようになったんです。それがアメリカではすごく評判が良くて! そこでやっぱりアイスショーも、お客さんとのコネクションって大事だなってことで……今シーズンはライブでみなさんに直接語りかけながら進行する、そんなアイスショーになっています。

――スターズオンアイスは出演メンバーを見ると、トッド・エルドリッジ、シェン&ツァオ、サーシャ・コーエン……。オリンピックや世界選手権のメダリストたちがずらりと並び、すごく豪華。でも、そんな客席とのふれあいを大切にする、あたたかさがありますね。
佐藤 そうなんです。私たちのショーはファミリーショーといっていいくらくい、すごくメンバーの仲がいい。メインのキャスト11~12人は、リハーサルからツアー中まで、毎日毎日いっしょに過ごしていますからね。今年のメンバーは特に仲がよくて、みんなでいい感じに輪になって、リハーサルから楽しく過ごしてきました。いろんなジョークが飛んだり、みんなで笑いあったり……。でも楽しいだけではなく、みんなで力を合わせていいものを作ろうって一生懸命取り組んできたので、そんな雰囲気も感じてもらえたらいいな、と思います。

――1シーズンに何十という都市をめぐるスターズオンアイスのツアー。期間も長期にわたると思うのですが。
佐藤 はい、長い間、時には何カ月も何カ月も一緒に過ごしていると、ケンカをしたり、メンバーのだれかに悲しい出来事があったり、いろいろなことが起きます。でもそんな時も、お互いに支えあっていける、お互いに信頼できる仲間たち。それぞれが自分の家を長い間離れることになってさびしくもあるのですが、長い期間でも気分よく、お互いに支えられながらツアーに出ることができています。そんな家庭的な雰囲気、スターズオンアイスのすごくいいところでもありますね。

――その雰囲気がお客さんも感じ取れるのが、スターズオンアイスのグループナンバー。豪華メンバーがチームを組んで、さまざまなプログラムを見せてくれます。今回、有香さんは「Hard Steele is Book」など、エンターテイニングな楽しいナンバーにも登場されていますが。
佐藤 グループナンバーは毎年いろいろ滑っていますが、なかには大好きなナンバーもあれば、それほどでもないな、っていうものもあって(笑)。でも今回のツアーは、嫌いなグループナンバーがひとつもないんですよ! これは実は、他のメンバーも同じことを言ってるんです。「今年はひとつひとつのナンバー、みんな滑るのが楽しみだよね!」って。やっぱり大好きなものを滑るんだ、って気持ちでリンクに出て行くと、ショーのエネルギーもワンランクレベルアップします。そうした熱気が、見ている人にも伝わればいいな。

photo/Takayuki Honma(2007年フレンズオンアイスでの佐藤有香さん)  text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (8)

第5回京都スケートフェスティバル開催!

Kyotojl2f5878 昨年11月のレポートでもご紹介した京都スケートフェスティバル。その第5回が、早くも1月14日、西京極の京都アクアリーナにて開催される。

これまではフィギュアスケート中心のフェスティバルだったが、今回はショートトラックの五輪代表選手、全日本選手権6連覇の勅使河原郁恵さんをゲストに迎え、トークショーやスケート教室を開催。スピード感あふれる滑りの楽しさも、地元のちびっ子たちに知ってもらおうという趣向だ。
もちろんフィギュアスケートファンも楽しみにしているエキシビションも同日開催、無料でどなたでも観覧可能。今回は澤田亜紀、北垣達矢、村元小月らおなじみのメンバーに加え、地元出身の太田由希奈選手も久しぶりに登場する。また前回キュートな「ピンクパンサー」を見せて人気者になった全日本ノービスBチャンピオンの宮原知子(みやはら・さとこ)選手も参加。

京都醍醐クラブの田村岳斗コーチからはこんなコメントも届いている。
「知子ちゃんは本当に練習大好きな選手なんです。1時間30分の貸切練習中に、100本近くジャンプを跳ぶことだってあるんですよ! 僕も90本までは数えたんですが、あんまり跳ぶので途中から分からなくなっちゃったくらい(笑)。ただ、お父さんもお母さんも非常に仕事が忙しい方なので、なかなか遠いリンクまで送り迎えができず、練習に来られないこともあります。そんなときはずっと家で泣いているとか……。とにかくがんばり屋の知子ちゃんのスケート、ぜひ注目してください」

ショートトラックにフィギュアスケート。一流選手の滑りも期待の新星の演技も楽しめる京都スケートフェスティバル。お近くの方は、ぜひ!

「第5回京都スケートフェスティバル」
1月14日(日) 12:00~17:00 
 勅使河原郁恵トークショー
 勅使河原郁恵スケート教室
 京都府高等学校スケート競技選手権大会
 エキシビション
観覧無料、スケート教室参加のみ事前申し込みが必要

会場/京都アクアリーナ (西京極総合運動公園内 阪急西京極駅すぐ)
京都市右京区西京極徳大寺団子田町64
TEL 075-315-4800

主なエキシビション出演予定選手
ショートトラックスピードスケート
勅使川原郁恵  河合俊輔  堺憲太 ジュニア選手
フィギュアスケート
太田由希奈  澤田亜紀 宮原知子 北垣達矢 村元小月                                        

Photo/Masayuki Kojima(第4回のスケート教室にて。澤田亜紀選手)   Text/Hirono Aoshima


| 固定リンク | トラックバック (3)

スケーター&スケートファンも注目 映画「SMILE スマイル *聖夜の奇跡*」上映中!(2)

Nishida2i1083 ――短期集中で完成した杏理さんのスケートシーン、みどころは?
西田 彼女の滑るシーン、実はクランクインの初日に撮ったんです。監督の意向だったんですが、杏理ちゃんを勇気づけるため、だったんじゃないかな? 彼女にとっても、これは初めての映画なので。もちろん、アイスホッケーの映画ですから、フィギュアスケートのシーンはほんの少しです。でもぜひ、彼女のひたむきな可憐さを見てほしいですね。何年も練習していても、なかなかああいう表情って出せない。一生懸命さ、ひたむきさがすごく伝わってきますし、たった2か月でもここまでできるんだってこと、スケートファンの方にはぜひ見ていただきたいと思います。

――そしてスケートシーン以外にも、みどころはたくさんですね。
西田 もちろん! ストーリーは、弱小でいつも馬鹿にされているアイスホッケーのチームが、一人の監督に出会い、杏理ちゃん演じる難病に苦しむ女の子を力づけるため、優勝目指して奇跡を起こそう、というものです。最初は、「俺たちなんて、勝てるわけないじゃん。無理無理……」みたいな雰囲気。それが森山未來さん扮する、スケートなんてまるでやったことのない監督が指導を始めて、強くなる方法をいろいろ考えるんです。「なんでお前ら、やったこともないのに始めから諦めちゃうんだ!」と。森山さんは元タップダンサーという役どころなんですが、実際に小さいころからクラシックバレエとジャズダンスをやってきた方なので、スケートは滑れないのに、氷の上で平気でバレエジャンプを跳んじゃったりするんですよ! またあるシーンでは、森山さんのタップの音とスケートを滑る音が響き合うんですが、これがぴったりで……。スケートの振り付けをする私もすごく勉強になりましたし、森山さんの踊りのセンスの高さは、スケートファンの皆さんも楽しんでいただけると思いますよ。

――魅せるスポーツ、フィギュアスケートのファンにもおすすめの映画、ですね。
西田 それからスケート選手の皆さんにも、おすすめです。杏理ちゃん演じる女の子の体調はどんどん悪くなる。ホッケーチームのみんなは、自分たちが諦めていたら始まらない、彼女のために奇跡を起こそうって、必死に練習して、いろいろなアイディアも試してみる。ゴルフの練習をホッケーの道具でやってみたり、そんな工夫を練習に取り入れる様子は、フィギュアスケーターも勉強になると思います。工夫をしながら、みんなでひとつになろうって、一試合一試合勝ち進んでいく。この点も、フィギュアスケートと同じなんです。私たちは個人スポーツなので最後はたった一人で戦わなきゃいけない。でも、周りにはコーチがいて、振付師がいて、音楽を作る人、衣装を作る人、みんなの力で成り立っている。最近は特に、そうですよね。やっぱりチームで戦うってこと、チームの力の強さって忘れちゃいけないなって……大事なことを思い出させてくれたような気がします。スケーターだってひとりじゃないんだ、って。特に森山さん扮するコーチが、何もわからないのにホッケーの勉強をして、チームにやる気を出させて行く、勝ち進んでいく。私たちコーチも、もっともっと勉強しなきゃいけないなって気づかされました。

――ではフィギュアスケートシーズンも後半戦、国内、海外の試合が始まる前に、ぜひ……。
西田 スケートの選手たちも、先生と一緒に見てほしいですね。選手は、コーチを信じることの大切さにも気づくと思いますし、先生たちは自分たちだって選手の力を引き上げてあげること、できるんだって、再確認できる映画だと思います。それからこの映画は実話なんですが……設定が20年前というところが、我々世代にとってはツボなんですよ。携帯電話がこーんな大きかったり、あの当時のギャグも満載だったり、大人は大笑いします! 陣内監督が細かいところまですごく凝ってらしてセンスもいいので、一度見ただけでは全部の仕掛けに気付かないくらい。あ、あんなところにも、こんなところにも……って、笑いあり、涙ありで、ぼーっとっとしていたらもったいない映画です!

 映画、まんが、ゲームなど、多くのジャンルで今、フィギュアスケートは注目のコンテンツ。西田美和コーチが関わる、フィギュアスケート中心の日本映画も企画進行中ということで、楽しみは広がるばかりだ。まずはこの冬休み、『SMILE スマイル *聖夜の奇跡*』を、ぜひ映画館で。

*「SMILE スマイル *聖夜の奇跡*」公式サイト 
*西田美和コーチ公式サイト

photo/Takayuki Honma(プリンスアイスワールドでの西田美和コーチ)   text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (1)

スケーター&スケートファンも注目 映画「SMILE スマイル *聖夜の奇跡*」上映中!(1)

S0215_070   全日本選手権も無事終わり、スケーター&スケートファンもほっとひといきの冬休み。しかしウィンタースポーツシーズンは、まだまだこれからが佳境。エンタテイメント界でも、アイスホッケーをテーマにした映画「SMILE スマイル *聖夜の奇跡*」(陣内孝則監督)が大きな話題になっている。
 実はこの映画、フィギュアスケーターが物語の重要な鍵を握っているとか……。小さなヒロインであり、スケーター役の岡本杏理さんのスケート指導を担当した西田美和コーチ(新横浜プリンスフィギュアスケートクラブ)に、映画の舞台裏、見どころを紹介していただこう。

――岡本杏理さんは現在、中学1年生のモデルさんで、女優さん。西田先生は06年の10月から、スケート指導と劇中で流れるプログラムの振付けを担当されたんですね。
西田 はい。とにかく彼女は、今まで私が見たことのないくらい足の長い女の子で……。最初に私のところにやって来て氷の上に乗った時は、普通の初心者よりももっと初心者っぽかったので、まるで生まれたての小鹿のようでした(笑)。だから初めは正直、「これはちょっと……大丈夫かなあ」と。周りのスタッフの皆さんも心配して、「先生どうしましょう、どうしましょう?」という感じでスタートしたんです。でも杏理ちゃん、見た目のかわいらしさとは裏腹に、バレーボールやトランポリンの経験もあって、スポーツ系に怖いものはありません、という女の子。だから教え始めて1週間後くらいかな、突然、ひゅるるっと滑れるようになっちゃったんです。あら、じゃあちょっと色々チャレンジしてみようか、となったのはそれから。実は監督の陣内さんも、最初はスケートシーン、吹き替えで撮りますから、ある程度の形だけつけてくれればいいですよ、というお話だったのですが……。

――え、スケートシーン、吹き替えではないんですか?
西田 ふつうのドラマや映画では、当然吹き替えですよね。でも今回は、ひととおり杏理ちゃん自身が滑っているんです。良く考えたら彼女と同じスタイルで吹き替えができる子を探すのも大変じゃないか、ということになって……。教え始めて1ヶ月後くらいに監督が見にいらしたんですが、やっぱり吹き替えはなるべく使いたくない、このまま教えて、なんとかなりますか? と。そうなると彼女も眼の色が変わりましたね! 人間って凄いもので、自分が全部やらなくちゃいけないとなると、とたんに集中力がアップしてしまった。往復で3時間くらいかけて新横浜のリンクに来ていたんですが、リンクでもしっかり2時間集中して、あっというまにスピンもスリージャンプも、なんとバッククロスまでできるように!

――初心者の女の子が1か月でそこまでというのは……。
西田 普通ではありえないです。本当にどんどん上手になって、プリンスのクラブの子供たちと一緒に練習もするようになって、すっかり仲良くなってしまいました(笑)。そのままプログラムを滑る練習も初めてしまったんですよ。ほんの1分のプログラムなんですが、スリージャンプを跳んで、スパイラルをして、ちょっとイナバウアーも入ったプログラム。練習のための時間は2か月弱しかなかったんですが、その間に、普通に初級のテストに受かるくらいまで上達してしまって……教えた私が、一番びっくりしていました。

――杏理さんの十分なスポーツ経験と、役者さんとしてのプロ意識があったため、でしょうか。
西田 さらにスケートへの興味も、ですね。やっぱり美姫ちゃん、真央ちゃんの活躍を見ていて、一度はやってみたい、という気持ちはあったようです。そして何より大きかったのは、彼女の一生懸命さ! 私も最初は、芸能界の方なので、人の目を気にしたり、かっこ悪い姿を見せたくなかったりするのかな、と思っていたんです。でも杏理ちゃんは、ただもう、がむしゃら。一般営業時間も使って練習して、最後にはちゃんとプログラムを見せられるまでになってしまいました。私はよく自分の生徒に、「氷の上に花が咲いたように立ちなさい」と言うんですが、まさにそんな感じに。かれんで、品のいいスケーターができあがったんです。たった2ヶ月で!

photo/(C)2007 フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝/電通   
text/Hirono Aoshima 


| 固定リンク | トラックバック (1)

日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』 発売!

Ce2008
「オフィシャルブックまだですか? はやく読みたい!」と、無良崇人選手もお待ちかねの日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』、まもなく発売です。
『Cutting Edge』『Cutting Edge2007』に続き3冊目となる今年は、16歳の無良崇人選手から26歳の中庭健介選手まで、8選手のロングインタビューと多数の写真を収録。オンアイス、オフアイス、様々な表情の彼らに出会えます。

タイトル:Cutting Edge2008 日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック
価格:1800円(税抜)
全国書店での発売日:12月5日
※NHK杯会場にて、先行販売中!

【contents】
髙橋大輔 金メダルのその先へ
織田信成 鳥のように飛べ
南里康晴 情熱は月の光のように
中庭健介 とどまることなき、意思
小塚崇彦 本当の1年目が始まる
柴田嶺  新たなる覚醒
町田樹  多面体の輝き
無良崇人 羽ばたく日のために

インタビュー 平松純子日本スケート連盟フィギュア部長
応援メッセージ  村主章枝、中野友加里
コーチインタビュー 長光歌子、織田憲子、河野由美、長久保裕、佐藤信夫、川越正大、秦安曇、重松直樹

佐藤信夫コーチの語る全日本選手権、日本最高の男たちの戦い 


| 固定リンク | トラックバック (3)

フィギュアスケートDays vol.4  本日発売