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この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
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フィギュアスケート特集

日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』 発売!

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「オフィシャルブックまだですか? はやく読みたい!」と、無良崇人選手もお待ちかねの日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』、まもなく発売です。
『Cutting Edge』『Cutting Edge2007』に続き3冊目となる今年は、16歳の無良崇人選手から26歳の中庭健介選手まで、8選手のロングインタビューと多数の写真を収録。オンアイス、オフアイス、様々な表情の彼らに出会えます。

タイトル:Cutting Edge2008 日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック
価格:1800円(税抜)
全国書店での発売日:12月5日
※NHK杯会場にて、先行販売中!

【contents】
髙橋大輔 金メダルのその先へ
織田信成 鳥のように飛べ
南里康晴 情熱は月の光のように
中庭健介 とどまることなき、意思
小塚崇彦 本当の1年目が始まる
柴田嶺  新たなる覚醒
町田樹  多面体の輝き
無良崇人 羽ばたく日のために

インタビュー 平松純子日本スケート連盟フィギュア部長
応援メッセージ  村主章枝、中野友加里
コーチインタビュー 長光歌子、織田憲子、河野由美、長久保裕、佐藤信夫、川越正大、秦安曇、重松直樹

佐藤信夫コーチの語る全日本選手権、日本最高の男たちの戦い 


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チームジャパン in  クールマイヨール!

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 フィギュアスケート日本チームのメンバーは、7月19日よりイタリアはピエモンテ州アオスタ県クールマイヨール市のフォーラム・スポーツ・センターにて、特別強化合宿を敢行中。
 イタリア・フランス国境にそびえるモンブランが目の前という素晴らしい自然環境の中、日々トレーニング、氷上練習に励んでいる。チャレンジ中のジャンプを高地で完成させようと奮闘したり、ライバルたちの新しいプログラムに真剣に見入ったり……。
 しかしオフの時間にはクールマイヨール市街に繰り出し、ジェラートやピエモンテ名物グリッシーノをほおばり、ケーブルカーに乗ってモンブランからの絶景を楽しむなど、それぞれにリフレッシュもしている様子。
 また世界のトップ選手が合宿に訪れるというここ、フォーラム・スポーツ・センター。地元の子どもたちの間でもフィギュアスケートは大人気で、日本選手たちは記念写真やサインを求められることも。
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 明日はそんな子どもたちも楽しみにしているアイスショー、「ジャパン・オン・アイス」が開催される。初めて海外で行われるチームジャパンのエキシビション。陽気なイタリアのお客さんたちの前で、どんなショーを見せてくれるだろうか。

 クールマイヨール合宿でのインタビューは「フィギュアスケート日本女子シングルオフィシャルファンブック(仮)」(9月下旬 マガジンハウス刊)、「Cutting Edge2008 日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック」(10月下旬刊)に掲載されます。

photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima


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ドリーム・オン・アイス2007レポート 日本男子ここにあり!(2)

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 そして、この後に続く男子日本代表4人は、なんと全員が、振付師として活躍の場を広げるプロスケーター・宮本賢二振り付けによる新エキシビションナンバー。
 中庭健介は「マンボ」で怪しい色気を振りまき、会場中を一気に独自の世界に引き込んだ。衣装の胸元をはだけて見せ、投げキッスを送るなど、これまでのイメージとはかけ離れたセクシーな演出をも、彼らしく真っすぐに演じる姿に、観客は思わず微笑んでしまう。誰よりも彼自身がこのプログラムを楽しんでいることが、見る者の心に訴えかける。
 南里康晴は、アントニオ猪木の入場テーマ曲「炎のファイター」のピアノバージョンで、プロレスという雄々しい世界をしっとりと舞った。「闘魂」と背中に書かれた衣装、首に掛けた赤いスカーフ、随所に散りばめられた猪木を連想させるポーズと、猪木へのオマージュを表現。異色の作品ながら、上半身を大きく使ったステップなど、表現技術の進化を感じさせるプログラムとなった。
 織田信成はレッド・ホット・チリ・ペッパーズ「Around The World」で熱演。エアギタープレイから、神宮アイスメッセンジャーズのメンバーによるリフトまで、エキシビションならではのサービス精神溢れるエンターテイナーぶりを見せた。
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 トリを務めた高橋大輔は、ビョーク「バチェラレット」で新たな大輔ワールドを披露した。流れるスケーティング、野性を感じさせるダイナミックな演技。観客は息をのんで、彼の表現世界を堪能した。アンコールの「オペラ座の怪人」では、会場中が世界選手権の興奮の中に引き戻されたかのようだった。
 その熱を帯びたまま、フィナーレに。高橋大輔、ステファン・ランビエル、織田信成、中国ペアのホンボー・ツァオらをセンターに据えた出演者全員による群舞では、郷ひろみさながらの<ジャケットプレー>ならぬ<ジャージプレー>も見られた。日本ならではのアイスショーのスタイルが、また広がりをみせたようだ。
 欠場選手が続出したのは残念だったが、それによって、かえって日本選手の層の厚さとショーのレベルの高さを浮き立たせたのが、今年の「ドリーム・オン・アイス」だったのではないだろうか。ケガを治した選手たちも参加した、より華やかなショーを今後も期待したい。

text/Yukiko Oshima   photo/Takayuki Honma


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男子シングルフリー終了 織田信成6位 総合7位 ふたつめのフリープログラム(2)

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 真新しい衣装を身にまとい、真新しいプログラムを初披露した世界選手権フリー。前日のショートプログラムの失敗も影響しているのだろう。滑り出す前の表情は、硬い。笑ってはいるが、意識して口角を引き上げて、無理やり笑おうとしている。MIPはチャイコフスキーとは違い、彼のもともとの個性に合ったプログラムだ。ほんとうなら、もっと心からの笑顔で始められるはず。でも、緊張し通しの自国開催世界選手権、しかもプログラムは初披露。体はコチコチで、大きく天を仰ぐしぐさは、観ているものにまで大きな不安を伝えてしまう。
 それでも、最初の3アクセル-3トウ-3ループは見事に成功! ステップからの3サルコウ-2ループも軽やかに決め、これはひょっとしたら、新しいプログラムが彼をリラックスさせているのかな、と思う。選手は好きな音楽や心地よく滑れるプログラムでこそ、ジャンプにも集中でき、エレメンツも正確にこなせるのだという。織田信成がもし、シーズン中盤で失っていたジャンプの確実性を求めるためにプログラムを変えたのだとしたら、それはアスリートとして正しい選択だ。勝つためにプログラムを変える、フィギュアスケートがスポーツである以上、良くあることだ。実際この日、ジャンプに関してはルッツがお手つきになり、規定以上のコンビネーションを跳んでしまったこと以外は、ほぼパーフェクトに近かった。
 では、新しいプログラムはどうだったか? 力強くアピールするサーキュラーステップ、おなじみの映画音楽に合わせて存分に跳ね回る振付けなど、彼らしい明るさ、キュートさに溢れてはいた。だが、これは無理ないことなのだが、動きのひとつひとつがまだ彼の体に染み込んでいない。もっと滑り込めば、もっと大きく、もっと楽しく見せられるはずなのに……。
 せっかくの東京での世界選手権。できることなら、チャイコフスキーにしてもMIPにしても、何度も試合で滑り込んだ、自分のものにしたプログラムを観せてほしかった。
「でも、勝つためにプログラムを変えたわけではないんです。シーズン前半、特に全日本の時期は、自分に甘かった。全日本後、これからプログラムを新しいものにすれば、もっと自分に厳しくできるかな、強くなれるかな、と思って。前のプログラムが悪かったとは思っていません」(織田信成)
 フィギュアスケートがスポーツである以上、様々な要因で、プログラムを作品として完成させられないことは多い。私たちには計り知れない、戦う者だけの事情はたくさんあるのだろう。
 ある振付師は、せっかく気に入ったプログラムを作ったのに、そのシーズンに選手が怪我をしたため、数回滑っただけで作品がお蔵入りになってしまうこともある、と嘆いていた。また、たとえ皆に愛された名作であっても、1、2シーズン披露されたその後、目にする機会はほぼなくなってしまう。例えば荒川静香の長野五輪時のプログラム「赤い芥子」を、ぜひ今の荒川静香に滑ってもらいたい、そう願ったとしても、難しい。当時と今とでは、彼女のスケートの伸びが全く違うため、高校生の荒川静香が30秒かかってこなしていた動きを、今の荒川静香なら20秒で滑り終えてしまう。すると、あまった10秒に別の動きを付け加えなければならず、出来上がったものは元のものとはまったく違うプログラムになってしまうのだ。そこが、定番の演目が存在して何度も観ることが出来る、陸上のダンスや舞踊とは大きく異なる点だ。観られるのはそのシーズン限り、一瞬だけの輝きを、フィギュアスケートのプログラムは放つ。
 だからこそ、織田信成の新しいチャレンジだったチャイコフスキーも、本来の良さを発揮できる「ミッションインポッシブル」も、両方がもったいなかった――。これは、フィギュアスケートをパフォーミングアートとして楽しみたい、そんな視点だけから見た、勝手な意見だ。そして彼の演技に対してそう思うのは、織田信成がアスリートとしてだけでなく、パフォーマーとして素晴らしいものを私たちに見せてくれる、そんな選手だからだ。

photo/Masami Morita text/Hirono Aoshima

*織田信成選手へのインタビューは、月刊「清流」4月号、『フィギュアスケート男子シングル読本 COLORS』に掲載されています


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男子シングルフリー終了 織田信成6位 総合7位 ふたつめのフリープログラム

フィギュアスケーターは時に、自分の良さを捨てなければならないことがある。
どんな選手にもその人特有の持ち味があるが、そこにばかりこだわっていては、演技者としての幅は広がっていかない。毎年毎年同じ印象のプログラムばかり披露しても、「また彼は壮大な映画音楽か」「また彼女はしっとりした優雅な演技だね」と、だんだん飽きられてしまう。時には自分の個性とは違う一面も見せて、「こんな滑りも見せられるのか!」と思わせてこそ、一流のパフォーマーとなるのだろう。
 今シーズン、自分の個性を敢えて消し、新しい側面を開花させようと試みたのが、織田信成のフリープログラム「交響曲第4番(チャイコフスキー)」だ。織田信成は、コミカルな演技やキャラクターを演じることが、抜群にうまい。先シーズンの「座頭市」「セビリアの理髪師」、今シーズンのショートプログラム「Fly me to the Moon」。どれをとっても、キュートな振りやダイナミックな動きを体いっぱいで表現して、たくさんの人の笑顔と歓声を誘ってきた。
 でも今シーズンのフリーは、ストーリーにもコミカルな振付にも頼らず、彼のスケーティングの美しさを見せようというオーケストラ曲。彼にとっては大きな挑戦で、シーズン前半は「信成らしくないな」「彼の良さが出し切れていない」そんな演技を見せてしまうこともあった。
だが、手ごたえはあったはずだ。昨年12月、グランプリファイナルの公式練習。通して見せたフリープログラムでは、彼の大きな武器である笑顔も見せず、過度な感情表現もしなかった。それでも持ち前の力強いストロークで、オーケストラの大音響にも負けない巨大なうねりを氷の上に産みだしてしまう。体から、いつもの彼のものとは違う種類のパワーを搾り出す、そんな方法を、新しいプログラムにチャレンジすることで、織田信成は会得しかかっていたのではないだろうか。
しかし残念ながら私たちは、あの完成形のチャイコフスキーを試合で観ることはできなかった。全日本選手権終了後、織田信成はフリーを新プログラム「ミッション・イン・ポッシブル」に変更したのだ。

photo/Masami Morita text/Hirono Aoshima


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男子シングルショートプログラム終了 高橋大輔3位、織田信成14位

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 試合前の共同インタビューや記者会見では、笑顔も多くはしゃぎ気味だった高橋大輔と織田信成。彼らは実はリラックスしていたのではなく、襲いかかる緊張感を押し隠して、必要以上に明るくふるまっていたのかもしれない――そう思ってしまうほど、ふたりともが今シーズン最も納得できない演技を、ショートプログラムで見せてしまった。
 織田信成は最初のトリプルアクセルの回転が抜け、シングルアクセルに。さらに単独のフリップもステップアウトし、ジャンプはまさかの2ミス。しかし見ていていちばん辛かったのは、ジャンプの失敗よりも、その他のエレメンツやつなぎのパートに、織田信成らしい魂がまったく入っていないことだった。スケーティングにスピードがなければ、踊りのキレもない、何よりあの「うわあ!」とこちらが嬉しくなってしまうような大きな笑顔がない。
 もちろん、あれもない、これもない、そう感じてしまうのは、彼には本来、すばらしいキレやスピードや笑顔があるから。そんな彼を、いったい何がここまで追い詰めてしまったのだろうか。

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 続く高橋大輔は、出だしの3回転-3回転の着氷がやや乱れたものの、他は手堅くまとめて3位につける。しかし演技終了直後の彼の表情は、自分の不甲斐なさに怒っているように見えた。理想が高く、自分に厳しい彼のことだ。めったに心から満足した顔で演技を終えることはない。しかしここまで険しい顔、落胆や失望ではなく、怒りの表情を彼が見せたのは、初めてかもしれない。
「今期一番の緊張を感じて、今期最悪の演技をしてしまいました。あの演技でこの順位はラッキーだったと思います」
 確かに、場内の空気を根こそぎ持っていってしまうようなダイナミックなムーブメント、軽やかに情熱を表現するステップの自在さ、そんなものがこの日は影を潜めていた。しかしこれほそ大きなプレッシャーの中でもジャンプで致命的なミスをしなかったのは、精神の強靭さが今期飛躍的にパワーアップしたことの証明になるだろう。ほんの数年前には、苦手な全日本選手権だというだけでぽろぽろミスをしていた人だとは思えないほどの強さ。彼には自ら身につけたこの強さを、もっともっと誇ってほしい。そんな過去を振り返る暇など、いまの高橋大輔にはないかもしれないが。
「自国開催ということで、みんなの期待が大きくて……それに応えたかった。応えようとした欲が、一番大きな緊張に繋がってしまいました」
 いつもの彼の演技が出せなかった理由は、やはりそこにあった。前代未聞のフィギュアスケートブームのただ中の、地元開催世界選手権。テレビをつければニュースやCMで自分たちの姿が流れ、街中にはポーズをとった自分が溢れかえる。リンクに立てば大きな体育館を埋め尽くすほどの観客、無数のカメラ、マイクが取り囲む。中心にいる彼らにとってみれば、オリンピックシーズンを超えるほどの異常事態だろう。
 では、彼らから本来の輝きを奪ってしまったのは、私たち日本のファンや報道陣なのだろうか。過度な期待が、彼らをつぶしてしまったのだろうか。
 それは違う、と思いたい。彼らにとってもこのフィギュアスケートブームは必要なもののはずだ。たくさんの注目を集め、大きな話題になることで、スポンサーも練習場所も得、選手を続けていくための環境は整いつつある。良くも悪くも、彼らはこのブームとともに生きていかなければならない。もっと注目され、もっと愛されて、もっとスケートの素晴らしさを見せつけていかなければならない。この大きな波の中で生きていくための、強さを身につけなければならない。
 奇しくも同じ日にフリー演技を終えたペアのロシア代表、川口悠子は、日本よりもずっとフィギュアスケートの伝統が長い国で選手を続けていくことの過酷さを、こう語っていた。
「世界選手権の成績なんて、ロシアではたいした価値はないんです。ロシアのフィギュアスケーターはオリンピックで結果を出してこそ認められる。私もそのつもりです。そのくらい本気になって臨まないと、ロシアの人たちにはついていけないから」
 高橋大輔、織田信成、そして彼らに続く、今の時代を生きる日本男子選手たち。彼らはこの国のこのスポーツのこの種目の歴史の中で、いちばん大きな期待を背負い、いちばん大きなプレッシャーと戦っている。
 そこで生きていくための覚悟。高橋大輔と織田信成には、とっくに出来ていたはずだ。
きっと今は、「思ったよりきつかったな!」そんなことを思って、フリーでの巻き返しを誓っているに違いない。
「あとは自分に集中して――フリーでは何も考えずに、攻めるだけです!」(高橋大輔)

photo/Takayuki Honma text/Hirono Aoshima


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19日 日本選手共同記者会見レポート

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 46チームのうち、いちばんリラックスしているのは、彼らかもしれないな。
 そう思わせてくれたのは、今日も元気な日本選手団だ。
 長いオープニングセレモニー終了後も、疲れた表情を見せることなく男女シングル&アイスダンスの7選手が記者会見に登場。壇上では中野友加里選手が安藤美姫選手の髪を直してあげたり、髙橋大輔選手の音頭でウエーブが始まったりと、終始なごやかムード。というよりも、まるで修学旅行に来た高校生たちのようなテンションの高さを見せてくれた。
 熱戦を前にした各選手のコメントを聞いてみよう。

●織田信成選手
「シーズン半ばにはジャンプがぐらつき、思うようにランディングできない試合が続いてしまったので……。全日本後はその点を特に練習してきました。世界選手権では自分の満足のいく演技ができて、それに結果がついてくればいいな、と思います。去年は4位だったんですが、それは気にせず、前向きに行きたいです!」

●渡辺心選手
「国際大会に出始めて9年ぐらいになりますが、東京での国際大会は初めての経験です。いままでで一番いい演技ができて、いままでで一番いい成績が出せれば、と思います」

●木戸章之選手
「20年以上のスケート人生、これが最後の試合です。ひとつひとつの要素、ひとつひとつのステップに思いを持って、余裕を持ってできるように、細かく細かく練習してきました」

text/Hirono Aoshima


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COLORS2007 フィギュアスケート男子シングル読本 2月27日発売!

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2007東京世界選手権でいちばんエキサイティングな種目は、男子シングルではないだろうか――?
それでもメディア情報は、どうしても女子シングルに偏りがち。
お嘆きの男子シングルファンの皆さんに、今年も『COLORS』をお届けいたします。
昨年の「フォトブック」から「読本」へ。
今年は写真に加え、記事ページもさらに充実の内容です。

■巻頭言「チャンピオンのあるべき姿」 本田武史

■トップスケーター10人のフォト&インタビュー
高橋大輔 ステファン・ランビエール ブライアン・ジュベール エフゲニー・プルシェンコ
ジェフリー・バトル 織田信成 ジョニー・ウィアー エヴァン・ライサチェク
エマニュエル・サンデュー 小塚崇彦
*リラックスしたオフショットや少年時代の貴重な写真も満載!

■注目5選手紹介
アルバン・プレオベール 中庭健介他

■さらに注目! 国内外36選手紹介
南里康晴、セルゲイ・ドブリンから、羽生結弦、アルトゥール・ガチンスキーまで

■気になるあの人が男子シングルの現在と未来を語るインタビュー
藤森美恵子、リー・バーケル、田村岳斗、岡崎真、濱田美栄、薄田隆哉

「COLORS2007 フィギュアスケート男子シングル読本」あおば出版
2007年2月27日発売
定価 1900円+税
サイズ B5判 
オールカラー 128P

*同じくあおば出版の猫+俳句コラボレーション写真集『誰かいませんか』『逢いたくなっちゃだめ』(写真:板東寛司 選と文:青嶋ひろの)もこっそりおすすめです


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日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック『Cutting Edge2007』発売中!

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 昨年に引き続き、日本男子シングルトップスケーター10名のインタビューと写真を収録したファンブック『Cutting Edge2007』が1月、発売されました(予定より大幅に発売が遅れましたことをお詫びいたします)。

CuttingEdge2007 日本男子フィギュアスケートオフィシャル ファンブック
ダイエックス出版刊
A4判
定価 1,890円(税込)

■インタビュー
高橋大輔 「氷の上に立つからには、ナルシストでなくちゃいけない」
織田信成 「なにごともスケート中心。その点は僕、すごいですよ」
中庭健介 「まだまだやりたいことはたくさん。今、スケートがほんとうに面白い」
小塚崇彦 「最後まで絶対にあきらめない。この気持ちだけは大事にしたい」
南里康晴 「欲しいのは力強さ。伸びたり縮んだり柔らかくなったり硬くなったり、自在な強さ」
神崎範之 「研究を続けながらフィギュアスケートも続けてこられた、そのことは僕の誇り」
無良崇人 「スケートをやめちゃったら、今の友達もなくなっちゃう。今の自分もなくなっちゃう」
柴田嶺   「リンクに立つときは、完璧じゃないとイヤなんです」
小林宏一 「もう、人のことは気にしない。自分のできることをやれば、結果は必ずついてくるから」
岸本一美 「期待をかけられること、早く演技見たいといわれることが、辛かった」

■荒川静香、日本男子スケーターのここをチェック! 
■応援メッセージ FROM 恩田美栄/本田武史 

 選手たちの考えていることや感じていることを知れば、演技の見方は変わるでしょうか?
 スケートだけを純粋に楽しみたい方には、オフアイスの素顔やオフシーズンの裏話など、ひょっとしたら邪魔になってしまうものかもしれません。
 でも、あのきらきらした演技を見せる彼は、氷の上で何を考えているのか? 
 どんな練習をしたら、あんなに気持ちのいいスケートを滑れるのか?
 彼らのスケートを見ていたら、色々なことを聞いてみたくなって、この本は生まれました。

 言葉と写真で伝えられることは、彼らの魅力のほんの一部にすぎません。
 インタビューを読んで「がんばったんだなあ」と感じたら、その何10倍、選手たちはがんばっています。
 「辛かったんだな」と感じたら、その何10倍も辛かったのでしょう。
 そして、「なんて素敵な選手なんだろう」と思ったら、その100倍、彼らは素敵な選手たちです。

『Cutting Edge2007』を読んだ方の心なかで、選手たちを応援する気持ちがちょっとずつでも大きくなるといいな、と思っています。

*女子シングルオフィシャルファンブックも、予定とは少し違う形になりますが、発刊が決定しました。
こちらも大変お待たせしてしまったことをお詫びいたします。詳細が決定次第、お知らせいたします。


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男子シングルフリー終了 織田信成 3位(2)

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 実はこの日の朝、公式練習の織田信成のフリーが凄まじかったのだ。
 昨日のミスが悔しかったのだろうか、ひとりにつき一度だけの曲かけが始まると、練習とは思えない、鬼気迫るような表情で滑り出す。そのままの勢いで見せるのは、顔が真っ赤になるまで、体が千切れんばかりに回るスピン、明らかにトップコンディションのジャンプ。
 特にジャンプは、試合で何度も見た織田信成の軽やかなジャンプとは違っていた。巧みさにパワーも加わった、この人は、こんなジャンプも跳べるのか! と驚くようなトリプルアクセル。あ、これを今見られれば、たとえ本番で彼がアクセルを失敗しても、ロシアまで来た甲斐があったかもしれない、そう思ってしまうほど美しく、完璧なジャンプだった。
 そして何よりも驚いたのは、彼の見せたフリープログラムが、スケートアメリカでの演技ともNHK杯の演技とも、まったく別物だったことだ。
 NHK杯の時、すべてのジャンプを決めて見せたけれど、まだこのプログラムでは織田信成の良さを出し切れていないのでは、と思った。SPのように大人っぽくもコミカルな魅力満載のプログラムの方が、まだ彼に似合っているのではないか、と。しかし、そんなことはちっともなかった!
 公式練習で見せた彼のチャイコフスキーの力強さ! オーケストラがどんなに力強く鳴り立てても、小柄な体が全部跳ね返してしまうような勢い。そして、いつしか反発しあっていた音楽と溶け合ってしまうスローパート。
 そうか、織田信成のフリーはこんなプログラムだったのか。こんなチャイコフスキーを見せたかったのか。彼に合っていないなんて、とんでもない。振付けのデイビッド・ウィルソンは、間違いなく今の織田信成の力を最大限に見せ付けるプログラムを作り、それを演じ手も自身の体のなかで消化しきっている。

 そんな公式練習を見てしまった後――フリー本番では「もっと!」の声を上げずにはいられなかったのだ。
 織田信成は本番に強い選手だといわれている。練習以上の力を発揮できる勝負強さを持っていると。でも、それは違う。少なくとも今シーズンのフリーは、まだ50%しか持てるパワーを見せていない。
 日本チーム全員が崩れるなか、よくがんばった織田信成のファイナル。でも私は敢えて、一番がんばった人に「もっと!」と言いたい。
 彼ならばきっと、ほんとうの本番、全日本選手権や世界選手権では、今日以上のフリー、今朝の公式練習以上のフリーを、見せてくれるはずだから。

写真/Tsuyoshi Kishimoto(PHOTO KISHIMOTO) 文/Hirono Aoshima
 
*ISUのビデオに関しては2005世界選手権特集にも記事があります
*織田信成、高橋大輔選手らのインタビューが収録されたオフィシャルファンブック『Cutting edge2007』、ウェブ上での先行発売が始まりました


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男子シングルフリー終了 織田信成 3位  

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 何を書けばいいのか、正直に言えば少し混乱している。
 日本勢総崩れといってもいいほど、男女シングル、どの選手たちも力を発揮できなかったグランプリファイナルフリー。
 目の前で次々に起こったことが信じられない。そんな一日だった。

 悪夢のような一日、ただひとり安定した演技を見せてくれたのが織田信成だ。
 6分練習の前、彼は場内に流れるISUのビデオをじっと見ていた。男子シングルフリー、始まるよ! とお客さんに告げる1分弱のビデオでは、現在のフィギュアスケート界を代表する選手たちの、様々な名シーンが流れる。
「ビデオ、新しくなりましたよね。今年の世界選手権の演技も入ってて、自分の『セビリア』(昨シーズンSP)も映ってる! あれを見てテンションが上がりました。
 そのテンションのまま、リンク中央でいっぱいに手を広げ、織田信成の「チャイコフスキー交響曲4番」は始まる。
 最初のジャンプは、あの大きく足を振り上げた構えから始まるトリプルアクセル。慎重なモーションながら、3-3-2のコンビネーションで決める!
 ジャッジの前では、これから自分の演技を「見せてやる!」という宣言のようなポーズ。続くループジャンプも、カシッと氷を捉える音が聞こえるかのような、見事な着地。
 最後まで大きなミスは、ほとんどなかった。ダブルアクセルが崩れたことだけ残念だったが、他はいつもの「こいつは失敗しない」とライバルに羨ましがられる織田信成。昨日のSPでの2ミスなど、無かったかのような安定感だ。
 しかし――4分半の間ずっと、「もっと!」と心の中で叫ばずにはいられなかった。スピンはもっと回るはず、もっとパシッと軸が決まるはず、ステップはもっと迫力があるはず、もっとぴったりと音楽にはまるはず! 彼の体は、まだまだほどけきっていない!

写真/Tsuyoshi Kishimoto(PHOTO KISHIMOTO) 文/Hirono Aoshima


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NHK杯男子シングル終了 高橋優勝、織田2位、小塚3位!(1)

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「フィギュアスケート、日本は男子もこんなに強かったんですか?」
 日本の3人が表彰台を独占したNHK杯が終了して、たくさんの人にそう聞かれた。
 そう、強かったんです。
 ランビエール不在、チェンジャン・リーの風邪、いくつかの要因が重なったとはいえ、全員がほぼノーミスでショートとフリーを終えた日本男子3人。海外の有力選手がいたとしても充分戦えていただろうし、大会前から期待された女子以上のエキサイティングな戦いを、3人の日本男子は見せてくれた。

 優勝した高橋大輔は4回転やトリプルアクセルの成功も素晴らしかったが、ジャンプ着地後すぐさま滑り出すスケーティング、そのスピードに圧倒させられた。ステップはいつも興奮を呼ぶ終盤のストレートラインだけでなく、中盤のサーキュラーからダイスケワールド全開。プログラムのどの部分にもすべてに思いを込めた演技で、今季最高の「オペラ座の怪人」を見せてくれた。
「でもジャンプは跳べたけど、スピンやステップは雑だった。そのあたりが今後の課題かなと思います。今回は相当疲れていて……ステップではもう、体が動いていなかったんですよ」(高橋)
 誰もが至福を感じた演技、本人はまだまだ満足していないようだ。

 試合前、声もかけられないほど緊張し、滑りだす前もガチガチの顔をしていた織田信成。いつものことだが、この人は音楽がかかった途端、別人のような安定した滑りを見せてしまう。
 コンビネーションで決めたトリプルアクセルももちろん素晴らしかったが、トリプルルッツ-ダブルトウで見せた信じられないほどの飛距離と、着地後の流れ。この人のジャンプは本当に絶品なのだと改めて唸ってしまう。
「こういう演技をいつでもできるって自信を、今はつけなくちゃいけないと思います。そんな意味でもNHK杯はいい大会になりました」(織田)Img_3655s
 脚上げのアップライトなど複雑な形も、スタンダードなポジションも。得意なスピンはどんな形でも速度を落とさない。ジャンプだけでなく技のすべてが端正で、ジャッジの評価も+1、+2が続々とついていく。
 ただ、マイムや派手な演技のない、クラシック曲の美しさを表現する今年のフリープログラム。まだまだ織田信成だけの魅力は出し切れていないかもしれない。今のところはコミカルな動きを交えたSPの方が彼本来の持ち味が出ているよう。しかし日々進化をやめない彼のことだ。世界選手権のころには、フリーでこそ、真のノブナリが出せる、そんなプログラムに仕上げてきてくれるだろう。

 3位の小塚崇彦は、先輩ふたり以上に、初めてのNHK杯を楽しんだのではないだろうか。
 序盤のトリプルアクセルを成功してからは、俄然勢いを増し、軽やかでなめらかな滑りには見入ってしまうほど。ほぼ確実に決めたジャンプ、評価の高いスピンやステップもさることながら、彼のプログラムで注目したいのは、採点されるエレメンツではない部分だ。ピアノの調べに乗り、後半にゆったり見せるイーグルからスパイラルへのムーブインザフィールドなど、何げない動き。そんなところにまで心配りが出来ている、とてもシニア一年目とは思えない完成度の高さだ。
 ノービス時代から敵無し。クラスをまたいで4年間全日本ノービスを制覇し続けた逸材が、高校3年生にして早くもNHK杯の表彰台に駆け上がっていった。おそらく今大会で初めて演技を目にした人もいるだろう小塚崇彦、この名をぜひ、多くの人に覚えてもらいたい。

写真/M.Morita 文/H.Aoshima


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男子シングル終了! 織田信成フリー5位 総合4位!

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 ああ、こんなふうに体が動けたら、どんなに気持ちがいいだろう?
 織田信成、世界選手権最後の演技。フリーの「座頭市」、最後のサーキュラーステップシークエンスを見ながら、彼に対して感じたのは、憧れの気持ちだった。
 ジュニアのころから小さな身体でがんばってきて、出られなくて悔しがった年もあった世界ジュニアに、昨シーズンは涙の優勝。シニアに上がった今シーズンは、スケートカナダで、NHK杯で、ファイナルで、全日本で。どんな結果でも見せた、子供のような大泣き。そんな織田信成に対しては、がんばっている若いスケーターを暖かな目で見守る、そんな気持ちにいつしかなっていたような気がする。
 でも、この日。初出場の世界選手権フリーで、世界最高のスケーターたちとともに最終グループを滑る彼の演技を、「見守る」ことはできなかった。
 確かに予選に比べるとジャンプの出来はよくなかったし、点数も136.73。予選で出したパーソナルベストから8点以上下がってしまった。でも、世界選手権を予選、ショートと戦い抜いたことで、織田信成は確かに昨日までとは変わっていた。
 ジャンプとジャンプの間をつなぐ動きからは、これまでにないほど静謐な空気が生まれている。この日、ジャンプを降りるときにスケート靴が生む「トン!」という心地よい音が、ほんとうにはっきりとサドルドームに響き渡った。こんな軽やかな音をジャンプの着氷で作り出すことができるのは、世界でもきっと織田信成だけ。そしてその音が、この日の「座頭市」前半に彼が作りった張り詰めた雰囲気に、たまらなく合っていた。「トン!」という小さな音が響くたびに、ぐっと彼の世界の中に引きずり込まれるような気さえする。
 そして後半、音楽が高鳴る中の、ストレートラインステップ。一緒に最終グループを滑ったランビエールやジュベールのような、また国内で激しい競争をしてきた高橋大輔のような力強さはなかった。でも、「こんなふうに動けたらいいのに……」「私たちにはどんなにがんばっても彼のようには動けない」そんな切なさと憧れがまざったような思いを、私には抱かせてくれた。
 もう織田信成は、隣に住んでいる楽しいお兄ちゃんでも、陽気なクラスメートでもない。暖かく見守るべきヤングスケーターでもない。
 ほんとうに選ばれたスケーターだけが立てるフィールドに立ち、ほんとうに選ばれた人間だけができるパフォーマンスを見せられる――世界選手権で、彼は、そんな選手になったのだ。

 帰りのバスの中、フランス人の記者が私を見つけると「ノブナリ! ノブナリ!」と良くわからない言葉でだーっとまくしたて、両手をつかんでぶんぶん振り回し、大きくにっこり笑った。たぶん「ブライアンも素晴らしかったけれどノブナリも良かった。きっと次はもっといい試合ができるぞ」と言っているのだと思う(たぶん)。
 ランビエールの優勝でニコニコ顔のスイス人記者も「ノブナリも素晴らしかったわ! 彼はまだ若い、これからなんて楽しみなのかしら。でも、日本人のもうひとりのスケーターはどうしたの。そう、ダイスケ! 彼は?」
 日本男子シングルはひとつしか出場枠がないから、トリノにはダイスケが行って、カルガリーにはノブナリが来たんだよ、と説明すると、「なるほど!」と。
 そこで気がついた! 織田信成のがんばりで、来年は再び、世界選手権にふたりの男子選手を送り込むことができる。「来年は、東京ね。ちょっと私たちには遠いけれど、楽しみにしているわ」
 そうだ、1年後の東京世界選手権。もうすでに、ノブナリのこともダイスケのことも待っている人々が、ここにはたくさんいる。いやきっと、世界中にたくさんたくさんいる。(青嶋)

写真/森田正美


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オフリンクの日本チーム

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熱戦が続く2006世界選手権。選手であると同時にスケートファンでもある日本チームの面々は、練習の合間を縫って熱心に試合観戦も。練習仲間やライバルたちに大きな声援を送っていた。
仲良くいっしょに観戦していたのは今大会のミラクルボーイ&ガール、織田信成選手と中野友加里選手。
ペアフリー、アメリカ代表の井上怜奈選手に「がんばれ!」。
すっかり人気者になったふたりには、地元の子供たちが写真撮影をせがむ場面も。
織田選手、なんだかかわいい帽子をかぶってます。

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一方こちらは、予選終了直後の恩田美栄選手とジョゼ・シュイナールコーチ。パーソナルベストを出したカナダのミラ・リャン選手に「すごいねえ!」と手放しで拍手。「でも、ショーと見ててね! がんばるから」と力強い言葉を残してドロー会場に向かっていきました。

さて、フィギュアスケートにすべてを捧げている「スケートの鬼」こと、村主章枝選手の姿は? 
「試合、すごく見たいんですよ! でも自分の出番の前に他の試合を見ちゃうと、興奮して夜眠れなくなっちゃう」じゃあ、女子の試合がもっと早く終われば、ゆっくり試合を楽しめるのにね。「そうですね! そうしたらもっとスケートを研究できて、もっと上手になれるかも」


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男子シングルショートプログラム 織田信成3位 総合2位!

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 デイビッド・ウィルソンによる「セリビアの理髪師」はほんとうにいいプログラムだと、今日(3/21)の織田信成の演技を見て思った。
 昨日、リズムを取り戻したトリプルアクセル、ルッツとトウループのコンビネーション、トリプルフリップと、すべてのジャンプを軽々決めると、明るい音楽に自然に身体を揺らしていたお客さんも大喜び。海外のテレビブースに座るコメンテーターが「初出場の選手です! それなのにこの信じられない集中力!」と手放しでほめている。
 昨日はあんなにガチガチだったのに、今日はもう世界選手権に慣れてしまったの? そんなふうに見えるほど、何の乱れもなくこなすジャンプ。自在に動く身体。あとで中野友加里が語っていたのだが、緊張に苦しんでいた彼女に対して織田信成は「僕もすっごく緊張したけど、案外平気だったよ。大丈夫大丈夫!」などと言って励ましたのだそうだ。憎らしいほどの、この勝負度胸!
 そして彼の「セビリアの理髪師」の見せ場は、いちばん緊張する3つのジャンプをクリアしたあとに始まる。コミカルなマイムでお客さんをどっとわかせたあとは、手を差し伸べるようにして踏み始めるサーキュラーステップ。小柄な織田信成が身体も顔の表情もいっぱいに使って踏むほんとうに楽しげなステップに、彼が近くまで滑りよってくるリンクサイドのお客さんは大喝采を送る。最後のスピンで赤い衣装が鮮やかに回リ始めると、もうお客さんたちは手をたたきながら立ち上がっている。
「素晴らしかったわよ!」
 カナダのお客さんたちは彼に言う代わりに、日本人の私たちを思い切り祝福してくれた。
 世界ジュニアで優勝を決めたのもカナダならば、初めてグランプリシリーズに出場し、表彰台に上ったのもここ、カナダ。ふだんの練習時間の多くをカナダのリンクでとっている彼、そして世界選手権に彗星のように現れた彼は、もうこの国のお客さんたちにとってはすっかりおなじみのスケーターになった。

「ほんとうに初めてなので、順位のことはあまりに気にしないで出来たかな」
「カナダのお客さんがすごく盛り上げ上手なので、楽しかったです。楽しくって、表情から演技に入っていくことができました」
「予選一位がすごく自信になって……。それで満足しちゃいました。もうショートで失敗してもいいや、って」

 演技後のインタビューでも、これ以上ないくらいのにこにこ顔。まるで何回も世界選手権に出ている選手のように、余裕たっぷりだ。もう、彼のことは心配いらないような気がする。残るフリー。あとは彼自身が存分にこの場を楽しみつくしてくれることを願うばかりだ。
 でもひょっとしたら……。オリンピック直後の世界選手権は、毎回思ってもみなかった新しい世代のスターが生まれ、これから始まる新しい時代の到来を告げる大会になる。今回、この世界選手権を代表するスターのひとりに、織田信成はなれるかもしれない。(青嶋)

写真/森田正美


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女子3選手の調子は? 織田信成選手への評価は? 城田憲子強化部長共同インタビュー(2)

<織田信成選手 予選1位通過について>
――織田選手、本番に強いですね!
城田 ほんとに……織田家の血かしら(笑)。今日の公式練習ではバラバラだったんですよ。6分練習でも、ジャンプがぼろぼろ。あそこから、よく立て直してきたと思います。もう、彼の状態は普通の緊張ではなかった。滑る前は涙を浮かべていたくらいです。

――やはり初出場はきつい?
城田 それに加えて彼は、ひとりで戦う厳しさを感じていたと思います。世界選手権という試合の大きさにも、きっと驚いたんじゃないかな。でも彼のいつものペースで、緊張を力に変えてがんばってくれた。彼は素直さと「やらなきゃいけない!」という気持ちを常に持っているところが強み。緊張しながらも頭はフル回転させて、冷静に判断しながら氷の上に立つことができる。その強さで今シーズンはファイナルまで行ったんですから!

――強化部長から見て、今日の出来は満点ですか?
城田 スピンでレベル4が取れるはずのところで、レベル3になってしまったのは残念! 次はここでもレベル4を狙ってくれるでしょう。それに、まだ試合は残っていますからね。次はショートプログラム! ここで気を緩めることなく、ひとつひとつ戦ってほしいです。でも今日でトリプルアクセルのリズムも戻ってきたようだから、このままいってくれれば……。

――このままの調子でいけば、2位で来年の3枠獲得などということも……?
城田 だめだめ、あおらないでくださいよ(笑)。次はショート、そしてフリーとひとつずつクリアしていくことだけ考えなくては。なんといっても、リンクに立つのは彼ひとりですから。織田君にとってはこの大会の緊張感は、きっとオリンピック以上でしょう。そんななか、今日は本当に立派にやってくれました。これからきっと、さらに山あり、谷あり。こうしてひとつひとつ、4年後につなげていければと思っています。

 報道陣の間では、予選一位通過は日本男子シングル初では? と話題になったが、「だめですよ、僕がとってますよ」とテレビブースにいた本田武史さんから笑顔でクレームが。ということで、02年長野世界選手権の本田武史以来、4年ぶりの快挙! でも本田武史さんも、カナダの同じリンクで練習している後輩の大活躍にうれしそうに目を細めていました。(青嶋)

*世界選手権開幕記事、織田信成選手インタビュー記事に写真を追加しました


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「I'm so happy!」  織田信成選手 予選終了後の共同インタビュー

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――滑走前は緊張していましたね。
織田 ほんとに緊張してました! 手なんか、ものすごく震えてたんですよ。6分練習で何回も失敗してしまって(トリプルアクセルで転倒、その後2度再挑戦するもダブルアクセル、シングルアクセルに)、そこでさらに自分で自分にプレッシャーをかけちゃった。
――でも本番は素晴らしかった!
織田 I'm so happy! すごくうれしいです。初めてトリプルアクセルを2回入れられたのが満足です。それが今シーズンの目標だったから。練習はたくさんしたし、その成果が出たかな? 曲が流れた後は「練習どおり!」をイメージして。そうしたら練習以上のことが出来たのでびっくりです。
――世界選手権出場が決まってからは、かなりの練習を?
織田 とにかく4大陸選手権の内容がショックだったので……。それを克服するために一日一日がんばってきました。そのことを思い出せたかな。でもまだ今日は予選。本番は明日以降なのでがんばりたいです。がんばって走りすぎて、あと2回はボロボロになるんじゃないかとちょっと心配だけど(笑)。
――これで予選B組は一位通過です。ということは……?
織田 ショートプログラムは最終グループ! めちゃくちゃ緊張すると思うけど……。緊張をバネにしてがんばりたいです。
――現時点でバトルよりもジュベールよりも上ですよ!
織田 うわあ、どうしよう?? めっちゃプレッシャーですよ! もちろん実力では彼らのほうが上です。僕はもう、自分のできること、自分のしてきたことを出すだけ。明日はあんまりまわりを見ないで滑りたいです。ああ、でもこの雰囲気のまま、もう日本に帰りたい!(一部英語による受け答え)

日本の報道陣に囲まれる前に、まずはたくさんの海外プレスに長時間囲まれていた織田信成選手。立派に英語でのインタビューにも答えていた。汗をだらだら流しつつ、「I'm so happy!」をほんとうにうれしそうに連発! (青嶋)

写真/田村明子(ふたつ目のトリプルアクセルを成功させた瞬間の織田信成選手)


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織田信成 予選B組1位通過! トータルでもランビエールに続いて2位!

「織田君、ものすごく緊張してるらしいよ」
 試合前、報道陣の間にはそんな話が駆け巡っていた。
「ここが世界選手権だと、予選前から気がついてしまったらしい」
「オリンピックとは違って枠のかかった試合、たったひとりで初出場は負担が大きいよね……」
 案の定、リンクに出てきた彼はカチカチだった。試合前に手を握って励ましたという城田憲子強化部長が「あんな冷たい手をした選手は初めて」というほどの緊張感……。
 でも今シーズン、私たちは緊張でカチカチの彼しか見ていないような気がする。シニア初試合だった10月のジャパンインターナショナルチャレンジから始まり、グランプリシリーズに初参戦、ファイナルも初出場、全日本で優勝がかかったことも初めて、シニアのチャンピオンシップ・四大陸選手権も初出場……。何もかも初めてずくしだった今シーズン、緊張感にさいなまれなかった試合など皆無だった今シーズン。でも織田信成はさまざまな「初めて」を越えて、ここまできた。
 彼ならば、きっと……。
 心配しながらも、ついわくわくしてしまう私たち。そんな期待に、しかし彼は目いっぱい応えてくれた! 
 出だしのトリプルアクセルからオッケー! しかも後ろに3回転トウ-2回転ループをつけてしまった! 続くトリプルルッツ-ダブルトウも成功! すごい!
 さすが四大陸チャンピオン、と、さっきまでの心配はどこへやら、大きくうなずいてしまう。
 静けさをたたえた音楽が続く前半、人々は彼の流れるような滑りを息を呑んで見守っている。そこに二度目のトリプルアクセル成功! お客さんたちは待ってましたとばかりの大歓声。織田信成を囲む観客の雰囲気も、素晴らしくいい。見るところはじっくり見て、ビッグなジャンプの成功には大喝采! でも、音楽が盛り上がる終盤のステップではもう、思い切り手拍子していい。お客さんたちは待ちかねたように大きく手を叩き、彼の背中を押した。
 最後のステップは、ちょっとスピードがなかったかもしれない。でも、ひとつひとつの動きをかみしめるようなステップ、自分の進む道を探っていくような、来た道を確かめるようなステップ。これには、あまりにもいろいろなことがありすぎた今シーズンの彼の姿を象徴しているようで、なんだかじーんと来てしまった。彼自身はといえば、もうはちきれんばかりの笑顔で、一歩一歩を楽しみながら進んでいただけなのかもしれないけれど。
 そして演技終了後、カナダの観客たちが彼にくれたのは、惜しみないスタンディングオベーション! 
 少し前に滑った地元のエース、バトルへのスタンディングオベーションよりもっと大きな波が、リンク中央に呆然として立つ彼を包んでいた。さらにさらに、順位は驚きの1位!
「泣いてる? 泣いてる?」
 大喜びでミックスゾーンにとんできた報道陣は、キス&クライの彼の表情を気にした。
「もう、練習以上のことが出来てびっくりです。でもまだ予選なので、ここで涙は見せられません(笑)」
 涙を見に来た私たちに、そうはいかないよ、という表情!
 織田信成、初めての世界選手権。たったひとりの世界選手権。
 それは、大粒の涙ではなく、大きな大きな笑顔で始まった。(青嶋)

*前記事に中野友加里選手の声を追加しました


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いよいよNHK杯! 公式練習フォトレポート(1)織田、本田、高橋それぞれの思い

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織田信成の世界ジュニア優勝、高橋大輔のスケートアメリカ優勝、小塚崇彦のジュニアグランプリファイナル優勝。
この一年、大きな大会で表彰台の一番高いところに複数の選手が立っている日本男子。しかも10代の若い選手たちの活躍が目立つ日本の男子シングルは、今、世界一勢いがあるといっていいだろう。しかし、この充実のシーズン、トリノ五輪に出場できる選手はたった一名のみ。
女子シングルが長らく「国内で勝てば世界で勝てる」と言われてきたが、今はこの言葉がそっくりそのまま男子シングルにあてはまるかもしれない。
NHK杯では五輪代表候補3人、本田武史、高橋大輔、織田信成が10月のジャパンインターナショナルチャレンジ以来、2ヶ月ぶりに顔をあわせる。
女子以上に熾烈な生き残りレースが繰り広げられるこのNHK杯、3人それぞれに大きな思いが秘められている大会だ。

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織田信成にとっては初めてのNHK杯。国内で毎年開催される唯一の国際大会に対し、選手たちの憧れは強い。限られた選手しか出場が許されないこの大会に、シニア最初のシーズンにして参加が決まったことを、織田信成はインターネットで知ったという。「NHK杯なんてもう、あこがれ中のあこがれの試合ですよ! 選