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この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
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フィギュアスケート特集

トリノ五輪閉幕 ――フィギュアスケートは好きですか?

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 多くのフィギュアスケートファンが待ちに待っていたトリノ五輪。
 振り返れば15日間の熱戦は夢のように、あっという間に過ぎ去ってしまった。

 一番大きな印象を残したのはやはり荒川静香選手だろうか。
 彼女がオリンピック前に言っていた、こんな言葉を今、思い出す。
「トリノでは、私の演技を見てもらった人に、フィギュアスケートっていいものだな、また見たいな、と思ってもらいたいんです。荒川静香の演技をまたみたい、と言われなくてもいい。私の演技をきっかけに、フィギュアスケートをもっと見たくなる、もっと知りたくなる、そんなスケートが、トリノではしたいんです」
 また、一年ほど前に語られた、日本スケート連盟城田憲子理事のこんな言葉も思い出す。
「選手たちが、オリンピックの大きな舞台で素晴らしい演技を見せる。そのとき、日本中の人々、世界中の人々を、スケートの素晴らしさで酔わせてみたい。演技を見た、スケートとはなんの関わりもない人生を送る人たちにも、スケートから何らかの力を得て欲しい。とても不遜な考えですが、フィギュアスケートはそんな力を持ったスポーツだと信じたいのです」(「日本女子フィギュアスケートオフィシャル応援ブック」より)

 荒川静香選手をはじめ、トリノ五輪日本代表選手たちは、さまざまな形でフィギュアスケートそのものに影響を与えてくれた。ほんとうにたくさんの人が、今シーズン、フィギュアスケートを楽しむようになった。

 すべてが終わった今、あなたはフィギュアスケートが好きですか?
 あんなに夢中になったけれど、トリノ五輪が終わって、もう他のことに興味を移してしまったかもしれない。また4年後、フィギュアスケートを楽しめばいいと思っているかもしれない。
 でも、それではちょっと、もったいない! 
 荒川静香や村主章枝、高橋大輔の演技に惹かれ、ちょっとフィギュアスケートがおもしろいな、と思ってくれたのなら。あともうちょっと続く今シーズン、もう少しだけこのスポーツから目を放さないでいて欲しい。
 なんといってもこれから、浅田真央が登場する世界ジュニア選手権が始まる。浅田真央にばかり注目が集まっているけれど、実はパワフルなスケートの澤田亜紀も、若々しさと大人っぽさの同居する武田奈也も、とても素敵な選手だ。
 男子シングルだって初出場の小塚崇彦、無良崇人がどこまでやってくれるのか、目が離せない。3年ぶりに出場権を獲得した柴田嶺の、もう一度立ちたかったこの舞台への思いも、受け取めたい。
 そしてこのあと3月20日からには、織田信成や中野友加里が初めて挑戦する世界選手権も控えている!

 彼らのスケートは、トリノ五輪で初めて夢中になった人たちの期待も、決して裏切らない。
 日本のフィギュアスケートは荒川静香だけじゃない、個性的な選手たちがまだ続々と登場するさまを、ぜひたくさんの人に見届けて欲しい。

 冬は、まだまだ終わらない。
 そして冬が終わったころ、きっとたくさんの人が、フィギュアスケートの本当の虜になっている。(青嶋)

写真/ロイター


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トリノ五輪記念グッズプレゼントのお知らせ

取材チームがトリノでみつけたおみやげをフィギュアスケート特集読者の皆さん11名にプレゼントします。
一部プレゼントはオリンピック出場選手のサイン入り。ページの右上にプレゼント応募フォームができますので、そちらよりご応募ください。
 公式パンフレット 3名(英語バージョン)
 公式パンフレット 3名(イタリア語バージョン)
 トリノ五輪ピンバッチ 4名
 トリノ五輪マグネット 1名
*サインは有明コロシアムで開催される「シアターオンアイス」の出演スケーターになります。

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女子シングル終了 村主章枝――4年後へ

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 「ここはソルトレイクシティ五輪だろうか?」と一瞬混乱した。この日のために新調した薄いパープルと濃いパープルを組み合わせたコスチュームは、4年前の五輪で村主章枝が着用していたものに似ており、観客席から見ると同じように見えたのだ。ヘアスタイルもどこか似ている。

 しかし、一歩踏み出すと、4年前とスケートの伸びが違う。腕や脚のポジショニングに無駄がない。差し出す腕が、これまで何度も何度も考えられ体にしみ込ませた位置にすっと決まる。やはり2006年トリノ五輪の村主章枝だった。

 最初のルッツも高く、あまり得意ではないサルコウも決めた。そして、中盤には、初めて見せるドーナツスピンも! 新しい技に取り組み、それを25歳になって初めて試合で披露する……その難しさや怖さを、向上心や探究心といったもので乗り越えていく村主章枝。それこそ、この4年間の彼女を駆り立て、成長させ、ここまでのスケーターにしたものだろう。

ソルトレイクシティ五輪で5位に入賞した村主が、4年をかけて順位をひとつ上げたトリノ五輪。しかし、「順位ひとつ」では表現し切れない4年間がそこには詰め込まれている。すでに世界トップレベルだったスケーターが、4年間でこんなにも上達する姿を体現してくれた。

 村主は、4年後のバンクーバーも視野に入れて、今後もアマチュアスケーターを続けていくという。となると4年後の彼女は、いったいどんなスケーターになっているのだろう。

日本のスケート界を引っ張ってきたスケーターがこれからもアマチュアのリンクに残ることは、後輩スケーターたちにとっても、大きな刺激になることだろう。また、これからもがんばる村主章枝を見せてくれること、彼女が着実に自らのめざすスケーターに近づこうとする道程を見せてくれること、そしてなにより、4年後の村主章枝を想像することができることが、ただただ嬉しい。(長谷川)

写真/共同通信


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女子シングル終了 荒川静香(2)パラヴェーラで見たトゥーランドット

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 演技が終わるやいなや、うわーっという歓声とともに、会場の半分くらいの観客が一斉に立ち上がった。観客席で見ていると、演技中の細かな表情まではわからない。けれど、体いっぱいで大好きなプログラムを、満足できる演技をみせてくれていることは、ダイレクトに伝わってきた。

 6分練習のときから、荒川静香はひとりだけ違う空気をまとっていた。がちがちに硬い表情をしたショート1位のコーエンやショート2位のスルツカヤと比べても、彼女は力強くしなやかな表情。かえってどきどきしているのは、男子シングルのときより確実に人数を増した日本人観客のほうではないかと思うほど。

 コーエンへの歓声をシャットアウトするためなのか、「トゥーランドット」の世界に最後までひたるためなのか……コーエンの演技中盤にリンクサイドに現れた荒川は、大きなヘッドホンを身につけていた。引き締まった表情でゆっくりとリンクサイドを歩き、ヘッドホンをはずすと、佐藤久美子コーチと笑顔を交し合った。04年、ドルトムントの世界選手権で優勝したときの彼女からも感じたように、今日はなんだか失敗する気がしない。そんな確信が、観客席にも伝わってくる。

 彼女の魅力が詰め込まれた3代目「トゥーランドット」。
前に滑ったコーエンより20cm以上も大きな荒川が、足をぐっと持ち上げ、最後には支える手まではなしてみせるスパイラルや、両腕をいっぱいに伸ばしたキャメルスピン、流れるスケーティング、みんなが待っていたカーブを描くイナ・バウアーでは右手でたおやかな動きを見せている。その直後に3回転-2回転-2回転、そして充実感に満ちた笑顔。ここで会場がさらに沸く。最後のスピンに入ったところから、もう拍手が鳴り止まない。そして今シーズン最初の10月のジャパン・インターナショナル・チャレンジでびっくりさせた、I字スピンの途中で片手をはなし氷と垂直に伸ばす振付けも、もう一度披露してくれた!

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 熱狂する会場の中心で、ライトブルーとネイビーブルーのコスチュームの荒川静香は、笑顔で大きく手を振っている。笑顔、笑顔のキス&クライでの表情がリンクの大型スクリーンに映し出されている。得点が出ると、「すごい」と口にした後、ガッツポーズを見せた。

 そうか、これが、荒川静香がみせたかったスケートだったのか! そしてそれは、ファンがずっと待ち続けた荒川静香のスケート。それを、このオリンピックでみせてくれるとは!

 ドルトムントでの「トゥーランドット」は、私たちスケートファンの脳裏に残り、今も胸を打つ。そして、トリノ五輪の「トゥーランドット」は、五輪を振り返るとき、必ず日本人が思い出すシーンになるのだ。そしてきっとこれから何度も何度も見返され、スケートファンに長い時間愛される演技になるのだろう。(長谷川)

写真/時事通信


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女子シングル終了 安藤美姫――初めてのオリンピック

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「しーちゃん、がんば!」
 女子ショートプログラム、荒川静香の演技前にそんな声援が飛んだ。選手や関係者の座るサイドから、音楽のなる直前のタイミングをみはからって響いた声。あの声は、ひとつ前のグループで滑ったばかりの安藤美姫では?
 それが確信に変わったのは、フリーの演技前のこと。荒川の演技前、やはり同じタイミングで安藤が大きな声援を送る姿を見たときだ。
 今度は2度「しーちゃん、がんば!」を響かせると、オリンピックの金メダルを獲る荒川の演技を、その演技に会場が熱くなりスタンディングオベーションと大喝采を受ける先輩スケーターの姿を、静かに見つめていた。

 彼女のトリノ五輪は、すでに終わっていた。いくつかのジャンプでミスをした安藤が最後に転倒してしまうと、間髪おかず会場から「がんばれ」の声と拍手がわきおこった。思いのほか伸びなかった得点にも、会場から再びあたたかい拍手が送られた。

拍手にはいろいろな種類がある。このトリノ五輪で安藤美姫に向けられた拍手は、まだ挑戦者としての若いスケーターへの拍手だった。それは安藤自身が一番感じているはずだ。

そしてこの日、安藤は目に焼きつけただろう。長野五輪で憧れた先輩スケーターが世界のトップに立った瞬間、会場が一番わいたことを。称賛と感激の拍手が送られたことを。

 初めてのオリンピックは15位。でもまだ18歳。現在の村主章枝、荒川静香らとは6-7歳違う。次のバンクーバー五輪を迎えるときも、安藤は今の2人よりも若い。もしかしたら、まだ開催地の決まっていないその次のオリンピックにだって出場できるかもしれない。

 表彰式後には会場の外で、帰路につく観客たちに囲まれて、安藤はサインや写真撮影に笑顔で応じていた。最初は数人のファンだけだったのが、あっという間に数十人になってしまったその円の真ん中で、安藤美姫は終始とても晴れやかな笑顔だった。サインをしてもらった外国人観客が、大喜びしている。「だれ?」「ミキ・アンドウよ、サインしてくれるみたい」「私も行ってくるわ」と話している観客もいる。

 書いても書いても終わらないサインを求めるファンたちに、最後まで丁寧に対応していた彼女。そして最後に、重い荷を置いたような表情で、「4年後に」と言い残し、安藤美姫は笑顔で去っていった。(長谷川)

写真/ロイター


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(10)トリノ空港の出発ロビー

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 トリノ空港の出発ロビーには、オリンピックのオフィシャルストアがお店を出しています。オリンピック帰りの人々が、最後にもう一度オリンピック気分のショッピングを満喫する場所。

 このレジにわきに、荒川静香のグリーティングカードが! これは、フィギュアスケートの選手たちがファンやお世話になった方々へのお礼などに使う、オリジナルのカードです。「彼女は、2月のはじめころここに寄って、これを私たちにくれたのよ」と、店員さんが嬉しそうに教えてくれました。

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 すると横から「昨日(23日)、僕はフィギュアスケートを見に行ってきたんだよ。彼女はベリーベリービューティフルだった」と、アメリカに帰るおじさまスケートファンがニコニココメントしてくれました。それを聞いたレジ待ちの人々が「この選手が金メダルを獲ったの? 美しいわね」とそれぞれ話し込むシーンも。

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 そして搭乗口前で流される映像でも、荒川静香の優勝を告げるニュースが繰り返し流されていました。女子フリー翌日は、トリノ五輪関係ニュースは、これひとつだけ! なんだか、とても誇らしく嬉しい気分になりました。(長谷川)


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女子シングル終了 荒川静香(1)トリノのトゥーランドット 

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 パラヴェーラに「トゥーランドット」の最初のメロディーが流れ始めた時、あっ、と思った。
 久しぶりに見る荒川静香のトゥーランドット。
 2004年世界選手権のあの演技を知っているファンたちは、とても楽しみにしていたはずだ。
 また、2001-2002年、この曲で初めて滑ったシーズン。残念ながらソルトレイシティ五輪出場を逃した年の荒川静香を覚えている人は、トゥーランドットで滑る彼女をオリンピックで見ることができるとは……そんなうれしさに包まれたことだろう。
 「トゥーランドット」は荒川静香自身が、ぜひこの曲で滑りたいと、当時振付を担当していた佐藤久美子コーチに提案したという。それほど、彼女自身も思い入れの深い曲だ(佐藤信夫・佐藤久美子著『君なら翔べる!』より)。

 しかしその最初のメロディーが鳴った瞬間。
 私はこの選択は誤りだったのではないかと思った。
 この曲を聴くと、どうしてもあの世界選手権での神がかり的な演技を思い出してしまうのだ。
 フィギュアスケートのプログラム作りにおいては、過去に名作として高い評価を得たパフォーマンスの音楽を、避けて通る選手が多い。トーヴィル&ディーンの「ボレロ」しかり、ヤグディンの「仮面の男」しかり。
 人々の記憶に鮮烈に残る名演技と、どうしても見る人が比べてしまうためだ。
 荒川静香のトゥーランドットもそんな一曲。時々競技会で滑っている選手を目にすると、「どうしても静香ちゃんを思い出しちゃうね」と人々はささやく。そのくらい2004年のトゥーランドットは伝説の域にある。

 そんなタブーは、荒川静香本人にとっても同じだった。
 あのメロディが氷の上に流れた瞬間、一瞬にして脳裏には2004年ドルトムントの演技が浮かび上がってしまった。これは多くのフィギュアスケートファン、そして、審判たちにとっても同じだっただろう。
 この音楽で滑る荒川静香は、あの時と同じくらいの、いやそれ以上の演技をしなければ、ドルトムントを知っている人々の心を打つことはできないのだ!
 最初のトリプルルッツ-ダブルトウループは、ドルトムントではトリプルルッツ-トリプルトウループ-ダブルループだったな……好調な滑り出しにも、そんなことを考えてしまう。

 だがそんな思いは、長くは続かなかった。
 2006年、トリノのトゥーランドットは、ドルトムントのそれとはまったく違っていたのだ。振り付けはところどころで大きく変わってはいるが、同じ振付師が手を加えた同じライン上の作品だ。しかし演じる荒川静香自身が、あの時とは確実に違う。
 たっぷり、ゆっくりと見せてくれるスパイラル。ニコライ・モロゾフ、エフゲニー・プラトフ、マイヤ・ウソワ、シェイリーン・ボーンなど、一流のアイスダンサーたちから習ったステップワーク。今シーズンになって挑戦を始めたビールマンスピン……。2年前にはなかった、新しい武器がいっぱいだ。
 またそれらの「できるだけでもすごい技」に、ひとつひとつ表情がつき始めている。Y字から手を放して見せるびっくりスパイラルなども、シーズン当初はただひたすらできることだけに驚いてしまっていた。だが今は、ただのエレメンツから、手を放した瞬間に何かメッセージが聞こえるような、そんな美しい動きに、確実に進化している。
 そして何より、あの吸い込まれるようなスケーティング! 
 荒川静香はイヤというほど感情を表に出したり、派手に上体を動かしてアピールするタイプではない。ただ、あのなめらかなスケーティングが、滑りそのもので喜びも悲しみも表現してしまう。
 ドラマチックな上半身の動きや演技も必要なものだが、それは陸の上でもできるものだ。そうではない、バレエダンサーにも役者にもできない表現、氷のステージに立つフィギュアスケーターだけができる表現を、今の荒川静香のスケーティングは見せてくれる。

 ドルトムントで3回転-3回転-2回転を決め、勢いに乗った荒川静香を、私は絶叫しながら見ていた。
 あの時のような大技こそなかったが、スケーティングをここまで極めたトリノの荒川静香は、感極まりながらも、じっくり黙って見ていたいと思った。

「たぶんドルトムントと同じ演技では、今の私は満足できないと思います」
 またドルトムントのときみたいな演技がみられるかな、という問いに、きりっとした表情で答えてくれた去年の夏の彼女の言葉を思い出す。

 同じ音楽を使いながらも、荒川静香はまったく違うトゥーランドットを演じて見せた。
 そしてトリノで、ドルトムントの自らの伝説を越えた。(青嶋)

写真/共同通信

註:荒川静香選手は過去2シーズン、ヴァネッサ・メイの演奏する「トゥーランドット」をフリープログラムに使用している。01-02年ソルトレイク五輪シーズンのトゥーランドットは佐藤久美子コーチが振付を担当。03-04年ドルトムント世界選手権で優勝したシーズンのトゥーランドットはロシア人コリオグラファー、ニコライ・モロゾフ氏が振付を担当。ふたつのプログラムはまったく別の作品である(佐藤久美子バージョンも必見です)。
今回トリノで滑ったトゥーランドットは03-04年のニコライ・モロゾフバージョンを手直ししたもの。
ちなみにキス&クライに座っていたのは向かって右が佐藤久美子コーチ、左がニコライ・モロゾフコーチ。
この4年間、たくさんのコーチの薫陶を受けた荒川静香選手だが、現在は01-02年当時のコーチ佐藤久美子氏と、02-03年と03-04年に振付師として指導したニコライ・モロゾフ氏ふたりが彼女のコーチングを担当している。

*荒川静香選手へのインタビューは『日本女子フィギュアスケートオフィシャル応援ブック』『little wings』『Stay Gold』などに掲載されています


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女子シングル終了 荒川静香選手金メダル!

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 日本人で初めてのフィギュアスケートオリンピック金メダリスト。
 そしてトリノ五輪初めての日本人メダリスト、荒川静香。

 しかしそれ以上に注目したい記録が、今回の金メダルにはある。
 それは92年アルベールビル五輪のクリスティ・ヤマグチ以来、14年ぶりに20代のオリンピックチャンピオンが女子シングルに誕生したこと。
 そして88年カルガリー五輪のカタリナ・ヴィット以来、18年ぶりにオリンピック初出場でない女子シングルのチャンピオンが誕生したことだ。

 荒川静香は、世界のフィギュアスケートファンが待ちに待った、大人の金メダリストだ。
 もちろん若い選手たちの勢い、あふれる躍動感は素晴らしい。
 しかしフィギュアスケートの女子シングルはWomen's single ではなく Ladies'singleと呼ばれているように、女性の凛とした気品が求められる競技でもある。
 今日の荒川静香の「トゥーランドット」は、まさにじっくりと長い時間をかけて熟成された大人の美で満ち満ちていた。

 話題はともすると、フレッシュな若い選手たちにばかり集中しがちだ。
 しかしひとりでも多くのフィギュアスケート選手に、若くして競技のリンクを離れてしまうのではなく、少しでも長く現役選手生活を続ける勇気を、今日の荒川静香は与えてくれたと思う。
 フィギュアスケート界全体にとっても、求められるのは若い力ばかりではなく、大人のパフォーマンスである――そんな空気を彼女の演技がもたらしてくれたと思う。

 村主章枝、恩田美栄、男子シングルでは中庭健介といった大人の魅力を持ったスケーターたちが、日本にはまだまだたくさんいる。これを機会に、彼らの魅力にも、もっとたくさんの人々が気づいてくれるだろう。
 そして何よりも、彼女の活躍をきっかけにして、選手たちが長く長くフィギュアスケートを続けていける環境がこの国に整っていくといいなと思う。
 
 おめでとう、荒川静香選手。そして、ありがとう。(青嶋)

写真/ロイター

*94年リレハンメルのオクサナ・バイウル(ウクライナ)、98年長野のタラ・リピンスキー(アメリカ)、02年ソルトレイクシティのサラ・ヒューズ(アメリカ)はいずれも10代で金メダルをとり、10代のうちに競技生活を引退。リピンスキーは現在23歳、ヒューズは20歳で、24歳の荒川選手よりも若い。
上記3人に加え、92年アルベールビルの金メダリスト、クリスティ・ヤマグチはいずれも五輪初参加での優勝。88年カルガリーのヴィットも84年サラエボ初出場時に優勝しており、二連覇の金メダリストだった。フィギュアスケート女子シングルにおいて、一度オリンピックで苦杯をなめた選手が二度目三度目のオリンピックで金メダリストになることは、なぜかほとんどなかった。

*荒川静香選手に関するこれまでの記事
女子シングルショートプログラム終了 変化を遂げたふたり
佐藤信夫 佐藤久美子著『君なら翔べる!』発売中
村主章枝・荒川静香――揃い咲く二輪の花
2005プリンスアイスワールド横浜公演レポート(1)荒川静香の変化
2005世界選手権特集


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女子シングルフリー この技に注目!

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 ついにフィギュアスケートの競技最終日となってしまった今日。
 ショートプログラムでは「これぞオリンピック!」という見ごたえのある試合を見せてくれた女子選手たちが、いったいどんな戦いを見せてくれるだろうか?

 男子シングルでも集計した「この人のこの技を見たい」アンケート、女子シングルの結果は以下のとおり。
 荒川静香のイナバウアーやスルツカヤのビールマンなど、最近はテレビや新聞でわかりやすい必殺技的な紹介をされているが……。それぞれの華麗な技ももちろん注目したい。だがフィギュアスケートのプログラムはジャンプも、スピンも、スケーティングも、すべてが融合してひとつの作品となる。個々の技を単品で捉えるだけでなく、プログラムの中でそれぞれがどう生きているのか、どんなアクセントになっているのか、そのあたりも注目して、フリーの演技を楽しんでみよう(「」内は回答者コメント)。

●フィギュアスケート特集読者が注目する女子シングル「この人のこの技を見たい」ベスト10

1位 荒川静香のイナバウアー

 すっかり荒川静香の代名詞的な技になってしまい、本人もびっくり。「ぐーっと背を反らして滑る、あの柔軟性とバランスとなめらかな滑りの融合は他の選手では見られません」しかしこのアンケートはテレビが盛んにイナバウアーに注目するようになる以前に募集したものだから、やはりフィギュアスケートファンには印象深い技なのだろう。
 テレビなどで時々、「イナバウアーは身体を後ろに大きく倒して横に滑って行く技」と紹介されているが、これは間違い。イナバウアーは脚を前後に開き、左右のつま先は180度外側に向け、片足を伸ばし、片足を曲げる、あの脚のポジションでの滑走を指しているから、上体は倒していなくてもイナバウアー。ショートプログラムで6位と大躍進したゲテバニシビリが、コンビネーションジャンプの前に一瞬だけとったポーズもイナバウアーだ。

2位 イリーナ・スルツカヤ(ロシア)のビールマンスピン 

そういえば現在の上位3名は全員ビールマンスピンをプログラムに入れている。しかし荒川静香、サーシャ・コーエンがビールマンに取り組みだしたのは今シーズンから。ずっと以前からダブルビールマンをトレードマークにしていたスルツカヤが、やはり人気だ。そのスルツカヤのビールマンも、以前は両足でできるのが珍しいだけで、決してポジションがきれいなスピンではなかったはず。しかし新採点システムの元、どんどん美しい洗練された形になっているようだ。「元祖のビールマンさんが一番綺麗なポジションだと思いますが、現役だとやっぱりスルツカヤ選手」

3位 村主章枝のスピン(アップライト、レイバックなど) 

今年の夏の野辺山合宿。黙々と練習をしている村主章枝のスピンを見て、ある男性コーチがため息をついてつぶやいていた。「うまいねえ、まったく軸がぶれることを知らない。身体が正しいスピンを覚えているんだよ」恐ろしいほど正確で、そして音楽などかかっていなくても、彼女の身体がそのまま音楽であるかのような美しいスピンだった。「サイドウェズリーニングからレイバック、そしてスピードアップ! という流れのスピンがたまらなく興奮します。そこからキャッチフットなり、ビールマンなりをしなければレベルは上がらないのでしょうが……。村主さんのあの回転が速くなる瞬間はたまりません!!」

4位 サーシャ・コーエン(アメリカ)のスパイラル 

新採点システムでは、様々なポジション変化が求められているスパイラル。コーエンも柔らかい身体を自在に操るが、どんなポジション変化よりもあの180度に脚が開くノーマルポジションスパイラルこそ、スケートファンの見たい技だろう。「角度といい手先といい、最高のスパイラルです」

5位 村主章枝のスパイラル 

コーエンや荒川静香ほど柔らかい動きは出来ないが、スパイラルの形の美しさそのもので見せるのは村主章枝。最近はキャッチフットのポジションを多く取るけれど、かつてたっぷりと見せてくれたシンプルなスパイラルも美しかった。「チェンジエッジスパイラルといえば力強さもあるクワンを思い出しますが、村主さんの大きくリンクを使うチェンジスパイラルも本当に素晴らしいと思います」

6位 村主章枝のステップ

7位 荒川静香のスパイラル

8位 安藤美姫の4回転サルコウ

9位 サーシャ・コーエンのバレエジャンプ 

10位 荒川静香のビールマンスピン 

写真/共同通信


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女子シングルフリースタート メダルではない何か

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 「日本選手団にはまだメダルがない。だから、日本には女子フィギュアスケートのメダルに期待している人が多いよ」……日本と連絡を取るたびに聞く言葉だ。
 しかし、トリノにいると、そんな話はぴんとこない。

 少なくとも、いまオリンピックが開催されているトリノに流れているのは、メダル至上の空気ではない。どちらかといえば、メダルではないものを求めて集っている観客の方が多いといってもいいだろう。もちろん、メダリストには惜しみない拍手と歓声、祝福を送るけれど、それだけではないものが、ここにはたしかにある。

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 たとえば、フィギュアスケートの観客は、いつもあたたかい。エレーナ・ソコロワのショートプログラムの演技のときのこと。序盤のジャンプにミスが出てしまった彼女は、2つめのループが1回転になってしまったとき、ほんの一瞬、気持ちが切れて演技を諦めてしまったように見えた。すると会場から1つめのジャンプ後以上に大きな「がんばれ」の拍手が沸き起こった。その拍手に応えるように、スパイラルでは笑顔も見せたソコロワ。そして最後のジャンプに成功すると、まるで優勝が決まったかのような大きな拍手と歓声がわいた。ソコロワは演技には悔しそうだったけれど、観客の方を向いて挨拶するときにはいい笑顔を見せていた。

 また、コストナーの演技前にもこんなことがあった。彼女がリンクに出てきたときから「カッロリーナ、カッロリーナ」の大歓声が響き、なかなかその声がおさまらない。が、どこからともなく「シーッ」という自制の声が聞こえてきて、コストナーの演技に集中する。もちろん、彼女の集中を乱さないようにといった意味もこめられている。

 さらに、選手の演技に会場が沸いたのに想像以上に得点が低いと、自国の選手でなくても大きなブーイング。そしてその選手を励ます拍手が生まれるのだ。

 このスポーツが大好きで、世界のさまざまなところから集まってきて、今日ここにいる。そして、国内トップになって国の代表としてこの場に来た選手たちに、敬意を持っていることが、じんわりと伝わってくる。

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 トリノは、街全体がそんなムードに包まれている。だから、パラヴェーラでフィギュアスケートの開場を待っている他国の観客に、日本の3選手とスルツカヤ、コーエン、コストナーのフリップを見せて、「誰が優勝すると思いますか?」といったインタビューを続ける日本のクルーは、かなり浮き上がっているように見える。

 外国からこのトリノ五輪観戦にきている人たちを見ると、年配の夫婦や、中高生くらいの子供のいるファミリーが多いようだ。その反面、日本の観戦者たちは圧倒的に20~30代の若者の友達同士が多い。確かに日本は遠い。とはいえ、こんなことでも、スポーツやスポーツ選手に対する敬意の相違を感じずにはいられない。そして、おじいちゃん、おばあちゃんたちが自国のジャージを着込んで熱く応援し、他国選手の健闘に拍手を送る……オリンピックを彼ら自身が満喫している。

 今日、女子フリーが行われる。日本の3選手、そして今日登場するすべての選手が、このトリノのムードの中で演技できますように。試合開始前のパラヴェーラは、きっとそんな空気で満ちるだろう。(長谷川)

写真/共同通信(右)、時事通信(中、左 最後の公式練習に臨む日本選手たち)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(9)アイスホッケー会場周辺

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 大会期間中燃えつづけている聖火は、アイスホッケーの会場近くにあります。近づけないのがちょっと残念ですが、5つの筒が絡み合ってひとつの聖火になっているのは、確認できました。

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 アイスホッケー会場前には、チケットを売ろうとする人たちがいっぱいです。フィギュアスケートではあまり見かけなかったこういった人たち。ダフ屋さんも多いけれど、一般客もたくさんチケットを売っていました。

「僕はロシアファンなんだ。でもこのチケットはアメリカvsフィンランド。だから、買わない?」と。フィギュアスケートと違って、アイスホッケーは、チケット購入時には対戦カードがわからないため、こういう事態になるそうです。

試合開始30分前になってもなかなか売れない……。定価130ユーロが100ユーロになったり、100ユーロのチケットが80ユーロでよかったり……ちょっと心が動かされます。(長谷川)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(9)新聞もフィギュアスケート一色

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 街角のタバッキ(キオスクのようなもの)に売られている新聞「LA STAMPA」。21日付けの一面に、カロリーナ・コストナー(イタリア)の写真が! 近くの席のイタリア人観客に訳してもらったところ、「今日はカロリーナの日」という意味だそう。「カロリーナはとにかくいい子なの。スケートも上手よ」とはその観客談。

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 中面には、なんと日本女子3選手の紹介記事が掲載されています。3選手の顔写真とISU(国際スケート連盟)のバイオグラフィに載っている紹介文など。そして極めつけは、「Shi-chan」などニックネームの紹介。そのほかにも、スルツカヤとコーエンの紹介ページもありました。
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 女子シングルの紹介だけで2面ぎっしり、さらに前日のアイスダンス、フリーダンス演技後のフーサル=ポリ&マルガリオ(イタリア)の写真(大見出しは「抱擁」という意味だそう)を紙面の半分くらいにレイアウトしたり……フィギュアスケートへの注目度がうかがえました。(長谷川)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(8)ピンバッジの交換

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 街や会場を歩いていると、洋服や帽子、マフラーなどになにかしらのピンバッチをつけている人とすれ違います。時には数十個のピンバッチで埋め尽くされたTシャツが、その重みに耐えられずにびろーんと伸びてしまっている人も。そして今回初めて知ったのですが、ピンバッチには不思議な魔力が! ピンバッチ収集に興味のない人でも、オリンピックの空気を吸って、周りの人のかわいらしいデザインの一品を眺めているうちに、なんだかそわそわ、ほしい気持ちにさせられてしまうのです。

 トリノ五輪のオフィシャルピンバッチは、500個前後! オフィシャルグッズストアだけでなく、土産物屋さんやスーパーなどにも売られていて、見るたびに初めて出会うピンがあって、毎回心を動かされます。

 ピンバッチを手に入れるのには、交換という手段も。道端ですれ違った人に「ピンの交換をしませんか?」と声をかけると、たいてい「OK」と。すれ違う前に、お互いなんとなく「交換したいのかな?」といった雰囲気を察知しているようです。相手の持っているピンをよく見せてもらい、ほしいピンバッチを告げ合い、ピンを交換したら笑顔でがっちり握手します。大のおとなが小さなピンを一生懸命選んでいるのは、ちょっとかわいい風景です。(長谷川)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(7)応援団は元気!

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 こちらはトリノの街でよく見かける、ロシアチームの応援団。女子シングルショートプログラムの応援を終えて会場から出てきた人々も陽気でした。ロシアグッズショップで購入できるジャケットやフリース、ジャージなどはいくつかの種類がありますが、白地に赤い模様の入ったこのジャケットが一番人気の印象です。ロシアジャージ……ときには、ロシア応援団ではない人たちが、「かっこいいから」と着込んでいる姿も。

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 また、こちらはサン・カルロ広場ですれ違ったカナダ人の男の子。ライトブルーの旗は「カナダのケベック州の旗だよ」と。マントのようで、ちょっと素敵です。顔にはカナダ国旗をイメージさせるメイプルリーフらしきものも。彼のように、旗を背負って歩いている人が多いのも、オリンピックの特徴かもしれません。(長谷川)


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世界で一番熱いリンク! パラヴェーラ競技場点描(3)ボランティアの人々

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 フィギュアスケートが行われているパラヴェーラでは、日本人のボランティアがチケット確認をしていました。イタリア在住の伊藤美香子さんは、オリンピックが好きでこの仕事をしているそう。女子シングルのフリーでも、会場のどこかでお仕事するそうです。
 「今日は9時すぎから日本選手が出てきますよ。応援よろしくお願いしますね」と笑顔でまたチケットチェックに戻っていきました。

 会場内にはボランティアスタッフがいっぱい。席を案内してくれるおじさん&おばさんたちも、親切なイタリア人ボランティアさんたちです。試合開始1時間前にもなると、みなさん大忙し。
ただ、ここパラヴェーラ……1、2階席は大丈夫なのですが、3階席のブロック表示がわかりにくい! そこで案内のおじさんボランティアに尋ねると、親切に階段を一緒に上って席を教えてくれます。が、数十分後、そのおじさんが他のお客さんを連れてやってきて「僕がブロックを間違えた。君はあっちのブロックだよ」と。そして移動した先には、やっぱりそのおじさんに席を案内された、1つむこうのブロックに座るはずのお客さんが……。そんなことが何度か繰り返されていました。

間違った席を教えられて移動しなくてはいけなくなっても、怒ったりする観客は皆無です。周りの席の観客も「あーあ、まあ仕方ないね」という顔で笑顔を向け、その日知り合ったばかりの隣席の観客と「チャオ」と挨拶を交わして去っていきます。そうやって試合開始までの時間、周囲の人たちと会話を交わし、お互いのご贔屓選手を一緒に応援する……そんなあたたかな関係づくりに、あのおじさんボランティアも一役買っていたのかも。(長谷川)


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女子シングルショートプログラム終了 ティーンエイジャーたちのオリンピック

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 ひとつ前の滑走のエレーヌ・ゲテバニシビリ(グルジア)の演技が1分ほど過ぎたところで、安藤美姫はリンクサイドに姿を現した。終始、落ち着いた表情に見える。そして、ここまでの選手で一番大きな拍手と歓声を受けたゲテバニシビリのあと、黒地の新しいコスチュームで登場。髪を切ったこともあり、「メリークリスマス・ミスターローレンス」のピアノの音が響く中、左肩をふっと落とすしぐさが少し大人びて見える。

 序盤のジャンプミスを取り戻すような力いっぱいの演技で迎えた最終盤、日本人応援団の様子が視界に入る位置に彼女はスパイラルで進んでいった。目の前を通り過ぎていく安藤に、応援団も日の丸やバナーを振り、歓声をあげて力づけた。……と、その直後、スパイラルポジションの安藤はリンクサイドに近づきすぎ、フェンスに触れてしまったように見えた。

 ジャンプでミスしたあとから、手拍子を受けたステップ、力強いダブルアクセル、上体をひねりながら前傾させてジャッジに向かっていったスパイラルまで、安藤は、元気いっぱいのジュニア時代を思い起こさせるような演技を見せた。

 しかし、オリンピックの大舞台で日本代表として演技することに加えて、たとえば直前のゲデバニシビリへの大歓声、ジャンプミスを取り戻そうとした負けん気などによってさらに張り詰めていった気持ちが、日本人応援団の前を過ぎた位置で一瞬途切れてしまったのかもしれない。自分を応援してくれる日本人観客に安心したのかもしれない。そんなちょっとしたことに揺らめくほど追い詰められたところに立って、彼女はこの日を迎えていたのだろうか。

 ジュニア時代、たびたび同じ表彰台に並んだ同世代のカロリーナ・コストーナーは、フィギュアスケート界だけでなく、このオリンピックでイタリア一番の期待の選手。「カッロリーナ!カッロリーナ!」のものすごい声援を受けて臨んだショートプログラムでは、最初のジャンプで転倒することになる。トリノ五輪は安藤美姫とコストナーの大舞台になるのではないかと言われた時期もあったが、だからこそこのふたりが、オリンピックの魔物に少しだけとりつかれてしまったのかもしれない。

 プレッシャーの中で、十代の若い選手たちは、ときに奇跡的ともいえる演技を見せる。たとえばソルトレイクシティ五輪のサラ・ヒューズのように、「失うものはない、攻めるだけだ」という状況に立ったとき、顕著に現れるようだ。
フリーは、1日おいた明日行われる。ともに第3滑走グループとなった安藤とコストナーの、のびのびとした演技に期待したい。(長谷川)

写真/時事通信


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女子シングルショートプログラム終了 変化を遂げたふたり

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 1位コーエン、2位スルツカヤ、3位荒川静香、4位村主章枝。
 トリノ五輪フィギュアスケート最後の種目、女子シングル。ショートプログラムでは多くの人が予想したとおり、世界のトップスケーター4人が、上位にずらりと顔をそろえた。
 2度、3度のオリンピックを経験しているキャリアのあるトップ選手という点では共通しているこの4人。しかしコーエン、スルツカヤと荒川静香、村主章枝の間には、ひとつ見逃せない差異がある。
 それは、コーエンとスルツカヤが前回のオリンピックでもメダル候補として戦っていたのに対し、4年前の村主章枝、8年前の荒川静香は、それぞれ挑戦のオリンピックしか経験していないことだ。
 今日の彼女たちは、いずれ劣らぬ世界の4強。しかし村主章枝、荒川静香はこの4年で劇的な変化を遂げ、切磋琢磨の末に、ついに世界に追いついたふたりなのだ。

 村主章枝のじっくり4年間過ごしてきた日々は尊い。
 ルッツやフリップは元気いっぱいだけど、踊りは一生懸命こなすだけの「章枝ちゃん」が、ソルトレイクシティでは清清しい空気で人々を魅了する表現者の片鱗を見せた。「でも、このままでは足りない」、そんな気持ちで、たくさんのパフォーマンスアートを見て、様々な音楽ジャンルのプログラムにチャレンジして。4年間を大切に、技術も精神性も積み上げるようにして過ごした結果――今日の村主章枝は、4年前の彼女とはまるきり違う姿を見せてくれた。
 フラメンコというかつての彼女には想像できなかったジャンルの音楽にのり、豊かな表情はより複雑な感情や大きな思いを表現できる域に。ジャンプをすべて成功させて以降、後半の動きは、まるでショースケーターのように大胆で魅力的だった。
 ソルトレイクシティの頃の自分、特にエキシビションの演技などは、「今見るのは恥ずかしくて仕方がないです、あれは放送禁止!」などと笑っていた彼女だが、逆にソルトレイクシティの頃の村主章枝が今日の演技を見たとしたら、どんなに驚くだろうか。
 彼女が「新しい村主章枝」を常に探してきた4年間の成果を、私たちは今、堪能している。

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 荒川静香のいい意味で行き当たりばったりに過ごしてきた4年間もまた、激動の日々だった。
 時にはまわりの状況に流されるままに、コーチや練習地を変えた。でもそのたびに、何か新しいことを吸収して、どんどんどんどん大きくなっていく。接したコーチたちみんなが、荒川静香の才能にも人間性にも惚れ込み、持てるものすべてを彼女に授けようとしたためだ。まわりの人々の熱意に比べれば淡白だった彼女の闘争心や表現欲も、少しずつ火が付き、手にに取るように磨かれていった。
 そして今日、トリノの氷の上に立ったのは、長野五輪当時とは顔つきも気持ちも別人のような荒川静香。「彼女の持ち味」とさかんに言われるスパイラルも、ほんの数シーズン前には、すぐに足を下ろしてしまう苦手なエレメンツではなかったか。氷の世界に誘い込むような凛としたしぐさも、プロラムの最後に見せた歓喜の表情も、さんざん彼女に足りない部分として指摘されてきたものではなかったか。
 「新しい荒川静香」がどんどん出来上がっていくさまを見てきたこの4年間。トリノでその完成形を見られる喜びに、私たちは浸っている。

 日本の誇るふたりのフィギュアスケーター、村主章枝、荒川静香。
 日本中が彼女たちに大きな期待を寄せているが、彼女たちは、ずっと前から世界のトップに立っていたのではない。日本の女子フィギュアスケートも、ずっと前から最強チームだったわけではない。
 ほんとうに長い間の彼女たち、そして彼女たちを支える人々の努力がやっと花開いて、今、私たちは極上の試合を楽しむことができている。

 日の出の勢いで伸びてきた日本選手たちの強さを象徴するふたり。
 どんなに若手が育ってきても、最後に底力を見せてオリンピックの舞台に立ったふたり。
 日本が世界にとても太刀打ちできなかった時代から、ずっと第一線でがんばってきたふたり。
 村主章枝、荒川静香。日本の誇るスケーター、ふたり揃ってのオリンピック。
 彼女たちのひとつの集大成を、最後まで見守りたい。(青嶋)

写真/時事通信(上)、共同通信(下)
*村主章枝選手、荒川静香選手へのインタビューは『日本女子フィギュアスケートオフィシャル応援ブック』『little wings』などに掲載されています


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女子シングルショートプログラムスタート 私たちが待つもの

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「メダルを取らないと、つまらないね」「オリンピック、盛り上がらないな」
 日本人はいったいいつから、オリンピックをそんなふうにしか見られなくなってしまったのだろうか?
 メダルというわかりやすい記号を与えられないと、ドラマを発見できない。競技の面白さも堪能できない――そんな人が、ちょっと多すぎはしないだろうか。

 メダル獲得の最後の望みと言われるフィギュアスケート女子シングルの3人には、いま、尋常でないプレッシャーがかかってしまっている。
 荒川静香が出場した長野五輪でも、村主章枝が出場したソルトレイクシティ五輪でも、また毎年の世界選手権においても、これほど過度なプレッシャーを彼女たちがかけられることはなかった。3人はこの状況に耐えられるだろうか? プレッシャーを乗り越えて、オリンピックを楽しんでくれるだろうか?
 ケガよりも新採点システムよりも、海外の強敵よりも、もっと大きなものが、ここに来て彼女たちに重くのしかかっているような気がしてならない。

 今回のオリンピック、「メダルゼロ」というごく表面的な事象だけをつきつけられて、これまでにも他競技の何人かの選手たちが、取材陣の前で頭を下げた。
「銀でごめんなさい」そう言って謝った92年アルベールビル五輪の伊藤みどりさんのことを、人々はもう忘れてしまったのだろうか。また伊藤みどりに対してした過ちと同じことを、日本人は繰り返そうとしているのかもしれない。

 しかし村主章枝、荒川静香、安藤美姫。彼女たちは気がついているだろうか。
 メダルのことばかり口にするのは、所詮、オリンピックでしかフィギュアスケートに興味を示さない、オリンピックが終わればスケートのことなど忘れてしまう、そんな人々だと言うことを。
 与えられた単純な記号にしか目を向けられない。自分自身で楽しみ方を見つけられない。 
 そんなレベルでしかスポーツを楽しめない人々のためになんか、滑らなくていい。
 がんばってここまできた彼女たちは、ただ自分のために、自分らしく、オリンピックの舞台を楽しめばいい。
 フィギュアスケートの試合は、楽しんだもの勝ちだ。リラックスして、自分らしく、ここにいる幸せを存分に感じて。そんな気持ちになれた選手がきっと、一番の力を出せる。

 ずっとフィギュアスケートを見守ってきた日本のファンは、わかっている。
 オリンピックでフィギュアスケートのほんとうの面白さに気づいてくれた人々も、わかっている。
 私たちがいちばん見たいもの、それはメダルではない。
 彼女たちが彼女たちらしいスケートをこの大舞台で見せてくれること、それだけを、心の底から待っている。(青嶋)

写真/共同通信(13日の記者会見にて、村主章枝選手)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(6)ロシアグッズのお店続報

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 以前にもお伝えしたロシアグッズのお店には、連日、ロシア人客だけでなくロシア選手ファンやチェブラーシカファン! も集っています。エフゲニー・プルシェンコやタチアナ・ナフカがキス&クライで手にしていたのも、ここのお店のチェブくんたち。お店のディスプレイは数日ごとに変えられて、いまはチェブくんがメイン! 彼らは全3サイズ。一番のチビチェブは全長10cmほどで、顔がひとつひとつ違っています。ほかに中サイズと大サイズもあり。

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 そしてほぼ毎日、このお店では新聞も発行しています。18日付けの新聞の一面トップはプルシェンコの優勝。「プルシェンコ、大好きよ!」というお店のお姉さんに見出しの意味を聞くと、「私たちが待っていたものを、彼は手にした」と、プルシェンコの悲願の金メダルをドラマティックに伝えているようです。ロシア語を読めないのが、残念……。(長谷川)

写真/長谷川仁美(上・お店にお客さんがいないのを見たことがないほど大盛況! お洋服は赤と白の2パターンあります。下・こちらが新聞。日本の一般紙と同じサイズで全4色カラーの4ページ、なのに無料です)


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トリノ五輪 種目別見どころガイド(4)女子シングル

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●日本からは10大会ぶりに3名出場
 12月の全日本選手権では、会場総立ち、涙するファンもいたフリー「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」を披露して優勝した村主章枝。シーズン序盤の故障から立ち戻った姿は、いまもファンの脳裏に焼きついている。佐藤信夫コーチに「何を言ってもあなたはギリギリにならないとやらないから」と冗談交じりに言われたという村主……そんな決めるべきときには必ず合わせてくる、本当の強さを秘めている。10年以上日本のトップスケーターとして自分の望むスケートをめざし、研鑚してきたひとつの形を、このオリンピックで見せてくれるだろう。コスチュームにもすこし手を加えて登場する。

20060221_011_450sizukaK 荒川静香は、全日本選手権後にショートプログラムもフリーも変更した。ショートはこれまでのフリー「幻想即興曲」を短く編集しなおしたもの、フリーは2シーズン前に世界選手権で優勝した03-04シーズン、さらにスケートの楽しさに覚醒した01-02シーズンに使っていた「トゥーランドット」と、身体になじんだ音楽を選択した。フリーでは、ワールドチャンピオンになったときのようにイナバウアーを長く取り入れたい、という思いもあるそう。荒川の、背をそらせたイナバウアー……これが最初にお目見えしたのは01-02シーズンの初代「トゥーランドット」のとき。3代目「トゥーランドット」ではいったいどんなイナバウアーを、演技を披露するのか。これまでのスケート人生を凝縮させたプログラムで、2度目のオリンピックに挑む。

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 やはり全日本選手権後にフリーのプログラムを変えたのが安藤美姫。ずっと好きだったという「蝶々夫人」の、メロディアスで印象的な旋律に乗せ、どんな演技をみせてくれるのだろうか。ショートプログラム「メリークリスマス・ミスターローレンス」の、プログラム随所で上空に視線を揺らす動きや、エネルギーに満ちて飛び出すようなストレートラインステップなども見どころ。フリーでは4回転サルコウへの期待も高まるが、今大会の男子シングルフリーでこのジャンプに成功したのは、ミン・ジャン(中国)ひとりだけ……というほど難度の高い技である。また、プログラム内に大きな技を入れるのは、その技に集中しすぎて、それが過ぎると集中力が途切れてしまうほど難しいことだという。そんな4回転とどう向き合っていくのか。3回転ルッツ+3回転ループやはじける笑顔など、4回転以外にもたくさんの魅力を携えて、初めてのオリンピックに臨む。


●日本選手以外のメダル候補は……
 金メダルに一番近いのが、現世界チャンピオンのイリーナ・スルツカヤ(ロシア)だ。もともとは高く歯切れのいいジャンプが印象的な選手だったが、新採点方式になってから、苦手だったスパイラルをビールマンポジションにしたり、正確な着氷のジャンプや両足のビールマンスピンなどを確実に取り入れることで高得点を獲得している。ここ2シーズン、ほぼすべての大会で金メダルを手にしている 彼女にとって、トリノは3度目のオリンピック。98年長野は5位、02年ソルトレイクシティは2位と、どうしてもほしい金メダルをめざす。

 さらに、今シーズン初めて全米選手権を制したサーシャ・コーエンにも期待がかかる。180度まっすぐに開くスパイラルや、情緒的な顔の表情も必見。そして開催国イタリアの人気者、カロリーナ・コストナーにもメダルのチャンスが。音楽が始まったときからもものすごいスピードで駆け抜け、そのまま3回転+3回転ジャンプ、ときには3回転+3回転+2回転ジャンプを見せることも。イタリアの新聞では、連日彼女の動向が取り上げられている。

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 また入賞の候補には、正確なスケーティングのジョアニー・ロシェット(カナダ)やスザンナ・ポイキオ(フィンランド)、キツネのような笑顔がキュートなエレーナ・ソコロワ(ロシア)も。

 次のバンクーバー五輪までの4年間を熱くしてくれそうな若手ふたりも紹介しよう。02年ソルトレイクシティ五輪金メダリスト、サラ・ヒューズの妹、エミリー・ヒューズは、急遽棄権を申し出たミシェル・クワンの代替選手。伸びやかな演技でファンが急増中のエレーヌ・ゲテバニシビリ(グルジア)などにも注目したい。

 女子シングルの競技日程は、ショートプログラムが21日19:00~(日本時間22日3:00~)、フリーが23日19:00~(日本時間24日3:00~)。(長谷川)

写真/共同通信(上3点。公式練習に臨む村主、荒川、安藤各選手)、時事通信(下1点。17日、急遽出場が決まり、記者会見したエミリー・ヒューズ)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(5) 女子シングルの開幕を待ちわびる街

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 トリノの街は、オリンピック観戦に来た各国の応援団、関係者たちであふれています。街も長いお祭りの雰囲気でいっぱい。トリノの終着駅ポルタ・ヌウォーヴァからメダルセレモニーの行われるメダルプラザまでの800m弱ほどのローマ通りの両側に並ぶウィンドウには、トリノ五輪にちなんだディスプレイなども多く、目を楽しませてくれます。

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 いろいろなお店に飾られている立看板。フィギュアスケートの女子シングルは、やっぱり冬季オリンピックの華! きれいにレイアウトされているものがたくさんです。

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 大通りでいくつも見かけた、トリノオリンピック公式スポンサーの時計メーカーの看板。優勝候補のスルツカヤ選手がイメージキャラクターです。(長谷川)


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トリノ五輪 種目別見どころガイド(3)アイスダンス

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 数シーズン前まで、「転倒さえしなければ、順位はほとんど決まっている」といわれていたアイスダンス。しかし現在のアイスダンス界は各カップルの実力が均衡していて、演技のでき次第で順位が大きく変動する見ごたえのあるものになっている。コンパルソリー、オリジナルダンス、フリーダンスと3回の演技で順位が決まるため、日々順位が入れ替わる白熱した戦いが予想される。

 日本からは、カップル結成12年目の渡辺心&木戸章之が登場する。昨年10月、オリンピック出場枠をかけたカールシェーファー記念大会で日本の出場枠を手にし、全日本選手権での優勝を経て、初めてのオリンピックに臨むことに。アジアのカップルがアイスダンスで上位に食い込むことはなかなか難しい。その中で、彼らは05年四大陸選手権で4位と、国際スケート連盟の選手権大会で初めてエキシビション(その大会の上位入賞者のみが演技できる)に登場した。世界では15位前後に位置する彼ら。同レベルのカップルが多いため、彼らとどう戦うのかも注目したい。

●金メダルに近いのは、ロシアカップル
 もっとも金メダルに近いのは、04、05年の世界チャンピオンであるタチアナ・ナフカ&ロマン・コストマロフ(ロシア)だ。抜群のスタイルで、カーブを滑るときエッジを思い切り倒した形で深く使うナフカが光なら、ふたりが並んだツイズル(片足だけでくるくる回転しながら移動する技)などの技術力を今シーズン格段に磨いてきたコストマロフが影となってこのカップルの輪郭を形作る。コーチのアレクサンドル・ズーリン氏はナフカの夫。ちなみに、ズーリンコーチとともにキス&クライに座るエフゲニー・プラトフコーチとナフカは、以前ほんの短い間、ダンスカップルを組んでいたことがある。また彼女は、荒川静香の現コーチであるニコライ・モロゾフ氏とともに、ベラルーシ代表として98年長野五輪に出場している。現在、コンパルソリーでは2位につけている。

●ヨーロッパ勢が強い!
 ナフカ組との僅差の争いが予想されるのが、フリーダンスでエキゾチックな雰囲気を追求するエレーナ・グルシナ&ルスラン・ゴンチャロフ(ウクライナ)。試合やショーのときには、ゴンチャロフのきつい天然パーマの髪を、妻であるグルシナがドライヤーで丁寧に伸ばしてセットするという。愛情のこもったヘアスタイルにもご注目!

 毎シーズン、凝ったコスチュームとプログラムでファンを静かにうならせているのが、イザベル・デロベル&オリビエ・ショーンフェルダー(フランス)。今シーズンのフリーダンスでは、手袋に素敵な仕掛けが! リフト時には、ショーンフェルダーのスプレッドイーグルの傾き加減も見逃せない。

 日本にもファンが多いのが、アルベナ・デンコワ&マキシム・スタヴィスキー(ブルガリア)のふたりだ。デンコワのケガで今シーズンのスタートが遅れてしまい、NHK杯ではスタヴィスキーが尻もちをつくシーンもあったが、フリーダンス「アダージョ」は彼らの複雑でパッショネイトなスタイルにマッチ。渡辺組と同じコーチの元でともにトレーニングを続けている。コンパルソリーを終えて、現在3位に。

 そして、84年のサラエボ五輪にてトーヴィル&ディーン(イギリス)のフリーダンスにジャッジ全員が「芸術点6.0(当時の採点システムでは満点)」を出したため、その後アイスダンスではこの音楽を選ぶカップルはほとんど現れなかった「ボレロ」。その伝説の音楽に挑むのがガリト・チャイト&セルゲイ・サフノフスキー(イスラエル)だ。これまでは「お嬢様と野獣」といった不思議な融合を見せていたカップルだが、今シーズン、チャイトは髪の色を赤く染め、サフノフスキーは髪を切って金色に変え、「成熟した女性と紳士」に大変身。コンパルソリーでは転倒したため現在13位だが、追い上げを狙う。

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●追いかける北米勢
 世界トップレベルをヨーロッパ勢が占めることの多いアイスダンスだが、数シーズン前から若手のアメリカカップル、タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴストが台頭してきている。ベルビンがカナダ出身のため、長い間「トリノ五輪には国籍取得が間に合わず出場できない」とされていたが、数ヶ月前に急遽アメリカの市民権を手にすることができ、初めてのオリンピックに臨むことに。美しいベルビンが話題になることが多いが、年々逞しくなるアゴストの歯切れのいいステップにも注目だ。他の世界トップカップルが 20代後半~30代なのに比べて、彼らは20代前半の若いエネルギーでメダルを狙う。

 そして、今シーズンNHK杯で優勝、グランプリファイナルでも3位と、日本で開催された大会で大きな成果を残したのがマリー=フランス・デュブレイユ&パトリス・ローゾン(カナダ)のカップルだ。爽やかなのに濃厚に見つめ合う姿が印象的。

●帰ってきたベテラン勢
 トリノ五輪には、02年以来4シーズンぶりに競技会に戻ってくるカップルがいる。
地元イタリアのバーバラ・フーサル=ポリ&マウリッツィオ・マルガリオは、02年ソルトレイクシティ五輪の銅メダリスト。当時のフリーダンスでは、マルガリオがバランスを崩したため演技後フーサル=ポリが涙を見せるシーンもあったが、現在、コンパルソリー1位! 会場の多くを占めるイタリアの観客の大きなあと押しを受けて、悲願の金メダルを狙う。

 もう1組、気品とダイナミックなダンスが同居する美男美女夫婦カップル、マルガリータ・ドロビアツコ&ポヴィラス・ヴァナガス(リトアニア)も、4シーズンぶりの登場だ。30代半ばにさしかかる二人が見せる叙情的なフリーダンス「オペラ座の怪人」は、1月のヨーロッパ選手権で大好評だったという。上品なコスチュームも必見だ。

 注目すべきカップルだけで上位10組ほどになってしまう! こんな混戦になるとは、昨シーズン後には予想されていなかった種目、アイスダンス。オリジナルダンスは19日19:00~(日本時間20日3:00~)、フリーダンスは20日19:00~(日本時間21日3:00~)始まる。(長谷川)

写真/共同通信(上・現在17位につけている日本の渡辺心&木戸章之)、ロイター(下・まさかのコンパルソリー2位発進、ナフカ&コストマロフ)

*渡辺&木戸組に関するこれまでの記事
NHK杯 アイスダンスコンパルソリー、ペアSP フォトレポート
アイスダンス渡辺・木戸組 3度目の世界選手権


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男子シングルフリー 高橋大輔 ここがスタート地点

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 6分練習からたがが外れてしまったようにヒートしていた男子シングルのフリー最終グループ会場。人々は、プルシェンコの演技に総立ちで大歓声を送った。続くランビエールには、主にスイスの大応援団からのホームリンクであるかのような嬌声が響きわたる。最後から2番目の滑走となったジュベールにも、フランスから駆けつけたたくさんのファンから、ものすごい歓声が送られていた。

 ジュベールがキス&クライに向かうと、最終滑走の高橋大輔がリンクに降り立った。そのひと蹴りで進む距離は非常に長い。今日もいつものスケーティングは健在だ。モロゾフコーチが両手を大きく動かしながら何か語りかけている。名前をコールされる直前、やさしい笑顔の長光コーチと、やはり笑顔のモロゾフコーチと握手した。

 スタートポジションに向かうかな、と思ったとき、急に長光コーチが走り出し、奥のほうへ行った。かと思うと、ティッシュの箱を手に駆け戻り、高橋に手渡した。そのあわただしさが少し気になったけれど、リンクの真ん中で音楽を待つ高橋は、凛とした引き締まった表情を浮かべていた。……しかし、体のキレは悪くないようなのに、会場を熱狂させるいつもの高橋が出てこない。

 ショートプログラムは1番滑走、フリーでは最終滑走と、大きなプレッシャーを感じずにはいられない位置で滑ったトリノ五輪。さらに、ランビエールやジュベールのようなホーム状態ではない、プルシェンコやバトル、ウィアーのように同国の他競技選手が揃って応援に来てくれているわけでもない。もちろん日本からの応援団はいるけれど、絶対数では最終グループの他5選手の応援団にはかなわない。そんな完全アウェイの会場は、想像以上に厳しいものだった。

 ホーム状態の会場に鼓舞され、見守られていたランビエールと、彼が表彰式の間じゅう見せた静かな涙、それを迎える会場の温かさ……。この大会の男子シングルでもっともハートウォーミングなシーンを、高橋も感じたはずだろう。

 来シーズンの世界選手権は東京だ。演技前に笑顔で送り出し、演技中にステップに酔い、演技後に温かく迎え入れてくれるのが、コーチと海を渡ってきた少しの応援団だけでない。会場がみんな味方になるのだ。
 たくさんのことがあった高橋大輔の長い05-06シーズンは、ここで一区切りとなる。だが、彼のスケーター人生、それもオリンピックのフリー最終グループで滑った世界トップスケーターとしての人生は、来シーズンから本格的に始まる。(長谷川)

写真/共同通信
*高橋大輔選手へのインタビューは、『COLORS』『Cutting Edge』『オール・アバウトフィギュアスケート』に掲載されています


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男子シングルフリー 狂乱の6分間

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 第3グループ最終滑走のショーン・ソイヤー(カナダ)がリンクから出ると、会場の空気が一変した。
 「ローシア、ローシア!」「アッレー!(フランス語で「がんばれ!」の意味)」「大ちゃーん」……リンクサイドにスタンバイしていた最終グループの6選手がリンクに登場すると同時に、観客たちも自然に前方の通路まで飛び出していく。まだ6分練習が始まっただけなのに、観客たちの1/3ほどが立ち上がり、大歓声とともにバナーや国旗を狂ったように振る。それまでに滑ったケヴィン・バン=デル=ペレン(ベルギー)やエヴァン・ライサチェク(アメリカ)、マシュー・サヴォイ(アメリカ)らのパーフェクトな演技に触発されてきた会場に、一気に火がついたようだった。こんな光景は、初めてだった。

 氷の感触を確かめるエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)、リンク中央部で高速スピンするステファン・ランビエール(スイス)……観客は彼らのひとつひとつの動きを凝視する。誰かの技が決まるたびに、大歓声をあげる人、鐘を大きく鳴らす人、国旗を頭上に掲げて走り抜ける人、シャボン玉をふきつづける人……もうここがどこなのかわからない状態になっていく。

 そして、6分練習終了を告げるアナウンスが流れると、最初に演技するプルシェンコはリンクに残り、自分の名前がコールされるのを静かに待っていた。その間も会場は、声援がこだましているのではないかと思うほどのヒートアップ状態。プルシェンコの音楽のボリュームがそれまでより少し大きく感じられたのは、この熱狂を見て音響係が配慮したからかもしれない。……それほど、会場は大騒ぎだった。

「このチケットが取れたとき、嬉しくて狂いそうになったの!」と、スイスから日帰りでやってきた女の子が教えてくれた。選手の活躍やメダルの数、順位などばかりが注目されるけれど、オリンピックはそれだけではない。4年に1度しかやって来ないオリンピックは、出場する選手や関係者だけでなく、観客にとっても待ちに待った大切な祭典なのだ。

 そして、4年も待ったのに、あとほんの数秒後に迫った「その時」を待ちきれない……そんな焦燥感にふちどられた歓喜でいっぱいの6分練習で、男子シングル最終グループはスタートした。(長谷川)

写真/時事通信


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男子シングルフリー パーソナルベストを出したベテラン勢

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 最終グループには残れなかったけれど、オリンピックでここぞという演技を見せたベテラン勢の姿は、スケートファンの記憶に残るだろう。

 ジャンプの軸が傾いても着氷し、転倒しそうなほど低い位置で着氷しても踏ん張ったセルゲイ・ダビドフ(ベラルーシ)や、リレハンメル、ソルトレイクに続いて3度目のオリンピックとなるトリノで、4回転トウループで手をついたあと4回転サルコウを成功させたミン・ジャン(中国)、1月の四大陸選手権ではジャンプが不調だったが、今大会ではフェンスぎりぎりの位置でも着氷したマシュー・サヴォイ(アメリカ)など、長い間フィギュアスケートファンに静かに愛されてきた選手たちが、パーソナルベストを出した。

 小さなころから夢見た舞台で、自らの力を出し切るのは簡単なことではないはず。でもそこでこそ力を出してきた彼ら。
「これがもしかしたら最後のオリンピックかもしれない」……どこかで抱いたかもしれない彼らのそんな思いが、メダル争いとは別のところで結実した。(長谷川)

写真/森田正美(05年世界選手権でのミン・ジャン選手)

*ミン・ジャン選手に関するこれまでの記事 
樋口豊氏が語る男子シングル


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男子シングル終了 キャロルコーチ、ライサチェクを語る

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 17日の正午すぎ、濃霧のため、トリノ空港を出発する多くの飛行機が遅延していました。飛行機の出発を待つ人々の中に、前日の男子シングルで4位に入ったエヴァン・ライサチェク(アメリカ)のコーチ、フランク・キャロル氏の姿が。ライサチェクのお祝いを伝えると、
「彼はずっと胃の調子が悪くて、嘔吐したりしていたんです。ショートプログラムの時には私もきづかなかった。フリーもクラッカーを食べただけで演技したんですよ」と、びっくりするようなお話も。

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 でも、そんな大変なことを感じさせない演技でスタンディングオベーションを受けていましたよね、と伝えると「ありがとう」と嬉しそうでした。「エヴァンは世界選手権にはもちろん行きますよ」との、力強いお言葉も。(長谷川)

写真/ロイター(左)、長谷川仁美(右、キャロルコーチは長野でクワンに、ソルトレイクシティでゲーブルにメダルをもたらした名伯楽)


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世界で一番熱いリンク! パラヴェーラ競技場点描(2)

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 パラヴェーラでいちばん熱いのは、やはり選手たち個々の応援団。世界選手権やヨーロッパ選手権でおなじみのステファン・ランビエール後援会の面々、オリンピックにももちろん姿を現していました。彼らはほとんどランビエール選手の生まれた村の人々。彼の競技生活を村の人たちがお金を出しあって支えているのです。

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 こちらはイタリア在住のプルシェンコファンの女の子。応援する選手の国の国旗を振るのが定番ですが、こういうのも、あり。

写真・取材/NFS


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(4)

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 トリノの街でなぜか見つけたロシアチームジャージの専門店。ロシアのアイドル、チェブラーシカもいっしょにロシアチームを応援しています。このジャージは人気が高く、現役を退いた元選手たち(パラヴェーラ競技場点描(1))やアメリカ代表のジョニー・ウィアー選手も愛用。日本の選手たちからも「ジャパンジャージもロシアのジャージくらいかっこよければいいのに……」とうらやむ声が上がるほどです。フィギュアスケートはペア、男子シングルと続いてロシア勢が制覇。さらにアイスダンス、女子シングルも有力金メダル候補はロシア勢。史上初のオリンピック4種目制覇が実現したら、このお店もますます繁盛しそう?

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 日本でもよく紹介されているパラヴェーラ競技場付近のモニュメント。フィギュアスケートの靴をかたどっており、記念撮影の人気ポイントです。

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 ソルフェリーノ広場のリンクサイドにも、競技を見られる大型ビジョンが。

 写真/NFS(上・中)、長谷川仁美(下) 取材/NFS


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世界で一番熱いリンク! パラヴェーラ競技場点描(1)

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 熱戦をこの眼で見ようと、たくさんの選手や関係者たちが応援に駆けつけた23日の男子シングルフリー。仲良く寄り添うのは井上怜奈&ジョン・ボルドウィンのおふたり。
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 おしゃれなロシアチームのジャージを着て応援しているのは、ソルトレイクシティ五輪ペア金メダリストのアントン・シハルリロゼや同五輪アイスダンス銀メダリストのイリヤ・アベルブフ。見つけられますか?

写真・取材/NFS


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男子シングル終了 天才の孤独――エフゲニー・プルシェンコ

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 エフゲニー・プルシェンコは、トリノ五輪を楽しんだだろうか?
 宿命のライバル、アレクセイ・ヤグディンと死闘を繰り広げた前回のソルトレイクシティ五輪。
 不本意な負け方はしたものの、プルシェンコは互角の力を持つ強力なライバルとの戦いに、身震いするような思いで向かって行ったはずだ。
 プレッシャーに苦しみつつ、厳しいトレーニングに耐えつつも、試合は楽しくてたまらない、というアスリートは多い。日本の中野友加里選手は「試合、好きですよ。緊張は嫌になるくらいするけれど、やっぱりあの場所に立つことが好きなんです」と笑う。2年前に競技生活を引退した田村岳斗さんも語っていた。「試合が続く日々は、楽しかった。今、勝ち負けがないプロの世界は、ちょっと物足りないと思うこともあるんです」。
 プルシェンコもまた、同じコーチの元に育った因縁の好敵手、ヤグディンの存在を強く意識しつつ、彼との戦いを心底楽しんでいたに違いない。2001年のグランプリファイナル、同じ年のヨーロッパ選手権……。96年の世界ジュニアから02年ソルトレイクシティ五輪まで続いた、ヤグディンとの幾多の名勝負。ぴんと空気の張り詰めた試合のリンクでの彼は、ほんとうに生き生きと、獲物を狙う野獣のように舞っていた。アイスショーやエキシビションでは決して見せない真剣なまなざし、王者の風格――それを見せてくれたのは、あのころ。ヤグディンとの激しい勝負の日々だ。

 ヤグディンのいないトリノオリンピック――プルシェンコはひとりぼっちだった。
 ショートプログラムこそ、ソルトレイクでの失敗を繰り返すまいと、いい緊張感のなかで演技を見せてくれた。「トスカ」にしてはあまりにも猛々しい、しかし誰にも真似のできない、プルシェンコならではの迫力に満ちた演技。
 しかし昨日のフリー。2位のウィアーに10点以上差をつけてしまったことで、よほどのことがない限り金メダルは手に入れたようなもの、というシチュエーション。最初の4回転-3回転-2回転、続くトリプルアクセルのコンビネーションを難なく決めた時点で、もう彼のオリンピックは終わってしまったのではないだろうか。
 中盤以降、たんたんと体が動くに任せて振付をこなす彼は、なんだかもう、オリンピックに飽きてしまっているようにさえ見えた。

 それでもフリーの点数は167.67。2位に13点以上差をつける圧倒的な強さでの勝利。しかしそのパフォーマンスは、多くの人が期待していた、スーパースケーター・プルシェンコの集大成となるような、ベストパフォーマンスではなかった。
 もはや追いかける敵も、迎え撃つ敵もいない。そんな、彼にとっては残酷ともいえるシチュエーションが、プルシェンコの戦闘意欲を失わせてしまったのかもしれない。 
 思えばこの4年間、プルシェンコの敵はプルシェンコ自身でしかなかった。膝や背中、足の付け根などの故障、新採点システムの理解不足によるミス、なんでもないところでふっと転倒してしまう気の緩み。敵はリンクの上にではなく、すべて自分の中にしかいなかった。最後まで誰も、彼を燃え立たせてはくれなかった。

 4年越しの思いを実らせて金メダルを手にした表彰式。しかし静かに微笑む彼の手にしていたものは、壮絶な戦いの末につかんだ金メダルではなかった。4年前、ヤグディンがプルシェンコに勝ってチャンピオンとなった時、その時ライバルが感じたほどの大きなカタルシスを、彼はついに感じることができなかった。
 誰も追いかけるもののいない孤独。絶対オリンピックで勝ちたかった相手と、もう二度と戦えない苦しみ。
 誰よりも戦いを愛した天才に、フィギュアスケートの神は彼の望む舞台を、最後の最後、用意してはくれなかったのだ。

 プルシェンコは、長い長い間、フィギュアスケートを見る喜びを私たちに与え続けてくれたスケーターだ。
 彼のトリノ五輪での金メダルが、プルシェンコの「人生の金メダル」のひとつにすぎないことを祈りたい。
 今度は本当に、のどから手が出るほど欲しいものを、彼の愛する「戦い」に打ち勝つことで、戦いを楽しみながら得られることを祈りたい。
 狙うべき何か、欲すべき何かに向けて、彼はきっとまた、走り出す。
 戦いを欲する心、その果てに待つ、輝かしいメダルを欲する心が、彼にある限り。(青嶋)

*エフゲニー・プルシェンコへのインタビューは『COLORS 男子シングルフォトブック』に掲載されています
写真/ロイター


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樋口豊氏が語る男子シングル

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 激戦が繰り広げられているトリノ五輪フィギュアスケート男子シングル。
 今夜ついに第20代のオリンピックチャンピオンが決まるが、メダル争いの他にも見どころは満載の一戦となりそうだ。
 勝つのは誰か? 観客を魅了するのは誰か? また、2010年バンクーバー五輪までの新時代を牽引するスケーターは?
 現在発売中のフィギュアスケート男子シングルフォトブック『COLORS』(あおば出版刊)にて、プルシェンコ、ウィアー、高橋大輔など今大会の主役11選手に関してコメントを寄せているフィギュアスケートコーチ樋口豊さん。
今回、メダル争いには一歩、二歩と遅れてしまったが、ぜひ今夜のフリー楽しみにしたい選手たちについても話を聞いた。


――さて、オリンピックの男子シングル。樋口先生からご覧になって、見どころは?
樋口 まずはジャンプ、ですね。もうね、みんな3回転は当たり前。優勝を狙う人たちならば、やっぱり4回転、見たいですよねえ。採点システムが変わったといっても、3回転だけで1番や2番になることは、これから先も難しいと思いますよ。どうしても、チャンピオンなら、4回転! と、みんなが要求してるから。4回転と3回転半をセットで決めて、さらに2種類、3種類と必要になっていくんじゃないかな。
 それから注目したいのは、選手たちの新旧対決ですね。以前からずっとトップにいるプルシェンコやチェンジャン・リーなどが残っている一方で、新しい人が出てきてますよね。若いウィアー、ランビエール……。いま、古い風と新しい風がぶつかりあっているところ。トリノでは彼ら両方が見られる、ベテランと若手との争い、という一面もありますね。
――女子は若手がぽーんと出てきて金メダルを取ってしまうことがオリンピックでは多いのですが、今回の男子はベテランの勝利、となりそうでしょうか?
樋口 そうですね。ベテランにはベテランの良さがあるけれども、オリンピックとなると「この人こそ金メダル!」という人がなかなか勝てないこともある。今年の男子も順当に行けばプルシェンコだと思うんですけれど……。どうなるんでしょうか(笑)。

――ぶつかりあうふたつの風……。『COLORS』では新しい風としてライサチェクやジュベールも紹介していただきましたが、他の選手はいかがでしょうか。例えばベルギーのヴァン・デル・ペレン。彼は年齢的にはプルシェンコと変わらないのですが、高橋大輔選手と世界ジュニアを競っていたこともあって、まだまだ「新しい風」という感じがしますよね。
樋口 ケビンもかわいい選手ですよね。性格もいい子ですよ。彼は以前ミーシン(プルシェンコのコーチ)に習っていたんですよね。でもそこをやめてタラソワ先生のところで習ったりもして、いろいろなところで力をつけてきた。今の力だと、一桁の後半くらいは目指せそうですね。得意なのは何と言っても、トリプル-トリプル-トリプルのコンビネーションジャンプ。彼は3つのジャンプを、同じ高さで跳べるから。

――同じ高さ! セカンドジャンプ、サードジャンプの高さが落ちないんですね。
樋口 そう。普通は最初のジャンプをランディングしてそのまま跳ぶジャンプは、回転不足になりやすいけれど、彼はそうじゃない。素晴らしいコンビネーションジャンプが彼の見どころですね。あとはトリプルアクセルや4回転が入ってくれば、もう少し順位を上げられるかもしれない。

――彼はまだ23歳ですが、引退も考えているとか……。本田武史選手もそうですが、まだまだ見たい選手が現役を退いてしまうのは残念ですね。そんななか、がんばっているのは中国の選手たち。トリノ代表のチェンジャン・リーは26歳、ミン・チャンは29歳です。
樋口 がんばってますね。でも彼らはなかなか点数が出ない……。チェンジャン・リーなど、アーティスティックとまでは言わないまでも、だいぶ上手になっているんですが。あとはもうちょっと、個性的な振付けをしてくれる振付師さんに頼めば、また少し変わってくると思いますよ。それからスケートそのもののうまさという点ではまだまだ。中国の選手は、もっとスケートを教えてくれる先生にならわなきゃだめなのかな、と思います。エッジもフラット気味だし、もうちょっとディープなエッジで滑って欲しい。今はまだ、氷の下から体を通して伝わってくるものが、あまりないですよね。

――スケートそのものを磨くと、だいぶ違う?
樋口 そう。彼らのコーチとは親しくしてますが、中国の先生たちはまだ、そのあたりの意識が薄いのかな。振付師さんも色々試しているようですが(今シーズン、リーはゴーシャ・スールとローリー・ニコル、ミン・チャンはジョアン・マクラウド)、単にコリオグラファーを変えただけでは足りない。アイスダンスの先生などに習って、スケートそのものを教えてもらうといいのですが。中国って、街はどんどんきれいになってますよね。だからスケーターももう少し美しさに気を配って。ミンなんてかっこいい顔の男の子でしょう。彼はピアスもしてるけれど、さらに髪型やコスチュームにも恵まれれば……。お化粧や髪型をトータルプロデュースしてくれるデイビッド・ウィルソンのような振付師さんがつけば、おもしろくなりそうですよね。

――スケーティングや見た目が変われば、すごいことになりそうですね、中国の選手。
樋口 うん、すごいと思う。この子たち、クワッドサルコウとクワッドトウループ、両方跳びますからね。だから今のままでもうまくいけばトップ5くらいには入れる力はあるんですが……。本当に上のほうまで上がって来るには、やはりエッジワークを磨かないと。

――ひょっとしたら中国男子が本当に強くなるのは、今の選手が教える側になったころかもしれませんね。
樋口 そうでしょうね。彼らもほんとうに、いい素材なんですが……。

*振付師やスピン、エッジワークなどをテーマにした樋口豊氏のインタビューも、トリノ五輪期間中にお届けします(青嶋)
*チェンジャン・リー選手に関するこれまでの記事 
ジャパン・インターナショナル・チャレンジレポート(1) ウェルカム、チェンジャン!
世界選手権最終日 エキシビションのスケーターたち

写真/森田正美(エキシビションではちょっと違う表情を見せてくれるチェンジャン・リー。日本にもファンがとても多い)


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男子シングルフリー この技に注目!

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 いよいよ始まる男子シングルフリー。高橋大輔選手の活躍ももちろん期待したいが、ショートプログラムを見て海外のトップ選手たちの個性的な演技に興味を持った人も多いだろう。
 今夜のフリー、どの選手がどんな技を見せてくれるのか、どの技に注目か?
 フィギュアスケート特集で12月に募集したアンケート「この人のこの技が見たい」の集計結果を元に、注目選手の見逃せない技を紹介してみたい(「」内は読者コメント)。

●フィギュアスケート特集読者が注目する男子シングル
「この人のこの技が見たい」ベスト10

1位 高橋大輔のステップシークエンス(サーキュラー、ストレートライン)

圧倒的な支持を集めたのは高橋大輔選手の代名詞ともなっているステップワーク。
「多彩でスピード感のあるステップが好きです。日本では高橋選手ですね」
男子のフィギュアスケートといえばジャンプ、と言われているところに、ステップで世界と戦える日本代表選手が出てきたこと、これはうれしい。

2位 ステファン・ランビエール(スイス)のスピン(シットスピン、アップライトスピン、コンビネーションスピンなど)

少年時代は細い体で繊細の極致ともいえるようなスピンを回っていたランビエール。体ががっしりするにつれてスピード感は少し減ってしまったようにも見えるが、フリープログラムの最後に見せる高速スピンはやはり圧巻。姿勢変化が少ないことでレベル1判定となることが多いが、高いレベルを得ることよりも自分らしい技を見せたい……そんな思いもあるのかもしれない。「彼のスピンのように圧倒的なのにレベルが低いと見なされる技は、これから先は見る機会が減ってしまうのでしょうか……。それがすこし気がかりです」

3位 ジェフリー・バトル(カナダ)のイナバウアー

荒川静香や太田由希奈、中野友加里、サーシャ・コーエンら、女子選手がプログラムの見どころに持ってくることが多いイナバウアー。スケーティングが美しいバトルのイナバウアーも一級品だ。今シーズンのバトルは、彼女たちにようにリンクをまっすぐに横断するものではなく、くるりと円を描くようなイナバウアーを見せている。

4位 ジェフリー・バトルのスプレッドイーグル

両足のつま先を180度開き、広げた手は大きく泳ぐように。鷲が羽を広げた形、とも言われるスプレッドイーグル。かつてはブライアン・ボイタノ、また日本の本田武史や田村岳斗が得意としていたが、現役選手ではバトルやサンデューのイーグルが美しい。

5位 高橋大輔のトウジャンプ

リズムにのって流れるように跳ぶ高橋大輔のトウジャンプ。ショートプログラムでは3回転ルッツがきれいに決まったが、フリーでは4回転トウループが見られるか? 練習では4回転-3回転のコンビネーションも成功させたとのこと。

6位 エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)のジャンプ

7位 高橋大輔のレイバックスピン

8位 エフゲニー・プルシェンコのビールマンスピン

9位 エマニュエル・サンデュー(カナダ)のキャメルスピン

10位 ジョニー・ウィアー(アメリカ)のステップ

写真/共同通信(16日の公式練習での高橋大輔)


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(3)

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 トリノでは、いたるところでオリンピックの気配が感じられます。街の中心部のローマ通りだけでなく、少し離れた小さなお店のショーウィンドーのディスプレイからもオリンピックの気配が。

 イタリアの旗手も務めたカロリーナ・コストナーは、スポーツに詳しくない人でも知っている、イタリア国内の人気者。街で配られたフリーペーパーの表紙も彼女です。

 あたりが薄暗くなってからは、イルミネーションが選手や観客たちのお楽しみ。トリノの中心的な駅、ポルタ・ヌォーヴァの駅舎には、五輪マークの形に光が点滅しています。

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 また、街では昼夜を問わず、さまざまな国の選手や関係者とすれ違います。02年ソルトレイクシティ五輪ペア金メダリストのアントン・シハルリドゼ(ロシア)や、お買い物中のリュドミラ・ベーリコワコーチ(今大会ぺア5位入賞のペトロワ&ティホノフのコーチ)を見かけたり。フィギュアスケート会場・パラヴェーラの外も、みどころにあふれています。(長谷川)

写真/上・オリンピック関係者の宿泊するホテルが林立するポルタ・ヌォーザ駅。映し出される五輪のマーク
下・コストナー選手をフィーチャーしたフリーペーパー


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(2)メダルセレモニー

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 毎晩8時すぎ、トリノの中心部に位置する大型ビジョンの前には人だかりができ、ビジョンに映る映像に拍手や歓声を送ったり、ともに国歌を歌ったりする光景が繰り広げられている。

 各競技会場で表彰式をしたあとに、メダリストたちはトリノ中心部のカステッロ広場に設けられた「メダルプラザ」の「メダルセレモニー」で、観客たちの前に再び立つ。会場に入場できるのは、事前に無料で配布された入場券を持っているトリノ在住の人々が多いそう。そのため、世界各地からやってくる観客たちは、メダリストたちの晴れの姿をひと目見ようと、大型ビジョンの前に集っているのだ。

 その選手の今大会での活躍ぶりをまとめた映像が流れた後、メダルセレモニーに選手本人が登場。すると、ビジョンのむこうだけでなく、ビジョンの前でその様子を見ていた観客たちからも大きな声援と拍手が沸き起こる。もちろん、目の前に選手はいない。それでも、夜の澄んだ冷たい空気の中で笑顔やガッツポーズを見せながら表彰台に上るメダリストたちの率直な歓喜をまのあたりにすると、まったく知らない競技の他国メダリストにも、自然と拍手を送りたくなる。金メダリストも銅メダリストも同じように清々しい。
 もしこの場で日本選手たちを見ることができたら……。日本人の観客だけでなく、他国の人々からも透明な拍手を受ける日本選手たちの姿を見られたら……。それはきっとこれ以上ないくらい喜ばしく誇らしい瞬間になることだろう。

 金メダリストを祝福する国歌の演奏が終わると、トリノの中心地は静かな歓声に包まれる。メダルプラザと、そこに入ることのできなかった人々がその前の大型ビジョンを見て発した声だ。この大型ビジョンの前は観客であふれ、歩いて通り抜けることも難しいほど。それなのに、どこからもいさかいや小競り合い、不満な声などが聞こえてこない。不思議なほどみんなが笑顔なのだ。

 その日一日分のメダルセレモニーが終了すると、赤や金色の花火が打ち上げられ、観客たちがみな笑顔で冬空を見上げる。戦いの終わった穏やかな時の中で、選手たちがメダリストとなった喜びを再確認する場には、とても神聖な時が流れている。(長谷川)

写真/メダルセレモニー会場から120メートルほど離れたサン・カルロ広場。大型ビジョンの前で数百人の人々がセレモニーの映像を見つめている


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オリンピックがやってきた! トリノ市街点描(1)ソルフェリーノ広場

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「まだオリンピックをみられるかもしれない」、「フィギュアスケートの公式練習のチケットが20ユーロ(3000円弱)で見られるかもしれない」と、ソルフェリーノ広場に位置するチケットセンターには、人々が集まってくる。
 当初販売されていなかった、フィギュアスケートとショートトラックの公式練習を見学できるチケットは、約2週間ほど前に販売が始まった。そのため、日本から観戦に訪れるファンたちの出発には、イタリアからのチケットの発送が間に合わない……トリノに着き次第すぐに手配をしなければ、といった焦燥感にさいなまれた人々も少なくない。

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 しかし、14日14時時点(イタリア時間)には、エキシビションまですべての公式練習チケットが売切れてしまっている。主に地元の人々が公式練習に足を運んでいるという。ちなみに、フィギュアスケートの大会チケットは、男子シングルショートプログラム、フリー以外すべてソールドアウトだ。

 広場の中心の銅像のまわりをぐるりと取り囲む形で、氷が張られている。青い貸し靴を借りてすぐにその場で滑ることができるが、足元がおぼつかない若者たちに混じってスムーズに滑りぬける子供たちの足元を見ると、マイシューズをはいていることがしばしば。スーツ姿で、ガールフレンドとスケートを楽しんでいる人も。(長谷川)



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週刊少年マガジンにフィギュアスケート漫画登場!(2)

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●漫画家・瀬上あきらさんが見るトリノ五輪

――今週、少年マガジン誌上では「ICE SCREAM! アイスクリーム」が登場、トリノではまさにオリンピックの真っ最中ですが、フィギュアスケートを描く漫画家さんとして、今回の五輪はどんなふうにご覧になっていますか?
瀬上 フィギュアスケートがどの競技よりも期待されている、こんな状況のオリンピックって、きっと今回が初めてですよね。それだけに日本選手たちへのプレッシャーってすごいと思うんです。でも女子は3人もいるし、プレッシャーがかかるのがひとりじゃないぶん、のびのびとできるんじゃないかな、と期待もしています。それから私が心強いと思うのは、今回代表の選手たちほとんどが野辺山の新人発掘合宿を体験していることですね。子供の頃から良く知っている仲間たち、ライバルであり友達でもある選手たちと競争して、彼女たちは代表になった。そうした戦いを経てきたことも強いと思うし、代表としていっしょにトリノに行くメンバーも合宿でおなじみの仲間であること、これも彼女たちにとっては気持ちが楽だと思うんです。

――なかでも瀬上さんが期待している選手は?
瀬上 女子では荒川静香さん。彼女は世界チャンピオンになったあと、一時期すごく迷っていたみたいで、ひょっとしたらこのままやめてプロに行っちゃうのかなあ、とちょっと残念に思っていました。でも今はそんな気持ちもふっきって、オリンピックに照準を向けている。結果のことはあまり口にしない彼女が、珍しくメダルについても語っているし……。色々迷って、それを越えて開き直った今、一番強いのはこの人なのかもしれないな、と思います。
 それから荒川さんは、新しく変えたプログラムで、イナバウアーを見せてくれることも楽しみ。点数には繋がらなくても、この技を入れたいっていう。結果を得ること以上に、自分らしさを出して行きたいってことですよね。メダルを取れるかどうかよりも、荒川さんの演技そのものを楽しみにしています。もちろん、他のふたりも日本勢はすごい。それぞれ持ち味があって……。でもあの3人がひとりになったら完璧なスケーターになるんだろうなあ。情緒面は村主さんで、ジャンプは安藤さんで、総合力は荒川さん……すごい選手ができちゃいますね(笑)。

――日本チームのライバルとなる海外勢で、注目している選手はいますか?
瀬上 女子ではスルツカヤに惹きつけられます。この人は、問答無用で力のある人ですよね。もう、出しているオーラが違う。観客にすべてをぶつけてくるスケート! 「私はこれだけのものを持ってるのよ、さあ、見て!」という凄みを感じます。男子ではやっぱりプルシェンコが、今回どんな演技を見せてくれるか気になりますね。大きくミスらない限り、彼の金メダルはもう動かないでしょう。あとはどれだけの演技をして、他をどれくらい引き離してくれるか、見てみたいです。

――そんな破格の海外勢と日本選手たちの戦い、いよいよ佳境に入りますね。
瀬上 そうですね。今、他の競技が予想外の結果続きで、フィギュアスケートに余計に期待がかかっている状況は心配でもあるんですが……。あんまりプレッシャーをかけないであげて、と思っちゃう。テレビなどでは、日本選手のいいところばかり映して盛り上げようとしてますよね。みんな、世界にはもっとすごい選手がいっぱいいることを何も知らないで、ただメダルだけを期待しちゃってる雰囲気がある……。
 本当は、その人の一番の演技ができれば、結果は二の次。メダルなんか取れなくても、選手みんながそれぞれ納得の行く演技ができて終われたら、それが日本チームにとって成功なんじゃないかな、と思っています。

 フィギュアスケートをさわやかに描く瀬上あきらさんの読みきり「ICE SCREAM!(アイスクリーム)」は、現在発売中の週刊少年マガジン(講談社)に掲載されています。(青嶋)


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男子シングルショートプログラム プルシェンコ金メダルに大きく前進

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 男子シングルショートプログラム第一滑走グループ。6人の選手たちの中で、6分練習のためにいちばん最初にリンクサイドに姿を見せたのは、エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)だった。02年ソルトレイクシティ五輪も、アレクセイ・ヤグディン(ロシア)と並んで、金メダル候補だったプルシェンコは、いくつかのエレメンツを試したあと、氷の感触を確かめるようにゆっくりとリンクを回っていた。

 30人中の2番目の滑走順となったショートプログラム「トスカ」では、冒頭で4回転トウループ+3回転トウループに挑む。4年前にはショートの4回転で転倒し金メダルを遠ざけてしまったが、トリノ五輪での最初のジャンプとなった4の回転トウループの着氷をじっくり右足で確かめてから3回転トウループを踏み切った。慎重に大切に、踏切から空中姿勢、着氷までのジャンプの一連の動きを意識しながら跳んでいるように見えた。トリプルアクセルも丁寧に決め、続く3回転ルッツを危なげなく決めると、触れようとしても触れられない上空に漂うものに手を伸ばすように腕を動かし、細かいステップで歓声を誘った。4年に一度しかめぐりこないこの大会に、とにかく大切に臨んでいる、そんな演技……。確実に金メダルを手にすることに焦点を絞った、分別ある大人のプログラムのようだった。

 キス&クライでも、点数が出るのを怖がったり必要以上に期待したりするのではなく、多分妻との思い出の詰まっている右手の指輪に何度もキスをし、穏やかな笑みを浮かべていた。
そして出た得点は90.66点! この高得点にも必要以上に喜ぶのではなく、落ち着いた様子。その後28選手が滑ったが、結局プルシェンコをしのぐ得点を出す選手はいなかった。

 第三滑走グループの開始あたりからプルシェンコは、ミーシンコーチらと並んで観客席に座り、試合の行方を見つめていた。そんな彼の存在に気づいたカメラマンが彼の姿を捉え、会場の大型ビジョンに映し出す。スクリーン上の自分の顔に気づいてもプルシェンコは動じることもなく、静かに微笑んで軽く手を振っていた。
 何らかの刺激を受けて突如発生する感情に、この日のプルシェンコは静かな反応を見せ続けた。演技を終えキス&クライに向かう途中のできごと以外では。

 そのときリンクサイドでは、アレクセイ・ミーシンコーチが演技を終えたプルシェンコを迎えるために、待っていた。ミーシンコーチの背中からは、「いい演技だったな」という笑顔で彼を待っていることが伝わってくる。四方への挨拶を終えてリンクサイドに戻ってくるプルシェンコは、ミーシンコーチの姿をみつけると、視線を合わせながら、徐々に親しみのこもった笑みを浮かべていった。そして2度首を軽くゆっくり左右に振ったかと思うと、ニヤッと余裕のある表情を見せた。

 ヤグディンが引退した後、時折ほかの選手に順位では負けることもあったけれど、彼は常にオンリーワンの世界トップスケーターだった。ひとりでその頂に立ち続けることは、彼を知らず知らずのうちに大人にしたのかもしれない。ヤグディンと死闘を繰り返していたころ、演技後に大きくガッツポーズをしたり歓喜に長いブロンドを振り乱したりしてい彼は、もういない。優勝に喜んでいる姿さえも、どこかポーズとしての感情表出に見えることもあった。

 4年前の失敗をくり返さないためなのか、この日のプルシェンコは、演技中も演技以外でも感情表出をコントロールしているように見えた。それでも、ジュニア時代からいつも傍らで見守ってくれたミーシンコーチの肯定的な表情に、不敵な笑みが出てしまったのだろう。懐かしい表情だった。
2位以下の選手を10点以上引き離して望むフリーでは、技術だけでなく感情もコントロールした大人の彼だけではなく、喜びを全身で表現する少年の日の彼も見せてくれるかもしれない。アマチュアスケーター時代の終盤を迎えているプルシェンコが、2位以下に10点以上引き離し、金メダルに近い位置で臨むフリーで、いったいどんな演技を見せるのか。プルシェンコvsヤグディン時代とはちがう、見えざる敵との戦いをどのように制するのか……フリーでは、彼のアマチュアスケーターとしての美学を堪能したい。(長谷川)

写真/ロイター


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週刊少年マガジンにフィギュアスケート漫画登場!

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 日本中がトリノ五輪に熱くなる毎日。コミック界でも様々な形でフィギュアスケートが描かれ、トリノ・パラヴェーラ競技場に負けない熱い戦いが誌上でも繰り広げられている。
 本日発売の週刊少年マガジンでも、トリノを目指す女子高校生を主人公にした60ページの読みきり「ICE SCREAM! アイスクリーム」が登場!
 作者の瀬上あきらさんに、作品の見どころ、フィギュアスケートを描く楽しさなどを聞いた。

●長期取材を通して見えてきたもの
――日本勢の活躍とともに、フィギュアスケートをテーマにした漫画を最近はよく目にしますが、瀬上さんはずいぶん前から取材を始めていらっしゃいましたよね。一昨年の野辺山合宿取材でごいっしょしたことを覚えています。
瀬上 初めての取材は一昨年(04年)の春、軽井沢の大会でした(中部日本選手権)。浅田舞ちゃんと真央ちゃんが両方出ていて、真央ちゃんが一番、舞ちゃんが2番だったんです。

――フィギュアスケートをテーマにしようという企画は、編集の方からの提案だったとか。
瀬上 そうなんです。だから最初はどんなスポーツかも知らずに見に行って……。初めて間近で選手たちの演技を見た時は、滑る音がこんなに大きく聞こえるんだ! ってびっくりしました。その取材がすごく刺激的だったので、試合も合宿も行けるところにはなるべく行って生のスケートをどんどん見ようということで、機会あるごとに足を運んできたんです。特にスケート連盟の野辺山合宿を取材したことは、衝撃でしたね! こんな小さな子たちが、こんなきついスケジュールで合宿してる! って。野辺山合宿を見てから、作品のストーリーは主人公の成長モノにしようって決めたんです。本当に小さな頃、スケートを始めたばかりの頃から描き始めて、だんだん大きくなって試合にも出るようになって……と。

――取材を通して生のスケートに触れて、描きたいものを探っていかれた。
瀬上 漫画なので作り話ではあるんですが、作り話の中でもリアルを感じさせたい。そのためにリアルをしっかり見ておこうと思ったんです。NHK杯などの大きな試合を見れば、レベルの高い選手とそうでない選手の違いも見えて来ました。ジャンプの高さもスピードも、人によってぜんぜん違うし、選手たちの魅力もそれぞれ違う。そうして見たものが刺激になって、主人公のスケートの魅力をどうやって描いていこうか、色々と考えるようにもなりました。実在の選手を見ながら、主人公がこの人みたいに滑ったらどうなるかなあ、なんて考えたり。

――フィギュアスケートの競技そのものだけでなく、スケートに打ち込む人たちの現実のドラマにも注目されたとか?
瀬上 フィギュアスケートってとにかく続けるのが大変なスポーツですよね。恩田美栄さんが毎シーズンごとに、続けるかどうかの家族会議を開いているという話など、いろいろ見聞きして、ほんとに大変さを痛感しました。これは描き手としてはすごく興味深い点でもあるんですが……。だから主人公と家族との関わりなども、しっかり描いていけたらと思っています。

●「ICE SCREAM!」でもトリノ代表争いで火花!
――今回の「ICE SCREAM! アイスクリーム」はその本格的な連載を目指す前の、読みきり作品ということになりますね。こちらは主人公がトリノ五輪代表権を争う高校生の女の子。
瀬上 今回は連載とはまったく違う実験的な作品で、フィギュアスケートを主軸にしたラブコメになります。恋愛が中心なので、主人公が思いっきり滑り出すのは60ページのうちラスト20ページなんです。でも現実にある大会も出てきますよ。最初の舞台が大阪のNHK杯で、ラストが東京の全日本選手権。

――おお、まさに今シーズンの日本代表選考と同じ舞台ですね。
瀬上 トリノ代表になるために、女の子がプログラムを変えてみる、という展開なんですけど、描いてるうちに安藤美姫さんが「蝶々夫人」に曲を変えたというニュースが……。あれ、現実に起きちゃったよ、とびっくりしました(笑)。それから主人公は4回転トウループにも挑戦します。このあたりは現実的に設定してみました。4回転アクセルではちょっと無理があるし、サルコウも実際に跳ばれてはいるけど易しいジャンプじゃない。でもトウループなら女の子が跳んでも無理のない4回転かもしれないな、と。

――プログラム変更、4回転ジャンプ、ちょっとずつ、今のトリノ代表選手たちを髣髴とさせますね。
瀬上 でも高校生である主人公のコーチが高校生だったりして、ファンタジーの要素も大きいんですよ。漫画なので色々と無茶なことも描いてますが(笑)、フィギュアスケートファンのみなさんには、漫画だからと笑って読んでもらえれば。それからフィギュアスケートなんて見ないというマガジンの読者の方には、漫画を読んで楽しそうだな、と感じてもらい、競技も見てもらえるようになればいいな、と思っています。拙い作品で反省点もいっぱいなんですが、ずっと取材を続けてきて、今回初めてフィギュアスケートを絵に起こしてみたんです。これが現時点で私に描けたベストのものなので、ぜひ楽しんでもらえればうれしいです。「ICE SCREAM!」をきっかけに、今後、もっと面白いものを描いていければ!

――今回はまず60ページの読みきり。もし今後、連載として瀬上さんがフィギュアスケート漫画を描くとしたら、どんな展開に?
瀬上 来シーズンのシーズンインにはぜひ間に合わせたいですね。次の冬から4年間かけて、主人公がオリンピックに向けて成長して行く過程を描けたら……。2010年、バンクーバーのオリンピックの頃、主人公もオリンピックに行く、という展開になればいいなあ。(続く)

*作品紹介*
「ICE SCREAM!(アイスクリーム)」 瀬上あきら
週刊少年マガジン11号(2月15日(水)発売) センターカラー60P
フィギュアスケートの新米コーチは高校生!? 高校生コーチ・悠(ゆう)が指導するのは、トリノ五輪を目指す美少女スケーター・蓮(れん)。1歳上の幼馴染みの蓮に悠は、同じ屋根の下、戸惑い、悩み、振り回されて。恋とフィギュアの二人三脚が始まった!!


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男子シングルショートプログラム 高橋大輔5位発進!

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 トリノ五輪大会5日目、ついにフィギュアスケートチームジャパンの先陣を切って高橋大輔選手が登場。トリプルアクセルで着氷が乱れるなどのミスはあったが、フリー最終グループ入りとなる5位でショートプログラムを終えた。

 夢にまで見た大舞台で、30人の演技者の中の第一滑走!
 もう、これ以上ないくらい緊張している様は、ポーズをとる前に手を2回うちならす、こんな時のお決まりの動作からも感じ取れた。
 そして何より、スタートのポーズを取った瞬間。高橋大輔の武器のひとつである瞳の強さが足りなかった。いつもなら、観客もジャッジもテレビの向こうの人さえも、きっと見据えて離さないような目つきをするはずなのに……。
 大輔、大丈夫だろうか?
 誰もが不安に感じてしまったとおり――。序盤のトリプル-トリプルのコンビネーションは着氷に流れがなく、続くトリプルアクセルも乱れる。彼の一番いいときの「ロクサーヌ」を知っている人々にとっては、完璧なパフォーマンスとはいえない、残念な演技となってしまった。
 しかし緊張でがんじがらめだったものの、全日本選手権から高橋大輔のスケートがさらに成長している様が見て取れるたのは、うれしいことだった。
 まず、ステップやスケーティングに比べれば苦手なはずのスピンが、全日本までとは別人のように力強い! レイバックスピンなど、あまりの速さと迫力に、観客席からは大きな歓声が上がっていたほどだ。
 そして、焦りのために心ここにあらずだったステップも、いつものエモーショナルさこそなかったものの、素晴らしいスピードでリンクの空気を切り裂いていった。あんなに激しく足を動かして、よく転ばないものだと、感心。
 同じようにジャンプミスをした選手たちの多くは、動揺から振り付けがおざなりになっていた。でも高橋大輔の体は、心が宙に浮いてしまっていても、勝手に動いていってくれるのだ! これはきっと、オフシーズンから繰り返してきた激しいトレーニングの賜物。努力はきちんと彼の中に蓄積され、この大舞台で、体が応えてくれた。これは、胸を張って誇っていい。

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 総合得点、73.77。小さなミスがあってもがくんと点数が落ちたりしない、トップ選手らしい評価も得られた。
 しかし4位のジュベールからは4点、3位のランビエールからは6点離されての5位。たとえ上位の選手がフリーで崩れたとしても、すぐ下から0.5点差でバトルが迫っている。メダルを狙える位置にいると、軽々しく言うことはできない得点だ。
 しかし、だからこそ、変に表彰台を意識せず、リラックスしてフリーに臨める位置に立ったと言っていい。フリーはきっと気持ちを楽に、楽しんで滑ってくれる。大輔らしく、のびのびと。大技4回転にも、きっと気負いなく挑める。いつもの高橋大輔の演技――妖しさ、色っぽさ、猛々しさで、日本中をとりこにしてくれるだろう。
 まだまだ女子への注目が大きい日本のフィギュアスケート。でも男子のフィギュアスケートも、いいかもしれないぞ! そんなことをひとりでも多くの人に感じさせてくれる演技を見せること。メダル獲得以上にそんなことを、高橋大輔のフリーに期待したい。(青嶋)

写真/ロイター(上)、NFS(下・高橋大輔選手の応援に駆けつけた母校・関西大学応援団)

*高橋大輔選手に関するこれまでの記事
トリノ五輪 種目別見どころガイド(2)男子シングル
祝! 高橋大輔スケートアメリカ優勝。長光歌子コーチインタビュー
男子シングル日本勢展望
高橋大輔予選6位通過
本田、高橋、日本男子シングルの今後
男子シングルショートプログラム 高橋大輔、孤軍奮闘高橋大輔、フリー直前!
男子フリー終了 フリー18位、総合15位 高橋大輔の試練
オフリンクのチームジャパン


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トリノ五輪 種目別見どころガイド(2)男子シングル

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 日本からは「セクシーな」演技をめざす高橋大輔(関西大学)が出場する。ショートプログラム、フリーとも「セクシーな」ステップが一番の魅力。ショートではタンゴのリズムに合わせて妖しい男くささを、フリー「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番」では、清しい色気を漂わせる。「出るからには金メダルをめざします」という高橋。今シーズンはたった1つのオリンピック日本代表を手にするためのプレッシャーのなかで過ごしてきた。しかしオリンピックでは、優勝候補筆頭ではないからこそ、力まず、彼がもともと持つ伸びやかなスケーティングと細かいステップでダンサブルに魅せてくれるかもしれない。

 優勝候補ナンバーワンは、02年ソルトレイクシティ五輪銀メダルのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)。ソルトレイクシティ五輪男子シングル入賞者(8位以内)のうち、トリノ五輪にも出場するのはプルシェンコだけとなり、トップ選手も様変わりした。そんななかで、幼少時からのライバル、アレクセイ・ヤグディン(ロシア、ソルトレイクシティ五輪金メダル)が引退し、採点方式も大きく変化したものの、膝やそ頸部のけがを乗り越え、不動の強さを見せてきた。その集大成の演技を目に焼きつけたい。

OH1D4621s ショートプログラムから4回転ジャンプにトライすることが予想される有力選手は、ステファン・ランビエール(スイス)、エマニュエル・サンデュー(カナダ)、ブライアン・ジュベール(フランス)、チェンジャン・リー(中国)、イリア・クリムキン(ロシア)など。
 ただ、現世界チャンピオンのランビエールは2月に入って右膝を故障したこともあり、回復が心配されている。
また、これまではカンフーや「スターウォーズ」のマイムで楽しませてくれたリーのショートプログラムは、優雅な旋律が印象的なリストの「愛の夢」。今シーズン、日本ではまだテレビ放送されていないプログラムだが、チェンジャンが「愛の夢」とは……いったいどんな演技を見せてくれるのか、目を離せない。

 試合状況や体調次第ではフリーで4回転にトライするかもしれないが、跳ばなくても表彰台を狙える位置につけているのは、美しいスケーティングやスピンなどが武器のジェフリー・バトル(カナダ)、プログラムのいたるところ、美しいポジションで魅せるジョニー・ウィアー(アメリカ)、清潔ではつらつとした演技のエヴァン・ライサチェク(アメリカ)など北米勢だ。彼らは、プログラムのリズムや音に敏感で、外してしまうことが少ない。
 オンアイスだけでなく、キス&クライや表彰台での機転の利いた振る舞いを見るのもまた、楽しいひとときだ。

 男子シングルの競技日程は、ショートプログラムが14日19:00~(日本時間15日3:00~)、フリーが16日19:00~(日本時間17日3:00~)。(長谷川)

写真/森田正美(上・05年グランプリファイナルでの高橋大輔、下・05年グランプリファイナルエキシビションでのステファン・ランビエール)


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海外スケーターオフィシャルサイトをチェック!

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 テレビや雑誌でおなじみの日本の選手たちのことは良く知っている。
 でも、海外のトップ選手たちの演技は初めて眼にする、という方も多いオリンピックシーズン。
 気になったあの選手のことをもっと知りたい! 
 そんな時にうれしい、人気海外スケーターたちのオフィシャルサイトをご紹介。英語が苦手でも、フォトギャラリーなどが充実していて楽しめるサイトもたくさん。ぜひ訪れてみよう。


●男子シングル
Evgeni Plushenko the official site 
悲願の金メダルを狙うエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)の公式サイト。戦績、プロフィールからコーチの紹介まで、幅広く網羅している。スケート以外での目標には「日本語を学ぶこと」とも!

Johnny Weir the official site 
繊細な世界を氷上に描き出すジョニー・ウィアー(アメリカ)の公式サイト。プロフィール、戦績など、すべてが充実。その時々の練習の様子などが詳しく書かれた「journal」、愉快なオフアイスの写真もうれしい。

Official Home Page of Stephane Lambiel 
現世界王者、ステファン・ランビエール(スイス)の公式サイト。ニュースやプロフィール、戦績など、かなりの情報量。「photogallery」には、子ども時代からの写真が満載。好きな女性スケーターの項目には、カロリーナ・コストナーの名も。

Official site of Jeff Buttle 
グランプリファイナルでも美しい滑りを見せてくれたジェフリー・バトル(カナダ)の公式サイト。基本情報のほか、記事や写真なども。こことは別に、バトルは自分のブログで、練習風景や日々の出来事なども紹介している。

Officiak website of Brian Joubert 
力強いジャンプが魅力のブライアン・ジュベール(フランス)の公式サイト。バイオグラフィやオリジナルインタビューなどで構成。「News」では、各大会でのジュベール以外の選手の様子もレポートしている。子ども時代の最初のプログラム衣装写真がキュート。

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●女子シングル
Cheers For Irina-Slutskaya 
女子の優勝候補筆頭、イリーナ・スルツカヤ(ロシア)公式サイト。「News」では、各大会でのスルツカヤのスコアも掲載。「Video Clips」では過去の演技の動画などが、「Audio Clips」では、音楽やインタビュー音声などが存分に楽しめる。

SashaCohen.com 
フィギュアスケート大国アメリカの、エースとして登場するサーシャ・コーエンの公式サイト。プロフィール、基本情報はもちろん、時には1カ月に何度も更新される「Sasha's Journal」も楽しい。「Photo Gallery」からはコーエンの魅力があふれ出ている。子供時代のコーエンが逆立ちしている一枚も!

Carolina Kostner the official site 
地元の期待を集めるカロリーナ・コストナー(イタリア)の公式サイト。プロフィール、戦績などのほか、「Multimedia」では、写真や動画、雑誌などの記事紹介も。彼女の話せる言語である英語、イタリア語、ドイツ語の3カ国語対応。

●ペア
Shen & Zhao : An Unofficial Fan Page 
ケガから復帰した元世界チャンピオン、シェン&ツァオ(中国)のファンサイト。プロフィールや戦績、写真などで構成。「Programs」では、大会ごとに取り入れたエレメンツが、丁寧に書き出されている。「Profiles」の飾らない表情も見逃せない。

Petrova-Tikhonov.com 
ショートプログラム3位につけているベテラン、ペトロワ&ティホノフ(ロシア)の公式サイト。ふたりのヒストリーやスコアつきの戦績など細かな基本情報のほか、写真も充実。コアラを抱いているティホノフや、至るところでリフトをする二人の姿がキュート。

●アイスダンス
Tatiana Navka & Roman Kostomarov Official Web Site
情熱的な「カルメン」が楽しみなナフカ&コストマロフ(ロシア)の公式サイト。黒を基調に、大人のムードたっぷりに基本情報などを紹介している。妖艶なオンアイスとは別人のように、ナフカ&ズーリンコーチファミリーが動物園でほのぼのと過ごしている写真が魅力。

Tanith belbin & Ben Agosto Online 
ベルビンの国籍取得が間に合い、無事出場が決まったベルビン&アゴスト(アメリカ)の公式サイト。二人のヒストリーやお気に入りなどを、詳しく紹介している。ふたりとも、「Best Friends」の欄に互いの名を記しているのがほほえましい。アゴストは日本が好きだとコメント!

*日本人選手の公式サイト、ファンサイトはページ左のリンク集を。


写真/ロイター(上・ヨーロッパ選手権で優勝したエフゲニー・プルシェンコ。下・13日、トリノ・パラヴェーラ競技場で公式練習に参加したサーシャ・コーエン)


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ペアショートプログラム 彼女たちの微笑み

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 ペアのショートプログラムでは、メダル獲得に確実に関わると予想される選手たち、たとえばトットミアニーナ&マリニン(ロシア)、ジャン&ジャン(中国)、ペトロワ&ティホノフ(ロシア)、シェン&ツァオ(中国)らの表情が硬かった。
 メダリスト候補であることもあり、特別な思いを抱えているのか、緊張だけではなく深い集中によるものなのか……オリンピックという場の生み出すぴりりとした空気が、彼らの周囲には漂っていた。

 それに対して、彼らを追う位置にいる選手たちの清々しい表情や演技も印象的だった。
 たとえば、パン&トン(中国)は、名前をコールされる前から緊張の表情を浮かべながらも微笑みあい、演技をはじめた。やわらかいのに凛とした表情を見せる演技で、大きな拍手を受けている。
 また、ボールドウィン・ジュニアとペアを組んで登場した井上怜奈も、穏やかな微笑みを浮かべて音楽のスタートを待ち、オリンピック史上初のスロートリプルアクセルを成功させた。

 荒川静香は、「オリンピックは試合ではなくて祭典なんだから楽しまなくちゃ」とタチアナ・タラソワ前コーチに言われたという。また、「オリンピックのリンクは空気が澄んでいる。とにかくもう一度あの場所で滑りたい」と村主章枝はよく口にしている。

 いったいどのペアがメダルを手にするのか……その行方もおもしろい。
 だが目をむけたいのはメダル争いだけではない。オリンピックという4年に一度しか訪れない、フィギュアスケートファンだけでなく多くの人々が注目する場に出場できる喜び。それを表現してくれるパン&トンや井上怜奈らのような演技にも、ぜひ注目したい。(長谷川)


写真/ロイター(井上怜奈&ボールドウィン・ジュニア組)

*ペア出場選手に関するこれまでの記事
トリノ五輪 種目別見どころガイド(1)ペア
ペアショートプログラム終了 トットミアニーナ&マリニン首位
ペアで活躍した日本人選手



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ペアショートプログラム終了 トットミアニーナ&マリニン首位

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●トップ3にロシア2組、中国1組
 踏み切りから着氷までぴったり揃ったサイド・バイ・サイドのソロジャンプ、使うエッジを変えても足を変えても一糸乱れぬソロスピン……。ペアの醍醐味を存分に発揮したタチアナ・トットミアニーナ&マキシム・マリニン(ロシア)が68.64点と他ペアを引き離し、ペアショートプログラムで首位に立った。
 昨年末に体調を崩したことから、「今は限られた食品しか食べられない」というトットミアニーナは、12月のグランプリファイナルで来日したときより頬がこけて見える。が、「Snow Storm(吹雪)」の音楽が流れ始めると、力強いスケーティングでスピーディーに危なげない2分50秒を披露し、会場を沸かせた。

 2位につけたのは、ダン・ジャン&ハオ・ジャン(中国)。いつもならあがり症のダン・ジャンを力づけるハオ・ジャンも、今日ばかりは少々緊張感が伝わる笑顔で登場した。冒頭でスピードの落ちないリフトを決めると、サーキュラーステップシークエンスでは互いに笑顔を交し合う。パーソナルベストの64.72点を出して、中国3番手ペアと言われていたふたりが、中国勢のトップに位置した。

 ジャン&ジャンに0.45点差の64.27点で3位に入ったのは、マリア・ペトロワ&アレクセイ・ティホノフ(ロシア)のベテランペアだ。演技前、ティホノフがひとことペトロワに声をかける。しかしプログラム冒頭、ソロジャンプで一瞬ティホノフがバランスを失う。が、静かな盛り上がりを演出する「サラバンド」の曲に乗ったツイストリフトやスロー3回転ループを決めると、大きな歓声が沸いた。

●僅差で続く5組、井上組はスロートリプルアクセル成功!
 終始やわらかな笑顔で滑りきったクィン・パン&ジャン・トン(中国)が4位、男性のアキレス腱断裂から半年で本当にリンクに戻ってきたシュー・シェン&ホンボー・ツァオ(中国)は5位、オリンピック史上初となるスロートリプルアクセルに、ショートプログラムから挑み成功させた井上怜奈&ジョン・ボールドウィン・ジュニア(アメリカ)が6位につけている。「あれ以上のことは望めなかったし、それがオリンピックでできたのは嬉しい」と井上が語るように、61.27点は彼らのパーソナルベストだ。

 ショートプログラムを終えた現在、2位から8位までの7組が4.47点の中にひしめく大混戦となっている。日本時間14日(火)午前3:00から始まるフリーの演技次第で、最終順位は大きく変動する。(長谷川)


写真/ロイター(2位に4点差をつけ首位に立ったトットミアニーナ&マリニン組)

*ペア出場選手に関するこれまでの記事
トリノ五輪 種目別見どころガイド(1)ペア


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トリノ五輪 種目別見どころガイド(1)ペア

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 日本からの出場選手はいないが、アメリカ市民権を得た井上怜奈がジョン・ボールドウィン・ジュニアと組んでアメリカ代表として出場する。1月の全米選手権では、史上初のスロートリプルアクセル(男性が女性を放り投げるスロージャンプでの3回転アクセル)を成功させた井上組が、オリンピック史上でも初めてとなるその大技を決めることができるか注目したい。演技後の、尊敬と愛情のこもったボールドウィンの抱擁やキスもほほえましい。

●ロシア勢、12大会連続の金メダルなるか?
 ペアの戦いは、主にロシアvs中国。
ロシア勢の筆頭は、タチアナ・トットミアニーナ&マキシム・マリニンだ。正確なエレメンツとスピーディに滑りぬける演技は、12月に東京で行われたグランプリファイナルでご覧になった方も多いはず。叙情的なフリー「ロミオとジュリエット」では、スタンディングオベーションで称えられた。ペアでは、1964年のインスブルック五輪からソ連、ロシアが優勝を続けているが、ロシア勢がその歴史を繋いでいくことができるかにも注目。
 ショートプログラム「サラバンド」で重厚な世界を見せるマリア・ペトロワ&アレクセイ・ティホノフと、逆回転のリフトやスロー3回転フリップなど難しいエレメンツ満載のユリア・オベルタス&セルゲイ・スラフノフも見逃せない。

●ロシアに迫るペア大国、中国
 そして中国勢の筆頭はシュー・シェン&ホンボー・ツァオ。ツァオが昨年8月にアキレス腱を切るアクシデントを乗り越えて、トリノオリンピックに登場する。12月に氷上練習を再開するまでは、イスに座ってリフトの練習などをしていた。シェンが足の故障をおして出場した03年世界選手権フリーでは、パーフェクトな演技で会場が総立ち、旧採点方式での満点6.0をいくつも出したことも。奇跡の演技をもう一度、と世界中のファンが心待ちにしている。
 NHK杯で優勝したダン・ジャン&ハオ・ジャンは、見るたびに美しくなるダンをたくましいハオががっしりと支える。高いツイストリフトとスロージャンプに驚かさせるクィン・パン&ジャン・トンも表彰台を狙う。

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 この2国のペアに割って入るのがアリオナ・サフチェンコ&ロビン・ショルコビー(ドイツ)だ。昨年末に、ウクライナ出身のサフチェンコのドイツ国籍が認められ、オリンピック出場を果たした。「(国籍が取れた)お祝いに肌を焼きに行ってくるわ」とはサフチェンコ談。プログラム中に何度も交わしあう視線が、優雅な演技を生んでいる。

 そのほかにも、夫婦ペア、ドロタ・ザゴルスカ&マリウス・シュデク(ポーランド)のバリエーション豊かなリフトも必見だ。

 フィギュアスケートでは一番最初に行われるペア。日本代表がいないとはいえ、熱い戦いに期待したい。競技日程は、ショートプログラムが11日19:00~(日本時間12日3:00~)、フリーは13日19:00~(日本時間14日3:00~)。(長谷川)

写真/森田正美(上・05年NHK杯でのダン・ジャン&ハオ・ジャン組)、時事通信(下・トリノで記者会見を行った井上怜奈&ボールドウィン組)

*ペア出場選手に関するこれまでの記事
グランプリファイナル初日 ペアショートプログラム
ペアで活躍した日本人選手


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2006トリノ冬季五輪開幕! オリンピックスペシャルレポートスタートします

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待ちに待ったトリノ五輪がいよいよ開幕。
開会式ではルーマニアのゲオルゲ・チッパー(男子シングル)、ベルギーのケビン・ヴァン・デル・ペレン(男子シングル)、ルクセンブルクのフルール・マックスウェル(女子シングル)、北朝鮮のハン・ジョンイン(男子シングル)、そしてイタリアのカロリーナ・コストナー(女子シングル)らフィギュアスケート選手たちも国を代表して堂々旗手を務めました。
Sports@niftyフィギュアスケート特集でも、オリンピック期間中、スペシャルレポートを掲載。
トリノからはライター・長谷川仁美が男子シングル、女子シングルを中心に現地レポートを、東京からはライター・青嶋がサポートレポートをお届けします。

写真/ロイター
(コストナー選手を先頭に入場するイタリア選手団)

*ルクセンブルク選手団旗手フルール・マックスウェル選手に関するこれまでの記事
女子シングルショートプログラム。熱戦の前に咲いた花たち


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