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この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
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フィギュアスケート特集

別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~ 本日発売!

Kadokawa 髙橋大輔、ジェフリー・バトル、ステファン・ランビエールなど世界の男子シングルスケーターを特集したメモリアルブックが、本日発売になりました。

別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~ 
発売日:2008年4月19日
価格(税込):1800円
A4判  オールカラー112ページ
発行:角川ザテレビジョン
発売:角川グループパブリッシング
※ジャパンオープン2008会場、アイススペースブースなどでも数量限定販売
※書店ではスポーツ誌コーナーのほか、テレビ誌のコーナーでも販売

【contents】
巻頭特集30ページ 髙橋大輔

10000字独占インタビュー

トップスケーターへのインタビュー
ジェフリー・バトル、ステファン・ランビエール、ブライアン・ジュール、ジョニー・ウィアー、エヴァン・ライサチェク、小塚崇彦、南里康晴、中庭健介、羽生結弦

スペシャル対談
髙橋大輔VS中野友加里
南里康晴VS小塚崇彦
長光歌子VS河野由美
長久保裕VS田村岳斗

インタビュー 
宮本賢二、佐藤有香、アントニオ・ナハロ、アレクセイ・ミーシン、村主章枝ほか

「バンクーバー五輪、いちばん楽しみなのは男子の戦い」と、ニコライ・モロゾフ氏も語るように、今もっとも目が離せない種目、男子シングル。来シーズンの開幕が今から待てないファンの皆さんにお送りする一冊です!

*スケートまったく関係ありませんが、写真家板東寛司さんとライター青嶋の本、『逢いたくなっちゃだめ』『誰かいませんか』が文庫になりました。ついでにこっそりおすすめです。


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南里康晴選手、社会人スケーターへ

Yasufukuya_mg_8563  今年で中村学園大学を卒業する南里康晴選手。4月からは辛子明太子の老舗「ふくや」への就職が決まり、社会人選手として競技生活を続けることになっている。試合後のインタビュー取材時には、かわいらしい明太子があしらわれた「ふくやジャージ」も披露。企業所属選手としての意気込みを聞いた(フリー後の共同インタビューより)。

――ふくやさんからオファーがあったのはいつごろですか?
南里 国体が終わった後くらい。2月ですね。

――所属選手に、という話を聞いて、いかがでしたか?
南里 うれしかったですね! 大学の友達みんな、就職活動をしていて、「決まったよ!」なんて電話もよくもらっていたから。僕はそういう活動もせずにスケートの練習を続けていて、4月からは特に何の変化もなく、ただ練習を続けていくのかな、となんとなく思っていました。そこにこうしてサポートしていただけるお話をいただいて、みんなと違う形だけど就職が決まった。友人たちも一緒に喜んでくれました。

――社会人選手として、どのような形で選手生活を送る予定ですか?
南里 まだ詳しいことはわからないですが、オフシーズンは昼ごろまで会社に出て、お手伝いさせてもらって、それから陸上トレーニング→氷上練習、という毎日になると思います。日本に帰って、会社に世界選手権の報告をして、いろいろ話を聞いてくるつもりです。

――もしこの話がなかったら、どんなふうに選手を続けるつもりでしたか?
南里 バイトしながら、スケートを続けるつもりでした。両親には苦労ばかりかけているので、少しでも自分で稼ぎながら続けたい、と。だからこんないい話をいただいて、すぐに首を縦にふったんです(笑)。

 フィギュアスケート選手にスポンサーがついたり、社会人選手として競技が続けられたりすることなど、ほんの数年前には考えられなかったこと。スケートブームでこのスポーツに関する様々なことが、ここ数年で大きく変わったが、こうした朗報は本当にうれしい。
 これまでも荒川静香さんや村主章枝選手、安藤美姫選手らが企業のサポートを受けてきたが、南里選手や昨年から邦和スポーツランド所属の鈴木明子選手らは、新しい形での社会人スケーターの先駆けとなる。
 自らの手でつかみとったサポート環境。年齢的にはベテランの域に達する彼らだが、こうしたシステムを次の世代につなげて行けるかどうか、彼らのがんばりに期待したい。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 

*南里康晴選手へのインタビュー&スペシャル対談は、4月発売予定の別冊ザテレビジョン 男子フィギュアスケート~2007-2008メモリアルブック~に掲載予定です


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男子フリー終了 南里康晴17位、総合19位「たどり着いた場所、待っている場所」

Yasu_f6i2515_2  初めての世界選手権、フリーでの演技終了後。 南里康晴はいつになく饒舌だった。

「6分間練習の調子が良かったので、アクセルへの不安はそれほどなくて。でも『昨日みたいなことになったら……』という気持ちはやっぱりありました。そういう状態で2本のアクセルが決まったので、今度は気持ちにゆるみが出てきてしまった。アクセル2本、きれいに入ったのは今シーズン初めてです。それでうれしくなって(笑)、ゆるんで、他のジャンプでステップアウト。また焦って、またその後、立て直して……」

 ひとつひとつのジャンプ、その時のひとつひとつの気持ちを、口に出して確認せずにはいられなかったのだろう。そこにいるのは、昨日までの落ち着いた南里康晴ではない。今日は、大きな試合を精一杯やり遂げた高揚感でいっぱいだ。

 しっかり氷をつかんで跳ぶ二本のトリプルアクセルも、たくさんのターンと大きな体の動きでホセの雄々しさを表現するステップも、呼吸を制御しながら複雑なポジションで回るスピンも。すべてを彼は、この場所に立つために、必死になって身につけてきた。全日本選手権で3位までに入って、世界選手権代表権を獲得するため。そのためだけに一年間、すべての気力を氷にぶつけてきたのだ。

 世界選手権に出るために得たたくさんのものを、こうして世界選手権で見せられる喜び。彼は全身で感じながら「カルメン」を滑りきった。ミスは少なくなかったが、今期のベストスコアも更新できた。

「会場の雰囲気も良くて、変なプレッシャーを感じず、伸び伸び楽しめました。全日本は楽しむよりも『やらなきゃ!』の気持ちが大きくて辛かったけれど、世界選手権は違う。楽しめる場所でした」

 しかし来シーズン、彼がもう一度ここに立つためには、またさらに多くのものを得なければならない。今回出場のならなかった織田信成は、海外でいい練習を積み、着実に進化しているという。今シーズン、最後まで南里康晴と競ったベテラン、中庭健介だって黙ってはいない。後輩の柴田嶺や無良崇人も、さらに伸びる可能性を持っている。彼が楽しんだこの場所に、「次は俺だ!」と、たくさんの優秀な選手たちが次に立つことを狙っているのだ。

「そうですね。来シーズンも、自分にとって試練の一年になると思います。今年のように自分のやるべきことを全部やっても、相手の方が上だったら……負けてもしょうがないという気持ちになるかもしれない。でも、黙って追い越されるわけないは行かないです。逆に自分が上を追い越せるように、努力するしかない。大きな試練だけれど、それを乗り越えたら、この舞台が待っていてくれるって、わかりましたから。頑張りがいが、あります!」

 南里康晴の「カルメン」は、最後の瞬間、ホセが自らの命を絶つイメージだと聞いたことがある。でも今日、氷上のホセは最後のポーズで差し伸べた手を、荒い呼吸に苦しみながら、長い時間、宙に保った。伸ばされた手は、しっかりと守る人々の目に焼き付いた。

 あの手は、誰に差し伸べようとしていたのだろうか? 何を得ようとしていたのだろうか? 恋に破れたホセではなく、世界選手権で何かを得た南里康晴が、さらに先にいる誰かの後姿をつかもうと、さらに欲しい何かを得ようとしている姿に見えた。

photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima 

*南里康晴選手へのインタビューは、4月発売予定の月刊ザテレビジョン別冊フィギュアスケートムックに掲載予定です


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男子シングルSP終了、南里康晴20位 22歳の初陣

Yasumma_3849s  公式練習でも、滑走順の抽選でも、オフアイスでも。
 イエティボリで会う南里康晴は、いつも穏やかな表情で、落ち着いて見えた。
「世界選手権、スゥエーデン……絶対に行きますよ」
 夏の日本代表合宿のころから、ひたすら目標にしていた場所に来て、もっと高揚していても、もっとそわそわしていてもいいはずなのに。いたって普通に、普段どおりに、飄々とした雰囲気で北欧の街にいる彼を見るのは、なんだか不思議だ。まるで世界選手権ではなく、福岡の街を歩いているように、興奮するでもなく、不安に陥るでもなく、いつもの南里康晴がそこにいる。

 ショートプログラム後も、「もちろん少しは緊張しましたよ。でも、全日本のフリーの時のようなガチガチではなかったです」と、落ち着いたもの。同じ滑走グループに、ベルットソンとシュルタイス、ふたりのスェーデン人がいて、客席は6分練習から大歓声が場外にも聞こえるほどのお祭り騒ぎだった。そんな雰囲気さえも、「盛り上がりぶりに、最初は『すごいなあ』と驚いたけれど、滑っているうちに『気持ちいいなあ』と思えてきました。滑っている間も、声援に後押ししてもらった気もします」と振り返る。
 初めての世界選手権とはいっても、彼も大学4年生、22歳。ジュニアでもシニアでも、国際試合を何度も経験し、歩みは遅くとも、立ち止まったり後戻りしたりすることなく、ひたむきにフィギュアスケートに打ち込んで、今、ここに立っている男だ。
 唯一、「跳ぶ瞬間、きのうの真央のアクセルが頭をよぎって」、得意のトリプルアクセルがシングルになるミスは痛かった。しかし、「アクセルが抜けた瞬間、リンクサイドの先生の顔をちらって見ました。そうしたら先生も『ああっ』て顔をしてた(笑)。でも、この先はちゃんとやらないと! って気持ちにすっと切り変われたから……最後までスピンもステップも、しっかりできたと思います」
 やはり南里康晴、落ち付いている。この精神状態なら、もしもアクセルのアクシデントがなければ、かなりのいい結果が出たのではないか、と思った。
 そしてフリーも、この調子ならば期待できるのではないか、と思う。
 SP「月光」のサーキュラーステップでは、クラシック曲ながら手拍子が自然に、静かに、客席から湧きあがった。初めての大きな舞台でも自分を見失わず、彼がやるべきことをショートプログラムでやりとげた証しだ。
 明日のフリー、「カルメン」では、さらに落ち着いて、大観衆の熱狂を、さらに心地よく感じて。
 ひとつずつ階段を上ってたどり着いた世界選手権という舞台を、彼ならばきっと楽しんでくれると思う。

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 


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「スウェーデン、物価高すぎです」 男子SP直前! 南里康晴選手コメント

Nanri_12e3609 ――滑走順も決まり、いよいよですね。
南里 はい。自分のやるべきことをしっかりやって、あとの日本選手につなげられたら、と思います。

――後半グループの4番目。この滑走順については?
南里 順番のことは、そこまで考えていません。どの順番で滑りたい、という気持ちもなかったので。

――落ち付いていますね(誰かさんに比べたら)。
南里 まだ試合って感じがしないんですよ。たぶん明日くらいから、気持ちも上がって来ると思います。今日はリラックスしながら練習しようと思ってます。

――今回は振り付け師のパスカーレ・カメレンゴ(アイスダンス・ファイエラ&スカリ組のコーチ)さんも来ていますね。
南里 「よく来たね、ここに!」みたいなことを言われました(笑)。練習見に行くよ! って言うんですが、まだ来てくれていないので、今日あたりは見に来てくれるのかな?

――ショートプログラムは、カメレンゴさんの名作、「月光」ですね。
南里 今シーズン最後のショートなので。今までやってきたことすべてをぶつけて、思いきって滑りたいと思います。

――スウェーデン、イエティボリに来たことは、楽しんでいますか?
南里 昨日の練習をオフにして、街に行きました。買い物をしようと思って行ったんですけど……高すぎて何も買えなかったですよ!

 淡々と、いつもの調子でインタビューに答える南里選手。この、いちばん日本男子らしいシャイな彼が、氷の上でどんな情熱をほとばしらせてくれるのか? 今夜のショートプログラムは、日本男子の後輩たちをも痺れさせたマスターピース「月光」。必見です。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 


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世界選手権直前! 佐藤有香さんからのエール(2)

Yasuharuimg_2731s ――今年は中野選手、小塚選手と、佐藤信夫チームから2名の選手がエントリーしています。女子で複数出場したことはありますが、複数のカテゴリーに選手を送るのは久しぶりでは? 信夫先生、久美子先生にとっても大変な大会になりそうですね。
佐藤 でも、女子と男子に選手が分かれていた方が、指導はしやすいかもしれないですよ。二人の選手が同じ公式練習で滑ったりすると、コーチもこっちを見て、あっちを見て、こっちに指導しているときにあっちも何か大事な練習をしてる……となってしまいますから。でも佐藤組、私が言うのもなんですが、いいチームになっていますよね! 先生と生徒の信頼関係というのは、すごく大事なもの。それがしっかり築けたチームは、結果がちゃんと出てきますから。

――選手たちとともに、キス&クライの佐藤夫妻の様子も、ぜひ注目してみたいですね。今年の世界選手権代表ではさらにもうひとり、九州の南里康晴選手も、夏の間の有香さんの指導が大きかったと語っています。パスカール・カメレンゴさんの振付け指導を受ける際、同じリンクの有香さんに通訳をお願いしながら、いろいろなことを学べたとか。
佐藤 南里君はほんとうにまじめで、コツコツ一生懸命の選手なんです。私の言うことも一生懸命聞いてくれるので、何か力になれるなら、できるだけやってあげたいな、と思わせてしまう。それもきっと、彼のいいところでしょうね。もちろんジャンプや身体能力も素晴らしくて、大事な才能なんですが、何かを吸収しようという気持ちがあって、努力ができること、それも才能のひとつです。いくらアスリートとしての才能が高くても、努力ができない人は大成しませんから。だから南里君のそういうところ、いつもすごく感心します。彼がんばっていると、つい面倒を見てあげたくなる……そんな選手なんです。

――彼も22歳ですが念願の世界選手権初出場。真摯な戦いをじっくり見守りたいですね。
佐藤 彼の強みは、ジャンプの軸がすごく細くて、空中で身体をまとめる力があること。だから一度うまく跳びはじめたら、ジャンプに確実性があるんです。期待したいですね! 初めての世界選手権ですが、自分だけの世界に入り込まず、まわりのいろいろな人のスケートをよく見て。彼も存分にいい体験をしてくれたらな、と思います。

*さらなる佐藤有香さんインタビュー、小塚崇彦選手の振付け秘話などは4月発売のフィギュアスケートムックでお届けします

photo/Masami Morita   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年全日本選手権のSP


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全日本選手権男子フリー終了「泣く者と、笑う者と」(2)

Ajnannri_mg_3886  結果は、南里がショートプログラムの4位から逆転して3位に入り、世界選手権の切符を手にした。得点差はわずかに0.87。中庭があとひとつジャンプをクリーンに降りていたら結果は変わっていた。それほどにほんのわずかの差だった。

 試合後、中庭健介はしばらくインタビュー席に現れなかった。一度はテレビカメラの前に立ったものの答えられる状態ではなく、一旦控え室に戻り、再び泣き腫らした眼で現れて気丈に質問に答えた。「勝負の世界なので、誰かが笑えば誰かが泣かなきゃいけないというのはわかってたんですけど、負けることがこんなに悔しいと思ったのは初めてです」

 記者会見に現れた南里康晴は「言葉にあらわせないぐらい嬉しい気持ち」と笑顔で語ったが、中庭との差がほんのわずかだったことについて聞かれると「スピン、ステップの部分で少しでも点数を上げようと努力してきて、それを最後まであきらめずにやれたのが、その点差で勝てた理由だと思う」と、まっすぐ前を見て答えた。それだけの練習をしてきたという自信が感じられた。

 最後まであきらめなかったのは南里康晴も中庭健介も同じだ。努力してきたのも同じ。同じ福岡で競いあってきた2人が、同じように努力をして同じように戦った。その差はほとんど無いに等しい。それでも順位がつくのが勝負の世界だ。
 言い換えれば、3人目の代表争いがこれだけ僅差の勝負になるほど、日本の男子のレベルが上がったということだろう。初出場となる小塚も南里も、ただ出るだけではなく、来シーズンの出場枠を3つ確保することを目標に挙げた。この激しい戦いを勝ち抜いた3選手が世界選手権でどういう演技を見せるのか、今から待ち遠しい。

photo/Sunao Noto   text/Seiho Imaizumi 


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全日本選手権男子フリー終了「泣く者と、笑う者と」(1)

Ajdaisuke_mg_3759  高橋大輔は圧倒的だった。声援の大きさや応援バナーの数、そして何より演技の内容がずば抜けていた。世界の舞台で一番になるために何が必要かを考え、この全日本選手権では「4回転を2つ」という目標を掲げ、見事にそれを達成した。
 高橋大輔が別格の演技を披露した。そのことが、残る2つの枠を争う選手の心に少なからず影響を与え、そして与えなかった。

 小塚崇彦はトリプルループがすっぽ抜けてシングルになった以外は、ほぼ自分の力を出し切り、演技が終わると力強いガッツポーズを見せた。滑走順は最終グループの1番目。高橋大輔の演技を見ることなく自分の演技を終えることができた。
 もちろん、小塚自身はこのことをまったく意識していないだろう。自分の演技に集中して結果を出しただけだ。自分の演技に集中する。この一見当たり前のことがフィギュアスケートではとても難しい。

 小塚の次に登場した高橋大輔がすばらしい演技をして、観客のほぼ全員が立ち上がって拍手をおくった。得点が出るまでの間も、高得点をうながす拍手が続き、さらに表示された得点の高さに観客からはどよめきが起こった。
 その間ずっとリンクにいた南里康晴は「体がガチガチになってしまった」という。最初のトリプルアクセルは力が入ってしまい大きくステップアウト。次のトリプルフリップはなんとか降りたものの、トリプルループで転倒してしまった。
Ajkensuke_mg_4148  この転倒ですこし肩の力が抜けたように見えた。トリプルアクセルートリプルトウループのコンビネーションを含め、残るジャンプを決めて演技を終えたが、その表情に笑みは無かった。

 中庭健介はフリーで4回転を跳ぶことを決めてはいたが、心の片隅に迷いがあった。その時、控え室のモニターテレビで高橋大輔が4回転を2度成功させたことを知る。
「4回転は今シーズンものすごく不安で、正直逃げ出したくなりました。他の選手の出来具合で、最初に3-3を持ってくるということも考えたんですけど、高橋選手が果敢に4回転を2回、すごいプレッシャーの中で成功させたので、そういう高いレベルで戦うためには逃げてちゃダメだという気にさせてくれました」
 そしてリンクに現れた中庭健介は「今までで一番緊張していて、出番が近づくたびに体が震えるような状態だった」という。最初の4回転は着氷が乱れてオーバーターン。トリプルアクセルは決めたものの、その後のジャンプで細かい着地ミスが続いてしまう。必死に転倒だけはこらえたが、演技を終えた中庭の顔にもやはり笑みはなかった。

photo/Sunao Noto   text/Seiho Imaizumi 


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NHK杯3日目・男子シングルSP終了 南里康晴4位

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 25年ぶりに男子も3人の日本選手が世界選手権に参加する今シーズン。銀メダリストの髙橋大輔に続き、ワールドを狙う選手たちが続々と飛躍! そんな戦いを楽しみにしていた人も、多いのではないだろうか。
 しかしグランプリシリーズ。髙橋大輔以外の選手が、いまいちぴりっとしない。もっと跳べるはず、もっとできるはずの選手たちなのに、どうしても足踏みが続く。第一戦スケートアメリカで10位と出遅れた南里康晴も、そのひとりだ。
「アメリカの時はジャンプの調子は良かったのに、風邪で体調を崩してしまってあの順位に。だから今回、NHK杯では体調管理をしっかりしてきました。まず日頃していない手洗いとうがい! それから一週間前にインフルエンザの予防接種もちゃんと打ってきました」
 実は南里康晴のグランプリシリーズは、当初NHK杯一戦のみの予定だった。それが急遽スケートアメリカのエントリーが決まり、思わぬチャンスをつかんだというのに、ひいてしまった風邪。そのことがよほど悔しかったのだろう。
 おかげで体調万全で迎えたNHK杯。ショートプログラムの「月光」は、シーズン前からアイスショーなどで披露し、評判の高いプログラムだ。黒い端整な衣装に包まれた腕が、見えない月光を探るように、虚空を舞う。これまでの南里康晴は、ジャンプの直前にはどうしても振付けや演技がおろそかになりがちだったが、音楽を表現することに重点を置いた今年、ジャンプが頭の中にあっても身体が自然に美しい形を取るようになった。さらに得意のジャンプはトリプルアクセルを含め、3本ともクリーン! ショートプログラムが大得意だったジュニアの頃の南里康晴の勢いが、今日は戻ってきたようだ。
「NHK杯初出場だったけれど、プレッシャーはなかったですね。日本の一番手で出ているわけではないので、のびのびできたと思う」
 南里康晴のジャンプは美しい、と多くの選手やコーチが絶賛する。それを今までは、勇壮な映画音楽の中でバーンと決めて大きな拍手をもらっていたのだが、今日の音楽は純然たるクラシック。それもピアノの音色だけが厳かに響くピアノソナタだ。これが、南里康晴の美しいジャンプに、実によく合う! 豪快なサウンドトラックよりも繊細なピアノ曲こそが彼のジャンプにぴったりだったとは、意外な、でもうれしい発見だ。
「ジャンプもだけれど、ステップもうまくやれたつもりです。まだ自分の滑りを見てみないとわからないけれど」
 そう、実は南里康晴のステップは、シニアに上がって3年間で、いつの間にか味わい深いものになっていた。振付師パスカール・カメレンゴによる作品の良さもあるが、この「月光」でも、昨年のフリープログラム「カルメン」でも、お客さんはステップで大きな拍手を送る。今日は、スローパートでジャンプの美しさをたっぷり見せた後、すこし激しくなった音楽の中でサーキュラー、ストレートラインとともにレベル3のステップを披露。髙橋大輔のような派手さはないが、着実に上手くなっている脚さばきとドラマチックな上体の動きで、客席からの手拍子は次第次第に大きくなっていった。
「実はちょっとステップでは、疲れが脚に来ていたんですけれど……。でも今シーズンはレベルが取れるステップになっていると思います」
 クラシック曲が似合う美しいジャンプ。大きな見せ場にできるステップ。ジュニアの頃の南里康晴から、知らない間にずいぶん大人のスケーターになって、NHK杯に初お目見え。ひょっとしたら初めて南里康晴を見たお客さんは、とにかくジャンプが上手で、表現することなんて苦手な、シャイな九州男児のことなど、想像がつかないかもしれない。
 ワールドスタンディング順のため、2番目だった滑走順から大きくジャンプアップし、ショートプログラムは4位。明日はグランプリシリーズ出場5回目にして、初めての最終組入りが決まった。
「明日は順位に関係なく、自分の持っているものを全部出したいい演技をしたいです。フリーは去年と同じ『カルメン』。去年よりも情熱を感じるカルメンが、今年は滑れるかな」

Photo/Sunao Noto   Text/Hirono Aoshima


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日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』 発売!

Ce2008
「オフィシャルブックまだですか? はやく読みたい!」と、無良崇人選手もお待ちかねの日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック『Cutting Edge2008』、まもなく発売です。
『Cutting Edge』『Cutting Edge2007』に続き3冊目となる今年は、16歳の無良崇人選手から26歳の中庭健介選手まで、8選手のロングインタビューと多数の写真を収録。オンアイス、オフアイス、様々な表情の彼らに出会えます。

タイトル:Cutting Edge2008 日本男子フィギュアスケート オフィシャルファンブック
価格:1800円(税抜)
全国書店での発売日:12月5日
※NHK杯会場にて、先行販売中!

【contents】
髙橋大輔 金メダルのその先へ
織田信成 鳥のように飛べ
南里康晴 情熱は月の光のように
中庭健介 とどまることなき、意思
小塚崇彦 本当の1年目が始まる
柴田嶺  新たなる覚醒
町田樹  多面体の輝き
無良崇人 羽ばたく日のために

インタビュー 平松純子日本スケート連盟フィギュア部長
応援メッセージ  村主章枝、中野友加里
コーチインタビュー 長光歌子、織田憲子、河野由美、長久保裕、佐藤信夫、川越正大、秦安曇、重松直樹

佐藤信夫コーチの語る全日本選手権、日本最高の男たちの戦い 


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日米対抗フィギュアスケート競技大会2007横浜 記者会見&公式練習レポート(2)

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「プログラムへの取り組みが遅れているので、明日、どれだけできるかの不安はありますが……日本チームが勝てるように、全力を尽くします」(髙橋大輔)
「僕にとっては初めてのチーム戦です。チームの勝利の足を引っ張らないように、自分の力を精一杯出して生きたい」(南里康晴)
「日米対抗には2度目の参加。楽しみにしてきました! 日本チームが勝てること、自分もベストを尽くすこと、ふたつを目標にがんばります」(中庭健介)
 アメリカの選手たちが一様に「試合を楽しみたい」「日本で滑れてうれしい」といったなごやかなコメントを発していたのに対し、日本男子チームはそろって「迎え撃つぞ!」モード。頼もしいサムライたちは、公式練習で、はやくも火花をちらしていた。

 ジュニアからただひとりの参戦で「すごく緊張しています」という町田樹は、練習からトリプルアクセルを次々に着氷。しかも大きく力強く、代表4人中、誰よりも高く、これぞ男の子のジャンプ! という気持ちのいいアクセルを見せる。曲かけで披露したプログラムも、フリーの「白鳥の湖」。イタリア合宿時にもダイナミックかつナイーブな表現でライバルたちの注目の的となっていたプログラムだが、シニア3人と一緒に練習しても決して薄れない存在感をアピール。練習では確かめるように滑っていた難度の高いステップを、本番でどれだけ見せてくれるか、楽しみだ。
 町田樹が少年の初々しい繊細さを存分に見せた後は、中庭健介がおなじみのSP「サラバンド」で、お兄さんの成熟した繊細さを見せつけた。今年、さらに確実になったという噂の4回転も、後ろに2回転をつけ、きっちり成功。チームジャパンの屋台骨として、いっそう頼れる存在になったことを実感させてくれた。
 中庭健介とともに今シーズン初の世界選手権代表を狙う南里康晴も、負けてはいない。町田樹のような高さや軽さはないが、力強さでは一枚上手のトリプルアクセルはしっかり決め、オフシーズンにとことん滑り込んだSP「月光」を披露。これまでは海賊やカーレーサーなど、キャラクターを演じることで照れ隠しをしながら苦手な表現もがんばってきた、という印象の南里康晴だが、今年の「月光」は違う。静かなピアノの旋律に身を任せるように、激しくなったメロディーに抗うように、心の奥のパッションを表現しようとするさまにぜひ注目して欲しい。この日はジャンプの調子が上がりきっていない様子だったが、もし本番でジャンプを失敗したとしても、ステップやスピンで充分拍手がもらえる、そんなプログラムになっているはずだ。Qr2i1280_1
 そして注目の世界選手権銀メダリスト、髙橋大輔! フリーに選んだ音楽は、王道中の王道といっていいチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」。出来上がりがいつもより遅かった、というこのプログラム、まだ振りを確認しながら滑っている印象ではあるが、とにかくファンの期待を裏切らない、大輔らしい、モロゾフらしい「ロミオとジュリエット」だ。
 特に印象に残るのはプログラム中盤のムーブメント。これまで以上に手を大きく使い、青年の恋心を表そうとする様は、今年も多くの女性の心をつかみそうだ。彼が滑っていると、この曲の中ではロミオのささやきを表すと言われる、ホルンの音色がはっきり聞こえるよう。トリプルアクセルからの2回転-2回転など、ジャンプもきれいに決まり、試合での演技が早く見たくなる公式練習だった。
 が、この日のほんとうの驚きは、「ロミオとジュリエット」には、なかった。髙橋大輔ひとりだけ、2回目の曲かけがあったのだが、そこで滑って見せたのは、今シーズンのショートプログラムで滑る予定のヒップホップ風「白鳥の湖」。これがもう、何と言ったらいいのか……とにかく恐ろしい、あいた口がふさがらないようなプログラムだ。おそらく氷上で、フィギュアスケートで、こんな表現をしようとした選手はこれまでいないだろうし、表現できた選手もいないはず。なるほど、ショートでこんな動きに取り組んできたからこそ、肩が大きく使えるようなるなど、体の可動域が広がり、フリーを滑っても手足が長く見えるようになったのか、と納得がいった。この日はまだまだ肩ならし、といった風情で「どうかな?」「いいぞ!」とコーチのモロゾフとアイコンタクトを交わす。
 見る前に情報を得てしまうよりも、ぜひ実際に見て、楽しんでいただきたい髙橋大輔の「白鳥の湖」。今回のエキシビションで披露するかもしれない、とのことだ。

photo/Takayuki Honma       text/Hirono Aoshima


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男子シングル終了 南里康晴フリー12位 総合12位 あきらめない男

Nanrifco
 神崎範之、中庭健介、南里康晴。とにかく今日は日本男子3人、ほんとうに良くがんばった。
 南里康晴は結果だけ見ればフリー12位、総合12位。全日本選手権3位の実力を考えれば、ちょっと残念な順位だ。
 フリープログラム「カルメン」では、出だしのトリプルアクセルからいきなり、場内が息を呑むほどの大きな転倒。続くフリップは決めたものの、3つ目のループは力任せの彼らしくないジャンプで、着氷後に手をついたかに見えた。ここでもう、すでに体はふらふら。何とか跳んだルッツがダブルになったあと、彼はしばらく氷上をさまようように逡巡し、プログラムは中断してしまう。カルメンの運命的な音楽だけが、彼に決断を迫るように鳴り続ける……。
「最初のアクセルの転倒で、お尻を強く打ったんです。あの時はもう痛くて……止めようと思った」
 苦悶にゆがんだ表情の彼を、誰もが固唾を飲んで見守る。やはり標高1800メートルのコロラドスプリングス。男子シングルのフリーは、第一グループからプログラム途中で息切れをおこし、命からがらに滑り続ける選手が続出していたのだ。これまで途中棄権の選手こそいなかったものの、大きなアクセルの転倒でどこか痛めたようにみえる彼が、この世界一ハードなリンクで演技を続行するのは、あまりにも過酷だ。ここで止めても、誰も彼を責めはしない。
 ところが。
「今シーズンはこれが最後の試合です。ここで止めてしまって、そのままシーズンを終わりたくはなかった」
 顔を蒼白にさせながらも再び滑り出した彼に、観客たちは大声援! これはもう、演技を続けたことだけで、拍手を贈りたい気持ちだ。たとえこの後、どんなにぼろぼろの演技をしたって恥ずかしくはない。南里康晴は、胸を張って日本に帰れる!
 しかし驚きはそれだけではなかった。再び滑り出した彼がいきなり跳んだのは、最初に失敗したトリプルアクセル! しかもクリーンな着地! すごい! 
 続くサルコウ、ルッツと、予定していたジャンプは次々と、ほぼクリーンに決めていく。そうだ、これがジャンプ大国日本にあっても、屈指のジャンパーとして鳴らしてきた南里康晴の底力だ。
 ジャンプだけでなく、フラメンコの靴音とカスタネットの響く中で踏んでいくサーキュラーステップも、スピードこそないが、じわじわとカルメンの世界を作り上げていくよう。最後のストレートラインも、多少ふらつきながら、力を振り絞って進んでいく。
「お尻はずっと痛くて。でもお客さんの拍手と歓声で、がんばれたんです」
 滑りきってやる! そんな思いで演じた今シーズンの最後のカルメン。南里康晴が今までに演じたどのカルメンよりも、エモーショナルだったかもしれない。
 
 ショートで見せた、ジャンプ失敗後の渾身のステップ。フリーで見せた、中断後のジャンプ連発と最後まで滑りきる気力。07年四大陸選手権、南里康晴は2日間とも、最高の演技は見せられなかった。しかし2日間とも、最後まであきらめない男だった。

写真/Leah Adams   文/Hirono Aoshima


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男子シングルSP終了 南里康晴 11位 成長の証

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 四大陸選手権には、ニュージーランド、メキシコ、南アフリカといった、ふだんあまり見かけない国の選手たちもたくさん参加している。そして彼らの多くは、ジャンプが2回転になってしまったり、スピンやステップのレベルがとても低かったりと、技術的にはなかなか世界の表舞台に立ちにくい選手たちだ。でも彼らの中には時々、フィギュアスケートとしてはいまいちだけれど、なんだか見ていて面白い、芝居っ気たっぷり、その人にしか作れない世界が広がる、そんな魅力を持った選手たちがいる。ジャンプは跳べなくても、人前に立つことが大好きで、このスポーツを続けているんだよ、そんな気持ちが伝わってくるような。
 彼らの演技、スケートの技術よりも強いアピール力で目を引く演技を見た後では、南里康晴の演技は、少し薄味な感じがしてしまった。
 今シーズン、見せるスケートを意識して大きく成長。全日本選手権でも念願の表彰台に上った彼だが、やはりまだまだシャイな九州男児だ。でも、南里康晴には彼らにはないスケートの技術がある! 特にジャンプの切れ味は、見る人をびっくりさせてくれるはず! ……だったのだが、この日はそのジャンプに精彩を欠いてしまった。
 3回転-3回転はフリップでバランスを崩しかけたが、なんとかトウループをつけ、ひとまずOK。しかしトリプルアクセルは両足着氷、最後のルッツにいたっては、シングルに。得意のショートプログラムのはずなのに、ほんとうに彼らしくないジャンプを見せてしまった。
「6分練習(ウォームアップ)がすごく良くて、『やってやろう!』という気持ちになったんです。でもその気持ちが空回りしてしまった。スタミナ的にはコロラドに来て3日目なので、高地でもそんなにきつくはなかったんですが……」
 ルッツでの大きな失敗を見て、これは……思ってしまった。気持ちも、ここでへこんでしまうに違いない、このまますっきりせずに終わってしまうのだろう……と。
 でもこの日、南里康晴が今シーズン取り組んできたことは、ジャンプミスの後に発揮された。最後のストレートラインステップ、これが、とても気持ちの入ったいいステップだったのだ! 大きな腕の動きで、最後のツイヅルで、おっ! と思った。ジャンプの失敗で離れかけた観客の目を、もう一度引き寄せるステップ。前半に感じた「薄さ」などもうなく、アピール上手の選手たちにも負けない、見せるスポーツの醍醐味を味わわせてくれた。
「ジャンプが跳べなかった分、ステップはがんばろうと思ったんです」
 顔は曇らせたままだったけれど、きちんと気持ちを入れ替えたそのときのことを、彼は振り返った。
 これはひょっとしたら、無難にノーミスの演技をするよりも、彼にとって貴重なショートプログラムだったのではないだろうか。ジャンプが武器の彼が、ジャンプがダメだった時も、ステップで力を出せたこと。本人にとっては不本意極まりない結果だったけれど、決して諦めないで踏んでいったステップに、今シーズンの南里康晴の成長を見たような気がした。
「フリーは、今日出来なかった分、納得のいく演技をしたいです。いい演技をして、後の選手を待つ。することは、それだけですね」

写真/Leah Adams   文/Hirono Aoshima


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日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック『Cutting Edge2007』発売中!

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 昨年に引き続き、日本男子シングルトップスケーター10名のインタビューと写真を収録したファンブック『Cutting Edge2007』が1月、発売されました(予定より大幅に発売が遅れましたことをお詫びいたします)。

CuttingEdge2007 日本男子フィギュアスケートオフィシャル ファンブック
ダイエックス出版刊
A4判
定価 1,890円(税込)

■インタビュー
高橋大輔 「氷の上に立つからには、ナルシストでなくちゃいけない」
織田信成 「なにごともスケート中心。その点は僕、すごいですよ」
中庭健介 「まだまだやりたいことはたくさん。今、スケートがほんとうに面白い」
小塚崇彦 「最後まで絶対にあきらめない。この気持ちだけは大事にしたい」
南里康晴 「欲しいのは力強さ。伸びたり縮んだり柔らかくなったり硬くなったり、自在な強さ」
神崎範之 「研究を続けながらフィギュアスケートも続けてこられた、そのことは僕の誇り」
無良崇人 「スケートをやめちゃったら、今の友達もなくなっちゃう。今の自分もなくなっちゃう」
柴田嶺   「リンクに立つときは、完璧じゃないとイヤなんです」
小林宏一 「もう、人のことは気にしない。自分のできることをやれば、結果は必ずついてくるから」
岸本一美 「期待をかけられること、早く演技見たいといわれることが、辛かった」

■荒川静香、日本男子スケーターのここをチェック! 
■応援メッセージ FROM 恩田美栄/本田武史 

 選手たちの考えていることや感じていることを知れば、演技の見方は変わるでしょうか?
 スケートだけを純粋に楽しみたい方には、オフアイスの素顔やオフシーズンの裏話など、ひょっとしたら邪魔になってしまうものかもしれません。
 でも、あのきらきらした演技を見せる彼は、氷の上で何を考えているのか? 
 どんな練習をしたら、あんなに気持ちのいいスケートを滑れるのか?
 彼らのスケートを見ていたら、色々なことを聞いてみたくなって、この本は生まれました。

 言葉と写真で伝えられることは、彼らの魅力のほんの一部にすぎません。
 インタビューを読んで「がんばったんだなあ」と感じたら、その何10倍、選手たちはがんばっています。
 「辛かったんだな」と感じたら、その何10倍も辛かったのでしょう。
 そして、「なんて素敵な選手なんだろう」と思ったら、その100倍、彼らは素敵な選手たちです。

『Cutting Edge2007』を読んだ方の心なかで、選手たちを応援する気持ちがちょっとずつでも大きくなるといいな、と思っています。

*女子シングルオフィシャルファンブックも、予定とは少し違う形になりますが、発刊が決定しました。
こちらも大変お待たせしてしまったことをお詫びいたします。詳細が決定次第、お知らせいたします。


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2006全日本選手権 男子シングルSP・南里康晴3位  3番手をめぐる戦い

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「高橋・織田のワンツーは固いかもしれない。さて、3番手は誰だろうね?」
「小塚? 中庭? 南里? それとも無良が来るかな?」
 そんな会話が、27日は記者室のあちこちで交わされていた。たぶんフィギュアスケートを良く知るファンの間でも、同じだっただろう。
 男子シングル、3番手。
 残念ながら今シーズンの世界選手権出場は2枠。ひょっとしたら東京ワールド出場のチャンスはないかもしれないが、バンクーバー五輪までに日本の男子シングルは必ず3枠になるだろう。来年、再来年を見据え、オリンピックを狙うためにも、ぜひ名乗りを上げておきたい日本の3番手。いまや世界のトップクラスで競う、高橋大輔、織田信成を追う地位。そのポジションを狙って、たくさんの男たちがこの日を迎えた。

 南里康晴も、彼らのうちの一人だ。
「この2人(高橋大輔と織田信成)に負けて世界選手権いけないのは納得です。だけど他の選手に負けて行けないのは、嫌だ」(『Cutting edge2007』より)
 それはつまり、最低でも3位に入り、表彰台を狙いたい、ということだ。
 決意も固く挑んだショートプログラム、「ヤスがんば!」「やっちゃんガンバ!」と大きな声援が跳ぶ。声の先には、ジュニアをともに戦ってきた前川忠儀さん(04年引退)の姿もあった。そうだ、この舞台に立つために、3番手争いに名乗りを上げるために、たくさんの青年たちが、フィギュアスケートに毎日をかけてきたのだ。
 音楽は、「自分が好きな曲だったから、リメイクしてもう一度チャレンジしました」という「two guitar」。
 体に染み込んでいるはずの音楽だったが、スケートアメリカでも、エリックボンパール杯でもミスをしてしまったジャンプ。しかし今日は、3-3がやや両足着氷気味になったものの、とりあえずすべて成功! 軽快な音楽の中でレベル4がとれるようになったスピンもしっかり回り、ツイヅルも「気持ちよさそう!」と思わせるまであともう一息というところだ。
 ただ、圧巻だったのは最後のストレートラインステップ!
「もう最後は、脚、ガクガクでしたよ、ツイヅルも滑ったような感じになってしまって……。でも、最後に失敗しないように、と思ってふんばりました。見ている人がいいといってくれるなら、良かったのかな?」
 と、本人はまだ納得の出来ではないようだが、脚に気をとられながらも、腰に手をシャッとあてるポーズ、頭をブンッとふるしぐさ。そんなところも大切にひとつひとつを決めながら、素晴らしい勢いで駆け抜けていく様は日本の3番手にふさわしいステップだった。

「今シーズン初めてノーミス。満足しています。フランスの試合が終わってから、少しずつ気持ちを切り替えてきました。スケートアメリカの最下位は……悔しかった。最下位、初めてだったんですよ……」
 そのスケートアメリカ、優勝したのは織田信成だ。ジュニアでは常に競い続け、負けっぱなしでは決してなかった相手。2番手との間の大きな差、これを何とか埋めたいという気持ちが、全日本選手権までの南里康晴のモチベーションに繋がったのだろう。
 ジャンプの安定感や確実なスピンなど技術的なこと。そればかりでなく、人に訴えかける力。少しずつだが南里康晴も、彼と同じく3番手を狙う選手たちも、身につけつつある。
 今はまだ3番手争い。でも、3番手で終わるつもりは、南里康晴にはないはずだ。

写真/Keiko Asakura  文/Hirono Aoshima


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祝・織田信成 スケートカナダ銅メダル! 日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック「Cutting Edge」発売!

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スケートアメリカでの高橋大輔初優勝に続き、スケートカナダでも織田信成がグランプリシリーズ初参戦、初表彰台! ケガから復帰した本田武史も第4位!
たったひとつのトリノ五輪男子シングル出場枠をめぐる戦いも、いよいよヒートアップしてきました。
またジュニアのグランプリシリーズでは、柴田嶺がアンドラ大会で優勝、小塚崇彦が岡谷大会で優勝。ふたりがファイナル進出を決めました。

そんななか、日本を代表する男子シングルスケーターのフォト&インタビュー集「Cutting Edge」がダイエックス出版より発売されます。
登場する選手たちは総勢9名!

織田信成 
「目指すスケーターはいない。自分が誰かに目指されるスケーターになる!」
高橋大輔 
「人に見られるのが好き。氷の上に立ったら、他の人じゃなく、俺を見て欲しい」
南里康晴 
「うまいやつらがみんなが着ていたジャパンジャージ。最初は、あれが欲しかっただけ」
岸本一美
 「男らしいスケートだと言われること――それを誇りに思っている」
本田武史 
「どんなに苦しんでも、ケガをしても、スケートを嫌いになることはできなかった」
中庭健介
 「満場のお客さんの前でいい演技ができたときの快感。あの瞬間のために、スケートをしている」
柴田嶺  
「氷の上で自分をどれだけ表現できるか、それがフィギュアスケートの醍醐味だと思う」
小塚崇彦 
「怪我をした時に思った――自分はやっぱり、スケートやってないと何もないんだなあ」
小林宏一 
「もう僕にはスケートしか考えられない。遊んでいても、常にスケートのことが頭を離れないんです」

フィギュアスケートという悪夢と快楽にすべてを賭けた男たちの言葉にぜひ耳を傾けてみてください。
城田憲子日本スケート連盟強化部長インタビュー、村主章枝選手&恩田美栄選手からの応援メッセージも収録。
11月下旬、全国書店にて一斉発売。NHK杯会場でも販売予定です。

日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック「Cutting Edge」
ダイエックス出版刊
B5判 96ページ
定価1800円 (税別)

*ついでに宣伝です。ライター青嶋とイラストレーターさのともこさんの本『大人の社会科見学』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)も発売になりました。フィギュアスケートとは何にも関係ないはずの本ですが、どさくさにまぎれてスケートのことも少しだけ書いています。スケートファンの方もぜひ読んでみてください


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